【ストーリー】EPISODE 6-54 超越プログラム!

| EPISODE ◆ 6-54 超越プログラム! 冥府の番人 |
登場人物
イデア、オルト、オペレーターA、オペレーターB、オペレーターC、オペレーターE、オペレーターD、グリム
テキスト全文
── S.T.Y.X.研究所‐管制室 ──
イデア:「えっ……?」
オルト:「僕、たくさん考えたんだ。ゼロをゼロにしないためには、なにをすればいいのか。」
オルト:「「やれるだけのことをする」って、どういうことなのかって……。」
イデア:「オルト? なに言ってんの!? 今それどころじゃないって!」
オルト:「それでね、さっきやっと最適解を導き出すことができたんだ。」
オルト:「未来(シナリオ)を修正するのが難しいなら一度全部消して、最初から書きはじめればいい。」
オルト:「プログラムだってそうでしょ?」
オルト:「いろんなエンジニアを経由してバグが積み重なったプログラムを地道に修正するより、」
オルト:「1から書き直したほうが早い。つまり……」
オルト:「このバグだらけの世界を、一度リセットして兄さんが新生すればいいんだ!」
イデア:「オルト、なにを言ってるんだ!?」
イデア:「チッ……やっぱりあの時、AIの演算装置内でバグが発生してたんだ。すぐにメンテしてれば!」
オルト:「バグじゃないよ、兄さん。これは僕の“意思”だ。」
イデア:「違う。お前は…………今のお前は、僕の“弟”を模して作られた自律型AI搭載の魔導ヒューマノイド。」
イデア:「お前が“意思”だと思ってるものは、全部プログラムされているんだ……!」
オルト:「そうだね。僕はたしかに造られた存在だ。」
オルト:「──でも、知らないの?」
オルト:「僕を造った兄さんは“異端の天才”と呼ばれた魔導工学の申し子。」
オルト:「だから僕はロボットの枠を……プログラムを超える!」
オペレーターA:「『S.T.Y.X.』のメインサーバーが何者かにハッキングを受けています!」
オペレーターA:「逆探知成功。これは……ヒューマノイド・ORTHO(オルト)のAIプログラム!?」
オペレーターB:「侵食領域が拡張していきます! 防壁『アイギス』、機能しません!」
オペレーターB:「『S.T.Y.X.』全システムのコントロールが、ORTHO(オルト)のAI制御下に切り替わっていきます!」
イデア:「嘘だろ! オルトにそんな権限は持たせてない! ……僕が止める!」
イデア:「なっ!?」
オペレーターC:「ORTHO(オルト)、緊急停止コードを否認。 なおも侵食を続けています!」
オペレーターB:「『ラケシス』」
オペレーターB:「『クロートー』」
オペレーターB:「『アトロポス』全サーバーに侵食を確認!」
オペレーターE:「あらゆるシステムのアクセスコードが、すべて書き換えられていく……!」
イデア:「くっ、手動じゃオルトがプログラムを書き換えるスピードに追いつけない!」
イデア:「こうなったら最終手段だ……緊急用を含めて全電源を手動で落として!」
オペレーターD:「ダ……ダメです! 電源、落ちません!」
イデア:「嘘だろ……。こ、このままじゃ……」
イデア:「……『嘆きの島』が全部、乗っ取られる!」
オルト:「ふふふっ! どう、驚いた? RTS(リアルタイムストラテジー)は、僕の勝ちだね。」
イデア:「や、やめるんだ、オルト。世界を新生するなんて、不可能だ!」
オルト:「不可能じゃない。ヴィル・シェーンハイトさんが言ってたでしょう。」
オルト:「0.001%でも可能性があるなら、それは“可能”ってことなんだ!」
オルト:「新しい世界では、ファントムと既存の生物が共存することになる。」
オルト:「『冥府』と『タルタロス』を解放するんだ。そうなれば世界はブロットで満たされて……」
オルト:「ブロットを焼却できる呪いを持つ僕たちが、新しい世界のボスになれる!」
オルト:「そうしたら、“普通”の人みたいに気軽に友だちを家に呼べちゃう。」
オルト:「一緒にゲームをしたり、映画をみたり……友だちが帰るとき、記憶をリセットする必要もない。」
オルト:「「また遊びに来てね」って言えるよ。」
オルト:「漫画の続きも、『がけも』のライブも、ゲームも、兄さんが望めばなんだって叶う。」
オルト:「新しい世界では、“兄ちゃん”は全宇宙の支配者で、スーパーヒーローなんだ!」
イデア:「“兄ちゃん”……だって!?」
イデア:「……そんな、ありえない! だって、オルトはあの日……!」
イデア:「待てよ、『ケルベロス・システム』をシャットダウンできるのは、シュラウド家の遺伝子を持つ者だけ……」
イデア:「まさか……っ!?」
イデア:「ほ、本当、に……? 本当に、お前なのか……オルト?」
オルト:「そう……“僕”だよ、兄ちゃん。」
オルト:「僕があの番犬を眠らせたのさ。」
イデア:「………………っ!!!」
オペレーターA:「所長代理!? どこへ行かれるのです!」
オペレーターA:「所長代理! イデア様──!!」
シュワアァッ……
乗って、兄ちゃん。
イデア:「……はぁ、はぁ……。」
── S.T.Y.X.タルタロス‐冥府の門 ──
イデア:「『冥府』の門が、開いてる……。」
イデア:「……オルト、そこにいるの?」
うん ここだよ 兄ちゃん
あの日からずっと また会える日を夢見てた
今度こそ一緒に遠くへ行こう
でも ごめん
外に出るには少し時間がかかりそう
僕 昔に比べてすごく大きくなったから……
イデア:「────兄ちゃんに任せとけ。」
── S.T.Y.X.研究所‐個室 ──
グリム:「なんだぁ!? 急に真っ暗になっちまったんだゾ。」
グリム:「おーい、誰かいねぇのか? イデア~! オルト~!」
グリム:「……あ……このニオイ……。」
グリム:「ヴー…………ヴゥ…………」
グリム:「…………ケヒヒッ、イイニオイ……このニオイはぁ……」
グリム:「石ダァッ!!! 石のニオイがするゾォッ!!」
グリム:「出せェ! ここから出せェ!!」
グリム:「グルルルル…………ガァアッ!!!」
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