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【白猫】Snow Fairy Tale Story2

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

信じてる――熱い想いが絶望を溶かすと――


目次


Story1 冬に咲く花

Story2 奪われた誇り

Story3 冬のさだめ

Story4 寒波

Story5 氷の騎士

Story6 氷の女王

Story7 とこしえの冬

Story8 雪が降ったら

最終話 冬の終わり



登場人物


ロッカ
マフユ
ソフィ
クライヴ
イーノ
セルゲイ
氷の女王
氷の騎士

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プロローグ



<凍れる白銀の大海の果て。人も通わぬ辺縁の地にて。

<吹き荒れる吹雪の中、少女は小さな白い花を見つめていた。>


w…………きれい……

<その花は……冬の終わり、春の訪れを告げる花。>

wでも……どんなにきれいなお花も、いつかは枯れちゃう。

<小さな花は凍りついた。>

wこれでもう枯れないよね。

z…………ロッカ。


w姉ちゃん。見て……

<マフユはロッカの頬に平手打ちをした。>

zバカ……!

wどうして……姉ちゃん。

zこの花は……必死で生きて、咲こうとしているの。

wでも、枯れちゃうんだよ?

zそれが生きているということ。命は巡るもの。花が枯れるのは、次の冬にもうー度咲くため。

wもう一度……?

z冬はもうすぐ終わる。……私たちの季節も終わり。



…………

……


z……そんな……あれに触れることは、誰にも……!!

どうして……そんなことが……!!

w全ては我らの失態です……

z顔をあげてください。みなさまは務めを果たしました。今度はわたくしの番――

あれを扱えるものは……ファルク家の血筋だけ!





Snow Fairy Tale Story2





story1 冬に咲く花


なるほど考えたわね!肉まんに力二カマをいれるとは!

考えたでしょ~。じゅわあ~。幸せ~。

ロッカさん……溶け……

溶けるとおもったでしょー。でも、ぎりぎり溶けないんだよー。

うまーく熱を操れば……こうやって~。

ギリギリ溶けてるわ!

あれ?

うまくいかないねー。

主人公、ちょっと……

どうしたの?

冒険家ギルドから、緊急依頼ですって……!



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story2 奪われた誇り



<主人公たちは、ギルドの指定した集合場所にたどり着いた。

名うての冒険家が集まっている。今回の依頼は、ー筋縄ではいかないようだ。>


……おかしいなあ。いつもより風が強いみたい。どうしたんだろう。

あれあれ、どうしたの?

アタシからいいたいことが。

何?

ここ、寒すぎるわ!猫は寒さに弱いのよ!丸くなるのよ!

ロッカさん、来てくれてありがとうございます。

私だって冒険家だもん。それに、寒いところなら雪女の出番でしょ?

確かにアンタ、雪女だったわ。肉まん女じゃなくて。

雪の妖精、通称雪女だよー!


みなさま、お集まりいただき、ありがとうございます――

ソフィ……?

<ソフィは見るからにやつれている……>

私より、今回の依頼について、ご説明をさせていただきます。

何があったの……?

我が氷の島より、国の至宝である<永久凍土のルーン>が、何者かに奪われました。

<<永久凍土のルーン>。あらゆる物を凍らせる、大きな力を秘めたルーン。

それが力を失えば、氷の島の氷が溶け、多くの島が海に没する。

その力が暴走すれば、生み出された寒波は、数千の島を凍らせる。>

みなさまへの依頼は、ルーンの奪還です……!!

氷の女王よ、勇気あるものたちに、加護を与えたまえ!


…………

……


<地吹雪の荒れ狂う極寒の地。極寒の地。全ての命が凍りつく白銀の冥府……

街も人も、生き物も、すべてが凍りついている。>


z…………

……………………!


…………

……


ソフィさん……大丈夫?肉まんたべる?

私は大丈夫です。ご心配なく。

全然、そんな風に見えないけど。

そうです……よね。

……何があったの?

氷の島が……寒波に襲われたのです。

我が国の国民も、生き物も、全てが凍りつきました。

寒波……?

ルーンは必ず取り戻します。

ソフィさん……!

――それが、王女としての務め。氷の女王の血を引く者の……

大丈夫だよ!…うまくいえないけど、きっと……きっと……

ありが……とう…………うっ……うううっ……!!


…………

……


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story3 冬のさだめ



<島には、多くの人々がひしめいていた。>


たくさん人がいるね~。

みなさま、避難をされているのです。

それってまさか……

奪われた<永久凍土のルーン>はすでに暴走を始めています。

どおりで……何年分もの冬が、いっべんに来たみたい。

この寒波の中心に、ルーンを奪ったものがいます……!


<老人と少年が、冒険家たちに温かいものを配っていた。>

w_oJ……みなさん、我々からの気持ちです。

w_k1できたての肉まんです!おいしいですよ!

イーノくん……セルゲイ!

w_oJ……わしらにできるのは、これくらいじゃからの。

w_k1はい、ロッカさん!

<イーノはロッカに、出来立ての肉まんを渡した。>

ありがとう……!!

w_oJロッカ……

私達にまかせて!絶対、みんなを助けるから!


…………

……


<冒険家たちは、飛行艇に乗り込んだ。寒波を追うために。>


……

…………


姉ちゃん、聞こえる……?

<雪の妖精はソウルを通じ、大気に流れる声を通わせる。

ソウルとは自然に満る命の力。妖精とはソウルの結晶である。>

……聞こえるわ。ロッカ。

大変なの。このままじゃ、冬が終わらなくなっちゃう。

あなたは、人に手を貸すの?

冬を終わらせないと!

冬の化身たる、私たちが?

命は巡るものだって、教えてくれたのは姉ちゃんだよ。

私たちが人に関われば、待つのは悲劇だけ。

それでも、助けたいの!

手は貸せない。私には私の戦いがあるから――

姉ちゃん……

でも祈っている。あなたに春が訪れることを。



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story4 寒波



<突如、凄まじいまでの冷気が飛行艇を襲う!!

周囲には、吹雪が荒れ狂う。>


……ううう……さむい……

こういうときは肉まんだね!

ロッカさん……

どうせ凍ってると思ったでしょ。でも!

<ロッカの体が、湯気を立てた!>

あ、アンタ!?

これこそ……私の肉まんへの愛が生み出した必殺技!あつあつオヤツ!

<肉まんが蒸し上がった!>

これが愛の力……!

熱を操ってあったかくしたの。はい、ソフィさんも!

私に……

食べて!

……ロッカ様……

私なんかが……うまくいえないけど、でも――食べて!

はふ……ふぅ……はむっ……!おいしいです……

よかった!

……ご心配を、おかけしました。

無理はしないでね。

無理ぐらいは……させてください。ルーンを止められるのは、私だけですから。

不便なルーンだねえ。でもどうしてみんなにはつかえないんだろう。

最初にルーンを手にした方が、ルーンの力をより引き出すため、制約を施した結果だと。

最初にルーンを……?

氷の国の、女王様です。

『私は信じる。冷たい氷の島にも、暖かい春が訪れると』――今も伝えられし女王様のお言葉です。

春が訪れる……そうだね!きっとそうなるよ!きっと……

えっ……!

<突如、凄まじいまでの冷気が飛行艇を襲う!!>

冷気よ!退きなさい!!

みんな!私の背中に!

凍っちゃうう!!

…………えーいっ!寒いのあっちいけー!


…………

……


w_S……寒い……寒いの……

w_Eしっかり……するんだ……

w_k1おじいちゃん。ロッカさんたち、ルーンを止めてくれるよね。

w_oJああ、もちろんじゃとも。

w_S体が……凍って……!!

w_Eちく……しょう……

w_k1……ロッカさん……肉まんをつくって……待ってる……から……

w_oJロッカ……わしはお前さんが……



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story5 氷の騎士



<冒険家たちは、かろうじて冷気に耐えたが――>

飛行艇の部品が凍って……動かなくなってる!

<熱を発生するルーンも、異常な冷気の前に効果を無くしていく――>

不時着します!!


…………

……


この寒波……セルゲイたちの……島が……

ロッカさん……!

きっと……きっと大丈夫よ!

いやだ……いやだよ……そんなの……!

ロッカ様――

ソフィさん……?

あのルーンは……我が王家の血筋の女性にしか、扱えません。

じゃあ……!

この寒波をもたらしたのは、私の身内です。

どうして……どうしてなの……!

<!>

この音……!みんな、逃げてっ!!

<雪崩だ!!>


……

…………


……みなさま、ご無事ですか!

誰か――!!

<……吹雪の中から、それは現れた。>

z――――!

……あなたは……!

z……………………!!

<氷の騎士が腕を振り上げると、凄まじい冷気が溢れだす!>

z…………ガアアア!!


…………

……


z…………

……………………

……俺は――!

…………!



<なんとか雪崩を避けられた――だが、ソフィの姿がない。>

ソフィさん!!どこなの!?

落ち着いて、ロッカ……!

……でも!

ともかく……移動しましょう!また雪崩が来たらおしまいよ!



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story6 氷の女王



<気を操る武人同士の決闘は、まばゆくそして凄まじい――>


(なんという冷気……!!)

z……我が剣のサビとなれ!!

えっ!?

zこれがぁ……秩序だ!!

まさか……!!

<ソフィは片足で立ち、ポーズを決めた!>

z……アラ……ベスク……!

クライヴ様……!?

zグウアアア!?

正気に戻ってください!

z……グオオオウ……!!ぐうううー!!


氷の女王に仕えた、古の騎士――死してなお忠節を尽くすつもりか……!

だが、取りつく相手が悪かったな!このクライヴ!姫を愛する心では、誰にも負けない!


z……俺は……!!

俺はクライヴという奴じゃない。だからためらうな!

……そんな……クライヴ様っ!

<凄まじい冷気が溢れだす!そして、再び。

雪崩が襲ってくる!

氷の騎士が、雪崩の前に立ちふさがった!>


z凍りつけ!!

<騎士の体が、雪崩もろとも凍りついていく!>

zガア……グオオオウ……

<巨大な氷塊が、ソフィの身を雪崩から守った……>

クライヴ……様っ……クライヴ様ー!!

z我が末裔よ。これ以上の不敬、許さぬぞ!

この声……!!誰です!


P我は氷の女王……全てを凍らせる我が覇業、邪魔立ては許さぬ。

あなたが<永久凍土のルーン>を!

P眠れ――我が末裔よ!

<凄まじいまでの冷気が、ソフィに集中した!>

……お兄様……クライヴ様…………

<ソフィの体は、凍りついた……>


…………

……


<冒険家たちは、凄まじい寒気に耐えながら、ビバークをしていた。>


がくがくがくがくがくがく……

ルーンが……

<熱を発生させるルーンも、ソウルが……命の力がなければ、輝くことはない。>

みんな……!!

<ロッカは、己のルーンを注ぎ、ルーンを輝かせる。>

あったかく……なったわ……

よかった……

主人公……私、行くね?

凍らないでいられるのは、私だけみたいだし。

大丈夫……絶対、大丈夫だよ!



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story とこしえの冬7



<凄まじい吹雪――その中で、生きるものがいるとは思えない。

この極寒の中を進める者は、まさしく冬の化身であろう。>


姉ちゃん……

聞こえてるわ、ロッカ。

姉ちゃんは、何と戦ってるの?

残酷で悲しい運命と、ね……

私、知ってるよ?姉ちゃん、いつもクールだけど、本当は凄く優しいって。

私はロッカとは違う。

私だって、姉ちゃんみたいにクールじゃないもーん。

あなたはまるで綿雪。いつまでもその暖かさ、忘れずにいて……

姉ちゃん……?

えっ!?ちょ、ちょっと!?

駄目だよ!凍っちゃうよ!

<主人公は、仲間から託されたルーンを見せた……

凍えるほどの寒さだが、発生する熱で、かろうじて前に進める――>

私じゃ、頼りないかな?

はははは。やっぱり――やさしいんだね。

<永久凍土のルーン>は、もうすぐだよ。早く帰って、肉まん食べよう!


<冷たい――

とてつもなく冷たいものが、近づいてくる――>


来てしまったのね。ロッカ……!

姉ちゃん――?そっか!やっぱり私たちを助けに来て――

…………

……どうして?どうして黙ってるの!?姉ちゃん……姉ちゃん!!

不敬である。わきまえよ小娘。

姉ちゃん、どうしたの!?

我は氷の女王――世界全てを白銀に閉ざすもの。

……姉ちゃんなのに……姉ちゃんじゃない。誰なの……!

私はマフユ。あなたの姉。そして同時に氷の国の女王!

うわああ!!

<ロッカの体が……凍りついた!>

私が……凍る……!

あなたに宿る冬は、春の前に消えて溶けるだけの冬。

私の冬は、とこしえの冬――眠りなさい、ロッカ――

姉……ちゃん……!

<まだ終わらない仲間からたくされた、このルーンの光で!>

邪魔を――!

だめっ!!

<意識が――薄らいでいく。体が凍りつく――

あとは――彼女に――!

ロッカの体が、暖かい光に包まれていく。氷が溶けていく――>

……みんな……!主人公!

……ロッカ、あなたは――!

うおおおーっ!!



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story8 雪が降ったら



私のハートは……!!

<主人公と仲間達から託された、最後の想いが……>

あつあつなんだからぁー!!

<ロッカを目覚めさせ、新たな力を与えた!>

――私達に、温もりなど不要。

せめて凍りつくがいい――そして眠りの内に見よ、冬と氷の支配を!

姉ちゃんが女王様で、女王様が姉ちゃん……どういうことなの?

我らは混ぜられた。国を守りたいと願う、氷の女王の魂と――

命が消える冬の訪れを、誰よりも悲しんでいた雪の妖精が、ーつになった。

そんなー!!

<守りたいと願う心。救いたいと願う心。だが二つが混ざることで――

この世の、脅威となった……>

姉ちゃんは、私よりも――悲しかったんだ……

春が来ることが……命がいつか終わることが……

もう……悲しくないわ。私は救ってみせる。全ての命を――!

姉ちゃんに、そんなことさせない!

我が前に立ちはだかるか。冬を誘う娘よ!

終わらない冬なんて、悲しいだけだよ……

ロッカ……!

だから私……終わらせるね?

吹雪よ荒れ狂え――全てを永遠の冬に!

姉ちゃん!

うううう……あああああ!!

<ロッカの体より、暖かい光がほとばしった!>

……残された、温もりを……!

肉まんをあったかくしたい。……それだけ。それだけだったの。

雪女は熱を奪う。だからね……?奪った熱を!

ぐああああああっ!!

姉ちゃん……大好きだよ……

……ロッカ……

姉ちゃん……!!うっ……うああああっ……!

<最後の温もりを受けて、マフユは消える――

マフユが立っていた場所に、ルーンが輝いていた――!!

ルーンは激しい冷気を発しながら、激しく輝く。さながら凍て星のごとく。>

<永久凍土のルーン>――!

……暴走してる……!!このままじゃ!

<ロッカは、ルーンを抱きしめた。>

うああああああ――!!

私に残ったソウルで……ルーンを……!

みんな……セルゲイ……イーノくん……姉ちゃん……

雪が降ったら……私のこと――




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story 冬の終わり



ねえ……

うっ……うううっ……ううっ……

…………くっ。

ロッカ……アンタの好きな肉まん……

ロッカ!!

ロッカさん……!

<雪原には……光を失った<永久凍土のルーン>が転がっていた。

主人公は、凍った肉まんを手にする。

せめてこれを――彼女に――>

!!

<肉まんが湯気を立てている!>

冷えた肉まんは――

温め直せばいいんだよ!

……ただいま……帰ってきたよ!!

私――

私――は――

あ、アンタたちぃー!!

P……雪の妖精たちよ……これがせめてもの償い……我に残されたソウルで!

女王様!

女王様が……ソウルを……でも、それじゃあ……!

P我が末裔よ我は愚かであった。

いいえ、あなたは――

守ろうとしただけ。あなたとーつになったのが私だからこそ、あなたは逸脱した。

P汝とーつになったのが我であったからだ……すまぬ……

女王様も、優しい人だったんだね。だから……!

あなた、消えるの――?

P我は遠い昔に消えるべき存在。国への想いとみなの想い故、魂だけが残り続けたにすぎぬ。

健やかに――そして幸い有れ。汝らに春が訪れんことを――


…………

……


<全土が凍りついた氷の島。だが寒気は去り、氷は溶け。

凍っていた人や生き物は、蘇った。>

<永久凍土のルーン>よ。氷の島を見守りたまえ。

<ルーンは蘇り、ソフィの母、氷の島の王妃のもとに戻る。>


w_k1ロッカさんたち、また来てくれるかな?

w_oJまた冬になったら、きっとこの島に肉まんを買いにくるじゃろうて。

w_k1早く冬にならないかなあ!


<そして――>

はい、姉ちゃん!

<ロッカはマフユに、肉まんを渡した。>

……はむ。

どう?おいしい?

……あったかい、味ね。

そうでしょう!もっと食べて!

<冬は終わり、春が来る。次の冬が来て、また春が来る。命は巡る。永久に――>







Snow Fairy Tale Story2
~END~




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