【ストーリー】EPISODE 3-3 ガチ勢!

| EPISODE ◆ 3-3 ガチ勢! 豊作マーケット! |
登場人物
マルヤ、セベク、イデア、ジェイド、エペル
テキスト全文
── 豊作村‐集会所 ──
マルヤ:「みなさん、生地は決まりましたかのう。」
マルヤ:「さてさてお次は、ぬいぐるみのモチーフになる動物を決める番ですよ。」
セベク:「決めることが多すぎるぞ、マルヤ!」
マルヤ:「おやおや、若者はせっかちねえ。」
マルヤ:「『ケルッカロト』のためには必要なことばかりなんですよ。」
セベク:「……ならば仕方ないな。だが早く決めるぞ!」
イデア:「セベク氏とマルヤ氏の会話にハラハラするのは拙者だけ?」
ジェイド:「ですが早く練習を始めたいという、セベクくんの気持ちもわかりますよ。」
イデア:「んじゃサクサク決めていきますか……。」
ジェイド:「では、僕はタコにします。」
エペル:「タコなんてないですよ! ソリを引く陸上の動物なんですから。」
ジェイド:「そうですか。タコが必死にソリを引いていたら面白そうだと思ったのですが残念です。」
イデア:「こわ……アズール氏も大変ですわ……。」
エペル:「ここに型紙がある動物の中から、選んでください。」
セベク:「リス、アライグマ、シカ……たくさんあるな。」
ジェイド:「決めました。僕はトナカイにします。」
ジェイド:「雪国である豊作村の山には、寒冷地を好むトナカイが群れで生息しているそうです。」
ジェイド:「せっかくこの村に来たので選んでみました。」
セベク:「ジェイド先輩は、モルン山に住む動物の生態についても調べているのか。」
エペル:「山に関して、色々なことに詳しいんですね。すごい!」
イデア:「あ、あのー……『ぬいゾリ』マニアから言わせてもらうと、トナカイはベストチョイスかと。」
セベク:「そうなのか?」
エペル:「うん。パワーもあるし、スピードも平均以上。なにより雪道に強いのが魅力的。」
エペル:「毎年、出場選手に一番選ばれるのはトナカイなんだ。僕から見てもオススメの動物だよ。」
エペル:「イデアサン、すごいですね。そんなことまで知ってるなんて!」
エペル:「これならレースも安心できそう……」
イデア:「……僕はクマでおねしゃす。」
エペル:「なんで!?」
セベク:「おい! トナカイがベストチョイスと言っていたではないか!?」
イデア:「そ、それはあくまでいわゆる一般論の範囲での初心者を前提にした提案でして……」
エペル:「イデアサンはクマが好きなんですか?」
イデア:「全然。」
イデア:「ぼ、僕はもっと、モフモフ~っとしたアニマルの方が好み……。」
セベク:「ではなぜクマなのだ?」
イデア:「え、えーっと……トナカイはオーソドックスな基本性能を備えた、万能タイプのモデルですが……。」
イデア:「拙者が様々な面から多角的に試算したところ、一番有利なのはクマなんですわ。」
ジェイド:「そうなのですか? では僕もクマに変更しましょう。」
イデア:「ぷぷぷ……それは止めた方がよいのでは。」
イデア:「クマは能力パラメータをパワーに全フリしたモデルでして、ピーキーな性能なのですよ。」
イデア:「みなさんのような素人にはオススメできませんなー。」
セベク:「イデア先輩も素人だろう。」
イデア:「僕は『ぬいゾリ』経験者! ガチ勢!」
イデア:「ま、まぁ『らぶソリ』ゲームの中でだけですがね。」
セベク:「あのアニメは、ゲームも出ていたのか。」
セベク:「ともかく、トナカイとクマは決まりだな。」
セベク:「エペル。お前はなんの動物にするんだ?」
エペル:「僕はウサギのぬいぐるみにする。」
ジェイド:「おや可愛らしい。お好きなんですか?」
エペル:「好きな動物は、虎とか豹みたいに強くてかっこいいやつなんですけど」
エペル:「小さい頃、ウサギを飼っていたことがあったから愛着があるんです。」
セベク:「エペルがウサギをペットにしていたとは初耳だ。」
エペル:「ペットとはちょっと違うかな。お父さんが畑を荒らす動物を捕まえるために罠を仕掛けていたんだけど」
エペル:「ある時、子ウサギが引っかかって怪我をしていたんだ。」
エペル:「まだ小さなウサギだったし、さすがに可哀想だってことになって、治るまで世話をしてたんだよ。」
エペル:「すっごくかわいかったんだ。プープーって鼻を鳴らしてさ。」
エペル:「家族の中で僕に1番なついていたんだよ。」
エペル:「餌やり係を僕だけがやっていたからなんだけどさ。」
エペル:「でもウサギと散歩をしていると、村のみんなが果物や野菜をくれるから」
エペル:「僕以外の人になついちゃうんじゃないかってひやひやしたりしたなぁ。」
エペル:「しばらくして怪我が治ったから、放してあげたんだ。今もモルン山で暮らしてるかもしれない。」
ジェイド:「かわいらしい思い出ですね。」
エペル:「昔、相棒だったウサギのぬいぐるみを使えばレースでも良い結果を残せる気がする!」
エペル:「ウサギってああ見えて脚力もあるし、すばしっこい動物だからね。」
エペル:「よし、あとは……」
エペル:「セベククン!セベククンはどの動物にする?」
セベク:「ふん、僕はなんでもいい。どんな動物でも操ってみせる。」
ジェイド:「では、イデアさんに選んでもらったらどうですか?詳しいようですから。」
イデア:「え……面倒くさ……。」
イデア:「自分にあったぬいぐるみを選ぶのは楽しいけど、赤の他人の動物選びなんて興味ないし……。」
エペル:「それじゃあ僕が選ぶよ。」
エペル:「セベククンが選んだ生地で作りやすい動物は……」
エペル:「リスかな。」
セベク:「リス!?」
セベク:「もっと強そうな動物を選べ!」
セベク:「ゾウとか、サイとか、トラとか……ワニとか色々あるだろう!」
エペル:「な、なんでもいいって言ったのはセベククンじゃん!」
セベク:「そ、それはそうだが……。」
エペル:「セベククンが選んだ端切れは、どれも小さい。」
エペル:「使う型紙のことを考えると、作りやすい動物は一番小型のリスなんだよ。」
セベク:「では、生地を選びなおそう。」
エペル:「えー!? 早く練習を始めたいのに!」
イデア:「はあ…………」
イデア:「セベク氏〜〜。リスを選ぶとは見る目があるではありませんか〜〜。」
セベク:「……そうなのか?」
イデア:「リスの最高速度は、数多のぬいぐるみの中でもトップクラス!」
イデア:「その走り稲妻の如し!セベク氏にピッタリ! オススメ!」
セベク:「……なるほどな。聞けばなかなか僕にふさわしい動物ではないか。」
セベク:「では僕はリスにしよう!」
エペル:「よかったぁ、決めてくれて。」
ジェイド:「……今の話、本当ですか?」
イデア:「え? と、トップスピードが速いのは本当……。」
イデア:「……ただしその分耐久性能が低いから、全速力で走り続けると壊れやすいけど。」
ジェイド:「……嘘は言っていませんね。」
イデア:「ふひっ……ペース配分に気を付ければなんの問題もないっすわ……。」
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