【ストーリー】EPISODE 4-8 甘ちゃんなんだよなあ

| EPISODE ◆ 4-8 甘ちゃんなんだよなあ 増殖デンジャラス! |
登場人物
ジェイド、ラギー、リドル、オルト、アズール、ゴースト
テキスト全文
── 異空間‐幽霊船の入り江 ──
ジェイド:「みなさん、見事なお手前でした。ほとんど僕の出る幕はありませんでしたね。」
ラギー:「本当にほとんどのゴーストが逃げてった!」
ラギー:「ゴーストがあんなに臆病だったなんてなあ。リドル
くんの作戦、大成功ッスね! ヨッ、学年主席!」
リドル:「ふっ。褒められるほどのことではないよ。」
リドル:「この辺りのゴーストたちはみんな逃げていった。今のうちに、他に鏡の欠片がないか探そう。」
リドル:「ボクは海岸沿いの砂浜を見て回る。キミたちも手分けをして、鏡の欠片を探してくれ。」
はーい!
…………。
ジェイド:「……さて。先ほどリドルさんに止められた、海の話ですが……」
ラギー:「やっぱその話ッスよね〜〜〜〜!」
ラギー:「シシシッ。リドルくん、あれで誤魔化せたと思っちゃうところが甘ちゃんなんだよなあ。」
ラギー:「いつもすまし顔のリドルくんが隠したいネタなんて、知りたいに決まってるじゃないッスか。」
オルト:「でも、本当に聞いちゃっていいのかな?情報としてはすごく興味はあるけど……。」
ジェイド:「安心してください。悪口などではありませんよ。」
ジェイド:「僕がとても感銘をうけた出来事なんです。ですから、
みなさんにもぜひ聞いていただきたくて。」
ジェイド:「あれは、アズールが寮長になる前、リドルさんが
寮長になってから半年ほど経った頃のこと……。」
── オクタヴィネル寮‐談話室 ──
リドル:「お邪魔するよ。」
ジェイド:「おや、リドルさん。オクタヴィネルへ
いらっしゃるとは珍しい……なにかご用ですか?」
リドル:「談話室を貸してもらいたいんだ。すでにオクタヴィネル寮長に許可は貰っている。」
アズール:「うちの談話室を?会議でもなさるんですか?」
リドル:「いや。下校中、急な豪雨に見舞われてね。全身ずぶ濡れになってしまったんだ。」
アズール:「はあ……?」
アズール:「……まあ、寮長に許諾を得たのなら僕たちから言うことはありません。どうぞご自由に。」
リドル:「では、失礼する。」
ジェイド:「……体が濡れたから、オクタヴィネルへ?タオルでも借りにきたのでしょうか?」
アズール:「それなら真っ直ぐハーツラビュルに帰ればいいだろう。わざわざここへ来る理由がない。」
アズール:「リドルさんは一体なにをしに……って、」
アズール:「なんだあれは!!」
リドル:「はあっ……はあっ……」
ジェイド:「リドルさんが……」
アズール:「談話室のテーブルの周りを、ぐるぐる走り回っている!?」
ジェイド:「僕たちの知らない人間の風習でしょうか。」
アズール:「さすがにそんな風習、あるわけがない!」
アズール:「…………です、よね?」
ジェイド:「てっとり早く、ご本人に聞いてみましょう。」
ジェイド:「リドルさん、あなたはなぜ濡れたままぐるぐると走り回っているんです?」
リドル:「はあっ……はあっ……
ハートの女王の法律・第124条……」
リドル:「『体がずぶ濡れになったら、海の中で走って
体を乾かさなければならない!』」
アズール:「はぁ? 走って体を乾かす? 海の中で? 普通に考えて実現不可能じゃないですか、その法律!?」
アズール:「そんな滅茶苦茶なルールに従うなんて、バ……いや愚…………すごく変わった人だな!」
ジェイド:「確かに、濡れた身体を海の中で
乾かすのは不可能……」
ジェイド:「ハッ!」
リドル:「はぁっ、はぁっ……ジェイド!
気付いた、ようだねっ!」
リドル:「そうさ。“普通に”考えれば、海の中で走りながら
身体を乾かすのは不可能……しかし!」
ジェイド:「海中にあるオクタヴィネル寮内であれば、海の中で走り回りながら服を乾かすことが可能!」
ジェイド:「そういうことですね、リドルさん!?」
リドル:「そうだ!!!!」
ジェイド:「……というわけで、リドルさんはその後、体が完全に乾くまで6時間、寮の中を走り続けていたんです。」
オルト・ラギー:「ろ、6時間!?」
ジェイド:「その間に談話室を通ったオクタヴィネル寮生は皆、その精神力に感嘆していました。」
ジェイド:「フロイドなど笑いすぎて息ができない中、必死に動画を撮っていたほどです。よほど感動したのでしょう。」
ラギー:「フロイドくん、めっちゃ笑ってたんでしょ!?
感動要素ゼロじゃないスか!」
ラギー:「……前から薄々察してたんスけど、リドルくんって真面目な優等生に見せかけてちょっと……。」
オルト:「変な人だね!!」
ラギー:「言っちゃった。」
ジェイド:「あのときのリドルさんの走りが忘れられません。」
ジェイド:「「ぐるぐる、どんどん、回る」などと常人には理解
しがたい歌を口ずさみ、ずっと飛び跳ねていました。」
ジェイド:「そう。確かこのような動きで……」
リドル:「ジェイドーーーーー!!!」
ラギー:「うわっ、リドルくんに見つかった。こっちに走ってくる!」
リドル:「キミ……今の動き……ハートの女王の
法律・第124条のことを話したね!?」
ジェイド:「はい。」
リドル:「平然と答えるな!」
リドル:「ラギーとオルトにまで知られることになるとは……オクタヴィネル寮生は本当に意地が悪い!」
リドル:「人の嫌がることばかり蒸し返してネチネチと。キミたちに良心というものはないのかい!?」
ゴースト:「今こっちの方で、変な声がしなかったか?」
オルト:「あっ、ゴーストだ!さっきの奴らとは違う、新手みたい。」
ラギー:「リドルくん、声を抑えて!バレる前に、さっきの作戦でいきましょう。」
リドル:「ぐぐぐ……。」
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