【白猫】シュガーリィホーム Story3
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あ、こちらです!
お気になさらず。私もいま来たところですよ。
はい。今日は、ちょっと忙しくする予定です。
日頃の感謝を伝えるため、皆さんにチョコをお渡ししたいので……
どれぐらい渡したか、ですか?いえ……
あなたが、最初です。最初はやはり、その……
あ、ほら、見てください。こんなにチョコ用意しちゃったんです。
箱は同じですけど、中身は、ひとつひとつ違いますよ……って張り切りすぎですかね、えヘヘ。
誰にあげるものか見分けるために、貼ってあるシールが違うんです!
あなたにはこの……
ハートマークのものを……
どうぞ……
いえ、お礼なんて。
お口に合うか、わからないですし。
ー応、アレルギーとか確認させてもらったし、好みに沿うものを作ったつもりなんですが……
ま、真面目過ぎる?
……まじめにもなります。
次の予定まで、まだ時間がありますので。
ギリギリまで、いっしょにいてもいいですか?
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ついに完成しました……天才的なチョコレートが……っ。
長い道のりでしたねっ。アナタは良き助手でした。試作チョコをぜんぶ食べてくれて。
チョコはもうお腹いっばい、ですか。まあ、アナタのおかげでチョコが無駄にならなかったのは事実……
褒めてやりますっ。さあ、頭をこちらへっ。
……よしよしをしてやると言ってるんです。ワタシより背が高いことを自覚してください。
なっ。手のチョコがつくからヤダ!?
むむむ~……っ。
そうですっ。そうやって、素直に頭を下げればよいのですよっ。
フフフン♪え?そのチョコ、自分で食べるのかって?
あのですね。ワタシはアンドロイド。チョコは食べません。
これはプレゼント用です。
ですから……
もう……にぶにぶさんなんですから……
ん。
受け取ったんですから、ちゃんと食べてくださいねっ。
ハッピーバレンタイン、です♪
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―――見つけた。
え?いつも先に見つかってる?
ごめんなさい。つい<共鳴>で探してしまうの。……待ち遠しくて。
これ。
バレンタインチョコ。来てもらった、理由。
あなたの<好き>、いろいろ教えてもらったでしょ?
そう。……これを作るため。
甘さとか調節した。
受け取って……くれる?
……ありがとう。
ん。<共鳴>しなくても、わかること増えた……と思って。
喜んでくれてる……合ってる?
よかった。
――私の気持ちも、わかる?
…………
ええ、合ってるわ。
バレンタインを、あなたと過ごせてうれしい。
とても。
もっと、理解できるようになりたい……
だから――これからも、いっしょにいてほしい。