【ストーリー】EPISODE 6-60 誘導ウィスパー!

| EPISODE ◆ 6-60 誘導ウィスパー! 冥府の番人 |
登場人物
リドル、ヴィル、S.T.Y.X.所員A、レオナ、アズール、ジャミル、オペレーターA、オペレーターB、技術開発部A、オペレーターC、オペレーターD
テキスト全文
── S.T.Y.X.研究所‐廊下 ──
リドル:「ふん。慣れてしまえばたわいない相手だね。」
ヴィル:「そうね。学園に現れた連中よりも、カローンたちの動きが規則的で単純に感じる。」
S.T.Y.X.所員A:「お、お、お前たちは被検体の……!」
レオナ:「被検体? 命の恩人の間違いだろ。恩返しに、俺たちを所長代理サマのところまで案内してもらおうか。」
S.T.Y.X.所員A:「ヒ、ヒィッ! 近付くな! 化け物!」
リドル:「化け物……だって?」
アズール:「慈悲の心で助けて差し上げたというのに……ひどい言われようですねぇ。」
レオナ:「まったくだ。こちとら右も左もわからねぇ迷子なんだぜ?」
レオナ:「いいから管制室(迷子センター)に連れて行けって言ってんだよ。あ?」
ヴィル:「そんな人相悪くて偉そうな迷子がどこにいるのよ。」
S.T.Y.X.所員A:「い、嫌だ! 中央地区には……『タルタロス』には近付きたくない!」
S.T.Y.X.所員A:「『ケルベロス・システム』が乗っ取られた。ファントムが溢れ出したら、この島はもうおしまいだ!」
ヴィル:「なんですって? 乗っ取られたって、どういうこと?」
S.T.Y.X.所員A:「うるさい! そんなこと説明してる暇はないんだ!」
S.T.Y.X.所員A:「そこをどけ!俺は脱出用ターミナルへ行かせてもらう!」
ジャミル:「やれやれ……仕方がないな。」
ジャミル:「どうぞ落ち着いて。脱出されるにしても、おひとりでは不安でしょう?」
ジャミル:「僕たちに目的地まで警護させてください。」
S.T.Y.X.所員A:「え……?」
ジャミル:「フッ……俺の目を見たな!」
ジャミル:「『瞳に映るはお前の主人。尋ねれば答えよ。命じれば頭を垂れよ──』」
ジャミル:「『蛇のいざない(スネーク・ウィスパー)』」
S.T.Y.X.所員A:「……あ……。」
ジャミル:「IDカードは持っているな?さあ、扉を開けてもらおうか。」
S.T.Y.X.所員A:「はい……ご主人様……。」
アズール:「さすがはジャミルさん。手際がよろしいことで。」
ヴィル:「このスタッフ、「『ケルベロス・システム』が乗っ取られた」とか言っていたわよね。」
ヴィル:「どういうことか、聞き出すことはできないの?」
ジャミル:「俺のユニーク魔法(スネーク・ウィスパー)はあくまで対象の意識を乗っ取り、操れるだけにすぎません。」
ジャミル:「ジェイドのユニーク魔法のように、」
ジャミル:「対象自身から狙った情報“だけ”をピンポイントで引き出すことは難しいですね。」
ジャミル:「やりようによっては、結果として似た成果を得ることも可能かもしれませんが……。」
レオナ:「へぇ? オクタヴィネルの副寮長はそんなユニーク魔法を使うのか。おっかねぇな。」
ジャミル:「おっと、失礼……口が滑りました。本人は言いふらしてほしくないようでしたので、他言無用で願います。」
アズール:「ご安心ください、レオナさん。」
アズール:「ジェイドのユニーク魔法は、レオナさんのように実力ある魔法士にとっては脅威になりえません。」
アズール:「チッ……いざという時のために、ずっと伏せてきたのに!」
アズール:「わざと口を滑らせたでしょう、ジャミルさん。」
ジャミル:「さあ? なんのことやら……。」
ヴィル:「アンタたち、ここは幼稚園バスの中じゃないのよ。雑談はそこまでになさい。」
ヴィル:「ともかく、このスタッフのIDカードと案内があれば迷わず管制室まで辿り着けそうね。」
リドル:「ええ。そしてそこまで行けば、今ボクたちが置かれている状況も把握できるはず。」
ヴィル:「進みましょう。」
── S.T.Y.X.研究所‐管制室 ──
オペレーターA:「カローン班専用のパワードアーマー全機、オートパイロットモードで稼働中。管理権限は……ORTHO(オルト)!」
オペレーターA:「職員らを攻撃、捕縛していると報告が! 負傷者が出ています。」
オペレーターB:「技術開発部、格納庫の各種武器の状況は?」
技術開発部A:「『S.T.Y.X.』製魔導回路を搭載したものは、すべて起動しません!」
オペレーターB:「つまり、全部じゃないか! 分解してでも動かせ!」
オペレーターC:「依然として外部への救援信号、応答ありません!」
オペレーターC:「発電所と緊急脱出ターミナルへ向かったスタッフ、通信が途絶えました。」
オペレーターA:「『レテの河』の構成データ、蓄積エネルギー共に分解を開始!」
オペレーターD:「『ケルベロス』再起動のため、ブルートフォースアタックのプログラムを走らせていますが……」
オペレーターD:「こちらを遥かに上回る処理速度で起動コードを書き換え続けています!」
オペレーターC:「『タルタロス』内、凍結システム解除。融解完了まで残り6時間16分!」
オペレーターC:「上層部はさらに融解速度が早い。3時間程度で第4層まで融解が進行する予測です。」
オペレーターA:「すでに第1タワー、第12層収容所内でも融解がはじまっています。」
オペレーターB:「第12層だと!? ということは『原初のファントム』が……」
オペレーターB:「『タイタンズ』が目を覚ますのも時間の問題ということか……ッ!」
オペレーターA:「本部内のブロット濃度、さらに上昇!汚染警報発令!」
オペレーターB:「ORTHO(オルト)……ヤツの演算能力は、我々(ヒト)の領域を遥かに凌駕している……」
オペレーターB:「もはや、我々に打つ手はないのか?」
ヴィル:「そんなにあっさり諦めてもらっちゃ困るわ。」
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