【白猫】騎士たちの競宴 Story
主な登場人物
クライヴ 騎士の家系に生まれ英才教育を受けた、真面目で実直な青年剣士。 | |
ブライ 騎士団の副団長を任されている魔法使い。良家の子息で、豪華な装備を身につけている。 | |
ヴィクトール <氷の国>の騎士団長の青年。圧倒的武力により、騎士団を統率する。 |
Story1 おねがい騎士団
元気にしてるようだな。
キャトラ
クライヴじゃない。どうしたの?
実は、頼みたいことがあるんだ。
***
アイリス
〈氷の国〉と〈バルラ城塞王国〉の交流……
アイリス
バルラ島の〈王立騎士団〉と
氷の国の〈北方氷槍騎士団〉……仲良くできるかしら?
そこなんだ。聞いた話によると北方氷槍騎士団は荒くれ者の集まりらしい。
元王立騎士団の俺が仲介をするよりおまえたちの方がスムーズに運びそうなんだ。
力を貸してくれないか?
アイリス
キャトラ、主人公、どうする?
主人公
――♪
キャトラ
かまわないわよ。
助かるよ。断られたら、ソフィ殿の俺に対する評価が下がるところだった。
アイリス
下心は、きちんと隠しなさい。
国のことだってちゃんと考えてる。
双方の代表と事前に会談がある。そこで企画をまとめる予定だ。
いろいろ頼むよ。
***
やあ、諸君、久しぶりだね。
アイリス
ブライさん、こんにちは。
エイス
あらあら、アイリスちゃん、今日もべっぴんさんやね~。
飴ちゃんあげよか?
…………
キャトラ
あいかわらず、だんまりね、ヴィクトール。
……ブライ、どうしておまえが?
副団長までバルラを離れたらまずいんじゃないのか?
なにを言ってるんだい、クライヴ。
ボクは国の復興を任されている。他国との交流も復興のうちさ。
王立騎士団副団長で超エリートなボクに任せてくれよ!
キャトラ
きちんと復興進めときなさいよ。
華やかな仕事はボクにこそふさわしいのさ。
氷の国にもボクの天才っぷりをアピールしないとね♪
クライヴ、キミもそう思わないかい?
……ヴィクトール殿、
ソフィ殿は俺のことを、なにか言ってませんでしたか?
クラァァイヴ!
どうしてボクを無視するんだ! 幼馴染だろ!
エイス
ようわからんけど、話、進めよか?
ウチらとしても、バルラ城塞王国と仲良うしたいんよ。
でもなぁ、問題が多いねん。
ウチの騎士団の子ら、ただの親睦会で納得せぇへんと思うんよ。
なんでもええから戦わな仲良うできん子らや。
キャトラ
アンタたち、脳筋だものね……
それを言うなら、ボクの部下もエリートの集まりだ。
無作法な連中と相容れないよ。文化的な親睦会じゃないとね。
……水と油だ。
エイス
せやから、親睦会では仲良うなれるようなイベントやらなあかんと思うんよ。
知恵貸してくれへん?
アイリス
イベントですか……
主人公
――!
何か思いついたのか?
主人公
――♪
story2 あらぶる騎士団
北方氷槍騎士団
やってやるぁぁぁぁ!! 戦じゃあああい!!
キャトラ
だから、今日は戦じゃないわよ!
王立騎士団
バルラの騎士道大原則!! 常に優美で優雅たれ!!
レディ、我らが剣を預けます!
アイリス
あ、あの、こんなにたくさんの剣を預けられても困ります……
主人公、誤解しないでほしいんだが
王立騎士団全体の気風とブライの部下たちの気風は違うぞ。
ま、ボクの供回りには、エリートとして必要な礼儀作法を徹底しているからね。
エイス
でも、アンタんとこの子ら、アイリスちゃんに剣、預けすぎやで。国への忠義はええの?
オフィシャルな剣は国家へ。プライベートな剣は愛する女性へ。
それが騎士道というものだろ? なあ、クライヴ。
ヴィクトール殿、ソフィ殿は元気ですか?
クラァァァァイヴ!
ボクと会話するんだ、クライヴ!
一応、キミの上官だぞ! 偉いんだぞ!
……クライヴ殿、バルラでは騎士の剣が複数あるのか?
世界と愛する女性、二つを救わなければならない時、
剣が一つでは足らないでしょう? そういう意味です。
……高い理想だな。……だが嫌いではない。
おい、クライヴ! ヴィクトール殿と交流するのはボクの役割だぞ!
まあ、キミがボクら司令官クラスの会話に混ざりたいって言うなら、
幼馴染として許してやってもいいけどね?
その槍が〈永久氷槍〉と呼ばれる槍ですか……
……家宝だ。
クラァァァイヴ! そういうのはボクの役割だぞ!
ヴィクトール殿も、もう少しボクを尊重してもいいんじゃないかな!?
北槍騎士
ああっ!? おんどりゃあ、ワシらの団長のやり方が気にいらんんけ!?
なっ! い、いきなりなんだ!?
王立騎士
おい! 坊ちゃんがピンチだ!!
集合っ!!
北槍騎士
なんじゃい!
やるんか、こるぁぁ!!
王立騎士
エリートをなめるな!!
権力と人脈で叩き潰せるんだぞ!
キャトラ
案の定ね。早速トラブルが起きてるわ。
っ!
ドスッ!!
……騒ぐな。
北槍騎士
はいっ!
キミたちもエリートとして恥ずかしくないのかい?
エリートは高貴なる者の務めを忘れちゃダメなんだぞ!!
王立騎士
常に優美で優雅たれ!!
……一応収まったが、大丈夫なのか?
…………。
アイリス
あの……来賓の方々がいらっしゃいました。
エイス
ほな、挨拶せなな。行くでヴィクちゃん。
……クライヴ殿も。
では、ご一緒しましょう。
ボクを置いてくな! 待つんだ、クライヴ!!
北槍騎士
…………
王立騎士
…………
北槍騎士
飼い犬どもが、ぶっ潰してやる。
王立騎士
野良犬が吠えるな。躾けてやる。
story たのしい騎士団
アイリス
宴もたけなわですが、続いて特別イベントを開催したいと思いますっ!
たけなわ ※物事の一番の盛り。
キャトラ
三本勝負よ! アンタたち、勝負とか好きでしょ!!
北槍騎士
白黒つけたらぁっ!
王立騎士
逃げるは騎士にあらず!!
キャトラ
一回戦は歌自慢勝負よ!!
アンタたちの歌で、みんなを楽しませなさい!!
まずは王立騎士団!!
そういうわけだ。歌うよ、キミたち!!
エリートたる者、どんな技術も常にハイスペックじゃないとね!!
王立騎士A
しかし、坊ちゃ……じゃなく、副長殿、なにを歌うんですか?
クライヴ、答えてやれ!
って、クライヴがいないだと!? どこに行った!?
王立騎士B
あっちの王女様と話してます。
ボクが騎士団に居場所を作ってやってるってのに……
そんなんじゃあ出世できないぞ! クラァァァイヴ!!
王立騎士団
C(……出世するもなにも、クライヴさんって騎士団、抜けてるよな?)
D(……言ってやるな。)
E(まあ、坊ちゃんのためにも、負けるわけにはいかない。気合いれるぞ。)
((おおおおっ!!))
***
エイス
なっ! マーチングバンドやん!!
これが、王立騎士団の鼓笛隊だ!
この日のためにプロの音楽家を雇っておいたのさ!
……いい音色だ。
エイス
せやな。悔しいけど、ごっつええ演奏や。さすがはプロの技やで……
さあ、みんな! 声を合わせて歌うんだ!!
王立騎士団
~♪ ~♪
北槍騎士B
演奏は良くても、声はひでぇな。
俺の美声を聞かせてやるとするか。よっしゃ、歌うぎゃっ!
……殴る前に言っておく。黙って聞け。
北槍騎士A
はい……
(殴ってから言わんでください。)
***
エイス
次はウチらの番や。
演奏はすごかったけど、歌ならウチらも負けへんで!
気合いれな、あかん!
北槍騎士A
しかし、ワシらには楽器がありやせん。
派手さで負けちまいやせんかい?
…………
エイス
ヴィクちゃん、なんか喋らな……
北槍騎士B
団長の気持ちがわかっちまった!
こうおっしゃりたいんですね! 陣太鼓を使えって!!
北槍騎士C
なるほどな! こっちには法螺貝もあるぞ!!
北槍騎士A
団長! 要するにこれも戦だってことですね!
てめぇらぁ、戦の準備じゃああっ!
キャトラ
なに、この音……法螺貝?
エイス
アイデアとしては悪ぅないんちゃう?
進軍したくなりそうやけどな。
……歌え。
北方氷槍騎士団
~♪ ~♪
け、けっこう、うまいじゃないか。
圧巻だな。力強い歌声だ。
北槍騎士A
(ほ、法螺貝に陣太鼓……
ワシの戦人としての血が……疼きだす……)
北槍騎士B
もう我慢できん! 地沸き、肉踊るんじゃああ!!
あいやぁぁぁぁぁぁぁ♪
っ!!
北方氷槍騎士団
戦じゃあああああああ♪
歌え、戦え♪ 薙ぎ払えぁぁぁっ♪
キャトラ
ぎにゃー!
アンタたち、落ち着きなさい!! 暴れんじゃないわよー!!
story4 わらう騎士団
…………
北方氷槍騎士団
つ、強ぇ……
……なにあれ?
王立騎士A
坊ちゃん、どうしたんですか? そんな青い顔して。
あっちの団長、強すぎないかな?
人を片手でブン回してたよね?
ていうか、一人で全員、倒してるんだけど?
俺も噂に聞いていたが、まさか、これ程とはな。
さすがは〈北方の氷牙〉と呼ばれる騎士だ。
デタラメだろ、あの強さは!!
王立騎士B
確かに無茶苦茶ですが、坊ちゃんだって魔法の腕は一流ではありませんか。
王立騎士C
そうです。坊ちゃんは私たちの指揮官です。
この程度のことで怖気づかないでください。
怖気づいてなどいないっ!
そうだ、ボクはエリートの家系! ブライ・マグマイアだ。
大丈夫! ボクに不可能はない!!
クライヴ! あとは頼んだよ!!
王立騎士A
坊ちゃん、そこは自分でどうにかする流れです。
なに逃げようとしてるんですか?
王立騎士B
あなたはやればできるのに、すぐにヘタレる!
メンタル、弱すぎやしませんか!?
違う! これは作戦だ!!
次の勝負は宴会芸! クライヴにうってつけだ!!
王立騎士C
そうなんですか? クライヴさん……
……完全に無茶振りだな。
宴会芸なんて、したことないぞ。
王立騎士A
坊ちゃん、クライヴさんに無茶振りばかりするから、避けられるんですよ?
いつ誰が避けてるって言ったんだ! そんなはずないだろ!!
言ってやれ、クライヴ!!
……避けてはいない。
かかわらないようにしてるだけだ。
ほらな! ボクとクライヴは幼馴染なんだぞ。……え?
まあ、ブライの尻拭いは慣れている。
俺もバルラの騎士だ。宴会芸勝負、やってみよう。
クライヴ!
かかわらないようにしてるってどう言う意味だ、クライヴ!!
いくぞ、ヴィエム。
ヴオオオオン!!
クライヴ!!
待ってくれよ、クラァァァイヴ!!
***
北槍騎士A
すごかったな、あのドラゴン……
北槍騎士B
あれ、本当にドラゴンなのか?
ドラゴンの形をした、何か別の……
エイス
ヴィエムちゃん、しばらく見ぃひんうちに、立派になったわ……
ウチも負けてられへん!
行くで、ヴィクちゃん! ウチらの漫才で、大爆笑や!
……漫才?
……俺にできるのか?
エイス
これが台本や。ヴィクちゃんは黙ってればええ。
ウチがそんなヴィクちゃんをイジる。それでつかみはOKや!
…………
キャトラ
次は北方氷槍騎士団の宴会芸よ!
エイス
はい、皆さん、よろしゅうな。
ウチら、これから漫才すんねん。ウチがエイスで、こっちが……
北方氷槍騎士団長ヴィクトールだ。
漫才などやったことはない。
笑いも理解できない。だが、努力はする。
いや、正確には笑いに限らず他の感情も一切共感できない。
だが、一発ギャグというものに全力でトライしてみようと思う。
エイス
ヴィクちゃん、なに言うてんの!?
そんなん台本にないやん!
ていうか、いつもの無口っぷりはどこにいったん!?
……台本は読んだ。
だが、なにが面白いのかわからなかった。
ならば俺が足掻くしかあるまい。
エイス
人の気持ちがわからんヴィクちゃんに、笑いのなにがわかるん!?
わからないこそ、ここで試してみようと思う。
一発ギャグだ、傾聴してくれ。
エイス
あかん! それ、絶対、あかんやつや!!
『黙っていたが、俺は――女だ。
…………嘘だ。
これが本当のドラゴンライアー。』
シーーーーン
エイス
寒いとかやない! もう怖い!! ウチ、耐えられへん!
わかった、別バージョンだな。
『おい、エイス、火を貸してくれ。
これが本当のドラゴンライター。』
シーーーーン
北方氷槍騎士団
お前ら、全員笑えやぁぁぁぁっ!!
ぶっ潰すぞ、こるぁぁ!!
王立騎士団
お前らだって笑ってないだろ!
この空気、どうにかしろよ!!
エイス
…………
ドラゴンライラ、というパターンもあるんだが……試すか?
エイス
ヴィクちゃん、心臓強すぎや……
story5 うるさい騎士団
キャトラ
ヴィクトールたちの二連敗ね……
北方氷槍騎士団から、負けは認めないという抗議の言葉が……
あいつら、ムチャクチャね。
アイリス
北槍騎士団の人たちが武器まで持ってきてるみたいで……
王立騎士団の人たちも戦の準備を……
このままだと本当の戦争になりかねないな……
キャトラ
しかたないわね。三本目を取ったほうが勝ちってことにしましょう。
そっちのほうが盛り上がるし。
それが妥当だな。俺のほうでブライを説得してみる。
それで、三本目の勝負の方法はなんだったかな?
キャトラ
代表者同士の〈叩いてかぶってじゃんけんぽん〉よ!
***
クライヴがどうしてもって言うならボクはかまわないよ。
そうか。助かる。俺は準備があるから、これで。
クライヴ、待て! クラァァイヴ!
……まったくアイツは困った奴だな。
王立騎士A
坊ちゃん、安請け合いして大丈夫なんですか?
問題ないよ。エリートとしての余裕ってやつを見せないとね。
王立騎士B
ですが、相手は、あの〈北方の氷牙〉ですよ……
***
エイス
もう負けられへん!
特訓やで、ヴィクちゃん!
……じゃんけんぽん。
北槍騎士
あ、負け……
次……
……なに、あれ?
王立騎士A
あれが〈北方の氷牙〉です。
いやいや、デタラメ過ぎるだろ!ピコピコハンマーで人が飛んだぞ!
兜もひしゃげてたし!どういう理屈だよ!
王立騎士B
じゃんけんで勝つしかありませんね。
そ、そうだな。じゃんけんで勝てば……
あの人、さっきからじゃんけん10連勝してるんだけど?
王立騎士C
……達人は手の動きでなにを出すか見切れると聞いたことがあります。
……は、ははははは。
王立騎士団
D(これは、坊ちゃん、死ぬな)
E(俺たちが止めても、どうせ名誉だメンツだとか言って、きかないだろうな……)
F(坊ちゃんのために我々が一肌脱ぐしかないか。)
***
キャトラ
それじゃあ、最後の対決よ!
これで勝った方が勝ち!
泣いても笑っても、ラストだからね!
王立騎士団
ちょっと待ったぁっ!
いきなり、どうしたんだよ!?
王立騎士A
やっぱり納得いきませんね。俺たちが勝ってるんですし。
北槍騎士A
ああ!? てめぇら、認めてただろうが!!
王立騎士B
勝ちは勝ちだ。お前らが納得いかないからとルールを覆した。
それを認めるわけにはいかない。
北槍騎士B
吐いた唾、飲むんじゃねぇぞ……
まずいな、一触即発の雰囲気だ。
村人
た、助けてください!
エイス
どないしたん?
村人
村が、魔物に……
エイス
なんやて! えらいこっちゃ!!
アイリス
助けに行かないと!
北槍騎士A
お言葉ですが、信用できねぇ連中と一緒に戦えませんわ。
ワシらだけで行くから、てめぇらはすっこんでな。
王立騎士A
それはこちらのセリフだ。
キャトラ
なるほどね! そうよ!
魔物の討伐数で勝負にしましょう!
騎士って強くないとダメなんだし、
歌とか宴会芸とか、そんなの役に立たないじゃない!
アイリス
そうですよ! これは勝負です!!
決着、つけましょう!!
北方氷槍騎士団
いいぜぇ! ワシらの戦、見せてやるぁぁ!!
王立騎士団
エリートの戦い方、教えてあげましょう!!
最終話 なかよし騎士団
……続け。
北方氷槍騎士団
「「「うおおおおおおおっ!」」」
中央突破で敵本体を一撃粉砕か……恐ろしい突破力だな……
王立騎士A
我らも負けてはいられん! 行くぞ!
待て! 本隊は彼らに任せよう。ボクたちは村の守備にまわる。
王立騎士B
ですが、村の魔物はおおかたかたづけましたよ?
それに、このままでは負けてしまいます。
騎士団としての名誉やメンツは大事かもしれない。
けど、それに民を巻き込むのは騎士道に反するよ。
王立騎士A
……おっしゃるとおりですね。
我々は村の防衛に回るぞ! 王立騎士団としての戦い方を示してやれ!
王立騎士団
「「「おおおおおおおっ!」」」
クライヴ、その旨、ヴィクトール殿に伝えてきてくれ。
ああ。任せておけ。
***
エイス
ごっつ疲れたわ。
でも、この辺りの魔物は、あらかた狩りつくしたで。
キャトラ
それで、討伐数はどうなったの?
北方氷槍騎士団の圧勝だ。
北方氷槍騎士団
「「「よっしゃあああ!」」」
王立騎士団
「「「…………」」」
あいかわらず、皆様、お元気ですね。
……ソフィ様。
私、見てて思ったのですが、今回の勝負は引き分けではないでしょうか?
エイス
せやな。姫ちゃんの言うとおりや。
北槍騎士
どういうことっすか!?
……俺たちが戦っていた間、村を襲撃した魔物たちを王立騎士団が討伐していた。
……俺たちは敵を滅ぼした。だが、勝負を捨て、村を守ったのは彼らだ。騎士としては俺たちの負けだ。
北槍騎士団
…………
私は勝ち負けなどないと思います。
ヴィクトール様たちのおかげで、今後、村が襲われることは少なくなるでしょう?
王立騎士団
…………
ブライ様たちのおかげで、今回の被害は最小限におさえられました。
どちらかが優れ、どちらかが劣っているなんて、誰が決められるのでしょう?
エイス
姫ちゃん、ええこと言うわ。
ヴィクちゃん、ほら、言うことあるやろ?
……ブライ殿、騎士として、貴殿たち王立騎士団の気高さに敬意を表します。
こちらも、貴殿らの聞きしに勝る勇猛ぶりに、感服いたします。
北槍騎士A
しかたがねぇ、団長が認めたんだ。俺たちも認めてやるぁ……
おめぇらは強ぇ。
王立騎士A
そう言う貴様らも、我らにはできない戦術を使う。
その強さ、認めよう。
エイス
……うまくいったみたいやな。
まあ、真のエリートは差別なんてしないからね。当然の結果さ。
正直なところキミ仏頂面だし、クライヴとばかり話すし、
どうにも苦手な感じだったけど、うまくやれそうだよ。
……俺も、最初は貴殿を口だけの男かと思っていた。
そうなのかい!?
……だが間違っていた。貴殿は本物の騎士だ。
ま、まあ、ボクはエリートだからね。
キミが望むんなら、ボクが友達になってあげてもいいよ。
北槍騎士団
ワシらの団長に、なに上から喋っとんじゃい!!
ひっ! な、なんだよ!
ただ、友達になってやるって言っただけじゃないか……
北槍騎士A
ああ!? ワシらの団長にゃあ、ダチなんざおらんのじゃ!
お前が始めてのダチになるとか、認められるかい!
王立騎士A
坊ちゃんは確かにうっとうしいところがある。
でもな、お前らに言われる筋合いはねぇ。
北槍騎士A
ああっ!? なに、にらんでんだ? やってやんぞ?
王立騎士A
しょせんは礼儀を知らん野良犬か。躾が必要だな。
北槍騎士団
「「「やってやるぁぁぁぁ!!」」」
王立騎士団
「「「決闘を申し込む!!」」」
キャトラ
大喧嘩、始めちゃったわね……
アイリス
……うまく行きませんね。
この際、とことんやりあった方がいいかもな。
……俺も混ざってこよう。ブライ殿、ついてこい。
ちょっ! 引っ張らないでくれませんか!
笑ってないで助けろ、クラァイヴ!
ソフィ殿、危ないので俺たちは帰りましょう。
……ブライ殿が呼んでいる。貴殿も来い。
は、放してくれ! 俺には姫を送り届ける使命がっ!
放せブライ!
逃がさない!
キミだけは逃がさないぞ、クラァァァイヴ!!
お前にかかわるといっつもこうだ!
キャトラ
騎士って大変ね……
アイリス
そうだね。
……ついでだ。”お前”も来い。
主人公
!!
……安心しろ、皆、素手だ。死にはしない。
主人公
……。
その他
相関図
・バルラ城塞王国
・氷の国
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