【ストーリー】EPISODE 6-48 変革アクション!

| EPISODE ◆ 6-48 変革アクション! 冥府の番人 |
登場人物
オルト、ヴィル、イデア、レオナ、ジャミル、リドル、アズール、アナウンス
テキスト全文
── S.T.Y.X.研究所‐会議室 ──
オルト:「うまい、うまい! 第1ステージのボスまで難なくクリアできたね!」
ヴィル:「プレイしてて気づいたけど……このゲーム、実写映画化されてない?」
ヴィル:「このストーリー。おぼろげだけど、父と一緒に映画館で見た記憶がある。」
イデア:「マ? ヴィル氏、実写映画見たの!?」
ヴィル:「あの映画、ゲーム原作だったのね。今日初めて知ったわ。」
オルト:「映画版は原作ゲームのファンからも評価が高かったけど、原作を知らない一般層にもヒットして、」
オルト:「『スター・ローグ』の名前を広めるきっかけになったんだ。」
イデア:「そうそう。映画をきっかけに、ゲームはさらに売上を伸ばし……」
イデア:「ついに続編制作決定へ!」
オルト:「でも……ゲームの続編制作決定と発表された直後、ゲームの開発チームが仲違いしちゃって。」
イデア:「マジで悲劇ですわ。シナリオライター、キャラクターデザイナー、ゲームプランナー、」
イデア:「全員が揉めに揉めてゲーム会社を辞め、散り散りに……。」
ヴィル:「制作陣が誰も残らなかったんじゃ、続編を作っても別物になる可能性が高いわね。」
イデア:「そう。無理に別クリエイターを立ててまで続編を作らなかったゲーム会社のポリシーは評価できる。」
イデア:「しかし、『スター・ローグ』の続編は永遠に叶わぬ夢となってしまったのであった……。」
オルト:「その流れで、実写映画の続編も凍結しちゃったみたい。」
イデア:「いつの日かまた神クリエイターたちが集結し、」
イデア:「『スター・ローグ』の続編が発表される奇跡を、拙者はずっと夢見てるんでござるよ……。」
イデア:「ウッ……。」
ヴィル:「あら。夢見てるだけなの?」
イデア:「え?」
ヴィル:「そんなに好きなら、アンタが作ればいいじゃない。」
イデア:「はあ?」
レオナ:「たしかにな。シュラウド家の財をもってすれば、クリエイターにギャラを払って再集結させられるだろ。」
イデア:「は、はぁ〜〜〜〜〜!? わかってない! 君たち全然わかってないっすわ!」
イデア:「拙者は、クリエイターたちが「これは絶対に面白い!」「プレイヤーを楽しませてやるぞ!」」
イデア:「っていう熱い気持ちで作った『スター・ローグ』の続編がやりたいの!」
イデア:「報酬で釣って、イヤイヤ作らせたものになんの価値があるんだよ。」
ジャミル:「そういうものですか?」
イデア:「そうだよ! これだからパンピーは!オタクの気持ちわかってないなぁ!」
ヴィル:「アツくなってるところ悪いけど、アタシはそういう意味で「作れば」って言ったわけじゃないわよ。」
イデア:「へ?」
ヴィル:「手始めに散り散りになったクリエイターひとりひとりを訪ねて、」
ヴィル:「アンタの暑苦しい情熱を伝えて回ってみたら?」
イデア:「は……?」
ヴィル:「続編を心待ちにしている熱烈なファンがいることを真剣に伝えれば、なにか変わるかもしれない。」
イデア:「そ、そんなの……過去に何度もファン有志が署名とか寄せ書きとかしてますし……。」
ヴィル:「それはアンタじゃなくて他の誰かがやったことでしょう。」
ヴィル:「アンタ自身はなにかアクションを起こしたの?」
イデア:「む、無理無理。拙者1人がなにかしたところで、どうにかなるわけないし……。」
ヴィル:「最初から無理だって決めつけてなにも行動を起こさなければ、可能性はずっとゼロのままよ。」
ヴィル:「アタシなら、ゼロをゼロのままにしない。」
オルト:「………………!?」
ヴィル:「ゼロにはなにをかけてもゼロのままでしょ?」
ヴィル:「でもなにかアクションを起こせば、0が0.001に変わるかもしれない。」
ヴィル:「そして、0.001は100になれる可能性を秘めてるの。だったらやらない理由はないわ。」
ヴィル:「『スター・ローグ』の主人公だって、ゼロからスタートして、最後はヒーローになる。そうよね?」
イデア:「そりゃそうですけど、それは作り話ですし……。現実はそう上手くいかないでしょ。」
イデア:「結局ゲームの制作陣だって、志半ばで解散しちゃってるわけだしさ。」
ヴィル:「ええ、アンタの言う通り。いつだって現実は厳しく、予定調和のハッピーエンドとはいかないわ。でも……」
ヴィル:「だからこそ、ひっくり返せる未来(シナリオ)もあるはず。」
ヴィル:「だってアタシたち、まだ18歳よ?諦めてエンドマークをつけるには早すぎる。」
イデア:「で、でも、拙者にはそんなの…………。」
オルト:「無理じゃないよ、兄さん!!」
イデア:「へぁっ!?」
オルト:「学校の友だちを家に呼んで一緒にゲームをするなんて、僕たちには絵空事(フィクション)だってずっと思ってた。」
オルト:「でも、こうして実現したんだもの。」
イデア:「え、えぇ~? だからさ、今回のは友だちを家に呼ぶのとはちょっと違うでしょ……。」
オルト:「僕、なんだか自分がやるべきことがすこしだけ見えてきた気がするよ。」
オルト:「ありがとう。ヴィル・シェーンハイトさん!」
ヴィル:「? お礼を言われるようなことはなにもしてないけど……」
ヴィル:「アンタがなにかポジティブな気付きを得たんなら、良いことね。」
オルト:「うん!」
イデア:「お、おーい、オルト? 拙者の話聞いてる……?」
リドル:「──やった!!!!最初のステージをクリアしたぞ!!」
オルト:「あっ! リドル・ローズハートさんがイージーモードで『冥界伝説』の1面をクリアしたみたい。」
イデア:「なんと! コントローラーの上ボタンがなんだか分かっていなかったリドル氏が!?」
アズール:「それもこれも、ひとえに僕の根気強いアドバイスのおかげですよ。ねえリドルさん?」
リドル:「キミは横からあれこれと口を挟んでいただけじゃないか。」
ヴィル:「アンタたち、あれからずっとやり続けてたわけ? ちゃんと休憩は挟んだんでしょうね。」
オルト:「ゼロを、ゼロのままにしない……」
オルト:「そうすれば……」
オルト:「ひっくり返せる未来(シナリオ)も、ある……か。」
アナウンス:「ヒトロクマルマル、被検体ROS-859A、SUS-3320Bのテストを全行程終了しました。」
アナウンス:「該当ファントムのケージを凍結、収容完了。館内の全扉のロックを解除します。」
イデア:「あ、ようやくテストが終わったみたいっすな。」
イデア:「ふぅ……やっとこの猛獣だらけの空間から解放される……。」
ヴィル:「なんだかんだ、あっという間の3時間だったわね。」
レオナ:「ふぁ~あ……、よく寝た。」
ジャミル:「レオナ先輩……よくあの騒ぎの中で眠れましたね。」
リドル:「うう……目をつぶると、川を流れる人魂がちらつく……。」
アズール:「僕はゲームの実況動画がエンタメとして成立する理由が少しわかった気がします。」
アズール:「もう少しでクリアだというところで、ミスをした時のリドルさんの叫び声ときたら……」
アズール:「思い出しただけでも……フフフッ!」
イデア:「それじゃみなさん、各自個室に戻ってクダサイ。」
イデア:「明日朝8時には、学園へ向けて出発する予定なんで……。それまで大人しくしといて。」
イデア:「……あ、そうだ。ヴィル氏。ちょっと話があるから残ってくれる?」
ヴィル:「アタシにだけ? かまわないけど……。」
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