【ストーリー】EPISODE 2-3 まだ半分も来てないよ

| EPISODE ◆ 2-3 まだ半分も来てないよ 歓迎アップル! |
登場人物
セベク、エペル、グリム、イデア、ジェイド
テキスト全文
── 豊作村 ──
セベク:「ずいぶんと長い一本道だな。」
エペル:「この『実りの街道』は、豊作村の入り口から中心の広場までを繋ぐ大事な生活道路なんだ。」
グリム:「ふな~……進んでも進んでも、ずっと林檎の木ばかりで景色が全然変わらない……。」
グリム:「この街道、めちゃくちゃ長ぇし……いつまで歩けばいいんだぁ?」
エペル:「まだ半分も来てないよ。」
グリム:「ウソだろ! ずーっと歩いてるんだゾ!」
グリム:「はぁー、早く村に行って、ウマい林檎をたらふく食いたい!」
エペル:「街道を進んだ先に僕の家があるから、もう少しだけ我慢してね。」
グリム:「よーし、それなら大急ぎなんだゾ!」
イデア:「…………。」
グリム:「オイ、イデア! なに、ボーッとしてるんだ!?」
イデア:「み、『実りの街道』の空気を五感で味わってるんだ。僕は今、『らぶソリ』の世界にいるんだよ。」
イデア:「ふひひひひ……まさかこの足で、アニメの舞台を歩けるなんて! 高まりますな!」
エペル:「……僕にはいつも歩いていた普通の道でしかないけど。」
エペル:「僕はこの『実りの街道』を使って、通学していたんです。」
ジェイド:「さっきの案内板には、学校のような物はないようでしたが?」
エペル:「えぇ。この村には若い人や子どもの数が少ないので、学校がないんですよ。」
セベク:「そういえば、子どもの姿を全く見かけないな。」
エペル:「だから、豊作村から自転車で3時間ぐらい離れた町の学校に通っていたんだ。」
3時間!?
エペル:「上り道は大変だけど、下りはスピードが出て気持ちよかったなー。」
エペル:「それと沿道には、季節ごとに色んな種類の林檎の花が咲くんだ。それがとても綺麗でさ。」
エペル:「林檎の実がなっていく様子も毎日見ることができてワクワクしたよ。」
ジェイド:「実にたくましい。3時間も通学に費やすなんて。」
ジェイド:「エペルくんの溢れる元気は、この大自然が育んだのですね。」
イデア:「ぷーくすくす。まったくご苦労なことですな~~。そんなことしなくても通信教育で済むのにww」
セベク:「3時間の自転車通学か。いい鍛錬になりそうだな。」
セベク:「雨や雪の日はどうしたんだ? 走ったのか?」
エペル:「いやそれはさすがに……往復だけで1日終わっちゃうよ。」
エペル:「天気の悪い日は、両親の運転する自動車で、送り迎えをしてもらってた。」
エペル:「辺鄙な場所にある豊作村にとって、自動車はなくてはならない生活必需品だからね。」
ジェイド:「言われてみれば、何度か自動車が近くを通っていきましたね。」
エペル:「『実りの街道』は広くて真っ直ぐな道だから、ドライブの人気スポットなんですよ。」
エペル:「僕も、両親が運転する自動車に乗ってこの道を走るのが大好きでした。」
エペル:「収穫した農作物を出荷する為に隣町まで自動車で行くんですけど……」
エペル:「よく助手席に乗って、僕も付いていきました。」
ジェイド:「たしかに、こんな一本道を自動車で走ったらさぞ気持ちいいでしょうね。」
エペル:「いつか、僕も自分のマジカルホイールを手に入れて、ここを走ってみたい!」
エペル:「風を切って走ったら、爽快だろうなぁ。」
セベク:「エペルはマジカルホイールが好きなのか。」
エペル:「うん。」
エペル:「でも。学園にはマジホイ部は無いし、ヴィルサンには趣味にしたらダメって言われるし……。」
エペル:「あー、もう! きまげるじゃ!」
セベク:「ん? 今なんと言った?」
ジェイド:「きまげる……?」
エペル:「いやっ、あの、えーと……「イライラする」みたいな意味です……。」
エペル:「ヴィルサンから、人前で地元の言葉を使わないようにきつく言われていたのに、つい……。」
セベク:「そうなのか。ポムフィオーレ寮には変わった規則があるのだな。」
エペル:「で、ですから僕が普段使わないような言葉遣いをしていても、ヴィルサンに言わないでくださいね!」
ジェイド:「もちろん誰にもいいませんよ。」
ジェイド:「……ふふふ。」
エペル:「うっ……なんだか、非常にまずい人に弱みを握られた気がする……。」
エペル:「……あっ! 見えてきましたよ!」
エペル:「あれが僕の家です!」
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