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【黒ウィズ】Demon’s Blader Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん
2014/04/12

登場人物





審判者が舞い降りる



アウラは、うやうやしく博いて、あのお方の言葉をー言も聞き逃すまいと、耳をそばだてていた。


「謹んで、拝命いたします……。

あなた様に代わって、わたしが世に平等と静寂を取り戻しましょう。」


アウラは、深々と頭を下げる。

あのお方は、優しく微笑まれた気がした。

そう見えただけだ。その姿を直視することは、アウラにもできない。

ただ、ただ……。眩しく輝く光。

こんなに美しいものは、この世界にニつと存在しないとアウラは思う。

このお方のためなら……。

アウラは、翼を翻して主の前を辞した。



 ***


「この餓え、渇望は、いつになったら収まるのだ……。」


アスモデウスは、奈落から這い出て、いくつもの世界を彷徨っていた。

過去、神に反逆して、地底に落とされたアスモデウス……。

自らを奈落に陥れた存在を許すことができず、今も復讐の怒りを蓄え続けている。

怒りをー時忘れるために数多の世界を奈落に引きずり込み、その魔力を吸い取ってきた。

だが、感情の昂りは、一向に収まることはなかった。


「この餓え、乾き……全てを止めるには、光の元を断つ以外にないのか!」


天上より降り注ぐ曖かな光は、アスモデウスに絶えることのない『渇望』をもたらしている。

そこに、天よりー条の光が降り注いだ。

光と共に来臨するのは、日差しのような笑みを湛えた双翼の天使――。


「探しましたよ。アスモデウス――。」


「我が名はアウラ・アマタ……。あのお方の意思によって遣わされた審判官。」

「審判官? 我になんの罪があると言うのだ?」

「罪状をーつーつ上げなければ、わからないのか?

これまで、どれだけの世界を奈落に引きずり込んだのか、忘れてしまったとは言わせない。」


アスモデウスは、なにも答えない。


「貴様の身勝手な振る舞いに、あのお方はお怒りになっている。

貴様が犯した罪に対して、神の代行者たる私が裁きを下そう――。」

「裁き? あやつは、まだ全てを支配している気でいるのか?」

「支配? この世は、全てあのお方のもの。

あのお方がお造りになられて、あのお方の消滅と共に消え去る運命だ。」

「くだらん。それでは我々のいる空間は、やつー人の妄想と大差ないではないか?」


アウラは、なにも言わずに微笑んでいる。


「やはり、やつが消えない限り、我のこの苦しみは消え去ることはないようだ……。」

「裁きによって貴様が消えれば、悩みも共に霧散するだろう。」

「裁きを下すというのなら、好きにするがいい。

だが、気づいた時には、貴様も奈落の底に引きずり込まれているかもしれんぞ?」

「驚いた。私を喰らうつもりか?」

「そうだ。我の行く手を遮るものは全て喰らい尽くす。それが我の生きる道なのだ。」


またしても、アウラは笑った。

ついに、奈落の覇帝に審判が下される……!


「奈落で轟く愚かな存在よ。今すぐここで絶え果てよ!」





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