青団子屋
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
30
入手方法
イベント
物語
子供の頃、綾は遠い田舎に住んでいて、家の裏には一面ヨモギが生えていた。新芽の時期になると、彼女は山に入ってヨモギを採り、父は青団子を売りに出た。夕方になると、父と娘は家に帰り、台所で一緒にヨモギをすり潰し、生地をこね、翌日に売る青団子の準備をした。旬の食材ということで、父が天びん棒を屋台に変えても、青団子はいつも売り切れた。父はいっそのこと町に民家を借りて、普段はそこで生活しながら、清明の時期が来ると店を出し、美味しい青団子を売って生計を立てた……そして今年も清明節がやってきた。綾は一人台所でせわしなく仕事をしていた。ヨモギをすり潰し、生地をこね、餡を包む。工程には手間がかかるが、彼女にはなんのその。青団子を棚に置き、通りに面した窓を開けると、人々が集まり、青団子はすぐに売り切れた。しかし綾は店を閉めようとせず、窓枠に頬杖をつき、何かを待った。しばらくすると、家々から炊事の煙が立ちのぼり始めた。人々が家で青団子を蒸しているのだ。彼女は大きく息を吸い込み、嬉しそうな表情を浮かべると、やっと店の扉を閉めた。町が、ヨモギの香りで満ちた。