【白猫】キュア(サマー)・思い出
キュア・ラインルージュ cv.広瀬ゆうき 赤い糸を見ることができないキューピッド。 お洒落な水着で一月分のお給料が消し飛んだ。 |
2021/08/13
思い出1
<無人島を舞台に巻き起こったキラキラした騒動から、少しだけ後のこと――>
みんな、こんにちは~。
オッホホーイ。
(おっほほーい……!?)
ふふ、主人公もこないだぶり。
大丈夫?夏バテしてない?
フフフ~。
?どうしたの?
んーん、別に?アンタもずいぶん飛行島に馴染んできたなーってね。
へ?
最初のころのアンタはさ、なんだか来るたんびにオロオロふわふわしてたでしょ?
オ口オロふわふわ……し、してたかなぁ?
そういう説もあったわ。
説があったんだ。
も、もしかして……急に図々しかった……?
そんなことありませんよ。遊びに来てくれて嬉しいです♪
でも、たしかにこないだ会ったばかりで、今日も急だったし……
そ、そう言ってくれるのは……その、う、嬉しいけど…………
……あうぅ……
ありゃ。元のもじもじキュアに戻っちゃった。
あ、そうだ、キュアさん!今日、水着もってきてますか?
え、うん。ー応。今日の占い、水着がラッキーアイテムだったから。
どんな占いよ。
よければ、これから皆さんも誘って海に遊びに行きませんか?
海に……?
うん、いいかも!夏は始まったばっかだものね!
素敵な水着でしたし、せっかくだからと思って。
そ、そうかな?ありがとう……
水着って結構高いんでしょ?たくさん着なくちゃ損だしね!
ううん、切り絵で作ったから。
えっ!?
嘘でしょ!?濡れたら破れちゃうでしょうが!
ごめん、嘘……
なんの嘘だったのよ!!
なんかわざわざ買ったって正直に言うの、ちょっと恥ずかしくて……
もー。よくわかんないけど――
さっそくみんなも誘って、海に遊びにいっくわよー!
(初めて買った水着……私のお給料じゃ、すごく高かったけど……)
(もうー回、見てもらえるなら……うん。嬉しいかも……!)
思い出2
そんじゃ――準備いーッスか!?
ばっちオッケー♪
ふふ、負けませんよ!
私たちこそ!がんばりましょう!
うん、運動苦手だけど……!
そんじゃ<ビーチDEドッジ>始めちゃうよー!!
ルールは超かんたん!ビーチでドッジするだけ!それってただのドッジじゃん?やかましってのぎゃははははは!
み、水着だとボール当たったら痛そう……
ヘーきヘーき♪ほら、ぷにぷにしたボール買ってきたんだー♪
ほんとだ、ぷにぷにしてる。
そんじゃジャンプボール!ほれよいっと。
いきますっ!それ――!!
へ?ジャンプボール私!?ふ、ふや――!!!ってすべったー!!
あいたた……って、わああ!?ご、ごめんごめんごめん……!!
あう。
にひひ、もーらい!マジ隙だらけ~♪
びょ、秒殺……ごめん……
大丈夫ッス、キュアさん!こっちもひとり仕留めりゃイーブンだー!!
ってほぼ顔面じゃねーッスか!どこ当たっても顔面セーフになる未来しか見えねー!
キャトラ最強なんだけど!マジわろー!
まさかキャトラさんにそんな策かあったなんて……!
キャトラ、いくらボールがぷにぷにでも、顔に当たったら痛いと思うよ……?
さあ、私の手を握ってバタ足よ。今日こそ泳げるようになりましょ♪
ブクブクブク……
あれ?この声……
アンタたち、キューピッ島で会った……
ラブスターさんにジーナさん!?
あら、久しぶり!ちなみに本名はジェーンよ♪
やあ、奇遇だね。1億の趣味をもつ男、ラブスターたよ。
なんで1億個も趣味あって泳げないのよ。
二人はどうしてここに?
私たちは新婚旅行の真っ最中♪
これで1億回めのね。
えぇ……
どういう時間軸で生きてんのよ。
どうして服のまま海に……?
着衣水泳の練習さ。
そうなんですね。
……でも。人とも相変わらず、仲が良さそうでよかった……
君のおかげだよ。僕たちは今、とても幸せさ。
(わぁ……ほんとにらぶらぶだぁ)
ふふ、どうやらあなたも――自分の恋に目覚めたようね?
へっ?はっ!?……ど、どうして……!
わかるわよ。恋の匂いは、乙女の香水♪
あうぅぅ~……
さっきね、あの岬の向こうにひと気のないスポットを見つけたの。
ふふ、水着はどんな奥手な乙女も大胆になれる夏の最強武装よ。がんばって♪
思い出3
さーて、お肉も野菜も用意は抜かりないわよー!
そんじゃ、焼くべし!じゃんじゃんいくよー!焼くべし!
わぁ、アピス様の炎って、お肉も焼けるんですね!
かっこよ!いけいけあぴぴー!
お、若人の声援はキモチーねー!いいよいいよー、どんどん食べなー!
ちょい、師匠!焦げてますって!!!
ふふ、おかわりもたくさんありますから♪
…………
……あ、主人公。
ううん、大丈夫だよ。具合悪いとかじゃないから。
――楽しいなぁ、って。
ほら私、嫌われ者だったから。こういう、みんなで……みたいなのあんまり慣れてなくって。
だから、なんだろ?ちょっとだけ遠くからも、こうして眺めてたいな~って。
あはは、よくわかんないよね。私もよくわかんないや。
<――キュアが楽しいならよかった>
ん……(……ん?アレ?っていうか。よくよく考えると……)
(……こんなかっこで、主人公と二人きりってなんか……今さらっ……)
はぅ!?なんでもないよ……なんでも……!
「ふふ、水着はどんな奥手な乙女も大胆になれる夏の最強武装よ。がんばって♪」
(……なんだろ。なんか、私……)
(今、すごく……大胆に……なれる気が……する……!)
(ゆ、勇気……勇気、勇気、勇気……っ!!)
――あ、あのさ……主人公って……泳ぎ上手、だよね。
あ、あし、明日……!よかったら、私に……泳ぎ方、教えて、くれない?
その……でも……みんなに見られると、は、恥ずかしいか、ら……
あの岬の向こうで、えぇと……ふ……二人、だけ、で……
ぁあぁああやっぱナシナシ!今の冗談だから忘れて――
……へ?いいの?
(え、え――――――ー!?!?)
思い出4
(……朝のビーチ、静かだな)
(待ち合わせの時間、早すぎたかな……?でもあんまり遅いと場所とられちゃうかもだし……)
(……わ――――ー!!思い出しただけで、わ――――ーってなる……!)
(……ー生分の勇気、ぜんぶ振り絞っちゃった気が……)
(でも――誘えてよかった)
(泳ぎを教えてくれるってことは、その……て、手なんかも……握っちゃうんだよ、ね……?)
……あうぅぅ~……
***
ウ、ウワァァアア~~~!!!!
トマト泥棒じゃあ~~!!誰かぁ~~~!!
ヘヘ、トマトはいただくぜババア!
!!
う、うわぁぁあ!!くるな、くるな――!!
***
…………
(来ないな……どうしたんだろう)
(……何かあったのかな……?)
(私との約束よりも、大事な何か……?)
***
…………
知ってるかい?あの岬の向こうにあるのは僕たちだけの空間なのさ♪
きゃー!ロマンチックー!
(あ……場所、先に取られちゃった)
***
あ、主人公……
<――遅れてごめん>
<途中でトマト泥棒がいて、追いかけていたら――>
ま、またトマト……
……ううん、いいよ。そんな顔しないで?
仕方ないよ。っていうか、主人公は悪くないし。
……悪いのは、だって私だから。
毎回、嫌になっちゃうでしょ?私と関わると、いつもこんなことばっかりで。
<――そんなことはない>
あるってば。本当……ついてないから、私。
――だから、ごめん。もう二度と誘わないや。
あなただって――その方か嬉しいでしょ?
<そんなはず――>
思い出5
――私のばかばかばかばかばか!!ああもう、どうしてあんな酷いこと言っちゃったんだろう……!!
(もし私が逆の立場だって、きっと同じことをしてた……と、思う)
(さっきの私の言葉は、ただの八つ当たりだ。でも……)
(この――きゅうきゅうする不安はいったいなんだろう……)
はぁ……
わぁー!?い、いつの間に隣に……
すまない。ボクのことは岩か何かだと思ってほしい。
無理だよ……あれ?ジェーンさんは?
実はケンカしてしまってね……
ええ!?せっかく新婚旅行なのに……どうしてケンカなんて?
原因はつまらないことさ。もう忘れた。
忘れるの早いよ……
ただ、感情が昂ぶって、言葉がエスカレートしてしまってね。
楽しい旅行が、ー瞬でこの有様さ。
――謝ろう?ちゃんとお互いの気持ちを伝えて、話し合えば――
もう遅いさ……
(――え、嘘?これって、不幸な恋の青い糸……!?)
(そんな……あんな強い絆で結ばれていた二人がたったー度のケンカで……)
言葉は凶器なんだ。
たとえその場の勢いだろうと、ひとたび振るえば……受け止める側にとっては、消えない傷になるのさ。
……言葉は、凶器……
「――だから、ごめん。もう二度と誘わないや。
あなただって――その方が嬉しいでしょ?」
(……そっか。さっきから感じてた不安の、これか正体だ……)
(好きな人なのに。誰かに手を差し伸べられる人だから好きになったのに――)
(それなのに、他でもない私自身が感情に任せて、それを否定して……きっと、彼を傷つけちゃった)
<もしも、私に自分の恋の糸が見えていたとしたら――
――不幸な恋の青い糸が、彼に向かって伸びてるのだろうか。
私自身の言葉で生み出してしまった、取り返しのつかない不幸の糸が――>
思い出6
――ラブスター!!
もう、こんな所にいたのね。20時間走り回ったわよ?
君を怒らせてしまった。合わせる顔がないと……
……馬鹿ね。
こんなケンカ、小さな頃からもう何度繰り返したと思う?
今回で1億回めかな。
!?
ぶつかるのは、お互いの心に触れ合って、確かめ合いたいから。
心と心が近づき合うから。……そうでしょ?
ジェーン……
(青い糸をものともせず……二人の愛が……蘇った……)
はぁ、はぁ、はぁ……っ!!
<そうだ。今も、ずっと前も、あの二人が教えてくれたんだ。
本当の愛は。恋は――切っても切れないんだって。
たとえ一度消えかけても――諦めずに、前に進み続けていれば、想いの糸は届くんだって……!
――だから――!>
<――見つけた>
あ、主人公……
もしかして……探してくれてた……?
――ううん。そうだよね。ぜんぜん変じゃない……
それが、だって。あなただもんね……
さっき、本当にごめん。私むきになって……酷いこと、言った。
<――約束を破ってしまった、自分が悪い。>
ううん。そんなことない……
……あのね。知ってると思うけど、私、本当に運がなくって。
欲しい物は目の前で売り切れるし、占い見た時に限って運勢最悪だし、よく物なくすし……
お布団干した日に限って雨か降ってくるし、何もない所でよく転ぶし……
<――何もない所で転ぶのは……>
でも、本当に大事なことは――絶対に、諦めたりしないから。
何百回、何千回――だめになったとしたって――きっと、叶えてみせるから……!
あなたの、おかげで――
そう思える自分に……なれた、から……
だから、いつか……泳ぎ、教えて……?
<――それじゃあ、今から!>
うんっ!……へ?今から……?嬉しいけど、もう夕方だし……風邪ひいちゃうかも!?
あ、あったかい……これなら大丈夫かも……
……ねぇっ!せっかくだし、みんなも誘おう!?
<――泳ぎの練習を見られるのは、恥ずかしかったんじゃ?>
ううん、平気!それに――
<――それに?>
――ひみつ。
ほら、みんなの所に行こう!
<――今、あなたと二人きりになってしまったら。
私の大事な想いが――ぽろって、こぼれちゃいそうだから>
あ、主人公とキュアさん、戻ってきたよ!
も一、心配かけて。ぺっぺ。……何よ、この青い糸?
誰かの髪の毛かな?
イエ~~~~!!バカンスフゥ~~~~!!
覚醒絵・覚醒画像
恋せし渚のキューピッド キュア・ラインルージュ
その他