【白猫】ワールドエンド Story7
最終話 ――遠い未来の地
ロイド・イングラムと魔幻獣をめぐる戦いは終わった。
そして――
ダル~ん……
みんなして、ダラけすぎだよ。
しかたがないじゃない。ここ数日、とっても濃かったんだし。
アイリスだって、最近は昼寝が多いわよ。
そうね。まだ本調子じゃないみたい……
いいのよ、いいのよ、休みましょ。だって、みんな、あんだけがんばったんだから。
みんなして昼寝?気持ちよさそうね。
フィオナもダルってきなさいよ。
そうしたいのもやまやまなんだけど、ルーファスを探してるの。どこにいるか知らない?
ディラン兄たちと酒場で騒いでるよ。
昼間っから酒盛り?なかなかのダメっぷりね。
***
なんでだー!どうして僕はあの時、あんなことを!!死にたい、死にたい、死にたい!!
気にすんな、社長!すぎたことを悔やんでもしかたがない!ほら、もういっぱいいけ!
ハッハッハ!過程は気にするな、ルーファス結果がともなえば、いいのだ!
アンジェラ……なぜ、俺が盃を空ける度に酒を注いでくる?
いいから飲め!戦場の垢は酒でそそぐに限る!ハッハッハ!
フッ――まだまだいけるぞ。
エマとキャトラはどこだー!連れてこーい!!
案の定ね……ちょっとルーファス、いい?
なんでふか?
魔幻獣の遺跡に関していろいろと聞きたいことがあったのよ。
それと、ついでに好奇心が一つ。
本当に未来は救われたの?
僕たちの世界の未来は大丈夫です。虚無のソウルは消えたので……闇の王はまだ残ってますが……
エレノアのいた世界は?
……根拠はありませんが、悪い事にはならないと思います。
虚無のソウルは光を侵蝕します。じゃあ、光がなくなれば、虚無のソウルも……
Zzz……
寝ちゃった……
でも、そうね……救われてるといいわね。
***
マルグリット様……お久しぶりでございます。
このグラハム、果たせなかった約束、今度こそ果たせました。
どうか安らかにお眠りください。
エレノア様、お待たせいたしました。
挨拶はすみましたか?
はい。それにしても、こんな花畑があるとは知りませんでした。
それはもったいないですよ。こんなに綺麗なのですから。
なにをお作りなのですか?
花輪です。これ、作るの得意だったんです。グラハムさんにあげますね。
エレノア様……
あなた様の願いは叶えられました。約束どおり、お暇をいただきたく存じます。
はい……
その上で一つ願いがございます。
我が主となっていただけませんか?こんな老い先短い老兵などいらないかもしれませんが。
……こちらからもお願いがあります。
なにも知らないこの世界で一人生きていくのは、いろいろ大変です。
従者ではなく、友達として、助けていただけると大変助かります。
ハッハッハ……そうですな、友くらいがちょうどよい。
これからもよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
(アイリス様、あなたの守ったこの世界はこんなにも鮮やかに色づいています)
エレノア殿、参りましょう。
はい!
エピローグ
すべてなくなってしまったのね。光も闇も……
ごめんなさい……
これは……?
みんな……
「すべての命が消えた世界に……
新たなソウルが満ちていくわ。
アイリスの持ってる光と、アイリスが持ってきた闇。
この二つがあるなら、この世界はきっと――」
「ただいま。」
「「――おかえりなさい。」」
***
これは、まだ遠い未来の物語――
幾多の試練を乗り越え――
数多の絆に助けられ――
今、新たな理に手がとどく――
そう、これは――
はじまりのおわりの物語――
新たな希望のための物語。
―END―
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