【白猫】カルマ(DE)・思い出
カルマ cv.吉野裕行 高い理想と身体能力のギャップに悩む冒険家。 自分の生き方を変えないまま、限界に挑む。 |
2021/11/17
思い出1
……よう、お前ら。
カルマさん、こんにちは。
バンズ島で会って以来ね。あのときは大変だったけど、もう大丈夫なの?
ああ。別の問題は出てきたけどな。
問題って?
気にすんな。それは、こっちの話だ。
アンタが体に着けてるそれが、上手く動かなかった……とかじゃないわよね?
ああ。機能上のトラブルはねえ。
それじゃ、『別の問題』というのは……
俺自身だ。てめえの体力のなさを改めて思い知らされた。
デバイスは能力を何倍にも上げるが元になるのは使用者の身体能力。……てことは、だ。
俺の体力が切れたら、終わりだ。デバイスはゼロをイチにはしねえ。ゼロに何を掛けてもゼロだからな。
『ひとつだげ性能の低いパーツ』をどうにかするのが今後の課題だ。
アンタは器用なタイプに見えて、かなーり頑固よね?
もっと早くて楽チンで簡単な方法を知ってて、そっちの能力は人並み以上にあるっていうのに。
なんで、わざわざ大変な方に挑もうとするのかしら。
それが俺だ。変える気はねえ。
わかってるわよ。そこは口出ししないけど……
あまり無茶しないでくださいね。私たちに出来ることがあれば、手を賃しますから。
クククク、いらねえよ。
あら?なんか変な動きね?どこか調子でも悪いの?
いや、問題ねえ。気にすんな。
気になるわよ、ちょっと見てあげるわ?
なんで逃げるのよ。
だから、気にすんなって……いてっ……!
え?まだ筋肉痛なの!?
思い出2
だから、あんときの筋肉痛はとっくに治ってんだよ!
その動きで言われても、まったくシンピョーセーがないわね。
sこんにちはー、こっちにカルマさん来てますか?
あら、シズじゃない。ここにいるわよー?
sもしかして、つつかれてます?
そんなこと、まだしてないわよ。
(『まだ』って、言っちゃってる……)
……てめえら、何見てやがる。
これで本人は、もう治ってるとか言ってるんだけど……
sある意味、その通りです。それは、新しい筋肉痛ですから。
カルマさん、あれから自分の体力のなさを痛感して、トレーニングに励んでるんです。
おい、ポンコツ精霊!余計なこと言うんじゃねえ!
sカルマさん、のめり込む性格だからついつい負荷を掛け過ぎちゃうみたいで……
冶っては筋肉痛の繰り返しなんです。
それは……大丈夫なんですか?
早く体力つけようと焦ってるけど、体がついてこないってところね?
sはい。
『はい』じゃねえだろ。俺がバカみてえな説明で終わらせるんじゃねえ。負荷を掛けて壊れた筋繊維が、回復する段階で大きくなるんだよ。
だから、この状態は間違ってねえ。
じゃあ、その正しい筋肉をつついていいかしら?
やめろ。てめえら、なんでそんな嬉しそうな顔してやがる。
ケガしてるわけじゃないってわかったからよ。心配したんだから!
キャトラ……その動きで言っても信憑性がないよ?
思い出3
アイリス!
キャトラの!
飛行島クッキング!
ちゃーちゃらりらったーらーちゃーたー♪
なんだその妙な曲は。今度は何を始めやがった。
アンタのために、美味しくて体に良い料理を教えてあげようと思ってるんじゃないの。
いつまでもそんなギクシャクした動きで暮らしてくわけにはいかないでしょ?
ねえ、アイリス?
そうですよ。
正しい食生活は体調を改善させて、疲労の回復を早めますから。
こんなもん、すぐに治る。そこまで大袈裟な話じゃねえ。
いいえ、アンタは間違ってるわ。
筋肉は、ひとりで勝手には大きくならないのよ!優しく育ててあげないと!
あ?なんだそりゃ?
だいたいアンタ、ちゃんと食べてる?
ああ。問題ねえ。プロテインもサプリメントも摂ってるしな。
ダメよ!
そんな薬みたいなもんで済ませるなんてよくないわ!
何から摂ろうとビタミンはビタミンアミノ酸はアミノ酸だろうが。
わかってないわね。アンタの体は数字やデータで作られてるわけじゃないの。
食事で足りない分を補うならともかく、健康な体を作るのは……
美味しくて愛情のこもった食事よ!
(キャトラが、お母さんみたいになってる……)
そういう数値化できない要素を当然のようにゴリ押しすんな。
もう……こうなったら、諭より証拠よ!
これからアタシたちが、アンタにとっておきの簡単お手軽レシピを教えちゃうんだから!
sそれは、私も興味あります!
なんで、てめえが一番乗り気になってんだ。
sいいじゃないですかー。私の開発したお料理アプリに取り入れさせてもらおうかと……
それじゃ、ウチのスーバーシェフがアンタたちの度肝を抜いてあげるわ!
アイリス、やっちゃいなさい♪
s(ここで丸投げ!)
思い出4
さて、食うもん食ったし、少し体を動かすか。
sカルマさん、やっぱり器用ですね。まさか料理まで上手だとは。皆さん驚いてましたよ?
あんなもん、レシピ通りにやるだけだろ。器用さは関係ねえ。基礎もねえのに欲張ったことすりや失敗するに決まってんだよ。
その通りね。
それは例えば、体力もないのに調整中の装備で戦闘に参加するとか?
てめえら、旅に出たんじゃなかったのか。
カルマさんが心配で、様子を見に来ました。アリーゼも気にしていたので。
何言ってんのよ、がきんちょ!アタシは、そんなの気にしてないわ。
回復してないですね。むしろ悪化しています。
アンドロイドの基準で生身の人間を語んじゃねえよ。これはアップデートの途中だ。
ー種のスクラップ&ビルドですか。人体というのは、非効率ですね。
ほっときなさい。そいつはその非効率な体のままで戦うって決めたんだから。
やりたいようにやってるだけでしょ。やらせときゃいいのよ。
……それは、そうですが。
クククク、天才でもわからねえことはあるか?
む……っ!理想と現実が違うことくらい、わかりますっ!
そして世界が、ロジカルには出来ていないこともです。
知っていますか、カルマさん。生物の進化に目的などないことを。
あ?いきなり何の話だ。バグったか?
バグってません!
進化の果てに残ったものは、彼らが優れて正しかったのだと誤解されがちですが、違います。
無秩序に自分なりの変化を模索した中で、たまたま生き残った結果でしかありません。つまり……
正しいものが生き残ったのではなく生き残ったものが正しいのです。
そりゃ結果論だろ。いまも世界は動き続けてんのに、結論を出すのは早すぎる。……それにだ。
死ぬ気でやった結果を『たまたま』で済ますのも、それはそれで違うんじゃねえのか?
それは……
がきんちょ!用は済んだわ。もう行くわよ。
s最後のは、何の話だったんですか?
内容はともかく、カルマさんを気遣ってたのはわかりましたが。
ああ。あいつらなりに励まそうとしたんたろ。
『生き延びたもん勝ちだ』ってな。
思い出5
……はあ、はあ。
……なんとか。動けるように……なって、きやがった。
しっかし、じれってえな。この程度の調整に手間も時間も食い過ぎだ。
がんばってるわね。
カルマさん、あまり頑張り過ぎないでくださいね?
そうよ、気持ちはわかるけど。すぐに結果が出るわけないんだから。
あんまり焦っても、良いことないわよ?
そんなこと、わかってんたよ。
赤猫、いいところに来やがった。ちょっとトレーニングに付き合え。
だからー!そういうとこー!?
心配すんな。軽い調整だけだ。
いや、ウソじゃねえよ。
ほらー、やっぱりそんなにボロボロになって……!
ある程度のリスクはある程度のリスクは承知の上だし、このくらいは想定内なんだよ。
実戦じゃ、可能な限りの装備は揃える。戦術や脅しやブラフで相手の戦力も殺ぐ……けどな。
事前の策をどんだけ積んでも、俺の身体能力じゃ限界があんだよ。この前は、それがモロに出た。
だったら何をすべきかはハッキリしてんだろうが。
それは、わかるけど!?
だからって、そこで無理してヶがでもしたら意味ないでしょ!
ああ、もう!主人公!
思い出6
……ったく、またこれかよ。
余計な気ぃ回さなくていーんだよ。結局は俺が自分で、解決するしかねえんだからよ。
そうね。
アンタが自分で解決する気なのもそれができるのも知ってるわ。
心配しなくたって、無理に手を出したりはしないわよ。
そうです。カルマさんなら、きっと大丈夫ですよ。
自分のやり方で、最後までがんばって、前に進めると信じてますから。
クククク……それじゃあ、今のはなんだ?慰めか?
そんなわけないでしょ。
応援よ。
いくら大丈夫だってわかってても、心配なものは心配なのよ。
せめて応援くらい、したっていいでしょ!?
ああ、ありがとな。
棒読みー!?
誰にだって向き不向きはある。限界もある。そんなことは最初からわかってんたよ。でもな。
実現の可能性がゼロじゃないなら、どうにかする手段を考える。
それが、俺のやり方だからな。
(結果なんて知ったことか。勝ち負けも、後の評価も関係ねえ)
(そこまで自分がどう足掻いたか、そして何を成したかだ)
まあ見てろ、俺は進化してみせる。
――このままの俺として、な。
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