【ストーリー】EPISODE 2-4 部活中もたまにある

| EPISODE ◆ 2-4 部活中もたまにある 早々アイソレーション! |
登場人物
ゴースト、セベク、トレイ、ルーク
テキスト全文
── 異空間‐眠らずの城 ──
ゴースト:「ひい~~! なんて乱暴な奴らなんだ~~~!」
セベク:「ふんっ、口ほどにもない。」
トレイ:「すごいじゃないか、セベク。見事な身のこなしだったぞ。」
セベク:「すごい? ……」
セベク:「ふふふ、そうかそうか。人間にしてはなかなか見る目があるようだ。」
セベク:「貴殿の魔法も、マレウス様やリリア様ほどではないが的確だった。さすがは3年生といったところか。」
トレイ:「き、貴殿?」
トレイ:「なんだかルークみたいなしゃべり方をする奴だな。」
トレイ:「あ、そうだルーク。さっきの話の続きだが……」
トレイ:「ここがどこかお前は予想が付いてるって言ってたよな。俺たちはどこに飛ばされてしまったんだ?」
ルーク:「それはね……」
ルーク:「ア、アーアー……ごほん!」
ルーク:「♪月夜に浮かぶ〜 霧の城〜」
トレイ・セベク:「!?」
トレイ:「と、突然真剣な顔で歌い出した……。」
セベク:「1人で歌い出すなんて気味の悪い人間だ。」
トレイ:「いや、ルークが歌うこと自体は取り立てて珍しいことじゃない。部活中もたまにある。」
セベク:「珍妙な……。」
トレイ:「だが、安全とはいいがたい場所で突然歌い出すほど警戒心の薄いやつじゃないと思うんだが……」
トレイ:「ルーク? おい、どうしたんだ?」
ルーク:「♪たどり着けない〜 あの跳ね橋〜」
ルーク:「♪夢の切れ間に〜 見た幻〜」
セベク:「……ハッ!?」
ルーク:「♪美しきシャトゥー」
セベク:「♪怪しげなシャドー」
ルーク:「♪落ちるシャポー……」
セベク・ルーク:「♪そ・う・よ・こ・こ・は 闇の世界〜〜。」
トレイ:「セ、セベク!?」
トレイ:「どうした、お前まで歌い出すなんて。ゴーストと戦った時に頭でも打ったか!?」
ルーク:「おやまあ、セベクくんも知っていたんだね。」
ルーク:「この、オペラを!」
トレイ:「えっ、オペラ?」
セベク:「知っているぞ。歌劇『月と笑う夜』だな!この曲目は『闇の世界』だったか。」
トレイ:「ええっと、俺は芸術方面には疎いんだが、有名な作品なのか?」
ルーク:「いいや。繰り返し上演されるメジャーな作品と違い、知る人ぞ知る作品のはずさ。」
ルーク:「ムシュー・クロコダイル。よくこの作品を知っていたね!」
セベク:「幼い頃、家族で父の故郷に訪れた際、街の劇場で見た記憶がある!」
セベク:「見たのはその1度きりで、内容はほとんど覚えていない。」
セベク:「それでもこの曲を覚えていたのは……」
セベク:「子どもながらに、恐ろしさを感じたからだ。」
トレイ:「恐ろしさ……?」
ルーク:「『月と笑う夜』は、ゴーストの世界に紛れ込んでしまった生者が、帰り道を探す話なんだ。」
ルーク:「子どもには少し刺激が強かったかもしれないね。」
ルーク:「しかし……このオペラの見所は、なんといってもそのリアリティ!」
ルーク:「ゴーストは神秘のヴェールに包まれた、ミステリアスな存在……。」
ルーク:「しかし作者は999人のゴーストに取材をし、ゴーストを主題とした作品を999本も世に残したのさ。」
ルーク:「小説、戯曲、詩……表現は多岐に渡るが、そのどれもが“ゴーストのリアル”に迫っているんだ!」
トレイ:「999本?それは……随分多作な作家だったんだな。」
ルーク:「ああ。そして記念すべき1000作目のため、とある館に取材に行き……」
ルーク:「永遠に帰ってこなかったそうだ。」
セベク・トレイ:「ごくり……。」
ルーク:「『月と笑う夜』は彼の13本目の作品さ!初期作品特有のエネルギッシュさを感じるね。」
セベク:「随分と劇について詳しいのだな。」
ルーク:「浅学ながら舞台鑑賞が趣味でね。」
ルーク:「『月と笑う夜』の中で、主人公はゴーストの世界をこのように描写している……」
ルーク:「あまりに大きな満月に私の目は奪われ、月の明かりと闇しか感じない。」
ルーク:「色を失った世界で、濃霧の中に大きな城を見た。」
ルーク:「城の周りには、無数の蝙蝠。その羽ばたきの音は聞こえない。」
ルーク:「命を失ってなお、彼らはむなしく彷徨い続ける運命(さだめ)なのだ。この、ゴーストの世界では……。」
トレイ:「満月に、大きな城……?」
セベク:「それに濃い霧、音も無く飛び交う蝙蝠たち。」
セベク:「……言われてみれば、舞台で見た光景と同じだ。」
トレイ:「つまりここは……」
トレイ:「ゴーストの世界ってことか!?」
ルーク:「十中八九そうだね。」
セベク:「ふん……ここがゴーストの世界だろうがなんだろうが、僕のやるべきことは変わらない。」
セベク:「マレウス様をお助けする。それだけだ!」
セベク:「そのために必要な手がかりを探さねば……」
セベク:「ん?」
セベク:「石畳の上になにか落ちているぞ。」
トレイ:「本当だ。これは鏡の欠片と……」
トレイ:「紙?」
ルーク:「いやこれは……オンボロ寮にあった招待状と同じものだ!」
セベク:「なにィ!!!!!!!」
セベク:「「会場にて待つ。ナイトレイブンカレッジの生徒諸君、皆でハロウィーンパーティーを楽しもう。」」
セベク:「……などとすまして書かれた、あのふざけた招待状か!?」
トレイ:「文面をよく覚えてるな。」
セベク:「腸(はらわた)が煮えくりかえり過ぎて、忘れたくても忘れられん!!!!!」
ルーク:「……いいや。私たちがもらったものとは内容が少し異なっているようだ。ご覧よ。」
皆でハロウィーンパーティーを楽しもう。そのために、各自必ず“鏡の欠片”を持参のこと。
トレイ:「鏡の欠片って……招待状と一緒に落ちていたこれのことか?」
トレイ:「ドレスコードじゃなく、こんな小さなガラクタを持ってこいだなんて……妙な指定だな。」
ルーク:「ふふふ……ふふ、あはは!」
ルーク:「いいね、実に興味深い!」
ルーク:「妖しく輝く、謎解きのパーツたち……」
ルーク:「不完全な
ところが魅力的だ。面白くなってきたじゃないか。」
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