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【黒ウィズ】Tempest Blader Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

2017/00/00

主な登場人物


アヴィン
古代兵器 ブリューダイン・ギア


story1



「き、きた……!?」


アヴィンの頭上に、人の形をした巨大な影が覆いかぶさった。

どこからともなく出現した古代兵器「ブリューダイン」が、雲の切れ間を縫って飛翔している。


やつの行く先では、破壊しか行われない……。

また、どこかで無意味な破壊行為が行われるのか……。


「必ず、やつは俺が止める……。待てっ!!」


ブリューダインは、アヴィンの声に気づくことなく、進んで行く。

その手に持つ黒鋼の大槍が、鈍い光を放っていた。

地面を駆けて助走をつけたアヴィンは、盾のような形をした板に飛び乗る。

高高度滑空戦術騎盤「スカイドミネイター」。古代遺跡からブリューダインと共に発見された遺物。


「おっとっと……。いいぞ! ちゃんと飛んでる……っ! でも、もっと高く、高く飛ぶんだ!」


ブースターから粒子状のエネルギーを放出し、空中を飛行する。


「あいつを蘇らせてしまったのは俺だ……。だから、なんとしても俺が止める!」


無意味に破壊と殺戮を繰り返す古代兵器ブリューダイン。

誰が、なんのために作り出した物かはわからない。

遺跡に封印されていたことからして……。古代人たちにとってもブリューダインは、混乱をもたらす破壊神だったのかもしれない。


そんな凶暴な存在を、アヴィンは自らの好奇心によって封印から解き放ってしまったのだ。

そして、封印から解かれたブリューダインは、すぐさま破壊衝動をむき出しにしたのである。

アヴィンに襲いかかり……。そして、アヴィンの身代わりになる形で父親が重症を負った。

当初よりも回復したとはいえ、アヴィンの父親はまだベッドから起き上がることはできない。


「親父のためにも、早くブリューダインを止めないと……。」


突如、ブリューダインが、スピードを落として背後を振り返る。


「気づかれた……!? でも、やつに追いつくチャンスだ。」


しかし、アヴィンの乗ったスカイドミネイターは、空中でバランスを崩す。


「え……? スカイドミネイター。いきなり、どうしたんだ?

お……落ちる!? 飛行テストでは完璧だったのに!」


故障により飛行能力を失ったスカイドミネイターは、アヴィンごと海上に墜落する。



「ぷはっ! ブリューダインは!?」


空の向こうに、遠ざかっていく大きな黒い影が見えた。

アヴィンの存在などに気づかなかったかのように……。


「くそ、また追いつけなかった! 「俺たち」になにが足りなかったんだよ……。」


アヴィンは、自分の不甲斐なさに怒りを感じる。

その時、スカイドミネイターがアヴィンの感情に呼応するように淡い光を放つ――。


「まさか……俺の怒りに共感してくれているのか? 人の感情がわかるのか?」


呼びかけに応じるように、スカイドミネイターは二度三度、エネルギー粒子を放出してみせた。



数ヶ月後……。



「見つけた! 今度こそ逃がさないぞブリューダイン!!」


改良とテストを積み重ねたスカイドミネイターは、今やアヴィンの肉体の一部になっていた。


「今日こそ、ブリューダインを止めるぞ。」


呼吸するように、エネルギー粒子がブースターの噴射口より吐き出される。


「遊びはなしだ。最大加速でー気にカタをつけるぞ。

行こうぜ、相棒!」





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