【ストーリー】EPISODE 11 3、2、1……はいっ!

| EPISODE ◆ 11 3、2、1……はいっ! フェアリーガラIF |
登場人物
シルバー、ヴィル、エース、ジャック、オルト
テキスト全文
── ポムフィオーレ寮‐ボールルーム ──
シルバー:「……偽物とすり替える?」
シルバー:「それでは妖精たちを騙していることになる。」
シルバー:「まず始めに、話し合うのはどうだろう。事情を説明すれば、魔法石を返してもらえるかもしれない。」
ヴィル:「キャンディよりも甘いことを言うのね。これがどれだけ重要な任務かわかってないのかしら。」
エース:「そーそー。もしも妖精たちが気分を悪くしたら、フェアリーガラは中止。春が来なくなるんすよ?」
エース:「それなのに、こっちの狙いを馬鹿正直に話すなんて危険すぎ。」
シルバー:「だが……。」
エース:「そもそも魔法石を最初に盗んだのは妖精たちでしょ。オレらは自分のものを取り戻すだけ。」
シルバー:「……。」
ジャック:「俺も同じ意見だ。今更怖じ気づいて引き返すなんて、なしっすよ。」
オルト:「僕もシミュレーションしてみたけど……」
オルト:「妖精に気付かれずに偽物とすり替えるプランが、最もミッションの成功率が高いって結果が出たよ。」
シルバー:「……」
シルバー:「わかった。そこまで言うのならば、お前たちにも信念があるのだろう。」
シルバー:「俺は常々、父に「信念は尊重し合うべきだ」と言われていた。その教えに従おうと思う。」
オルト:「それじゃあええっと……確かマジックを使って、杖をすり替えるんだよね?」
オルト:「リドル・ローズハートさんが寮長会議で言っていたマジックって、どんなものなの?」
エース:「えー。大したもんじゃ無いけど……」
エース:「見たい?」
ジャック・オルト:「見たい!」
エース:「オッケー。」
エース:「確かポケットに……。」
エース:「あった! みなさん、オレの手の上にある、1枚のコインをよーく見てください。」
?
エース:「右手に持ったこのコインを、魔法を使わずに消します。」
エース:「3、2、1……」
エース:「はいっ!」
キラーン
オルト:「あっ! コインが消えた。」
エース:「ハハッ、どこ見てんの?」
エース:「じゃーん! コインが一瞬で、左手に移動しました。」
ジャック:「最初はなにもなかった左手の手のひらの上に、コインがある……!」
シルバー:「本当に今のは魔法ではないのか?」
エース:「もちろん。ただのマジックです。」
ヴィル:「器用ね。リドルがアンタを推したのも頷ける。」
オルト:「すごいや。これなら女王の持つ杖も、あっというまに取り替えられちゃうんじゃない?」
エース:「いやいや。何の準備も無く簡単に、とかは無理!」
エース:「種も仕掛けもあるからマジック。それがないのはもう魔法だろ?」
エース:「さっきのは、右手にあったコインをただ素早く袖に隠して……」
エース:「みんなの意識が右手に集中してる隙に、誰も見てない左手にコインを握っただけ。」
シルバー:「なるほど。そういう仕組みだったのか。」
エース:「案外気付かないもんでしょ?」
オルト:「……これって、ミスディレクションっていう手法なんだね。」
オルト:「今、マジックに関連する単語を検索したらヒットしたよ。」
オルト:「魔法を使わずに、魔法のような現象を起こすなんて」
オルト:「……すごく面白いね! 興味がある。」
エース:「お。もしかして結構はまりそう?」
エース:「マジックに大切なのは、手先の器用さ。そして人の視線をうまく誘導すること。」
エース:「見てほしくないところから人の視線を逸らすために、別の場所に集めるんだ。」
オルト:「でも……杖はコインと違って大きいよ。大勢の前で、今みたいに簡単に偽物と取り替えられる?」
シルバー:「確かに心配だ。それに女王の持ち物であれば、さぞ大切にされているだろう。」
シルバー:「監視の視線を剥がすのは、並大抵のことではない。」
エース:「あれっ、コインが消えましたね♪」
エース:「……程度じゃ通用しないってことか。」
エース:「オレがやるみたいなマジックじゃなく、イリュージョンレベルの内容じゃないとダメなのかもなあ。」
オルト:「イリュージョン?」
エース:「早着替えとか、水中脱出とか、瞬間移動とか、人体浮遊とか、とにかく大がかりで派手なマジックのこと。」
エース:「でもそんなの、オレらじゃムリムリ……」
オルト:「いいね、それ! イリュージョンをやろうよ!」
エース:「オレの話聞いてた!? オレらにはムリだって!」
シルバー:「挑戦する前から諦めては駄目だ。」
エース:「いやいや! かっこいい顔でかっこいいこと言ってますけど、みんなマジック初心者ですよね?」
エース:「オレも得意とは言っても素人だし。大がかりなイリュージョンなんてできるわけないから!」
ヴィル:「できたら知り合いのプロデューサーを紹介するわよ。」
オルト:「そうかあ……。」
オルト:「……あっ!」
オルト:「マジックのテクニックはなくても、僕の持つ機能を使えばどう!?」
えっ!?
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