【白猫】キュア・思い出
落ちこぼれのキューピッド キュア cv.広瀬ゆう 落ちこぼれのキューピッド。 運命の赤い糸が見えない代わりに、不幸な青い糸が見える。 |
2020/06/19
天使のウェディング Story
思い出1
<恋愛成就の島<キューピッ島>で巻き起こった騒動から数日後――>
あら、来たわねキュア。やっほー!
こんにちは、キャトラちゃん。
主人公……その、この間ぶり……
なにそわそわしてるの?知らない仲でもないでしょーに。
男の人の家くるの初めてで……
そんな緊張しなくても、主人公だけじゃなくアタシ含めて大勢住んでるわよ。
キュアさん、こんにちは。
キューピッ島ではほとんどお話できなかったから、お会いできて嬉しいです。
あらためまして、アイリスです。ようこそ飛行島へ♪
う、うん……!<キューピッド>のキュアです。よろしくお願いします……!
ところでキューピッドって、どんな種族なんだっけ?
<恋愛の女神>様に仕える、運命の赤い糸を見ることのできる天使たちのことだよ。
その糸にちょっとだけ干渉して、恋の後押しをしてあげるのが仕事。
だからこそ、キューピッ島は恋愛成就の島として有名になったわけね!
素敵なお仕事なんですね。
でも私は落ちこぼれなので、羽がなければ赤い糸も見えないわけですが……
毎日こうしていろんな人を眺めて、いつか見えないかなーってがんばってるんだけどね。
目がこわいわ?
でも、たしかキュアさんには運命の青い糸が見えるんですよね?
赤い糸の反対……不幸な恋の糸よね。
うん。相手の人を騙そうとしてたり傷つけようとしてたり……そんな、悪意ある人から伸びる糸。それを、このハサミでこう――
――チョッキンってして、不幸な恋を食い止めるの。
おかげで巷じゃ、<破局の天使>なんて呼ばれて嫌われちゃってるけどね。
主人公から、少しだけお話は聞いてます。
周りからなんと言われても、キュアさんは自分にできることをがんばってるって。
うぅ……あ、ありがとう。
でもね、アタシ思うのだけれど。
恋やら愛やらは感情によるもの。その定義の差は主観によるところが大きいでしょ?
?
例えばちょっと感情的になって相手を傷つけちゃったりとか、そういうことは往々にしてある話じゃない、カップルには?
糸が見えるようになってからしばらくは、青い糸が見えた人達のことをしっかり調べるようにしてたんだ。
詐欺師の人だったり、お金目当ての人だったり、何股もしてる人だったり……そういう、はっきりした悪意のある人にしか、今のところ糸は見えてないよ。
ふむ、自分の力に対して、研究と実証を重ねてきたわけね?
それは、うん……人の運命に干渉するんだし。
じゃあ例えばのお話だけれど、心から好き合っているひとたちがどこかにいるとするわ?
え、うん……
でも、そのふたりのお家は深く敵対し合っていて、ふたりが結ばれようものなら多くの人を巻き込む争いへと発展しかねないの。
この場合、複数の思惑や感情が交錯しあっていて……その恋はー概に、幸せとも不幸とも呼べなくなっていると思うの。
はい。
その恋の中に……おりまざった感情とやらはとこに宿り、どのような糸として発露するのかしら……
……きょうみ深いわ……
見たことないからわかんない……
えー?気になる気になるー!
……キャトラ?困らせちゃだめだよ。
思い出2
ご趣味は?
……んー、これといって。趣味って大抵、お金かかるし。
お仕事してるんだから、ちょっとくらい使っても平気でしょうに。
落ちこぼれだから、薄給で……
恋愛成就の島の実態は世知辛いわね……
あ、でも切り絵は好きかも。
切り絵……紙を切り貼りして描く絵のことでしたっけ?
そう!お菓子の包装紙とか使えばお金かからないし、けっこう時間つぶせるから。
ふぅん?ただのお絵かきとは違うのね?
……一緒にやってみる?
やるー!
はい、ぜひ♪
じゃん。題して、『キャトラちゃんのおしり』です!
まごうことなきアタシのおしりだわ!
ー瞬、本物と見間違えちゃった……
そんな褒められると照れる……
……でもさ、ひとつだけいい?
アンタがさっきから使ってるそのハサミ、お仕事で使う大事な道具なんじゃないの?
別に大丈夫だよ。死ぬわけじゃないし。
アンタわりと大雑把よね。
はい、というわけで今のがお手本!みんなもやってみよう!
じゃあ私も……キャトラの切り絵にしようかな?
モデルは疲れちゃったから、別のひとにしてくれると助かるわ♪
もう、気ままだなぁ。
猫だもの♪
主人公やってあげれば?
じゃあ……お願いしていい?
あ、主人公、もう少しじっとしてて?
(アイリスさんと主人公、仲いいなー……)
どしたの、キュア?アンチョビな顔して。
……それを言うならアンニュイじゃ?
しょっぱいお顔をしてたわ?
言い間違いじゃなかった!?
思い出3
お腹ぺこぺこ~。
すぐにご飯作るからね。
キュアさんも、しばらくくつろいでいてくださいね。
(すごい手際……アイリスさん、お料理慣れてるなぁ)
(美人で、明るくて、家庭的で……男の人にもてるんだろうな……)
アイリスー?まーだー?
ふふ、そんなすぐにはできないよ。
……むぅ。
ア、アイリスさんっ!私も手伝っていい……!?
え、いいんですか?
では……煮込み料理をお願いしていいでしょうか?
(お料理だったら私だって……最近、本とか読んでたくさん勉強してるし……!)
主人公に……美味しいって言ってもらうんだ!)
(……盛大に焦がしてしまった)
キュアさん?どうかしましたか?
あ……
(……だめだなあ、私……つまらない意地張って、逆に迷惑かけて……恥かいて……)
(これくらいならきっと大丈夫ですよ、キュアさん)
(こうして、焦げたところを避けて移して、調味料で少しだけ味を整えて……)
(……はむ。うん、美味しいです♪)
(はむ……はふはふ……っ。……あ、美味しい……)
どしたの?なんか困りごと?
ううん、なんでもないよ。もう少し待っててね。
は~い。
さあ、残りもがんばりましょう、キュアさん!
(……私が失敗したこと、みんなにばれないように……こっそりフォローしてくれたんだ)
キュアさん、サラダの盛り付けお願いしてもいいですか?
任せて、アイリスさん!
あらあら。あのふたり、すっかり仲良くなっちゃって。
思い出4
ありがとう。急に遊びにきたのに、部屋まで借りちゃって……
気にしないの。どうせ、キュアの目的地に着くのは明日だもの。
今日はゆっくり休んでくださいね。おやすみなさい。
(みんないい人たちだったなぁ……バロンさんとヘレナさん=bすごく優しかったし……)
(……って、だめ!私、すごく嫌なこと考えてる……)
<キュアは、懐にしまっていた海図をそっと広げた――>
(今夜は満月……そして、今の航路は……)
やあ。ぐうぜん……
なんか、眠れなくて。……ちょっとだけ、お話しない?
この間は、ありがとう。
私、嫌われ者だから、本当に助かっちゃった。オスクロルさんたちにも、今度ちゃんとお礼にいかないと。
<どうしてキュアは、周囲から責められてまでこの仕事を?>
聞いちゃう、それ?
いいよ、別に。……仲のいい友達がいたんだ。こんな私と仲良くしてくれた、優しくてかっこいい人。
……初めて、青い糸を見た人。
相手の男の人は、女の子を騙してお金を稼ぐ悪い人だった。
でもそのときは、青い糸がどういうものなのかわからなくて。
どこかで嫌な予感はあったのに、確かめるのが怖かった。私か彼女の恋を台無しにしたらどうしようって……怖かった。
私が糸を切れなかったから……彼女を、不幸にしちゃった。
ずっと会えなかったんだけど、この間、やっとその子とお手紙で連絡がついたの。
私がこれから行くところって、その子が今住んでる島なんだ。
今は立ち直ってくれてるみたい。突然いなくなって本当にごめんって謝られちゃった。
でも、私こそ謝らないと。今度こそ、ちゃんと。
その出来事が私のモチベーション。もう誰にも、あの子みたいな思いをさせたくないから。
だからあの日、力になってくれて、何度も助けてくれて本当に、嬉しかった。
<――キュアは、誰かを助けようとー生懸命だった。
だから――力になりたいと。そう思った。>
ねえ、いいこと教えてあげようか?
……空から見下ろせる、有名な絶景スポット。
星雲の島・カレーナ。そこにだけ生育してる、<月光樹>っていう不思議な樹があってね――
満月の夜、日が変わったー瞬だけ、月の光を吸った島中の樹が星空みたいに輝いて、すごく綺麗なんだってさ。
今の航路なら、あと30分くらいでちょうど観られると思う。
<星雲の島・カレーナには、ある有名なジンクスがある。
地表の星光が燦然と輝く瞬間、その頭上で手を繋いだふたりは――
輝き続ける星々のごとく――永遠に、結ばれるという。>
……ねえ、主人公。
思い出5
……アイリスさん誘って、ー緒に観てみたらどうかな?
ちょ、ちょっとしたジンクスがあってね!手を繋いでその景色を観た人たちは、無病息災立身出世、家内安全金運上昇疾風迅雷七転八倒他もろもろのお得なご利益が……!
……えっと、ようはね、幸せになれるってこと。
(キャトラちゃんは……猫ちゃんだから、ー緒でもたぶん大丈夫だよね)
それだけ、教えてあげようって。この間のお礼代わり。
私?……あ、私は~、ほら……昔、観たことあるから♪
――おやすみ。
あはは……やっぱ、だめだ。
(想いを告げようとした瞬間、私か青い糸を断ってきた人たちのことが、脳裏に浮かんでしまった)
(……かたちはどうあれ、私か人と人の繋がりを断つ破局の天使だってことに代わりはない)
(そんな私が、誰かに想いを伝える資格なんてあるのだろうかと思ってしまった)
(モアルヘの責任だって、まだ果たしてない。それに――)
(赤い糸が見えない私でも、あのふたりからは……揺るぎのない何かを感じた)
(それが恋なのか、それとももっと別の繋がりなのかはわからないけれど――)
(幸せになってほしい。その手助けをしたい。純粋に、そう思った)
(どんなに落ちこぼれだろうと私は、キューピッドなんだから)
思い出6
主人公!?どうして、ここが……じゃなくって!!
やっと見つけたって……私を、探してたの……?
もー、なにやってるの!?もうすぐ日が変わっちゃうのに……!
それに、さっき言ったでしょ?私、もう観たことあるって……
「満月の夜、日が変わったー瞬だけ、月の光を吸った島中の樹が星空みたいに輝いて、……すごく綺麗なんだってさ(・・・・・)。」
(あ……凡ミス……!)
<――それに、さっきの別れ際、少しだけ気になった。
出会ったときのような――寂しそうな目をしてた。>
急ごうって……でも私は、あなたとアイリスさんに……
<そんなに綺麗な景色なら、全員そろって、ー緒に観よう。>
主人公、キュア、見つかったみたいね!
ほうほうほう。では島のふちに向かおうか。
鑑賞のお供にパイも持ってきたわ。急ぎましょう♪
ヘレナさん、夜中にパイは……!
……あなたは、やっぱりずるい。
<――でも、そうだ。あらためて、この胸の痛みの正体を自覚する。
人に寄り添える温かさと強さを持ったこの人に――
――私は、恋をしているんだ――>
ほら、急ぐわよキュア!しゃんと立つ!走る!
わ、待って……!!
主人公!引っ張ったげなさい!
ふふ、よろしくね、主人公。
……うん!
<……いま、この瞬間だけ。私は心のなかで、自分勝手なお願いを唱えている。
どうか少しだけ、時が早く進むようにと。あと数分だけ早く、日が変わりますようにと。
――いま、こうして繋がれたこの手が、想いを叶えてくれる気がするから――>
覚醒絵・覚醒画像
恋せし恋のキューピット キュア・ラインルージュ
その他
データがありません