招福の旗行列
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
4510
入手方法
イベント
物語
一月十五日。夜明けとともに、瓜は小さな腰掛けを持って出かけた。まだ寒さの残る春先、見回り中の王争先も思わず両手に息を吹きかけた。振り向くと、瓜が路地を出たり入ったりしているところを目撃した。瓜もまた、王争先に気がついた。稚拙ながらも、瓜は懸命に説明した。「瓜、珠のために席を取るんだ。」「旗行列ならまだ早いよ。」「瓜、知ってる。いい席は縁起いいから、珠の病気早く治るかも。」それを聞いた王争先は、瓜をある祠堂の前に連れてきた。「行列は祠堂から出発するから、珠さんとここに座っていれば、一番最初に幸運を授かれるわ。」感激した瓜は王争先を見つめ、何か言おうとした。王争先は笑いながら言った。「腰掛けは私が見ててあげるから、早く珠さんを迎えに行ってあげて。」瓜は急いで帰っていき、他の足音が聞こえて王争先が振り返ると、そこには小青がいた。小青が手にした小さな腰掛けの片方には瓜、もう片方には珠と名前が書かれていた。そして、王争先が口を開くより先に、白居易と李知秋、他数人がやってきた。みんな瓜のために席を取りに来たとわかると、互いに顔を見合わせ、笑い出した。瓜が珠を連れて戻ってくると、ちょうど旗行列が祠堂から出発するところだった。二人は互いの手を握り、幡旗を見つめながら、祈りを捧げた。幡旗が行列をなしながら舞っているのを観るために、周りには次第に人だかりができたが、瓜たちの前に立つ者は誰一人いなかった。誰もが暗黙のうちに、苦難を抱えたこの夫婦に、とびきり幸運な場所を譲ったのだ。その様子に、王争先は思った。この素敵な住民たちこそ、この世の真の神様なのだと。