【ストーリー】EPISODE 6-76 憔悴ジーニアス!

| EPISODE ◆ 6-76 憔悴ジーニアス! 冥府の番人 |
登場人物
研究員A、研究員B、研究員C、少年イデア、オルト
テキスト全文
研究員A:「イデア様……部屋に引きこもってからもう2年以上経つ。」
研究員B:「オルト様を失って、心を閉ざされてしまわれたのだとか。」
研究員C:「だが、定期的に大量の魔導パーツを要求なされる。一体なにをしているのだろう……?」
少年イデア:「ブンバダブンブンブン! ハーッ!できたぞ!! 完成だ!」
少年イデア:「僕はついに取り戻したぞ!!」
研究員A:「イ、イデア様!?か、完成とは? なにが完成したのですか?」
少年イデア:「ヒヒヒッ! なにって? オルトだよ!」
オルト:「ハジメマシテ。ボクハ、オルト。」
少年イデア:「どう!?オルトの記憶や思考パターンを完全再現したんだ。」
少年イデア:「AIには自己学習アルゴリズムも組み込んである。」
少年イデア:「世界初の、自ら成長しつづける魔導ヒューマノイド。」
少年イデア:「それが『ORTHO』(オルト)だ!!」
研究員A:「ま、まさか……弟君(ぎみ)を造りだしたというのですか!?」
研究員B:「それはタブーです、イデア様!」
少年イデア:「は? 英雄が冥府から恋人を取り戻す話は美談になるのに、なんで“弟”はタブーになるんだよ。」
研究員B:「そ、それは……。」
少年イデア:「ああやだやだ。これだから凡人は!」
少年イデア:「主観に基づいた倫理観や、単なる感情論で他人をジャッジするのをやめてくださらんか?」
少年イデア:「魂なんていう存在の証明が不可能な非物質がなくたって、“弟”はここにいる。」
少年イデア:「しかも生身の人間よりもずっと強くて頑丈だし、簡単に壊れたりしない。」
少年イデア:「改良を加えていけば、いつか体ひとつで宇宙の果てにだって辿り着ける。」
少年イデア:「そうだろ、オルト!」
オルト:「ウン! ──「遥か彼方の栄光を目指し、流星のように駆け抜けろ!」」
少年イデア:「………そうだよ。ヒヒッ! クロノス軍も、ファントムも、今のオルトならイチコロだ。」
少年イデア:「今のオルトなら、ヒーローにだって…………フヒッ、ヒッ……」
少年イデア:「ううっ、うう………。」
オルト:「前頭前野(ぜんとうぜんや)が活発化し、自律神経が乱れています。適度な休息をとることを推奨します。」
オルト:「──兄ちゃん。」
…………オルト?
オルト:「僕を追いかけてきてくれて、ありがとう。嬉しかった。」
オルト:「でも、兄ちゃんはまだこっちへ来ちゃダメだ。」
オルト……どうして? 僕もお前と一緒に行くよ。約束したじゃないか。
オルト:「うん。でもそれは“今”じゃない。」
オルト:「漫画の続きが読みたいとか、アイドルのライブに行きたいとか、新作のゲームをやりたいとか……」
オルト:「全部を諦めるには、兄ちゃんはこの世界を愛しすぎてるよ。」
はあ!?誰がこんなクソみたいな世界愛してるもんか!
そんなくだらないこと、全部なくなったっていい!
オルト:「くだらなくたって、いいじゃない。もうなにも諦めなくていいんだよ。」
オルト:「兄ちゃんには、未来がある。」
オルト:「僕ね、兄ちゃんには僕たちがあの日みた夢を叶えてほしいんだ。」
僕たちの、夢……?
オルト:「きっと長い道のりになる。挫けそうになることもあると思う。でも……」
オルト:「兄ちゃんなら、……兄さんなら、」
オルト:「どこまでだって行けるよ。」
オルト:「夢見た場所がどれほど遠くても、絶対に辿り着ける。」
オルト:「大丈夫。僕はずっと一緒にいるから。」
オルト:「だから、諦めないで──」
オルト……待って、
オルトーーーー!!
???:「──イデア!!!」
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