鋏工坊
画像
開放条件
Lv.34で開放
紹介
「おばあちゃんの代わりに、町の張小泉のはさみ屋へ行って、はさみを買ってきてくれないかい？」「いいよ、おばあちゃん。」祖母は走り去る小さな孫娘を見て、優しく微笑んだ。彼女は机の上に置かれた赤い布を振り返り、「いよいよ完成だわ。」と独り言のように呟いた。しばらくすると、小さな孫娘がまたすばやく駆け戻ってきた。「おばあちゃん、はさみ買ってきたよ！」「できる子ね！」「おばあちゃん、うちにははさみがあるでしょ？どうしてまた新しいのを買うの？」祖母は手の中のさみを真新しい赤い布地の横に置いた。「新しい服を作るなら、新しいはさみを使うに限るわ！おばあちゃんのそばに立って、よく見せて。」孫娘は嬉しさのあまり飛び上がり、叫んだ。「おばあちゃん、新しい服を作ってくれるの！やった！」祖母は孫娘の小さな手をさすりながら答えた。「そうよ、おばあちゃんが新しい服を作ってあげるからね。ちゃんと立っててね。」「うん！ビクとも動かないからね！」孫娘は真剣な表情で、祖母のそばにじっと立った。祖母は身体の上をなぞりながら、寸法を計った。「はーい、終わったわ、もう遊びに行っていいわよ。」「やった！ありがとう、おばあちゃん！」駆け出していく孫娘の後ろ姿を見ながら、祖母は呟いた。「その時が来て、まだ着れるかしら。もうちょっと大きくしようかしらね。これを着たあの子はきっと綺麗でしょうね。おばあちゃんはそれを見ることができないけれど。」そして十年の歳月があっという間に過ぎ去り、庭先には赤い提灯が飾られていた。今日は孫娘の嫁入りの日だ。父親は夕食をすませると、部屋から包みを取り出して、彼女に渡した。「これはおばあちゃんが、今日のために残してくれたものだ。」「おばあちゃんが？」包みを抱えて部屋に戻った孫娘は、ゆっくりと包みを開けた。中には、少し古びた嫁入り衣装が入っていた。祖母と交わした会話を思い出し、衣装の上に涙がぽろぽろと零れ落ちた。すぐに新しい服に着替えると、服が大きく作られていることに気がついた。「おばあちゃん、君がどれくらい背が伸びるかわからないから、わざと大きくしたんだ。」扉のところで父親が言った。それを聞いた孫娘は、張小泉の店へ行ってはさみを買い、自分で直してみることにした。「新しい服を作るなら、新しいはさみを使うに限るわ！」その時、祖母の言葉のひとつひとつが、はっきりと彼女の脳裏に浮かんだ。彼女は、はさみ屋に着くと店主に声をかけた。「張さん、はさみを買いに来ました。」年を取った店主は彼女が来たのを見ると、赤い布に包んだ箱を受付台の下から取り出し、彼女に渡した。「中には対になっているはさみが入っている。一つはあなたのお祖母さんが十年前に注文したもので、もう一つは私からの新婚祝いだ。お祖母さんは、結婚する日にあなたは必ずはさみを買いに来ると言っていたよ。あの時は信じられなかったけれど。」孫娘は、昔走りながら下校して、祖母に会いにいった時のように、箱を抱えて家へと急いだ。
ステータス
| 所要材料 | 数 |
 | 3 |
 | 3000 |
 | 3 |
 | 2時間 |
| 繁栄度・環境 |   |
未登録
