【ストーリー】EPISODE 2-5 これで何度目だ?

| EPISODE ◆ 2-5 これで何度目だ? 早々アイソレーション! |
登場人物
ジャミル、シルバー、ゴースト
テキスト全文
── 異空間‐禁断の研究室 ──
ジャミル:「ああ、またこの部屋に来てしまったのか。これで何度目だ?」
シルバー:「おかしい。俺はそこまで方向音痴ではないと思っていたが。」
ジャミル:「俺だってそうさ。こんなに迷っているのは、大方、この場所に満ちた魔法のせいだろう。」
ジャミル:「目印を付けて歩いても、気が付くと道をそれてしまっている。空間が歪んでいるようだ。」
シルバー:「空間が、歪んでいる?」
シルバー:「……聞いたことがあるぞ。もしやここはゴーストの世界ではないか?」
シルバー:「ゴーストの世界は空間が歪み、奇妙に繋がっていて、非常に迷いやすいと聞いたことがある。」
シルバー:「それならば、俺たちがずっと迷い続けていることも納得がいく。」
ジャミル:「ゴーストの世界、ねえ……その情報、信じられるものなのか?」
シルバー:「ああ。実際にそれを見てきた、父から聞いた話だからな。」
ジャミル:「……そうだったのか。辛いことを思い出させてすまない。つまりお前の親父さんは、既に……。」
シルバー:「仕事で生死の境を彷徨った際、ゴーストの世界を垣間見て「やばっ!」と思い帰って来たと言っていた。」
ジャミル:「思ってたのと違ったな…………」
ジャミル:「まあいい。」
ジャミル:「ここが迷いやすいゴーストの世界だっていうなら、無計画に歩き回るのは得策じゃない。」
ジャミル:「この部屋を詳しく調べてみよう。」
ジャミル:「用途は分からないが、機械がたくさん並んでいる。随分と古いもののようだ。」
シルバー:「戦いが長引けば食料が必要になるかと思い水槽の中に魚がいないか確認してみたが………。」
シルバー:「もやもやした変な物体が漂っているだけだった。」
ジャミル:「もやもやした物体……? 藻とか?」
シルバー:「わからない。もしかしたらなにかの残骸かもしれない。」
ジャミル:「……あっさりと恐ろしいことを言いやがって。」
ジャミル:「それ以前に、こんなところで飼育されていた魚を食べようと考えるな!」
シルバー:「空腹は体力も思考力も奪う。危機的状況下において、食料の確保は最優先事項だ。」
ジャミル:「そういうことを言ってるんじゃないんだが……」
ジャミル:「まあいい。とにかく、だ。」
ジャミル:「中央には大きな機械があるし、個人の住居ではなく、なにかの研究室とみていいだろう。」
シルバー:「ん? 今、足下でなにか光った。」
シルバー:「機械の隙間になにか落ちてるぞ。」
シルバー:「これは刃物……いや鏡だな。ずいぶんと小さいし、なにかのパーツか?」
ジャミル:「ここにある精緻な機械のパーツには思えない。ただのガラクタじゃないか?」
???:「……ない……」
シルバー:「ん? 今どこからか声が聞こえたぞ。」
???:「ない……ないわ……一体どこに落としてしまったのかしら……」
ジャミル:「はっ、機械の向こうを見ろ!」
ゴースト:「このままじゃパーティーに遅刻しちゃう……“あのお方”をお待たせするわけにはいかないのに……。」
ジャミル:「ゴーストだ。しかも、かなり姿も声もはっきりと認識できる。」
ジャミル:「お前の言っていた、ここがゴーストの世界という話……信じてもいいかもしれない。」
シルバー:「まずいぞ。」
ジャミル:「ん?」
シルバー:「この建物の持ち主かもしれない。
勝手に入ってしまったことを謝罪せねば。」
ジャミル:「えっ? おい、待て! 姿を現すならもう少し様子をうかがってから……」
ジャミル:「ああっ、行ってしまった。なんて馬鹿正直な奴なんだ!」
シルバー:「ゴーストよ、無断で住居に侵入してすまない。」
ゴースト:「キャッ、い、生きた人間!?」
シルバー:「敵意はない。ただ、迷い込んでしまったようなんだ。」
ゴースト:「はっ! あなたの手の中にあるそれは……私の大切な“鏡の欠片”!」
ゴースト:「なくしたと思ったら、あなたが盗んでいたのね?」
ゴースト:「この泥棒! 返しなさい!」
ジャミル:「うわっ! 襲いかかってきたぞ!」
シルバー:「わかった。そんなに大切なものならすぐに返そう。」
シルバー:「どうぞ。受け取ってくれ。」
ゴースト:「えっ?あ、はい……。」
ゴースト:「……お、思った以上に紳士ね。こんなにあっさり返されると……それはそれで引っ込みが付かないわ!!」
ゴースト:「罪は罪! 罪人はひっとらえて牢屋で反省させるのが筋!!」
ゴースト:「誰かー! 誰か出合えーーー!」
ジャミル:「引っ込みが付かないって……そんな理由で襲ってくるヤツがあるか! 無茶苦茶だ!」
ジャミル:「構えろ、シルバー!」
シルバー:「だが……」
ゴースト:「“あのお方”の命令通り、生きた人間はみんな捕まえてやる〜〜!!」
シルバー:「くっ……仕方ない!」
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