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【白猫】騎士たちの競宴 Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん



Story1 おねがい騎士団

Story2 あらぶる騎士団

Story3 たのしい騎士団

Story4 わらう騎士団

Story5 うるさい騎士団

最終話 なかよし騎士団


主な登場人物


クライヴ
騎士の家系に生まれ英才教育を受けた、真面目で実直な青年剣士。
ブライ
騎士団の副団長を任されている魔法使い。良家の子息で、豪華な装備を身につけている。
ヴィクトール
<氷の国>の騎士団長の青年。圧倒的武力により、騎士団を統率する。

Story1 おねがい騎士団



 クライヴ  

元気にしてるようだな。


 キャトラ  

クライヴじゃない。どうしたの?


 クライヴ  

実は、頼みたいことがあるんだ。


 ***


 アイリス  

〈氷の国〉と〈バルラ城塞王国〉の交流……


 アイリス  

バルラ島の〈王立騎士団〉と

氷の国の〈北方氷槍騎士団〉……仲良くできるかしら?


 クライヴ  

そこなんだ。聞いた話によると北方氷槍騎士団は荒くれ者の集まりらしい。

元王立騎士団の俺が仲介をするよりおまえたちの方がスムーズに運びそうなんだ。

力を貸してくれないか?


 アイリス  

キャトラ、主人公、どうする?



 主人公   

――♪


 キャトラ  

かまわないわよ。



 クライヴ  

助かるよ。断られたら、ソフィ殿の俺に対する評価が下がるところだった。


 アイリス  

下心は、きちんと隠しなさい。


 クライヴ  

国のことだってちゃんと考えてる。

双方の代表と事前に会談がある。そこで企画をまとめる予定だ。

いろいろ頼むよ。


 ***


 ブライ   

やあ、諸君、久しぶりだね。


 アイリス  

ブライさん、こんにちは。


 エイス   

あらあら、アイリスちゃん、今日もべっぴんさんやね~。

飴ちゃんあげよか?


 ヴィクトール 

…………


 キャトラ  

あいかわらず、だんまりね、ヴィクトール。




 クライヴ  

……ブライ、どうしておまえが?

副団長までバルラを離れたらまずいんじゃないのか?


 ブライ   

なにを言ってるんだい、クライヴ。

ボクは国の復興を任されている。他国との交流も復興のうちさ。

王立騎士団副団長で超エリートなボクに任せてくれよ!


 キャトラ  

きちんと復興進めときなさいよ。


 ブライ   

華やかな仕事はボクにこそふさわしいのさ。

氷の国にもボクの天才っぷりをアピールしないとね♪

クライヴ、キミもそう思わないかい?


 クライヴ  

……ヴィクトール殿、

ソフィ殿は俺のことを、なにか言ってませんでしたか?


 ブライ   

クラァァイヴ! 

どうしてボクを無視するんだ! 幼馴染だろ!



 エイス   

ようわからんけど、話、進めよか?

ウチらとしても、バルラ城塞王国と仲良うしたいんよ。

でもなぁ、問題が多いねん。


ウチの騎士団の子ら、ただの親睦会で納得せぇへんと思うんよ。

なんでもええから戦わな仲良うできん子らや。


 キャトラ  

アンタたち、脳筋だものね……


 ブライ   

それを言うなら、ボクの部下もエリートの集まりだ。

無作法な連中と相容れないよ。文化的な親睦会じゃないとね。


 ヴィクトール 

……水と油だ。


 エイス   

せやから、親睦会では仲良うなれるようなイベントやらなあかんと思うんよ。

知恵貸してくれへん?


 アイリス  

イベントですか……



 主人公   

――!


 クライヴ  

何か思いついたのか?


 主人公   

――♪


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story2 あらぶる騎士団


 北方氷槍騎士団 

やってやるぁぁぁぁ!! 戦じゃあああい!!


 キャトラ  

だから、今日は戦じゃないわよ!



 王立騎士団   

バルラの騎士道大原則!! 常に優美で優雅たれ!!

レディ、我らが剣を預けます!


 アイリス  

あ、あの、こんなにたくさんの剣を預けられても困ります……



 クライヴ  

主人公、誤解しないでほしいんだが

王立騎士団全体の気風とブライの部下たちの気風は違うぞ。


 ブライ   

ま、ボクの供回りには、エリートとして必要な礼儀作法を徹底しているからね。


 エイス   

でも、アンタんとこの子ら、アイリスちゃんに剣、預けすぎやで。国への忠義はええの?


 ブライ   

オフィシャルな剣は国家へ。プライベートな剣は愛する女性へ。

それが騎士道というものだろ? なあ、クライヴ。


 クライヴ  

ヴィクトール殿、ソフィ殿は元気ですか?


 ブライ   

クラァァァァイヴ!

ボクと会話するんだ、クライヴ!

一応、キミの上官だぞ! 偉いんだぞ!


 ヴィクトール 

……クライヴ殿、バルラでは騎士の剣が複数あるのか?


 クライヴ  

世界と愛する女性、二つを救わなければならない時、

剣が一つでは足らないでしょう? そういう意味です。


 ヴィクトール 

……高い理想だな。……だが嫌いではない。



 ブライ   

おい、クライヴ! ヴィクトール殿と交流するのはボクの役割だぞ!

まあ、キミがボクら司令官クラスの会話に混ざりたいって言うなら、

幼馴染として許してやってもいいけどね?



 クライヴ  

その槍が〈永久氷槍〉と呼ばれる槍ですか……


 ヴィクトール 

……家宝だ。


 ブライ   

クラァァァイヴ! そういうのはボクの役割だぞ!

ヴィクトール殿も、もう少しボクを尊重してもいいんじゃないかな!?


 北槍騎士  

ああっ!? おんどりゃあ、ワシらの団長のやり方が気にいらんんけ!?


 ブライ   

なっ! い、いきなりなんだ!?


 王立騎士  

おい! 坊ちゃんがピンチだ!!

集合っ!!


 北槍騎士  

なんじゃい!

やるんか、こるぁぁ!!


 王立騎士  

エリートをなめるな!!

権力と人脈で叩き潰せるんだぞ!



 キャトラ  

案の定ね。早速トラブルが起きてるわ。



 ヴィクトール 

っ!


 ドスッ!!


 ヴィクトール 

……騒ぐな。


 北槍騎士  

はいっ!


 ブライ   

キミたちもエリートとして恥ずかしくないのかい?

エリートは高貴なる者の務めを忘れちゃダメなんだぞ!!


 王立騎士  

常に優美で優雅たれ!!



 クライヴ  

……一応収まったが、大丈夫なのか?


 ヴィクトール 

…………。



 アイリス  

あの……来賓の方々がいらっしゃいました。


 エイス   

ほな、挨拶せなな。行くでヴィクちゃん。


 ヴィクトール 

……クライヴ殿も。


 クライヴ  

では、ご一緒しましょう。


 ブライ   

ボクを置いてくな! 待つんだ、クライヴ!!




 北槍騎士  

…………


 王立騎士  

…………


 北槍騎士  

飼い犬どもが、ぶっ潰してやる。


 王立騎士  

野良犬が吠えるな。躾けてやる。

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story たのしい騎士団



 アイリス  

宴もたけなわですが、続いて特別イベントを開催したいと思いますっ!

たけなわ ※物事の一番の盛り。

 キャトラ  

三本勝負よ! アンタたち、勝負とか好きでしょ!!



 北槍騎士  

白黒つけたらぁっ!


 王立騎士  

逃げるは騎士にあらず!!



 キャトラ  

一回戦は歌自慢勝負よ!!

アンタたちの歌で、みんなを楽しませなさい!!

まずは王立騎士団!!



 ブライ   

そういうわけだ。歌うよ、キミたち!!

エリートたる者、どんな技術も常にハイスペックじゃないとね!!


 王立騎士A 

しかし、坊ちゃ……じゃなく、副長殿、なにを歌うんですか?


 ブライ   

クライヴ、答えてやれ!

って、クライヴがいないだと!? どこに行った!?


 王立騎士B 

あっちの王女様と話してます。


 ブライ   

ボクが騎士団に居場所を作ってやってるってのに……

そんなんじゃあ出世できないぞ! クラァァァイヴ!!


 王立騎士団 

C(……出世するもなにも、クライヴさんって騎士団、抜けてるよな?)

D(……言ってやるな。)

E(まあ、坊ちゃんのためにも、負けるわけにはいかない。気合いれるぞ。)

 ((おおおおっ!!))


 ***


 エイス   

なっ! マーチングバンドやん!!


 ブライ   

これが、王立騎士団の鼓笛隊だ!

この日のためにプロの音楽家を雇っておいたのさ!


 ヴィクトール 

……いい音色だ。


 エイス   

せやな。悔しいけど、ごっつええ演奏や。さすがはプロの技やで……


 ブライ   

さあ、みんな! 声を合わせて歌うんだ!!


 王立騎士団 

~♪ ~♪



 北槍騎士B 

演奏は良くても、声はひでぇな。

俺の美声を聞かせてやるとするか。よっしゃ、歌うぎゃっ!


 ヴィクトール 

……殴る前に言っておく。黙って聞け。


 北槍騎士A 

はい……

(殴ってから言わんでください。)


 ***


 エイス   

次はウチらの番や。

演奏はすごかったけど、歌ならウチらも負けへんで!

気合いれな、あかん!


 北槍騎士A 

しかし、ワシらには楽器がありやせん。

派手さで負けちまいやせんかい?


 ヴィクトール 

…………


 エイス   

ヴィクちゃん、なんか喋らな……


 北槍騎士B 

団長の気持ちがわかっちまった!

こうおっしゃりたいんですね! 陣太鼓を使えって!!


 北槍騎士C 

なるほどな! こっちには法螺貝もあるぞ!!


 北槍騎士A 

団長! 要するにこれも戦だってことですね!

てめぇらぁ、戦の準備じゃああっ!



 キャトラ  

なに、この音……法螺貝?


 エイス   

アイデアとしては悪ぅないんちゃう?

進軍したくなりそうやけどな。


 ヴィクトール 

……歌え。


 北方氷槍騎士団 

~♪ ~♪



 ブライ   

け、けっこう、うまいじゃないか。


 クライヴ  

圧巻だな。力強い歌声だ。



 北槍騎士A 

(ほ、法螺貝に陣太鼓……

ワシの戦人としての血が……疼きだす……)


 北槍騎士B 

もう我慢できん! 地沸き、肉踊るんじゃああ!!

あいやぁぁぁぁぁぁぁ♪


 ヴィクトール 

っ!!


 北方氷槍騎士団 

戦じゃあああああああ♪

歌え、戦え♪ 薙ぎ払えぁぁぁっ♪



 キャトラ  

ぎにゃー!

アンタたち、落ち着きなさい!! 暴れんじゃないわよー!!


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story4 わらう騎士団



 ヴィクトール 

…………


 北方氷槍騎士団 

つ、強ぇ……



 ブライ   

……なにあれ?


 王立騎士A 

坊ちゃん、どうしたんですか? そんな青い顔して。


 ブライ   

あっちの団長、強すぎないかな?

人を片手でブン回してたよね?

ていうか、一人で全員、倒してるんだけど?


 クライヴ  

俺も噂に聞いていたが、まさか、これ程とはな。

さすがは〈北方の氷牙〉と呼ばれる騎士だ。


 ブライ   

デタラメだろ、あの強さは!!


 王立騎士B 

確かに無茶苦茶ですが、坊ちゃんだって魔法の腕は一流ではありませんか。


 王立騎士C 

そうです。坊ちゃんは私たちの指揮官です。

この程度のことで怖気づかないでください。


 ブライ   

怖気づいてなどいないっ!

そうだ、ボクはエリートの家系! ブライ・マグマイアだ。

大丈夫! ボクに不可能はない!!

クライヴ! あとは頼んだよ!!



 王立騎士A 

坊ちゃん、そこは自分でどうにかする流れです。

なに逃げようとしてるんですか?


 王立騎士B 

あなたはやればできるのに、すぐにヘタレる!

メンタル、弱すぎやしませんか!?


 ブライ   

違う! これは作戦だ!!

次の勝負は宴会芸! クライヴにうってつけだ!!


 王立騎士C 

そうなんですか? クライヴさん……


 クライヴ  

……完全に無茶振りだな。

宴会芸なんて、したことないぞ。


 王立騎士A 

坊ちゃん、クライヴさんに無茶振りばかりするから、避けられるんですよ?


 ブライ   

いつ誰が避けてるって言ったんだ! そんなはずないだろ!!

言ってやれ、クライヴ!!


 クライヴ  

……避けてはいない。

かかわらないようにしてるだけだ。


 ブライ   

ほらな! ボクとクライヴは幼馴染なんだぞ。……え?


 クライヴ  

まあ、ブライの尻拭いは慣れている。

俺もバルラの騎士だ。宴会芸勝負、やってみよう。


 ブライ   

クライヴ!

かかわらないようにしてるってどう言う意味だ、クライヴ!!



 クライヴ  

いくぞ、ヴィエム。


ヴオオオオン!!



 ブライ   

クライヴ!!

待ってくれよ、クラァァァイヴ!!


 ***


 北槍騎士A 

すごかったな、あのドラゴン……


 北槍騎士B 

あれ、本当にドラゴンなのか?

ドラゴンの形をした、何か別の……


 エイス   

ヴィエムちゃん、しばらく見ぃひんうちに、立派になったわ……

ウチも負けてられへん!

行くで、ヴィクちゃん! ウチらの漫才で、大爆笑や!


 ヴィクトール 

……漫才?

……俺にできるのか?


 エイス   

これが台本や。ヴィクちゃんは黙ってればええ。

ウチがそんなヴィクちゃんをイジる。それでつかみはOKや!


 ヴィクトール 

…………



 キャトラ  

次は北方氷槍騎士団の宴会芸よ!


 エイス   

はい、皆さん、よろしゅうな。

ウチら、これから漫才すんねん。ウチがエイスで、こっちが……


 ヴィクトール 

北方氷槍騎士団長ヴィクトールだ。

漫才などやったことはない。

笑いも理解できない。だが、努力はする。

いや、正確には笑いに限らず他の感情も一切共感できない。

だが、一発ギャグというものに全力でトライしてみようと思う。


 エイス   

ヴィクちゃん、なに言うてんの!?

そんなん台本にないやん! 

ていうか、いつもの無口っぷりはどこにいったん!?


 ヴィクトール  

……台本は読んだ。

だが、なにが面白いのかわからなかった。

ならば俺が足掻くしかあるまい。


 エイス   

人の気持ちがわからんヴィクちゃんに、笑いのなにがわかるん!?


 ヴィクトール 

わからないこそ、ここで試してみようと思う。

一発ギャグだ、傾聴してくれ。


 エイス   

あかん! それ、絶対、あかんやつや!!



 ヴィクトール 

『黙っていたが、俺は――女だ。

 …………嘘だ。

 これが本当のドラゴンライアー。』


 シーーーーン


 エイス   

寒いとかやない! もう怖い!! ウチ、耐えられへん!


 ヴィクトール 

わかった、別バージョンだな。


『おい、エイス、火を貸してくれ。

 これが本当のドラゴンライター。』


 シーーーーン



 北方氷槍騎士団 

お前ら、全員笑えやぁぁぁぁっ!!

ぶっ潰すぞ、こるぁぁ!!


 王立騎士団   

お前らだって笑ってないだろ!

この空気、どうにかしろよ!!



 エイス   

…………


 ヴィクトール 

ドラゴンライラ、というパターンもあるんだが……試すか?


 エイス   

ヴィクちゃん、心臓強すぎや……

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story5 うるさい騎士団



 キャトラ  

ヴィクトールたちの二連敗ね……

北方氷槍騎士団から、負けは認めないという抗議の言葉が……

あいつら、ムチャクチャね。


 アイリス  

北槍騎士団の人たちが武器まで持ってきてるみたいで……

王立騎士団の人たちも戦の準備を……


 クライヴ  

このままだと本当の戦争になりかねないな……


 キャトラ  

しかたないわね。三本目を取ったほうが勝ちってことにしましょう。

そっちのほうが盛り上がるし。


 クライヴ  

それが妥当だな。俺のほうでブライを説得してみる。

それで、三本目の勝負の方法はなんだったかな?


 キャトラ  

代表者同士の〈叩いてかぶってじゃんけんぽん〉よ!


 ***


 ブライ   

クライヴがどうしてもって言うならボクはかまわないよ。


 クライヴ  

そうか。助かる。俺は準備があるから、これで。


 ブライ   

クライヴ、待て! クラァァイヴ!

……まったくアイツは困った奴だな。


 王立騎士A 

坊ちゃん、安請け合いして大丈夫なんですか?


 ブライ   

問題ないよ。エリートとしての余裕ってやつを見せないとね。


 王立騎士B 

ですが、相手は、あの〈北方の氷牙〉ですよ……


 ***


 エイス   

もう負けられへん!

特訓やで、ヴィクちゃん!



 ヴィクトール 

……じゃんけんぽん。


 北槍騎士  

あ、負け……


 ヴィクトール 

次……



 ブライ   

……なに、あれ?


 王立騎士A 

あれが〈北方の氷牙〉です。


 ブライ   

いやいや、デタラメ過ぎるだろ!ピコピコハンマーで人が飛んだぞ!

兜もひしゃげてたし!どういう理屈だよ!


 王立騎士B 

じゃんけんで勝つしかありませんね。


 ブライ   

そ、そうだな。じゃんけんで勝てば……

あの人、さっきからじゃんけん10連勝してるんだけど?


 王立騎士C 

……達人は手の動きでなにを出すか見切れると聞いたことがあります。


 ブライ   

……は、ははははは。


 王立騎士団 

D(これは、坊ちゃん、死ぬな)

E(俺たちが止めても、どうせ名誉だメンツだとか言って、きかないだろうな……)

F(坊ちゃんのために我々が一肌脱ぐしかないか。)


 ***


 キャトラ  

それじゃあ、最後の対決よ!

これで勝った方が勝ち!

泣いても笑っても、ラストだからね!


 王立騎士団 

ちょっと待ったぁっ!


 クライヴ  

いきなり、どうしたんだよ!?


 王立騎士A 

やっぱり納得いきませんね。俺たちが勝ってるんですし。


 北槍騎士A 

ああ!? てめぇら、認めてただろうが!!


 王立騎士B 

勝ちは勝ちだ。お前らが納得いかないからとルールを覆した。

それを認めるわけにはいかない。


 北槍騎士B 

吐いた唾、飲むんじゃねぇぞ……



 クライヴ  

まずいな、一触即発の雰囲気だ。


  村人   

た、助けてください!


 エイス   

どないしたん?


  村人   

村が、魔物に……


 エイス   

なんやて! えらいこっちゃ!!


 アイリス  

助けに行かないと!



 北槍騎士A 

お言葉ですが、信用できねぇ連中と一緒に戦えませんわ。

ワシらだけで行くから、てめぇらはすっこんでな。


 王立騎士A 

それはこちらのセリフだ。



 キャトラ  

なるほどね! そうよ!

魔物の討伐数で勝負にしましょう!


騎士って強くないとダメなんだし、

歌とか宴会芸とか、そんなの役に立たないじゃない!


 アイリス  

そうですよ! これは勝負です!!

決着、つけましょう!!



 北方氷槍騎士団 

いいぜぇ! ワシらの戦、見せてやるぁぁ!!


 王立騎士団   

エリートの戦い方、教えてあげましょう!!

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最終話 なかよし騎士団


 ヴィクトール 

……続け。


 北方氷槍騎士団 

「「「うおおおおおおおっ!」」」



 クライヴ  

中央突破で敵本体を一撃粉砕か……恐ろしい突破力だな……


 王立騎士A 

我らも負けてはいられん! 行くぞ!



 ブライ   

待て! 本隊は彼らに任せよう。ボクたちは村の守備にまわる。


 王立騎士B 

ですが、村の魔物はおおかたかたづけましたよ?

それに、このままでは負けてしまいます。


 ブライ   

騎士団としての名誉やメンツは大事かもしれない。

けど、それに民を巻き込むのは騎士道に反するよ。


 王立騎士A 

……おっしゃるとおりですね。

我々は村の防衛に回るぞ! 王立騎士団としての戦い方を示してやれ!


 王立騎士団 

「「「おおおおおおおっ!」」」


 ブライ   

クライヴ、その旨、ヴィクトール殿に伝えてきてくれ。


 クライヴ  

ああ。任せておけ。


 ***


 エイス   

ごっつ疲れたわ。

でも、この辺りの魔物は、あらかた狩りつくしたで。


 キャトラ  

それで、討伐数はどうなったの?


 ヴィクトール 

北方氷槍騎士団の圧勝だ。


 北方氷槍騎士団 

「「「よっしゃあああ!」」」


 王立騎士団   

「「「…………」」」



  ソフィ  

あいかわらず、皆様、お元気ですね。


 ヴィクトール 

……ソフィ様。


  ソフィ  

私、見てて思ったのですが、今回の勝負は引き分けではないでしょうか?


 エイス   

せやな。姫ちゃんの言うとおりや。


 北槍騎士  

どういうことっすか!?


 ヴィクトール 

……俺たちが戦っていた間、村を襲撃した魔物たちを王立騎士団が討伐していた。

……俺たちは敵を滅ぼした。だが、勝負を捨て、村を守ったのは彼らだ。騎士としては俺たちの負けだ。


 北槍騎士団 

…………


  ソフィ  

私は勝ち負けなどないと思います。

ヴィクトール様たちのおかげで、今後、村が襲われることは少なくなるでしょう?


 王立騎士団 

…………


  ソフィ  

ブライ様たちのおかげで、今回の被害は最小限におさえられました。

どちらかが優れ、どちらかが劣っているなんて、誰が決められるのでしょう?


 エイス   

姫ちゃん、ええこと言うわ。

ヴィクちゃん、ほら、言うことあるやろ?


 ヴィクトール 

……ブライ殿、騎士として、貴殿たち王立騎士団の気高さに敬意を表します。


 ブライ   

こちらも、貴殿らの聞きしに勝る勇猛ぶりに、感服いたします。


 北槍騎士A 

しかたがねぇ、団長が認めたんだ。俺たちも認めてやるぁ……

おめぇらは強ぇ。


 王立騎士A 

そう言う貴様らも、我らにはできない戦術を使う。

その強さ、認めよう。



 エイス   

……うまくいったみたいやな。



 ブライ   

まあ、真のエリートは差別なんてしないからね。当然の結果さ。

正直なところキミ仏頂面だし、クライヴとばかり話すし、

どうにも苦手な感じだったけど、うまくやれそうだよ。


 ヴィクトール 

……俺も、最初は貴殿を口だけの男かと思っていた。


 ブライ   

そうなのかい!?


 ヴィクトール 

……だが間違っていた。貴殿は本物の騎士だ。


 ブライ   

ま、まあ、ボクはエリートだからね。

キミが望むんなら、ボクが友達になってあげてもいいよ。


 北槍騎士団 

ワシらの団長に、なに上から喋っとんじゃい!!


 ブライ   

ひっ! な、なんだよ!

ただ、友達になってやるって言っただけじゃないか……


 北槍騎士A 

ああ!? ワシらの団長にゃあ、ダチなんざおらんのじゃ!

お前が始めてのダチになるとか、認められるかい!


 王立騎士A 

坊ちゃんは確かにうっとうしいところがある。

でもな、お前らに言われる筋合いはねぇ。


 北槍騎士A 

ああっ!? なに、にらんでんだ? やってやんぞ?


 王立騎士A 

しょせんは礼儀を知らん野良犬か。躾が必要だな。


 北槍騎士団 

「「「やってやるぁぁぁぁ!!」」」


 王立騎士団 

「「「決闘を申し込む!!」」」



 キャトラ  

大喧嘩、始めちゃったわね……


 アイリス  

……うまく行きませんね。


 クライヴ  

この際、とことんやりあった方がいいかもな。


 ヴィクトール 

……俺も混ざってこよう。ブライ殿、ついてこい。


 ブライ   

ちょっ! 引っ張らないでくれませんか!

笑ってないで助けろ、クラァイヴ!



 クライヴ  

ソフィ殿、危ないので俺たちは帰りましょう。



 ヴィクトール 

……ブライ殿が呼んでいる。貴殿も来い。



 クライヴ  

は、放してくれ! 俺には姫を送り届ける使命がっ! 

放せブライ!


 ブライ   

逃がさない! 

キミだけは逃がさないぞ、クラァァァイヴ!!


 クライヴ  

お前にかかわるといっつもこうだ!



 キャトラ  

騎士って大変ね……


 アイリス  

そうだね。




 ヴィクトール 

……ついでだ。”お前”も来い。


  主人公   

!!


 ヴィクトール 

……安心しろ、皆、素手だ。死にはしない。


  主人公   

……。



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その他



相関図


・バルラ城塞王国

女王団長副団長元騎士

・氷の国

王女団長


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