【黒ウィズ】メインストーリー 第10章 Story4
こんな所にまで来てしまった……。
黒猫の魔法使いの足跡を追い、バロンたちはロレンツィオに来ていた。
「うむ……。噂に聞いたことはあったが、間近で見ると壮大だな。」
「……すごい……。……壁。」
バロンたちの前にはロレンツィオの代名詞ともいえる城壁がそびえ立っている。
「さっき聞いた話によると、この街では魔獣の騒ぎがあったそうだ。」
それをあの魔法使いが解決したそうだ。手始めにここのギルドマスターを訊ねてみよう。
事件のことを何か知っているはずだ。」
***
魔道士ギルドを兼ねた教会の前にやってきたバロンたちは、さっそくその戸を叩く。
が、返事はなかった。
「ん?」
バロンは耳を戸に当ててみる。声が聞こえる。押し問答のようにも、聞こえなくもない。
…………。
「御免。」
と一言断ると、戸を押した。
「だから、ボクを“迷いの森”まで連れていけと言っているだろ!」
「そう言われても、あんな所に子どもを連れていくことはできません。」
「だから! ボクを子ども扱いするな!」
見ると、この教会のシスターらしき人物が、子どもと何か言い合っているようだった。
「シスター。どうやらお困りのようだな。私はトルリッカのギルドマスターバロンだ。」
「……ロレッタ。」
「いえ、困ると言うほどではないですけど………。」
「ははは、まあ任せたまえ。そこの子ども、わがままを言ってはいかん。子どもは子どもらしく……。」
とバロンはその顔を覗き込んだ。
「誰が子どもだって? バーローン?」
「ぬおっ!! ティア殿!!」
「いい所に来たな。ボクを“迷いの森”に連れて行くんだ、バロン!」
「なんと……。」
=魔道士の足跡
<ロレンツィオにティアがやって来た理由は何にゃ?
何かの調査かにゃ?
p子どもたちから聞いた話だと、この辺りのはずなのですが……。
t迷いの森と言うくらいだから結界が張ってあるはずだ。ロレッタ、何か感じるか。
r……うん……このまま行けば……。……越えられる。
pそれにしても、皆さんがあの魔法使いさんのお知り合いだったとは。
tああ、ボクの弟子だ。
bそれはかわいそうに……。
t何か言ったか?
bいえ、何も。
ところで――。ティア殿は迷いの森に何の用があるのですか?
tちょっと気になることがあるんだ……。
ロレッタは何かに気づいたように、ふと足を止めた。
r……結界を……抜けた。
story
結界を抜けるとそこには洞窟があった。
しきりに何かを調べるティアにバロンが訊ねる。
bティア殿、どうですか? 何かわかりましたか?
tペルナデッタ。ここの魔獣の話を聞かせてくれないか?
pはい。本当のことはわかりませんが、この街を魔獣が襲ったというお話は昔からあります。
そして、街を守るために街の人々は城壁を作り魔獣の襲撃に備えた。
それがロレンツィオに伝わる魔獣の話です。
tふむ……。
pどうかしましたか?
tなのに、ここまで厳重な結界があるのか……。
pへ? そうですね……。
t以前の事件では、結界が何者かによって破られたことで魔獣が街を襲った、だよな?
pはい。間違いありません。
bどういうことですか? ティア殿。
t守られていたのは街なのか魔獣なのか――いや宝珠なのか。一体どっちなのかと思ってね。
ボクは調べたいことがある。帰るぞ!
突然そう言うと、ティアはひとりで洞窟を引き返していった。
pあの? 一体どういうことですか?
b私もわからん……。
pあの……もし、この話に何か魔法使いさんが関わっているなら――。
私も手伝います。
その瞳には固い決意の光が宿っていた。
bベルナデッタ殿、その気持ちはわかった。
……ただ、我々も何か起きているのかはわからないのだ。
だが、我々もあなたと同じ気持ちだ。
p……魔法使いさんはオウランディに向かうと言っていました。
そこに行けば、何か分かるかもしれません。
私も魔獣が残した宝珠を調べてみます。
bうむ。
洞窟の入り口から呼ぶ声が聞こえる。
tおーい! 何してるんだ。ボクひとりだと道に迷っちゃうだろ。街まで連れて行けー!
bやれやれ……。
story
アユ・タラに帰るというティアと別れ、バロンとロレッタはオウランディヘ向かった。
その郷には気持ちの良い風が吹き込んで、立ち並ぶ風車が音を立てて回っていた。
「……大きな……風車……。」
「お前はこんな風車を見るのは、初めてか。」
ロレッタが黙って頷いた。突然、ふたりを呼ぶ声がした。
「そこのふたりー! そんな所でボーっとしてると危ないわよー!」
見ると、風車小屋の窓から少女が顔を出し、こちらに何事かを言っていた。
「おお。そこの君。私はトルリッカのギルドマス……。」
「うるさーい! 毛むくじゃら! 人の話を聞きなさーい!
そ・こ・は! 危ないって言ってるの!」
「け、毛むくじゃらだとッ!」
「……間違って……ない……。」
「なにッ……!」
「もーおー!!」
影がバロンの頭上を飛び越えてゆく。風車小屋の窓から飛び降りた少女が、地面に達する瞬間、突然の上昇気流が吹きすさんだ。
風が吹き抜けた後、バロンたちが閉じた目を開くと、少女は平然と立っていた。
平然というよりは、ちょっとカリカリした様子だった。
「あんたたちぃ! ここは危ないって言っているでしょ。なんで言うこと聞かないのよ。」
「理由もなく、そんなこと言われても、そうですかとはならんぞ。」
「理由? 理由なら言ったでしょ。いまから魔物がやってくるって!
……あれ?」
少女ははたと考え込む。これまでのいきさつを振り返っているのだ。
すると何かに気づいて、少女は恥ずかしそうに声を上げた。
「もーおー! 言ってないじゃない!」
「そうだな……。」
と頭をかきむしる少女を、呆れながら見ていたバロンの袖をロレッタが引く。
「……バロン……魔物……来た。」
「ああー! き、来ちゃったじゃないの!」
=強き風の少女
<オルネは暴風みたいな娘にゃ。
そこが良い所でもあるにゃ。
「おーい! まだかー?」
「準備出来たわ……。さっさとそこを退いて……!」
風が巻き起こる。谷にやってきた魔物の群れの前に圧力の塊が生まれ――。
激しく弾ける! 衝撃の波が通り過ぎると、魔物の群れは散り散りに吹き飛んでいた。
「……なんという威力だ。」
「本気出せば、もっともぉーっと遠くに吹き飛ばせるわよ。」
「もっとか……。トルリッカまで飛んでいってしまいそうだな。」
「試してみる?」
「特別急ぎの時は頼もう。」
バロンは肩をすくめた。
少女は改めてバロンたちを見て、言った。
「アタシはオルネ、ここのギルドマスターをしてるわ。
……さっきは、ありがとう。」
「まさかギルドマスターとは……。まあ、いまの魔法を見れば、納得だな。」
「ほとんどはこの郷にある秘宝のおかげなんだけどね。あれがアタシの魔力を増幅してくれるの。
でもアタシはウィズ様の弟子だから。これくらいは当たり前にやらないと。」
「ウィズの弟子? ウィズの弟子は一人しかいないはずだが……。」
「ああ、アイツのことね。アタシはそれよりも前に弟子になってるの。一番弟子ってことかな?」
「そうだ、そのことだ! その話を詳しく聞かせてほしい。」
バロンはオルネに事の次第を説明した。そしてオルネもこの郷で起こった出来事を話す。宝珠を巡る話。クォの存在。そして――。
ウィズの登場。
「なるほど……。クォか……。これまた胡散臭い名前が出てきたな。」
「アンタたち……あの魔法使いの知り合いなんだ。」
「うむ。少し気になるのだが――。君はその事件の最中にウィズを見たのか?」
「見たわよ。あれは間違いなく、本物のウィズ様。昔見た通りの姿だったわよ。」
「昔、君が会ったというのもおかしいな。
私はその頃のウィズを知っているが、ここに来たというのは聞いたことが無い。
「何よ! アタシが嘘ついているって言うの? 昔も今もアタシはウィズ様に会ったわよ!」
「私もついこの前、トルリッカの古代図書館で会った……。そして、ラリドンにも……。
一体どうなっているんだ……。」
そんなとき、ロレッタが口を開く。
「バロンの……ウィズも……オルネの……ウィズも……おかしい。
だって……ウィズは……そんなところに……いない。」
「どういうこと?」
「何かが……おかしい……。」
ロレッタには分かっていた。ウィズはそんな所にはいない。
ウィズは猫の姿で、魔法使いと共に行勤している。
それとは別に……人のウィズが世界の各地に現れている。
story
サイオーンからアユ・タラヘと向かっていたアレクとドゥーガは予定を大きく遅らせて、ようやくアユ・タラに到着した。
「どうして、通りかかる街のひとつひとつで魔物退治を引き受けるんだい……。」
「我々は魔道士ギルドのギルドマスターだぞ。困っている人々を助けないでどうする。」
「立派だけど、ほどほどにお願いしたいね。……ん? あれは……。」
もうひとつの二人組――。
「こっちに向かって手を振っている奴がいるな。それとあの丸い頭……。ドゥーガか!」
「……分かりやすい……。」
dおお、バロン。いつ以来か……。会えてうれしいぞ。
b遠くからでもひと目で、お前とわかったぞ。まったく変わらんな。それとアレク、お前もだ。
ところで、お前たち一体何をしている?
ギルドマスターがふたり揃って行動するのは、そうあることではないぞ。
Aそれはこちらのセリフだよ。
d我々は、いま世界で起こっている異変について調べているのだ。
A〈混沌の夜〉でもないのに、叡智の扉が開いたり閉じたり、とても不安定な状態なんだ。
そのせいで魔物が増えるし、精霊が暴走するし、無視するわけにはいかないね。
b精霊の暴走か……。 トルリッカでもあったな。
d我々はそれを「揺らぎ」と呼んでいる。
そのことについて、ティア殿に詳しい話を聞こうと思ってな。
アユ・タラに着いた一行は、さっそくティアを訪ねた。
tドゥーガ! 久しぶりだな。サイオーンのグノスタワーで会って以来だ。
それに……他の者もよく来た。実に、いいタイミングで来てくれた。
bこの流れは、何かあるな……。
とバロンはアレクに囁いた。
A僕はもうコリゴリなんだけど………。
dもしやこのオベルタワーでも魔物の増殖が……。
tよくわかったな。そうだ。それでちょっと困っていたんだ。
dそれはやはり「揺らぎ」のせいですか?
tいや。ボクが実験を失敗してしまっただけだよ。
b人騒がせな……。
tうるさいうるさいうるさい! いいからお前たちは塔の中の魔物を退治しろ! 話はそれからだ!
=推測
<ティアは誰に対しても変わらないにゃ。
にゃ。
dティア殿、魔物はすべて退治しました。
tありがとう。では、さっそく本題に入ろう。ドゥーガたちが気にしている「揺らぎ」だが。
あれは特に問題ない。ただのこけおどしだよ。大した問題にはならないさ。
dですが、現に精霊が暴走したり、魔物が増えています。
tでも、それ以上のことは、起こらない。発生源は間違いなく中央本部の方からで――。
クォとアナスタシアが手引しているはずだ。でもあいつらの本当の狙いは別にある。
ボクもあいつらと色々あってから、気になってその動向を探ってみたんだ。
クォたちは各地にある宝珠のことを探っていた。けど奇妙なことにその宝珠を持ち去っていない。
Aせっかく宝珠のある場所に行ったのに持ち去らなかった? 言われてみれば変だね。
何がしたかったんだろ?
t宝珠をそこに置いておきたかった。そして、最後の宝珠の位置を探っていた。
それがクォたちの狙いだ。
各地の宝珠に共通の条件がある。それは、大昔からその地に根付いていること。
そして、それは触れられないように、あるいは持ち去られないように、言い伝えられている。
例えば、ロレンツィオの魔獣と迷いの森。あれは魔獣に近づかないためじゃない。
魔獣に近づけないために、迷いの森がある。
壁の方は、街の人間の出入りを管理するためにでも作られたんだろう。
bなるほど、オウランディの宝珠もあそこから持ち出すわけにはいかんですな。
そんなことをすれば街が療気にのまれてしまう。郷の人間は必死で宝珠を守るだろう。
tそして、このアユ・タラの大水晶もそうだ。大水晶を持ち出せば、塔が崩壊する。
これらの宝珠はいつからそこにあったのか? 大昔からだ。
ボクの一族でも、この伝承の元を知らないんだ。古代からいままで、長い時間、伝承を伝え、
宝珠はその場所にあり続けた。
dちょっと待った。ティア殿、その話とこれまでの話がどう繋がるのですか?
t分からないか? 大昔から伝えられてきた伝承をひとつ思い起こしてみろ。
魔道士ギルドの人間なら誰でも知っているヤツがあるだろ?
Aああ。〈ノクトニアの柱〉だ。
tそうだ。クォたちは宝珠と伝承の関係を探っていたんだ。そしてあいつらはこう言った。
最後の宝珠の場所に行く、と。
bその宝珠で一体何をやろうしているのですか?
d考えられるのはひとつだけだ。サイオーンの時と同じ――。
零世界の解放。
Aそれも、相当大掛かりなヤツだね……。
dどうやら我々も中央本部に行くべきだろうな。バロン、手伝ってくれるか?
b……少し、待ってくれ。行っておきたいところがある。
story
「……バロン。……よかったの……?」
「無論、中央が一大事なのは分かっている。だが、ウィズの動向も気になる。」
アユ・タラを離れたバロンとロレッタはいま、シヴェルタの雪を踏んでいた。
この街は、ウィズの故郷。自分の知らないウィズの何かが分かるのではないかという、淡い期待を抱いてもいいはずだ。
きっとバロンもそう思ったに違いない。
「あいつは一体どこで何をしているのか……。」
バロンたちは街の真ん中に見える大きな図書館に向かった。
ウィズのことを知る人を、現地のギルドマスターに紹介してもらおうと考えたからだ。
「あら? 資料の閲覧ですか? それならギルドマスターからの紹介状を提出してください。
申し訳ないですけど、そういう規則ですから。」
と言われて、バロンとロレッタは顔を見合わせ、苦笑する。
「我々はふたりともギルドマスターだが?」
「え? 失礼しました。それなら、紹介状は不要です。」
「と言っても、図書館に用があるわけではないのだ。ウィズ――。
つまり四聖賢のウィズだな。彼女を知る人物を探している。
ギルドで誰か紹介してくれないか?
バロンは、受付の女性の顔が少し曇ったことに気がついた。ウィズという名に反応したようだった。
「あなたたちは、そのウィズって人とどういう関係ですか?」
「……友人だ。」
しばらくバロンの目を見つめた後、女性は口を開いた。
「同じね。私もウィズの友人。キーラよ、よろしくお願いします。
「ごめんなさいね。この前、嫌な連中が来たばかりだから、ちょっと警戒していたの。」
「中央本部の者か?」
「ええ。そうよ。」
と彼女は読みかけの本を閉じて、立ち上がる。
「疑いが晴れてよかったよ。」
「最初から、疑ってなかったけどね。
そんな可愛い女の子を連れた刺客なんて、そういないから。
さ、案内するわ。ウィズの家へ。」
***
案内された家は、大樹を利用して作られたものだった。
大きな暖炉がひとつ。机と椅子が一組。奥にはベッドがひとつ。
石造りの部屋の中にある。特別なものはあまり見受けられず、他に目につくものは本棚の蔵書だろうか。
それも魔道書と雑貨が区別なく並んでおり、何事にもわけ隔てをしないウィズらしい整頓のされかただった。
「ここがウィズの家よ。彼女は小さい頃からここに住んでるわ。」
一見すると、何の変哲もない部屋だ。けれど。キーラの言葉を聞いて、バロンはある違和感を覚えた。
「小さい頃から、ひとりでか?」
その質問に、キーラは少しだけ面食らってしまう。
「ええ……。」
「……ウィズの……両親……。」
「ここには、ウィズが暮らしていた様子はあるが、ひとりで暮らしていたようにしか見えない。
「ウィズに両親はいないのか?」
「……そうね、私は当たり前のように思っていたけど………。普通ならおかしいわよね。
でも、知り合った時からウィズはここにひとりで暮らしていたわ。
そんな少女がどうして〈神託の指輪〉なんてものを持っていたのか。
いま考えるとおかしなことよね。」
「ウィズ………。どこで、何をしているのか……。そして、どこから来たのか……。
謎が増えただけだな。」
ふとバロンは、キーラの視線が一点にくぎ付けになっていることに気づく。
「……ウィズ。」
振り返ると、窓の向こうにウィズの面影が残る少女が立っていた。
「…………。」
一同は少女の姿を追いかけるように、家の外に飛び出した。
***
バロンたちが少女の前に立つと、少女は風景と溶け込むように、消えていく。
「なんだ、これは……。」
「世界に……揺らいでいる……。世界の境目が……曖昧になっている……。」
きっとウィズは……どこかの異界に……いる。……だから。
「境目が曖昧になっているから、ウィズはこの世界に現れたり消えたりしている?」
「精霊を呼び出すことと同じかしら……。」
「私が見たウィズも今のと同じか。本物ではなく、ただの残像……。
だが、オルネが教えを受けたというウィズは?」
「精霊は……時間を超えて……呼び出される。」
「ウィズがいなくなったのは、最近だぞ。」
「精霊に……時間は……ない。……可能性は……あると思う……。」
「要するに、ウィズはさっきみたいにフラッと現れては消えている可能性があるのね。
未来過去現在を隔たりなく、いろんな姿で。」
「……ウィズの体だけ……。心は……この世界に……あるから……。」
黒猫の姿として。
「ウィズ……。」
キーラは中空を見つめながら言った。誰かを想うように。
雪が止んだ。
「え?」
あの日以来、振り続けた雪が止んだ。
一同は揃って、空を見上げた。
舞い落ちる雪は止み、分厚い雲は染みが広がるように、真っ黒に染められてゆく。
そして黒い雲を突き抜けて、舞い降りてくる。
「……あれはなんだ。」
明らかに、この世界の生き物ではない者たちが目の前に降り立つ。
「始まる……戦いが……。」
「……戦うしかないか。」
=ウィズの居所
<バロン、私の故郷に何しに来たにゃ。
にゃ。
「つまり、〈ノクトニアの柱〉にある宝珠を使って零世界が解放された。そして、このバケモノが現れた。」
と、キーラは横たわる異形の者を指して言った。
「うむ。おそらくは……。」
「きっと、アナスタシア姉さんね……。
助けにいかなきゃ。
急いで中央本部へ向かいましょう。」
「待つんだ。いまから中央を目指してもたどり着く頃にはきっと手遅れだ。」
「黙って見ていろと言うの?」
「もちろん行く。ただし……別の方法がある。」
「…………?」
「一気に中央本部まで行く方法が、ひとつだけある。
一度アユ・タラヘ戻り、ドゥーガたちと合流するぞ。」
なんとかしなければ……。
ノクトニアポリス Story5