登龍門
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
5010
入手方法
イベント、袁洪(梅山の七怪)
物語
苗の状元合格の知らせに、 村中が喜びに沸いた。
村人は次々と家を訪れ、苗のために状元寺を建てようと言った。父親の周はそんな金を使う必要はないと断ったが、みんなの熱意についに押し負けた。
周は、村の未来の受験生が合格祈願できるようにと、下山道の滝に龍門を作ることを提案した。寺を建てるより、門を建てるほうがずっと楽だった。
村中が協力して、二日足らずで龍門が滝の上に建てられた。
苗が一人で馬に乗って帰郷すると、登龍台の碑にはまだ青々と苔が生えていた。山の中腹にある祠を回ると、目の前に、大きな門が現れた。
門のそばには父が立っており、道をじっと見つめながら苗の帰りを待っていた。
「ただいま。」
腰が曲がり白髪になった父の姿を見て、苗は胸にさまざまな思いが込み上げた。
突然、一匹の鯉が麓の池から跳びはね、滝を登った。
滝の頂上まで来ると、鯉は大きく体を揺らして空中に跳び上がり、龍門を飛び越えた。
周は池に目を向けた。
「ほら、お前の兄貴もおめでとうって言ってるぞ。」
苗はその瞬間、父がこの龍門を建てた理由を悟った。
父親の後に続き、二人はゆっくりと、家の方へ歩き出した。
すると苗はふと立ち止まり、振り返って龍門を見た。
「兄さん、一緒に家に帰ろう。」
すると、麓の池から、無数の鯉がせめぎ合うように滝を登り、次々と龍門を飛び越えていった。
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