【白猫】アイドルωキャッツ! Story
2017/00/00 |
目次
主な登場人物
story1 ミステリープリンセス
探偵リリー・コーネルは、噂のソフトクリーム屋の列に並んでいた。
「ここですよ、クロードさん!」
「それはわかっているが、なぜ俺まで並ばないとならない?」
「列ができてるからです!!」
「ああ、まあ、そうだな。そうなんだが、俺はソフトクリームなどいらないぞ。」
「甘いですね、クロードさん。クロードさんが食べないなら私が食べればいいんです!」
「そうか。だから、なぜ俺が並ばないと……」
「そして、ソフトクリームも甘いんですっ!」
「あいかわらず当たり前のことしか言わないな……」
「それほどでもありませんっ!」
「褒めてはいないぞ。」
――
「なんですか?この光……
これは……
なんですか!? わかりませんっ!!」
――
「消えた……!?
リリー!どこだ、リリー!!」
同じ頃――
「ラピュセル~、フィーユ~!ご飯の時間ですよ~。」
『『♪』』
『『♪♪』』
「あなたたちは!?」
『ピィピィ!』
「……もしかしてお友達?」
『ピィ!』
『ピピィ!』
「か、かわいい~!二人とも、うちの子になる?」
『ピピィ!』
「ああん、もうかわいいよ!かわいいよ!
あなたたちの名前は?」
「まだ決まっておりません。」
「ゲオルグ、この子たちを知っているの?」
「迷い竜です。カグツチが見つけてきました。
姫様、よろしければ、名付け親になっていただけませんか?」
「わかりました。では少し考えますね……
あなたがプティ。
あなたがビケット。
ああ、もうかわいいよ~!
フィーユとラピュセルもお姉さんとして二人の面倒を見るんですよ。」
『『♪♪』』
「ああ、みんな、かわいい!もう、ぎゅっとしちゃうんだから~。」
「……姫様。」
「なに、ゲオルグ。」
「人前では、もう少しご自重なされたほうがよろしいかと……」
「でもでも、みんながかわいくて!」
「それはわかるのですが……」
「はあ、このかわいさを、世の中の人に伝えられれば……」
「姫様、公務の時間です。ラピュセルたちとはしばし別れて……」
「嫌です!」
「いや、しかしですね……」
「みんなと私を引き裂くなんて、ひどいわ!
二人もお姉ちゃんと一緒がいいって言ってるの!」
「言ってるの!ではありません。ドラゴンに忌避感を持つ方々もいらっしゃいます。」
――
「なんだ、この光……」
「え!?」
story2 スターティングピュア
「ここは、どこですか……」
「ラピュセル~!フィーユ!プティ!!ビケット~!どこなの~!!」
「あなたは……誰ですか?」
「あ、私は〈竜の国〉の王女エクセリア・クルスと申します。」
「王女様ですか!すごいですね。
私は〈コーネル探偵社〉のリリー・コーネルです!」
「探偵というのは、事件を解決する……」
「その探偵です!ドヤァ……」
「でも、どうして探偵さんが?それに、ここはどこでしょうか?」
「エクセリアさん!これは事件です!」
「事件!?」
「私はソフトクリーム屋さんに並んでいたんです。気づけば、ここにいました!」
「私も城にいたはずなのですが……」
「これは不可能犯罪ですっ!
迷宮入りです!どうしましょう!?意味わかりませんよ!!」
『たまんねえな……』
「誰ですか!?」
「あなたは……なに?」
「かわいいですね!どこの動物ですか?」
『オレは悪魔のペオルタン……おい、こら、耳を引っ張るな!やっぱりオメエは謎ピュアだな!!』
「ペオルたんは悪魔……もしかして、あなたが犯人ですか!?」
『そうだぞ!オレはオメエらを……耳を触りすぎだぞ!!』
「はあ……私もパピュセルたちが心配になってきました。」
『クゥッ!ドラゴンピュアだな!たまんねんな!たまんねえピュアさだぞ!!』
「それでペオルたん、私たちはどうしてここに?」
「あの、できれば早く帰りたいのですが……
ラプセルたちも寂しがってると思うので。」
『反してやってもいいぞ!
でも、条件があっぞ!』
「「?」」
『オメエら、アイドルすっぞ!世界にピュアをバラまいてみんな、ピュア死にさせてやっぞ!!』
「アイドルってなんでしょうか?」
『世界に夢と希望をバラまける存在らしいぞ!オレもよくわかんねえぞ!
でも、人前に出て、ピュアさを披露するらしいぞ!世界平和だぞ!!』
「人前に出るんですか……
よく分かりませんが、引き受けました!」
「よくわからないのに、大丈夫なんでしょうか?」
「はい。実は今、依頼が無くてヒマなんですっ!
アイドルがどういうものかはわかりませんが、〈コーネル探偵社〉の宣伝になりそうです!」
『その意気だぞ!』
「私はラピュセルたちが心配ですし、公務もあるので……」
『アイドルになれば、人前にたくさん出っぞ!
おめぇのピュアッピュアに愛してるドラゴンのイメージもあげられっぞ!』
「やりますっ!」
『ひゃあ!たまんねえ!もっと集めてくっぞ!ピュアッピュアなの、もっと集めてくっぞ!
あ、その前にやること忘れたぞ!』
――
「なんですか?この服……」
「かわいらしいですね。」
『ひゃあ!ピュアッピュアだぞ!もっと集めてくっぞ!』
――
「消えましたね。」
「私たち、どうなるんでしょうか?」
「それは……わかりません!!」
story3 鏡の世界のアイドル
「くっそー、お父様め……!あれほど人前でセラたんと呼ぶなと言ったのに……」
とある島に、悪魔の女の子が住んでいました。
「こういう時は、蔵の中にある古道具を磨いてやる。」
彼女の名前はセラータ。お父さんへの反抗のためいいことをしようとしている少し変わった悪魔の女の子です。
「ククク……。古くなった物をピカピカに磨いて新品同様にする……リサイクル精神が旺盛にもほどがあるじゃないか。
こんなに悪魔らしくない行動をしたら、お父様はさぞ驚くだろう……。
まず手始めに、この鏡からと行こうか。嫁入り道具ばりにぴかぴかにしてやるぞ!
この!この!この!こいつめ!なかなか頑固な汚れだな!長年の無情は伊達ではないな!」
***
「よし、綺麗になったぞ!
フハハハ!まるで、静かな湖面のようではないか。」
――
「なんだ、これは……鏡……?」
『オメエ、でっけえピュアしてるな!気に入ったぞ!』
「鏡が喋ったーーーっ!!」
『気に入った!気に入った!気に入った!オメエのピュアさ気に入ったぜ!』
「な、なんだ、オマエは?」
『オレは空前絶後の大悪魔!ペオルタン様だ!クゥー、たまんねえな!!』
「大悪魔?オマエみたいなへちゃむくれが?」
『へちゃむくれって表現、それ、たまんねえな!いいぜえ、いいぜえ!そのピュアッピュアなピュアさ!』
「……」(なんか、こいつ、気持ち悪いな)
『そんな風に引いてるところ、いいピュアさだぞ!!』
「……帰ってもいいか?」
『ここ、オメエん家だぞ!?』
「じゃあ、オマエが帰れ!!」
『オレは昔、大悪魔として多くの純粋な人間を堕落させてきた。』
「いきなり自分語りを始めるな!!」
『そんで、ある日、気づいちまったぞ!!
ピュアなものの美しさに!!
それで、オレは悪魔として働けなくなっちまったぞ。』
「ふ~ん、そうか。大変だな。早く帰ってくれ。」
『オレはピュアなものが好きだぞ。こうして時々、ピュアな奴を集めてっぞ。」
「はた迷惑な奴だな……
だが、私をピュアだと思ったのはいいぞ!悪魔らしくないからな!
フハハハハ!」
『へへへ、オメエ、本当、ピュアッピュアだな!
おい、アイドルやらねえか!』
「アイドル?なんだ、それは?」
『世界中に夢と希望とピュアを届ける存在だぜ。』
「夢と希望だと!?なんと恐ろしい……!」
『おうともさ!お前のピュアさで、みんなをピュア死にさせてやっぞ!それで世界を平和にしてやっぞ!』
「ククク、そんな存在になれば、お父様も二度とワタシのことを人前でセラたんとは呼ぶまい!!
お父様に目にもの見せてくれる!アイドルになってやろう!」
『ひゃあ、たまんねえな。反抗期のピュアさ、たまんね!!
ヒャッハー!もっとピュアな奴、集めっぞ!!もっともっと集めっぞ!!』
――
「なっ!」
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