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ダリオ・レオーネ

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ダリオ・レオーネ CV:
2017/00/00

とある異界。

この世界では何事もゴーレムの力によって雌雄を決するのが掟だった。

それゆえ、優秀なゴーレムを所持し、操る力を持ったものは、この世界の上位に位置することができた。

もちろん、そんな掟とは無縁の生活を宮む者もいる。

人里離れた片田舎にぽつんと建つ家が“彼ら”の住まいだった。


ダリオ・レオーネ。

少年。ゴーレムに関する書物を読むのが好き。

元・帝国軍人大佐であり、帝国に並ぶもののないゴーレム使いと呼ばれた男ロベルト・レオーネを父に持ち、彼を愛し、彼に憧れ、彼を目指している。

少々、慎重すぎる性格。


ガラティア。

ダリオの父に作られ、使役された優秀なゴーレム。

冷静で、高い分析能力を持つが、五分の状況下では積極的な判断を採用することが多い。ロベルトが退役した時、少女の体に換装される。


退役したロベルトと共に長く平穏な生活を送っていた彼らだったが、ある出来事をきっかけにして、微妙なズレが生まれた。

ロベルトの死である。流行り病だった。帝国史に名を残す男の幕引きはあっけなく、静かなものだった。そして、ダリオはガラティアの使役者〈マスター〉となった。父が時限設定を施し、書き換えていたのだ。


「これからはあなたがマスターです。よろしくお願いします」


ロベルトがこと切れた瞬間にガラティアはそう言った。

ダリオにはそれが信じられなかった。

ゴーレムに感情はない。そんなことは子供でも承知していることだ。だが、それを目の当たりにするのはつらかった。愛する父が亡くなった後ではなおさらに。


それ以来、ダリオはガラティアに古今東西のあらゆる書物を読み聞かせた。

効果はかんばしくなかった。


「マスター、大丈夫です。もうその物語に書かれたことはすべて記憶しました。暗唱しましょうか?」

「どうしてこの物語の主人公は、最後に涙を流したと思う?」

「では、その部分を暗唱しましょう」

「違うって。そうじゃないよ」ダリオは本を閉じ、力なく言った。「そうじゃないんだよ。それと、そのマスターっていうのもやめてよ」

「どうしてですか、あなたはマスターです」

「前みたいにダリオで良いじゃないか」

「ではそのように命じてください。指示通りにします」

「……もういいよ」


ある日、田舎道の向こうから帝国軍の汎用ゴーレム〈ブロッケン〉をともなった帝国軍の小隊がやってきた。率いているのは帝国安全保障局のアーネスト・クインキャノン大佐である。かつて父の部下だった男である。相棒のゴーレム〈ベオウルフ〉も当然いる。

「クインキャノン大佐。通称ゴーレムハンター。おそらく友好的な訪問ではないでしょう。目的は私でしょう」

ダリオはガラティアを一瞥した。驚きからではなく、ただ彼女の表情をうかがった。彼女は彫像のような顔を崩さなかった。

「方法は二択。戦うか。私をこの場に捨て、逃げるか。もちろん彼らがマスターを追う素振りを見せれば、私一人で時間稼ぎをします」

「ガラティア。君の気持は?」

「マスター。私を困らせないでください。私にはその質問に対する十分な答えを出すことはできません」

その通りだった。ゴーレムにとって、その質問に回答することは不可能なことだった。

戦おう。なかぱ諦めの混じった気持ちを抱えながら、ダリオがそう言いかけた時、ガラティアは続く言葉を語り始めた。

「ゴーレムにとってマスターの命令を実現できないのは――」彼女は言葉を探した。読み聞かされた書物の中から最適なものを見つけることができた。

「悲しいことです」

「マスター、この場を切り抜け、二人とも無事だった時は、私を旅に連れて行ってください。前のマスターが言っていました。どこかにきっと私を完璧なゴーレムにする方法があると。あなたと笑い、あなたと喜び、あなたとケンカをする。そんな完璧なゴーレムに」


――マスター、私は完璧なゴーレムになりたいです。


ダリオはガラティアの手を取り、その隣に立った。

こちらへ向かってくる帝国軍を見すえながら言った。

「もしこの世界の果てまで行って、それが見つからなかったら、別の世界にだって行ってみせる。

かならず君を完璧なゴーレムにしてみせる」


軍靴の音をとどろかせてやってきたのは、二人の宿命だった。


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