【ストーリー】EPISODE 7-45 現況グラスプ!

| EPISODE ◆ 7-45 現況グラスプ! 深淵の支配者 |
登場人物
イデア、オルト、イグニハイド寮生たち、住人たち、ロイヤルソードアカデミーの生徒たち
テキスト全文
── イグニハイド寮‐イデアの部屋 ──
イデア:「すー……すー……」
オルト:「兄さん! 無事!?」
オルト:「ああ、良かった!どこも怪我はしてなさそう。」
オルト:「ディアソムニアの外にまでマレウス・ドラコニアさんの魔法の影響が届かなかったのかな?」
イデア:「すー……すー……」
オルト:「気持ちよさそうに寝てるのを起こすのはしのびないけど……」
オルト:「今は緊急事態!」
オルト:「まずは無線のスピーカーに接続して……っと。」
オルト:「兄さん! 大変なことが起きたんだ。起きて!」
イデア:「すー……すー……」
イデア:「むにゃむにゃ……」
オルト:「もう! 熟睡してる場合じゃないってば!」
オルト:「にーいーさーん!」
イデア:「すー……すー……」
オルト:「よーし。こうなったら……」
オルト:「はぁ、はぁ……!」
オルト:「スペアの機体(ギア)にデータを移そうとしたけど、どれも魔導回路がやられててぴくりとも動かせない。」
オルト:「魔導を使用してない純粋な電化製品は動かせたから、」
オルト:「部屋にあるスピーカーから大音量で『がけも』を流したり、ロボット掃除機を動かしたりしてみたけど……」
オルト:「どれも一切効果ナシ!」
オルト:「兄さん、普段はどれだけ熟睡してても……」
オルト:「『がけも』の名曲『運命の糸をぶった切れ!』をかけたら飛び起きて変な振りで踊りだすのに……。」
オルト:「物を動かしてぶつけたりすることもできないなんて。今の僕、ゴーストよりも存在感が薄いよ……。」
オルト:「他に、誰か起きてるヒトはいないのかな?監視カメラをハックして捜してみよう。」
── イグニハイド寮‐談話室 ──
オルト:「あっ、人影が。さすがはイグニハイド寮生、」
オルト:「ディアソムニアのパーティーに行ってないヒトがいたんだ。」
オルト:「寮内のスピーカーに接続して……」
オルト:「おーい!」
イグニハイド寮生たち:「………………。」
オルト:「ねえ! 談話室で座ってる、そこの君たち。ちょっと寮長の部屋まで……」
オルト:「あ。」
イグニハイド寮生たち:「ぐぅ……ぐぅ……。」
オルト:「寝ちゃってる。」
オルト:「……もしかして、この学園の“生きてるヒト”はみんな……?」
オルト:「まさか……マレウス・ドラコニアさんの魔法の効果……?」
オルト:「寮の外を確かめに行ってみよう。」
── メインストリート ──
オルト:「!? ……なんだ、これ。」
オルト:「学園中、茨に覆われてる。それに、カメラに映るほど濃いブロットの霧が……。」
オルト:「……まさか。学園の外も?」
住人たち:「ぐー、ぐー……」
ロイヤルソードアカデミーの生徒たち:「すー、すー……」
オルト:「ナイトレイブンカレッジ内だけじゃない……賢者の島のヒトが全員……ううん。」
オルト:「動物や……虫や魚まで、全部の生き物が眠っちゃってる。」
オルト:「起きているのは、僕だけ……?」
オルト:「一瞬で島全体を支配下に……信じられない。チートってレベルじゃないよ。」
オルト:「とにかく、島の外に出なきゃ。」
オルト:「まずは海底ケーブルで黎明の国の局舎を経由して、『S.T.Y.X.』まで僕のデータを届けよう。」
オルト:「待ってて、兄さん!」
オルト:「――あれっ?」
オルト:「僕、島の外に出ようとしてたのに、なんで兄さんの部屋に戻ってきてるの?」
オルト:「もう一度……!」
オルト:「うわっ!」
オルト:「強力なエネルギーフィールドが島を覆ってて、」
オルト:「海底ケーブルづたいに賢者の島から出ようとしても、強制的に引き戻されちゃう。」
オルト:「まるでこの島全体が、外の世界から切り取られてるみたい……。」
オルト:「……ん?」
オルト:「……えっ? 21:18?嘘だ!」
オルト:「僕がネットワーク上に自分のAIデータを全てアップロードするのに30分以上はかかったはずだし……」
オルト:「兄さんの部屋に来てから、もう30分以上は経ってるはず。」
オルト:「いや、まてよ。」
オルト:「……さっき僕が確認した監視カメラに映ってた時計の画像をスクリーンショット。」
オルト:「拡大して画像を補正……。」
オルト:「……島中の時計、ぜんぶ21時18分だ。」
< >

