【白猫】ヴァーニー・思い出
騎士階級の少年 ヴァーニー cv.狩野翔 疲れ果てた騎士階級の少年。 安らぎを求め、戦奴クラスに転がり込む。 |
2022/01/31
思い出1
激務、激務、激務。僕はもう疲れたよ……
だ、だれ?
はじめまして、ヴァーニーです……ルナたちに、この飛行島を紹介されて……
大丈夫ですか?顔色が……
いつものことなので、ヘーき、ヘ――――……
ぐふっ。
倒れてるじゃないの!
ど、どこか休めるところは……
それなら、空いてる部屋へ。ベッドがありますので。
ほんと!?
ん?立った?
ハッ!?……ぐたり。
また倒れた。
とにかく、部屋に運んであげましょう。
…………
……
このベッド、ふかふかで気持ちぃー……
ゆっくり休んでくださいね。
なにか欲しいものとかない?
実は、おなかがすいてて……
食事ですね。すぐに用意します。
できれば、ステーキとポテトサラダを……
え?
ゴホッ!ゴホッ!いえ、なんでもありません。
じー。
な、なんですか……?
ひとまず食事を持ってきますね。主人公、手伝って。
アタシもいくわ。
…………
ふふ、聞いてたとおりみんな優しいなー。
ここなら<騎士(ナイト)>だの<王権(ロイヤル)>だの、階級(クラス)に縛られることもない。まさに理想の楽園だ……
安心したらなんだか……眠く……
食事を持ってきま――
スヤスヤ……
寝てるわね。
もぉ食べられないよ~……むにゃむにや……
寝言……?
というかコイツ、うすうす気づいてはいたけど……
思ったより元気だわ!
思い出2
スヤスヤ。
起きなさーい!
うわっ!?ななな、なんでしょー?
激務だかなんだか知らないけど、寝すぎよ!
ち、違うんだ!ハンモックが心地良すぎて……
だとしてもよ!アタシたちはいま、なにしてるんだっけ?
バーベキューです……
やりたいって、いったのは?
僕です……
なら、真面目に働く!
ひぃぃ、ごめんなさい!みんなが率先して、仕事をテキパキこなすものだからつい甘えて……
焚き火の準備できましたよ。
わぁ、すごい!火が喜んで、踊ってるみたい!
はい、釣竿。
へ?なにを……?
これから料理をつくるんだけど、食材が足りなくてね。
だから、池で魚を釣ってきて。
ええっ!?僕が?釣りなんてやったこと……
働かざるもの食うべからずよ。
いいい、いってきまーす!
えっと……とりあえず、池に向かって竿を振ればいいのかな?
……よし、たぶんいい感じ。あとはウキが動いたら……
て、めちゃくちゃ動いてる!?竿もしなってるし、引き上げないと!
うおおおおおっ!!!
釣れたー!大物だー!
おおっ、やるじゃない!
わぁー!噛まれたー!
なんでじゃー!
ひぃー、すいませーん!魚を逃がしちゃいましたー!
僕、クビですか?追い出される感じですか?
なんでもするから、それだけは勘弁して――ッ!
そこまで謝らなくても……なんか、アタシのほうがわるいことしてる気分だわ。
……そういうわけで、アンタはもうなにもしなくていいわよ。
魚なら事前に、何匹か釣っていたので。
それでも食べて、元気になりなさい。
うう……優しさで涙がでそうです……
……魚、焼けたみたいですね。どうぞ、ヴァー二ーさん。
う~ん美味ひいれす~。もうー匹……
え?ちょ……
ごちそうさまでしたー!
ぜんぶ食べるやつがあるかーい!
ひぃー!ごめんなさぁ――ーい!
思い出3
あ、あの……怒ってます?
ううん。
気を遣わなくても大丈夫です……本当は怒ってるんですよね……?
だから、怒ってないってば!
怒ってるじゃないですかぁ!
アンタがいま、怒らせたんでしょーが!
ひぃー!
いったい、どうしたんですか?
だって僕、ここに来てまだ何も役に立ってないから……!
みんな心の底では、僕をここから追い出したいと思ってるんだ!
そ、そんなことは……
(なんとかしなきゃ……デキる男をアピールしないと……)
あの、突然なにを……?
焚き火です。バーベキューでいいところを見せられなかったので。
リベンジってやつです。
なにそれ、意味わかんないわよ!火を消しなさい!
はい……
焚き火がダメなら……あ、ありました!ここで役立ちそうな特技!
次から次になんなの……?
ちょいとそこ行く、たぬきさーん!ハンマー貸してぇ!
キュッ?
なにする気?
まあ、見ててください。
…………
……
じゃーん!完成!
この短時間で……
立派な小屋が……!
どうです!中は広々!僕の大事なお菓子コレクションも並べてみました!
へぇ、アンタにこんな才能があったなんてね。
学生ボランティアで、ウサギ小屋の修理とかをよくやらされてましたから。
まあ、ここまでの技術を身につけられたのは、とんでもない苦労があったわけだけど……!
これで僕が使える人間だって証明できたはず……やってやったぞぉ!
そ、それはいいんだけど……
くんくん……なんだろう、焦げくさ――
うわー!?小屋が燃えてるー!
アンタ!焚き火の後始末を雑にやったわね!
そんなことより水を!
お菓子コレクション……
<小屋は全焼した>
思い出4
あはは……小屋ってこんなに燃えるんだね。
被害が少ながっただけでも、よしとしましょう。
よくないですよ!
汚名返上するはずが、泥に泥を塗るようなことを……
今度こそ、楽園から追い出される……
楽園……?
この傷ついた心を、誰か癒やして……
しょうがないわねえ……
はい、食べものを恵んであける。
わーい!って、これはなんです?
力二カマよ。
ちょっとこわいけど、もらえるものはもらう主義だ……いただきます!
……う、美味い!?なにこれ!
でしょ?もうー本、あるわよ。
ちょうだい、ちょうだい。
おすわり。
ワン!
お手。
ワン!
よくできました。
ハッ!?猫相手に、犬みたいなマネを……!
でも、力二カマうま~い♪
ありがとうございます!おかげで元気が戻りました!
そうと決まればリベンジだ。
え?まさか……
小屋を建てるんです。
もういいって!
今度はヘマはしませんよ。失敗は成功のもとってね。
…………
……
じゃーん!完成!
また短時間で……
立派な小屋が……!
どうです?このレンガの小屋。
前みたいに木材じゃないし。燃えたりはしませんよ。
火に注意すればいいだけなのに。
チッチッチ。とんでもない嵐に遭遇することだってあるかもです。
その点、レンガは耐久性にも優れてる。
こんなふうに思いっきり体当たりしても、びくとも――
え――ーっ!?全壊――ー!?
どういうことよ――ー!?
レンガって、適当に積むだけじゃダメなんだね……
思い出5
…………
<ヴァーニーが思い詰めた顔で、飛行島のふちに立っている>
なにやってんのよ、そんなところで!
危ないですよ!
度重なる失態で、僕のメンタルはズタボロだよ……
どうせ、ここにいても迷惑かけるだけだしね。それならいっそ追い出される前に、自分から出ていく……!
出ていくって、飛行島は飛んでるのよ!
なんとかするもん!うまく着地するもん!
バカなこといわないの!
考え直してください!
(わあ……意外な反応だな……みんなが僕を心配して……)
(もっとオーバーにしたら、どうなるかな……)
僕は本気だよ!止めたって無駄だからね!
力二カマをあげるから、こっちにきなさい!
尻尾はもう、振らないって決めたんだ!
ステーキとポテトサラダを用意しますから!
えっ!?あ、いや、その程度じゃ僕は揺るかないよ!
なーんてね。実は冗談――
え?泣いてる?気のせい?
そ、そんなに僕のことを……!?
(どうしよう……ほんの出来心だったのに、この空気……)
(これはもう、謝ってすむレベルじゃない……)
(真実を伝えれば嫌われる!居場所がなくなる!そんなの耐えられない!)
(こうなったらーか八か、海に……)
マズイわ!
主人公!
思い出6
やっぱりこわい!飛び降りるの、やーめ……
たはっ!?まぶしい!なんだよこれぇ!?
ヴァーニーがひるんだわ!
今にうちに安全な場所まで、引き込みましょう。
いぇーい!キャトちゃん元気ー!遊びにきたよー!
……あそこにいるのはヴァー二ー?
なにやってんだ、あいつ?あんなところにいたら……
前がよく見えないよぉ……あれ?地面が――
なああああいッッ!!!!
はい、ストップ。
ぐへっ。ぐるしい……
間ー髪すぎて、掴むところが襟しかなかった。許せ。
加勢するよ!ルナっち、そっち持って!
……う、うん。ヴァー二ーを引き上げよう。
やれやれ……ー時はどうなることかと……
みんなありがとー!持つべきものはクラスメートだねー!
お前は<戦奴(スレイヴ)>じゃねえだろ。
いいでしょ、この際そんなこと。
そうそう。助けることには変わりないし。
……私たち、友達だから。
……友達……
ああ、やばい……泣いちゃいそうだ……
たとえ僕の居場所がなくなったとしても……
みんながいてくれるかぎり、そこに安らぎがあるんだねぇ……!
大袈裟すぎんだろ。
……そうなの?もらい泣きしようと思ったのに……
ルナっち、それはもう嘘泣きだよ。
クラスメートもいいけども。
私たちもヴァー二ーさんを見捨てたりしません。
なにかあったら、いつでも帰ってきなさいな。
あはは~、僕はなんて幸せ者なんだ~。
感動してるとこをわるいけど、そこにいると危ないからこっちにきなさい。
それもそうだね……うわっ!?なんかぶつかった!
レンガだわ!
もおー!なんでこんなところに落ちてんの!小指が痛いよ!
ダメよ!そんなにピョンピョン跳ねたら――
わわっ!?
大変!バランスを崩したわ!
ぎにゃー!飛行島から落ちちゃうー!
ったく、世話が焼ける。
みんなー!助けてー!
覚醒絵・覚醒画像
学園の守護役 ヴァーニー・ライマー
その他