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【白猫】すず風を届けに Story

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん

2014/8/19


目次


Story1 すず風を届けに

Story2 初級:村へ風鈴を届けよう

Story3 上級:村祭りに間に合うか!?

Story4 絶級:楽しい夏祭りの後で

最終話 破滅級:消えた少女は何処へ


登場人物




story1



どうしましょう……

この浜辺を抜けないと村に行くことができないのに……

早くしなければ、お祭りが、はじまってしまう……


どうしたんですか?

この浜辺の向こうに小さな村があるのですが、危険な魔獣がいて一人では先に進めず困っていて……

どうして村に行かなくちゃいけないの?

以前、村にお邪魔したときに私から買ってくださった風鈴をみなさん大変気に入ってくださって――

この先に私の風鈴を待っている方々がいるんです。何としても届けないと……

そういうことなら任せてよ~っ。私たちがその魔獣を蹴散らしてあげる!

ありがとうございます。

……あっ、そんなに小さい風鈴もあるんだ? 可愛いわね~。

ふふ、これが気に入りました? よかったら差しあげますよ。

えっ、ほんと~っ!?

しっぽにつけておきますね。この大きさなら邪魔にはならないと思います。

チリン、チリ~ン。

綺麗な音色……よかったね、キャトラ。

風鈴には魔除けの効果があると言われています。みなさんも、おひとつずつどうぞ。

そんな効果があるんだ……ありがとうございます、大事にしますね。

それではみなさん……村までの道中、よろしくお願いいたします。



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story2



キャトラ……キャトラ、どこにいるの!?

どうしよう……さっきの戦いではぐれちゃったみたい……

キャトラさん、どこですか!? 返事してください!

まさか、波にさらわれちゃったんじゃ!?

……アイリスさん落ち着いてください。

何か聞こえませんでしたか……?


どこからか風鈴の音が微かに聞こえてくる……

音のする方へ向かうと、砂の中から小さな風鈴のついた白い尻尾が飛び出している。


キャトラ! 今、助けてあげるからね。


 ***


けほっ、けほっ、うう、アイリスう~! 真っ暗だし息もできないし死ぬかと思ったよぉ!

風鈴がお役に立ったみたいですね。

口の中がパサパサするよぉ……

さあ、村が見えてきました。

みなさん。もう一息です!



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story3



やっと村についたわあ……

なんとか、日が暮れる前にたどり着けたわね!

みなさん、お待たせいたしました。風鈴をお持ちいたしました。

<村に入るとあっという間にスズネの周りに人だかりができた。

村人たちがこぞってスズネから風鈴を買い求める。>

凄い人気ね~っ。

こんなに喜んでもらえるなんて、頑張ったかいがあったね。

みなさん、風鈴の音を聴いて涼んでくださいね。

<そよ風に揺れた風鈴が、清らかな音色を村中に響かせる。>

綺麗な音ね~。

なんだか、涼しくなってきた気がする……!

これから、お祭りの準備をしなくては……忙しくなりますよ。

ふふっ。あなたも風鈴、おひとつ、いかがですか?


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story4



ふふっ、楽しいお祭りになって本当によかった……

あら?


はあ……

こんなところで何をなさってるんですか?

な、なんでもないよぉ……

日も暮れてきています。ここにいると魔獣が現れて危険ですよ?

…………

――ほっといて!

あっ、待って――!


どうかしましたか?

みなさん、大変です!エルフの女の子が向こうに……

マズイよ……もうすぐ日が暮れるのに……

すぐにその子を、追いかけましょう!

はい!



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最終話



いたわ、あそこ! 入り江の近くに女の子が立ってる。

どうやら無事のようですね……


なんで、追ってくるのぉ……?

なに言ってんの! アンタが心配で追いかけてきたんじゃない!

アンタじゃないもん。ユティーナだもん!

ユティーナさん、聞いてもいいですか? どうして、こんなところに……?

…………

お手伝いしてたら怒られたの……

採ってきた果物の中に腐ったのがまぎれてて……

でもね。一生懸命頑張ったんだよ。たくさん果物採ったんだよ。

なのにさぁ……


……そうだったんですね……

そうだ、ユティーナさん。この風鈴の音を聞いてみてください。

綺麗な音だと思いませんか?

うん……ステキな音だね……

何度か職人さんたちに風鈴を作らせていただいたことがあるのですが……

形がいびつで、それはもうひどい音色で――

何度も何度も作り直して、やっと綺麗な音が鳴る風鈴を作れるようになったんです。

ふーん……これって、そんなにつくるの大変なんだあ……


…………

……なんだか、この音を聞いてたらおうちに帰りたくなってきちゃったかも。

アタシも飛行島のみんなに会いたくなってきたわ~。

私も。ね、主人公。


みんなのところに帰りましょうか。

……うん!



スズネはユティーナの手を取ると、一緒に浜辺を歩き出した。

海から穏やかな風が吹くたびに、静かな浜辺に風鈴の優しい音色が響いていた――






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