【ストーリー】EPISODE 6-6 発覚エフォート!

| EPISODE ◆ 6-6 発覚エフォート! 冥府の番人 |
登場人物
ジャミル、カリム、ヴィル、エペル、デュース、ルーク、エース
テキスト全文
── オンボロ寮‐談話室 ──
…………………………。
ジャミル:「……ヴィル先輩の仰りたいことはわかります。」
ジャミル:「しかし、VDCの練習中にも話題に上がりましたが……」
ジャミル:「大会当日のパフォーマンスの出来以前に、ネージュたちの世間からの好感度は相当なものです。」
ジャミル:「たとえ俺たちが“万全”な状態だったとして、ステージで“全力”が出せたとは限らない。」
ジャミル:「そして“万全”な状態での“全力”を出せても、優勝できたかどうかはわかりません。」
ジャミル:「好感度というものは、努力や実力では埋めがたいものですから。」
カリム:「ジャミルの言う通りだ。だから、そんなにヴィルばっかが責任感じる必要ねぇって!」
ヴィル:「そうね。」
ヴィル:「……でも、ネージュたちにはネージュたちなりの努力や苦労がなかったわけじゃないはず。」
ジャミル・カリム:「……!」
ヴィル:「アタシも彼らのパフォーマンスを見た瞬間、動揺して強い否定の言葉を使ってしまったけど……」
ヴィル:「大衆性をそなえ万人を摂り込む努力と、技術を研鑽し万人を圧倒する努力は、どちらも等しく“努力”。」
ヴィル:「アタシたちと彼らは、努力の方向が違っただけ。」
ヴィル:「そもそも、ネージュたちがどんな“努力”をしたか…アンタたちは知らないでしょう?」
エペル:「えっ?どういうことですか……?」
ヴィル:「最初にアタシとネージュが共演したとき……」
ヴィル:「ネージュはいつも「家の掃除をしなくちゃ」と言って残ってレッスンをするアタシより先に帰った。」
ヴィル:「アタシはそれが腹立たしくて仕方がなかった……。彼が、才能に甘えた人間だと思えたから。」
ヴィル:「でもあるとき知ったの。」
ヴィル:「ネージュは、VDCに一緒に出演していたドワーフたちと一緒に暮らしていたそうよ。」
ヴィル:「子役としてアタシと出会う前からずっと、彼らだけで肩を寄せ合い、支え合いながら。」
デュース:「えっ、子役時代からずっとあのメンツで……ですか?」
ヴィル:「ええ。詳しい事情は知らないけれどね。」
ヴィル:「家事をして、レッスンに通って、そしてまた
家事をして、合間を縫って家で練習をして……」
ヴィル:「でもネージュは腐らず、いつも明るく口笛を吹くような調子で、「おはようございます」と挨拶をしていた」
ヴィル:「それがどれだけ大変なことか、アタシにはわからないわ。」
ヴィル:「だって経験したことがないもの。」
エペル:「うっ。それは……。」
ヴィル:「そしてネージュは自らの経歴について、メディアで一切語ったことはない。」
ヴィル:「でも、ルークはこの話……知っていたんでしょう?」
ルーク:「……ああ。」
ルーク:「白雪の君(ロア・ドゥ・ネージュ)の一番の魅力は、あの愛らしい笑顔。」
ルーク:「……だがそれは、数々の苦難を乗り越えてのもの。」
ルーク:「だからこそ、人々はあの笑顔に魅了されるんだろう。」
ルーク:「そして、彼はギャランティのほとんどをボランティア団体に寄付しているとも言われている。」
ヴィル:「……よくそこまで知っていたわね。それも一般公開はされていない情報のはずだけれど。」
ルーク:「コアなファンの間では、有名な話さ。」
ヴィル:「そう……。VDCの優勝賞金も、全額寄付されたと人づてに聞いたわ。」
ヴィル:「世界中の、未来ある子どもたちのためにね。」
カリム:「アイツらに、そんな事情があったなんて……。」
ヴィル:「………………はぁ。」
ヴィル:「ほら、ごらんなさい。もしVDC以前にネージュの生い立ちを知っていたら……」
ヴィル:「アンタたちはステージ上で全力で戦い、自分のチームに投票できた?」
ヴィル:「同情というフィルターを通さず、ネージュたちのパフォーマンスだけを評価できた?」
デュース・エペル:「……。」
ジャミル:「……他のメンバーはさておき、カリムには無理だったでしょうね。」
カリム:「いや、そんなことは……」
カリム:「う、うう。わかんねぇ……。」
エース:「オレは気にせず自分に投票できたけどね。」
エース:「だってVDCは過去の苦労のデカさを比べる大会じゃなくて、パフォーマンスを競う大会でしょ?」
ヴィル:「そう。アンタはよくわかってるわね。」
エース:「え?」
ヴィル:「アタシも、アンタたちも、そしてネージュも、舞台に立つ者全員が、それぞれの物語を背負っている。」
ヴィル:「だからこそ舞台は……エンターテインメントの世界は結果こそが全て。」
エペル:「くっ……。」
ヴィル:「NRCトライブはロイヤルソードアカデミーにパフォーマンスで負けた。ただそれだけの話。」
ヴィル:「そしてその“結果”に影響を与えたアタシの罪は、計り知れないと思ってる。」
ヴィル:「だから、償わせてほしい。」
選択肢:
├ [ 償いって……? ]
└ [ でも、もう充分反省してるし…… ]
ヴィル:「VDCのメンバー募集のポスターに書いてあったこと、覚えてる?」
エース:「えーと……たしか、プロデビューのチャンスありってことと……」
デュース:「賞金500万マドルをメンバーに山分け……でしたっけ?」
ヴィル:「そう。その煽り文句でメンバーを募集した。」
ヴィル:「だから、アタシのせいで逃した優勝賞金500万マドルを……」
ヴィル:「アタシが払わせてもらう。」
ええええええええ〜〜〜〜〜〜〜!!!
< >

