［テーブルテニスの王子様］越前リョーマ

【前編】

越前リョーマ「はぁ…さっさと風呂入っちゃおう」

桃城武　　　「越前！お疲れ！！お前、結構汗かいてんなー」

越前リョーマ「しょうがないでしょ。今日の練習メニューもハードだったんだし」

桃城武　　　「風呂行くなら一緒に行こうぜ！」

越前リョーマ「そういうの暑苦しいんスけど…」

桃城武　　　「いいからいいから！つべこべ言わず俺についてこい！」

越前リョーマ「ちょ…　そんな引っ張らなくてもついていきますって」

桃城武　　　「ふーっ！いい湯だったな、越前！」

越前リョーマ「そっスね。じゃあ俺、部屋戻るんで」

桃城武　　　「まぁ待てよ。戻るにゃまだ早ぇだろ？」

越前リョーマ「…は？」

桃城武　　　「ちょっと勝負しに行かね？」

越前リョーマ「まぁ…いいっスけど、汗流した意味あるんスか」

桃城武　　　「男なら細かいことは気にすんな！」

越前リョーマ「まさか勝負って…」

桃城武　　　「卓球だ！やっぱ風呂上がりって言えばコレだろ！？」

越前リョーマ「はぁ…期待してたのと違うんですけど　…まぁいっか…」

菊丸英二　　「桃とおチビの対決なら見なきゃね！どっちを応援しよっかな～！」

忍足謙也　　「テニスやないからって手ぇ抜くなよー！バッチリ見てるからな」

越前リョーマ「アンタたち…いつの間に…」

桃城武　　　「ギャラリーがいるほうが盛り上がるぜ！勝負には臨場感がねぇとな！」

忍足謙也　　「そうやそうや！ついでに罰ゲームでもあればもっとオモロなると思うんやけど、どや？　負けたら標準語で話すとかキッツいやろ！」

菊丸英二　　「それだと四天宝寺限定の罰ゲームになっちゃうじゃーん！　青学（せいがく）で罰ゲームっていったら乾汁一気で決まりだねっ！」

桃城武　　　「ちょっ、英二先輩！勘弁してくださいよ～！あんな殺人ジュース飲んだら体がどうにかなっちまう…！」

越前リョーマ「別に俺はいいっスけどね。だって、負ける気ないから」

桃城武　　　「言い切りやがったな…　なら普通と違うルールで戦わねーか？男なら１発勝負！１球落としたら即負けってのでどうだ！」

忍足謙也　　「うーん、オモロそうやけどすぐに勝負ついてしまいそうな気がするな…」

菊丸英二　　「だーいじょうぶだって！この２人って実は息ぴったりだから、ラリーも相当続くはずだよん！」

桃城・越前　「いや、それはないっス」

桃城武　　　「おい越前、お前なに人のマネしてんだよ」

越前リョーマ「桃先輩こそやめてくれます？」

菊丸英二　　「ね？俺の言ったとおりでしょ？」

忍足謙也　　「ハハハッ！ホンマや　こんだけ息合うてたらなかなか決着つきそうにないな！よし、越前！桃城が提案した通りのルールで勝負することを俺が命じる！」

越前リョーマ「ふーん、普通にやるよりは面白そうかな　あ、ちなみに負けたほうは罰ゲームプラスPonta１本おごりってことで」

桃城武　　　「お前の好みで選んだな！？まぁいいぜ、逆におごらせてやるよ！」

越前リョーマ「桃先輩、早く構えたほうがいいんじゃない？俺、本気でいきますよ」

【後編】

桃城・越前　「ハァ…ハァ…」

桃城武　　　「よぉ越前…もう息上がってんじゃねぇか…！本番はここからだ！」

越前リョーマ「桃先輩こそ…キツそーですけどね…　言っときますけど…今みたいな球じゃ俺の横は抜けないんで」

桃城武　　　「余裕ぶってちゃいけね～な、いけね～よ。いくぜ越前！うりゃ！！」

越前リョーマ「ジャックナイフ…！？大技だね。けど今の体勢でフォローできるかな」

乾貞治　　　「ふむ、いいリターンだ。これはどう返そうが、球威が落ちるぞ」

菊丸英二　　「わっ、乾！いつの間に来てたの！？」

乾貞治　　　「俺の力がどうしても必要だと連絡をもらってな　　忍足、約束の乾汁だ。確かに渡したぞ」

忍足謙也　　「おおきに！」

不二周助　　「罰ゲーム…？味わいを語り合える同志が現れたのかと思ったけど、違うみたいだね。残念だ…」

越前リョーマ「周り、騒がしくないっスか」

桃城武　　　「おい越前！よそ見してていいのか！？容赦はしてやらねぇよ！」

乾貞治　　　「ふむ、２人とも白熱しているな。なかなかいい試合だ。　しかし先ほどから越前がフォアとバックに大きく球を振っているのが気になる」

不二周助　　「なんだか桃のミスを誘っている感じがするね。仕掛けるなら…そろそろかな？　フフッ、乾だったら越前が次にどんな球打つかわかるんじゃない？」

乾貞治　　　「そうだな…この打ち分けから推測するに　次は卓球台の角を狙って球を大きく外に跳ねさせる確率、８０％」

越前リョーマ「聞こえてるんで…２０％のほうにしとこうかな　　これでどう？」

桃城武　　　「なっ…越前の球、回転してる…！」

乾貞治　　　「ほう、ツイストサーブか　卓球でも可能なんだな」

忍足謙也　　「アカン、ボールが落ちてまう…！さすがに無理やろ！？」

桃城武　　　「クッソ…こんなところで負けてたまるかよ！！」

菊丸英二　　「うわっ！桃のやつ、ピンチを切り抜けて追いついた！」

越前リョーマ「…まだまだだね。いい加減、決着つけさせてもらいますよ」

不二周助　　「へえ、やるね。今度はネット際ギリギリだ。桃、急いで戻るんだ！」

桃城武　　　「んなことわかって……うおおおおおおおお！」

越前リョーマ「くっ……！しぶといな」

忍足謙也　　「ラケットぶつかっとるし！２人とも前に出過ぎや！」

不二周助　　「落ちたボールも割れてるね…　この場合、勝敗はどうなるのかな？」

桃城武　　「俺の勝ちっスね。最後に打った手応えがある！」

越前リョーマ「俺も最後にラケットが球に当たった感触あるんで　桃先輩の負けかな」

乾貞治　　　「いや、今回のような場合は両者引き分けとするのが公平というものだろう。実際、ジャッジが出来なかったからな。」

菊丸英二　　「んー…じゃあ２人とも罰ゲームってこと？」

乾貞治　　　「もちろん…桃城、越前、どちらもだ。こんなこともあろうかと乾汁を多めに持ってきておいて正解だったな」

桃城武　　　「げ…っ、おい越前…なんかヤバい流れになってねえか、これ…」

越前リョーマ「…桃先輩、提案なんスけど、ここは一時休戦にしませんか？」

桃城武　　　「賛成だ。俺もそうするのがいいんじゃねえかなって思ってたところだ…」

乾貞治　　　「運動のあとだ。喉も渇いているだろう。さあ、好きなだけ飲むといい」

桃城武　　　「乾先輩、悪いっスけど俺たち…」

越前リョーマ「今日のところは遠慮させてもらいますんで、失礼しまーっす」