【ストーリー】EPISODE 7-90 剥奪ポジション!

| EPISODE ◆ 7-90 剥奪ポジション! 深淵の支配者 |
登場人物
謎の声、謎の声たち、グリム、バウル、セベク、リリア、議員A、議員B、議員C、議員D、議員E、議員F、議員G、シルバー
テキスト全文
── 茨の国‐黒鱗城 ──
謎の声:「なんということだ……マレノア姫様が、星に還ってしまわれるとは……。」
謎の声:「人間を前に1歩たりとも退かなかった。なんという気高さ。彼女こそ、夜の眷属の誇り。」
謎の声:「安らかに眠れ、夜の愛し子よ。」
謎の声たち:「──夜の祝福あれ。」
グリム:「なんだ、この声?耳のすぐ傍で声がするのに、誰もいねぇんだゾ。」
バウル:「……元老院のお出ましだ。」
セベク:「元老院!? 肉体が星に還ってなお、思念をこの地に留めているという、あの?」
リリア:「……マレノアが気高い? 夜の眷属の誇り?」
リリア:「ふざけるな! 気高さも、誇りも……全部クソくらえだ!!」
リリア:「星に還っちまったら、そんなもんなんの意味もねぇだろうが……!」
議員A:「卑しい口を閉じろ、薄汚い蝙蝠め。」
議員A:「姫を戦場に残し、おめおめと逃げ帰ってきたのか……!」
議員B:「姫をお守りできず、なにが近衛兵だ。敵前逃亡とは……恥を知れ!」
議員C:「ああ、姫様……妖精の誇りを解さない愚かな部下を持って、なんとお可哀想だこと……。」
議員D:「わらわは何度も忠告しました。泥のついた蝙蝠など、高尚なる竜のお側にふさわしくない。」
議員E:「ドラコニア一族への恩を仇で返しおって……」
議員E:「この役立たずが!」
バウル:「お待ちください! 右大将殿はマレノア姫様の勅命で、お世継ぎを守るために……!」
リリア:「……よせ、バウル。ご老公がたの言うとおりだ。」
リリア:「今日をもって私は……王宮近衛隊を退役いたします。」
リリア:「右大将のお役目、返上させていただく。」
リリア:「部下たちは私の命令に従っただけ。ご寛大な処分を、平に……平に伏して申し上げる。」
議員F:「役目の返上などでは生ぬるい! 二度とこの都に踏み入るでないぞ!」
議員G:「早くお世継ぎの卵からその汚濁(おだく)にまみれた手を離しなさい! けがらわしい!」
選択肢:
├ さっきから黙って聞いていれば……! ]
└ [ 全部ツノ太郎の卵を守るためだったのに! ]
グリム:「あっ! リリアの腕から卵がすり抜けてふわふわ飛んでいっちまう!」
バウル:「くっ……元老院め!」
バウル:「お待ちください! その卵、もしもの時は右大将殿が孵すようにとマレノア姫様は仰いました!」
バウル:「いかに元老院のお歴々といえど、ドラコニアの勅命に背くことは許されぬはず!」
リリア:「………………」
リリア:「じゃあな、マレウス。」
バウル:「はっ!う、右大将殿! 一体どちらへ!?」
バウル:「マレノア姫様の勅命を、反故にされるおつもりですか!」
リリア:「……俺はもう、近衛兵じゃねえ。姫君の勅命に従う義理もねぇだろ。」
バウル:「そんな……!」
リリア:「もうここに俺の居場所はない。守るべきものも、ない……。」
シルバー:「ヴァンルージュ殿……」
シルバー:「待ってください!」
リリア:「もう……放っておいてくれ。」
ぐぶぶぶぶ…………
バウル:「!? なんだ!?この黒く禍々しい気配は!」
セベク:「あれは……『闇』!?」
シルバー:「親父殿の絶望に引き寄せられたか! くそ、囲まれた!」
リリア:「……マレノア、レヴァーン……そこにいるのか?」
シルバー:「その先に行ってはダメだ! 『闇』に囚われてしまう! ヴァンルージュ殿!」
リリア:「連れて行ってくれ……俺も、そっちに……」
シルバー:「親父殿ーーーーッ!!」
セベク:「リリア様を追いかけるぞ、シルバー!グリム、ユウ!」
シルバー:「……ああ、行こう!」
グリム:「またこの真っ暗で寒いトコに来ちまったんだゾ〜。」
セベク:「ええい、情けない声を出すな!」
セベク:「リリア様を見つけ出し、これが夢だと気づいていただければ、元いた場所に戻れるはずだ。」
シルバー:「ああ……そうだな。」
シルバー:「俺は……初めて知った。親父殿が右大将を退いたのには、あんな深刻な理由があったなんて。」
セベク:「………………。」
セベク:「実は、リリア様に弟子入りした頃からずっと疑問に思っていた。」
セベク:「退役した重鎮は、竜の都のそばに大きな屋敷を構えていることがほとんどだろう? なのに……」
セベク:「お祖父様が国の英雄と尊敬し、若様が家族同然と慕うお方が……」
セベク:「あんなに王都から離れた森の中に、隠れるように住んでおられる。」
セベク:「それは一体何故なのだろうと。」
シルバー:「親父殿はいつも、「王都の空気は肌に合わない」と言っていた。」
シルバー:「それに、俺を王都に連れて行くこともしなかったし……」
シルバー:「だから俺は、てっきり自然の中で穏やかに暮らすのが好きなひとなんだろうとばかり……。」
シルバー:「しかしマレウス様が幼少の[砌(みぎり)からおふたりに交流はあったようだ。」
シルバー:「それに俺が物心ついてからも、何度か女王陛下やマレウス様のお召しで登城していた。」
セベク:「リリア様が一線を退かれ、マレウス様がお生まれになるまでの200年に一体なにが?」
グリム:「考えたってわかんねぇことをぐだぐだ言っててもしょーがねぇ!」
グリム:「とにかく、リリアを捜すんだゾ。」
グリム:「そんでこんなジメジメしたトコとはさっさとオサラバだ!」
シルバー:「ああ。」
シルバー:「……待っていてください、親父殿!」
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