【ストーリー】EPISODE 7-25 餞別スペシャル!

| EPISODE ◆ 7-25 餞別スペシャル! 深淵の支配者 |
登場人物
カリム、リリア、ジャミル、シルバー、セベク
テキスト全文
── ディアソムニア寮‐談話室 ──
カリム:「よう、リリア! 今日は招いてくれてありがとな。」
リリア:「カリム、ジャミル。よくぞ来てくれた。礼を言うぞ。」
カリム:「急に退学するって聞いて驚いたぜ。」
カリム:「前も話したけど、オレこの学園に入ってきてすぐの頃……」
カリム:「リリアのライブパフォーマンスを見て、軽音部に入部決めたんだ。」
カリム:「明日からリリアのド迫力のシャウトが聴けなくなると思うと、マジで寂しいよ。」
カリム:「餞別は楽器とアンプのセットにしようと思ったんだけど、ジャミルに止められてさ。」
ジャミル:「お前が贈ろうとしていた楽器セットは、運搬にトラック1台は必要だぞ。」
ジャミル:「アーティストのライブツアーじゃないんだ。一般人の住宅事情を考えろ。」
リリア:「くふふ、すまんな。旅立ちは身軽にしたくてのう。」
リリア:「カリムの気持ちだけはありがたく頂戴するぞ。」
ジャミル:「リリア先輩。部活を通してカリムと仲良くしていただき、ありがとうございました。」
ジャミル:「お荷物になってはいけませんが、よろしければこちらを。」
リリア:「なんじゃ、畏まって? これは……名刺?」
カリム:「それは、オレのとーちゃんからリリアにって!」
ジャミル:「そのカードに印字されているのは……」
ジャミル:「アジーム本家に常駐する専属コンシェルジュへの直通電話番号です。」
リリア:「せんぞくこんしぇるじゅ〜!?」
ジャミル:「熱砂の国を訪れる際には、いつでもご連絡ください。」
ジャミル:「アジーム家一同、心を込めて到着から出国までサポートいたします。」
カリム:「そのカードがあれば、熱砂の国なら空港や百貨店でも誰かしら面倒みてくれるはずだぜ。」
カリム:「とーちゃんもかーちゃんも、いつかリリアに会ってみたいって言ってたんだ。」
カリム:「マジでいつでも遊びに来てくれよな!」
カリム:「魔法の絨毯で国中どこでも案内するからさ。」
リリア:「なんとリッチな! ご当主によくお礼を伝えてくれ。」
リリア:「お守り代わりに大切にしよう。ありがとう、カリム。ジャミル。」
ジャミル:「……他の生徒たちもリリア先輩と喋りたそうに様子をうかがっているな。」
カリム:「ああ。オレたちだけで長々とリリアを独占しちゃ悪い。」
カリム:「リリア、名残惜しいけど……」
カリム:「元気でな!」
リリア:「ああ。お主らも達者で。」
リリア:「……ふぅ。」
シルバー:「親父殿。」
リリア:「ん? もう食事を終えたのか? シルバー。」
シルバー:「マレウス様が、まだお見えになっていません。」
リリア:「そのようじゃな。仕方のないやつじゃのぅ。ま、気にするな。」
リリア:「もう互いの顔を見飽きるほど長く共にいた。改まって見送りなどなくとも……。」
シルバー:「よくありません!」
シルバー:「親父殿は今夜、赤竜の国へ発たれる! そうなれば、もうマレウス様とは……!」
シルバー:「俺……やはりマレウス様を捜してきます!」
リリア:「あっ、おい! シルバー!」
リリア:「……行ってしまったか。」
リリア:「あやつの頑固さは一体誰に似たんだか。」
セベク:「リリア様(ふぁま)……」
セベク:「っんぐっ、ごくん!」
セベク:「ど、どうかなさいましたか?今シルバーの大声が聞こえた気がしたのですが。」
リリア:「シルバーがマレウスを捜しに行った。」
セベク:「なんと! では僕も捜しに……」
リリア:「待て。よいのじゃ。」
リリア:「正直言うと、マレウスにはどう別れの言葉をかけたものかと思っていた。」
リリア:「どんな言葉を選んでも湿っぽくなる気がしてな。」
セベク:「リリア様……。」
リリア:「わしはな、セベク。みんなで別れまでの残り少ない時間を目一杯楽しみたいのだ。」
リリア:「お主まで席を外すなどとつれないことを言うでない。」
セベク:「も、もちろんです。……」
セベク:「チッ、シルバーのやつ。道の途中で居眠りをしたら許さんぞ。」
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