【白猫】Brave The Lion 3 Story2
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目次
story6 りんごをもらおう
……この島は、果物が特産なのかしら?
美味い。
ちょっとおにいさん!?お代、お代!
失礼。つい、な。では……ひとたる買おう!!!
……いや、一つ分の代金でいいからさ。おかしなテンションのおにいさんだな……
なぜ拒む?
なぜそんなに買おうとするのさ?持て余すだろ?
たしかにな……
まいど~。
……あんた、なにしてんの?
わからないか、ダグラス。
へ?
……りんご?
……はぁ……あなた、どれだけ平和ボケしてるのよ……
いや、いまのオレか!?バイパーの行動がわかりづらいからだろ!
ずいぶん慣れていたな、今の男。
だな。商売上手ってカンジだったぜ。
…………はぁ……!
ちがう?
どうしてあんなに、旅行者に慣れてるのかしらね?
そりゃ、人通りの多い繁華街だから……じゃあなくて……
……そうか。この島は、最近まで閉ざされていたはずなのに……!
嘘ばかりだ。嫌になるな。
てことは……!……どういうことだ?
…………
いや、わかった!未開の島だと思って油断は出来ねえってことだな?
それは最初からしないで。
まあ、軽く当たりだ。
重い当たりもあんのか?
さあどうかな。……そろそろ探すぞ。この付近のはずだ。
味方がいるって話だったか?
ああ。後進の育成も兼ねる。
そんな余裕あんのかよ?
なくてもやる。……俺たちの世代だけで、終わるとも限らんのだからな。
story7 駆けよ風
暴れ馬だ~!!!
なんの騒ぎだ。
あっ、おじょうちゃん!?危ないから、建物の中に!
暴れ馬か。
ダメだよ、下がりなって!
いや。出る。
え!?
はーっ!!!
!?
どうどう。
『…………
…………
ありがとうよおじょうちゃん……!突然こいつが走り出して……
馬に突然などない。
……へ?
お前が、走らせたのだ。
……はぁ?
馬も考える。幸せについて、な。お前にこいつを飼う資格はない。
はぁ!?
翔べ!お前は、自由な風だ!
……!!!???馬ドロボ~~!!!
story8 矛を取れ弟よ
良いぞ、そうだ、涼風。お前は涼風だ。
『…………
どうした?
『…………
ふ……そうか……
戻るがいい。お前は自由だ。名も、捨てよ。
『…………
行け!
『……ヒヒィ~ン!
さらばだ……涼風……
……はぁ……はぁ……!姉貴!何やってんだよ!馬、盗むなよ!
涼風なら帰った。いっとき、共に駆けただけのこと。
その理屈が持ち主に通じればいいんだけどなあ。
涼風とは心を通わせた。語ればわかるはずだ。
馬が語ればね……
あ~あ、どうすんの?ペンタ様、町で待ってろって言ってたじゃんよ~?
何を嘆く、弟よ。再び戻ればいいだけだ。
目立つなとも言ってよな?
弟よ。
なんだ、姉貴。
忘れてた。
頼むぜ~!
!
魔物だと……!?
ちっ……!いくぜ、姉貴!
持て。
ああ!?
我ら、<竜守り>は、法王オズマ様の命により、<竜の里>を、そこにいる一族を守る。
なぜならそれは……<いまある世界を守る>ことに他ならないからだ。
いま論じることか!?
時とか場とか!
敵見えてるよねー!?
さあ矛を取れ弟よ!名もなき一つの個人でも――
――<志>が!魂を押し上げ、一騎当千の武人にするのだ!
やる気がありゃあ強いってことだろ!?わかってるよンなこと!
ならばよし!
へへ……!オズマ様……!俺ら姉弟の実力を――――証明してみせるぜ!
story9 ときの声を上げよ
勝利だ!ときの声を上げよ!
やんねーよ!また敵来んだろ!
また来たとて!
あのなー!
…………
……なにしてるの?
あっ……セラさんと……バイパーさん……
……あっちゃぁ~……
…………
何が狙いだ?あるなら聞こう。
えっ?
ガチガチに固めた<ルール>を押しつける気は、いまの俺にはない。馬で駆けたい時もあるだろう。
その結果、何がどうなる?敵に発見されるというリスク以外に、先程の行為がもたらすものはなんだ?
…………
……ごめんなさい……
……ガキが……いい加減にしろ。
俺やオズマの真似事は百年早い。弟まで巻き込んで、英雄ゴッコか?遊びじゃない。
……はい……
バイパー。でも、この子たちを探す時間が省けたじゃない?
結果論だ。
結果が味方してくれるのも才能の一つじゃないかしら?
……セラは、甘くなったんじゃないか?
変化したのよ。あなたと同じで。
フン……この件はもういい。セラに感謝しろ。
すみませんでした……
もういいって言ったでしょ?作戦に支障はないわ。
ショウ。ペンタは?
あ、はい。ペンタ様でしたら、先にどこかへ行くと。
ちっ……!デカい図体で、あいつもガキだからな……
お前たち。今回の俺たちの役割を説明する。……前に。
お、いたいた。ゆっくり来いって、なんだったんだよ?
ちょっとね。
後輩を叱ってたのか?
鋭いじゃない。
ほどほどにしとけよ?見たトコ、まだ子供じゃねえか。
もう戦士の歳だ。言いわけは通用しない。
…………
……なあ、バイパー?
弁護など聞かんぞ。
オレ、まだ1、2歳くらいなんだけど?
クローンだから別だろ。
おい!?本人に対して、そんな言い方するかフツー!?
する。お前なら、もう平気だ。
ちっ、いいけどよ……まったく気にしてないわけじゃねえんだかんな……
場所を移す。ついて来い。
ヘーい。よお、オレはダグラスってんだ。お前らは?
ショウです!
ケイです。
よろしくな!こいつら、一見怖いかもしれねえけど、いい先輩だと思うぜ?
余計なことを……
ホント、ボケボケ……さっさと戦場に放り込まなきゃ……
story10 食える時に食え
……ガツガツムシャムシャ…………お前らは……!
はい!ごちそうになります!
ウマイっすよバイパーさん!このソーセージ!なんか香りが鼻に抜けるんです!
……怒る気にもなれん……
あんたらは食わねえの?
ここが敵地だって覚えてる?
つったって、ピンポイントでこの店が敵の店ってことはねえだろ?
……緊張感が足りん……!食べ物に何かが混ぜられている可能性を、なぜ考えない。
バイパーさん、こんな言葉があるっす……!
『ウマイもんは、毒じゃない』
ハァ……!
お前ら良く食うなあ。腹減ってたのか?
食べられるときに食べておくクセがついてまして……
明日も食えるとは限りませんからね。
苦労してきたんだなぁ……
……セラ。
はいはい。
バイパーさん、お手洗いっすか?
連絡でしょ。
ん?他にも仲間がいるのか?
そのあたりも説明するつもりだったけど、バイパーは後に回したようね。
す、すみません……
悪くもないわ。ここの料理に不審な点はないし……
バイパーもね、ちょっとハリギリすぎ。気持ちはわかるんだけどね……
<闇>が憎い、ってことか?
それもあるでしょうけど……退魔士をやめて、久しぶりだから。こんな大きなミッションは。
飢えていたのよ、彼……
バイパーさんも貧乏なんすか!?
彼は小金持ちよ。
なんと!
ほら、半端に話に混ざらないで、さっさと食べちゃいなさい。戻ってきたときにまだ食べてたらさすがに怒られるわよ。
はい!
story11 へばりついた砂糖
……遅くねえか?
……そうね。
バイパーさんの身に、何かあったのでしょうか……!
心配だな。
!?!?し、心配だなんて、別に、そんな!
あン?
姉貴よ……
口をつぐめ、弟よ!
ヘイヘイ……
……にしても、ちいっと遅すぎ――
!?
蒼き馬の乗り手……滅びを宣告するあなたが、ここへ来てしまった事実……
混乱し動揺しています。
……いつの間に……!?てめえ、ナニモンだ!
私めは溶けかけたドロップ。底にへばりついた砂糖です。名を、シュガー……
シュガー……?似合わねえ名だな。
似合ってしまうなど恐れ多い。私めは、あなたほどに意味のある名を欲していないのです。
おお……死神……あなたが手綱を寄せれば、瘴気のなびき、黒の大地も清浄に……
なんと慈悲深いことでしょう。
オレのこと言ってんのか?
なんだこいつ……?何を言ってるんだよ……?
私めの言の葉など、カタツムリいっぴき動かしもしません。
ワケわかんねえ……!
わかる必要はないのです。私めは馬を殺しに来たのです。乗り手ごと谷に突き落とすのです。
――このように!
<闇>の手先か!?
さほど格式ばったものではございません。ただ、私めは<黒の民>――
<黒の民>……?
遥か古代……地をはいずり、<闇の王>の支配を受け容れた脆弱なる民の末裔にございます。
やはり<闇>ではないか!
……ククククク……!なんとさもしい世だろうか……皆、口を開けば騒ぎ立てる、『我こそが白だ、光だ、正義だ』……
――だからオレは高らかに叫ぶのだ!そうオレは<黒の民>!悪と断じろ!糾弾しろ!
……ナァアニが違うってんだァ?
へぇ、逃げも隠れもしないってワケかい。たしかに、白も黒もねえかもな。
共感感謝する!ここで死ね!
急かよ!?
ヒャァッハハハ~♪