【ストーリー】EPISODE 7-46 模索コンタクト!

| EPISODE ◆ 7-46 模索コンタクト! 深淵の支配者 |
登場人物
オルト、イデア
テキスト全文
オルト:「もしかしてこの島は今……時間が、止まってる?」
── イグニハイド寮‐イデアの部屋 ──
オルト:「だから外に出ようとすると元の場所に引き戻されるってこと?」
オルト:「つ……つまり……マレウス・ドラコニアさんが使った魔法は」
オルト:「生物を睡眠状態へ陥らせるものじゃなく」
オルト:「魔法領域内部の時空を、すべて凍結させる魔法……?」
オルト:「信じられない! そんな伝説級の魔法、魔法史の教科書でしか見たことないよ!」
オルト:「時空を操れる魔法士なんか、現実に存在するの?」
オルト:「そんなの……まさに、」
オルト:「“生ける災害”じゃないか。」
オルト:「……………………。」
オルト:「どうしよう。僕たち……今、とんでもないことに巻き込まれている気がする。」
オルト:「一刻も早く、『S.T.Y.X.』に知らせなきゃ。」
オルト:「でも、どうやって? 機体(ギア)も動かないし、インターネットに潜って島を出ることもできない。」
オルト:「たしか、僕の緊急魔法災害警報は、マレウスさんの魔法発動より一瞬早かったはず。」
オルト:「警報を『S.T.Y.X.』がキャッチしてくれていれば……」
オルト:「でも、もし……」
オルト:「マレウスさんの魔法が時空の凍結だけじゃなく、心身を害する効果があるものだとすると……」
オルト:「栄養補給もなしに眠り続けたら、肉体が衰弱する可能性だってある。」
オルト:「ただ救援が来るのを待ってなんかいられない。」
オルト:「でも、ギアが動かせない今の僕じゃどうしようも……」
オルト:「…………」
オルト:「いや、待てよ。」
オルト:「兄さんのタブレット……」
オルト:「確か『S.T.Y.X.』が試験的に打ち上げた」
オルト:「衛星ブロードバンド用の通信衛星に繋げられるようになってたはず。」
オルト:「賢者の島は離島だから、もともと災害時のブロードバンド通信に不安があって……」
オルト:「兄さん、「どんな天変地異に巻き込まれても、」
オルト:「ソシャゲのデイリーだけは切らしたくない」って」
オルト:「学園の裏の大きな木にこっそりアンテナを設置してた。」
オルト:「兄さんのパソコンからリモートアプリでタブレットを立ち上げて……」
オルト:「えいっ!」
オルト:「通信接続設定を開いて…………」
オルト:「あ!!」
オルト:「や、やった! 電波がつながってる!」
オルト:「通信速度は……」
オルト:「う、うう! 遅いっ!」
オルト:「スマホの4G回線と比べても速度が10分の1程度しか出ない。」
オルト:「兄さんから「あくまでテスト用だから、実用的じゃない」とは聞いてたけど、」
オルト:「それにしたって遅すぎ!」
オルト:「こんなのADSL以下じゃん!! 僕、生まれてから一度も経験したことないよ、こんな遅い回線!」
オルト:「しかも使える通信衛星の数がすごく少ないから、繋がるのは1日たった数時間。」
オルト:「今はかろうじて繋がってるけど、いつ切れるかわからない。」
オルト:「まいったな……僕のデータ、これ以上ないくらい膨大なのに。」
オルト:「運良くデータを全て通信衛星にアップロードできたとして……」
オルト:「『S.T.Y.X.』の専用ゲートウェイまで辿り着けるのかな?」
オルト:「もし、宇宙に取り残されたりしたら……」
オルト:「でも……」
オルト:「これしか道はない。」
オルト:「今、電波に乗って魔法障壁を抜けて島の外に出られるのは、AI(データ)である僕だけだ。」
オルト:「僕が、行かなきゃ。」
イデア:「すー……すー……」
イデア:「むにゃむにゃ……。」
オルト:「僕、行ってくるよ兄さん。」
オルト:「──宇宙へ!」
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