気まま熊の像
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
3510
入手方法
杭州開放ログインボーナス
物語
世の中に同じ道はないが、すべての道は人々を遠くへと導くことができる。
遠くには何があるのか?それについては誰もが違う答えを持つ。海かもしれないし、希望かもしれないし、終着点かもしれない。
李家の妹にとって、遠くには何もなかった。長年病床に伏し、故郷であるはずの江南水都でさえ、見知らぬ遠い国のようだった。
行った花朝節の花見以外、行ける場所がなかった。
焦り、気落ち、迷い、いくつもの感情が渦を巻き、どうしたらいいのかわからない時、一体の奇妙な石像が目に入った。
気になって近づくと、それはなんと気まま熊を象った案内板で、色んな方向を指していた。
石像の前にはこんな言葉が彫られていた。「前が西、後ろが南、左は・・・・・・そうだ北ブォー!」
李家の妹は思わず笑った。「こんな自分に自信のない案内板があるなんて。」
彼女は案内板の指す西へ向かった。だが行けば行くほど違和感を覚えるようになった。
西のほうにはたくさんのサンザシ飴屋があると姉は言っていたが、道の突き当たりまで行っても、芭蕉の木しか見当たらなかった。
彼女はその木の下に座り、しばらくの間、風の音を聞きながら、芭蕉の香りを楽しんだ。
夕日が沈む頃、彼女はようやく帰路についた。
帰り道にまた気まま熊の像を通りかかり、彼女はそっとその頭を撫でた。
「なんで人を騙すの?」
もちろん気まま熊は答えてくれなかった。
像の後ろに回ってみると、裏には「足るを知れば常に楽しい」の文字が刻まれていた。
李家の妹は思わず顔が綻びた。
「心に任せて行けば、方向を知る必要はない、てことかしら。」
その日から、迷いを感じるたびに、李家の妹は気まま熊のところに行き、今度の彼女の遠くはどこなのか見てみることにした。