【ストーリー】EPISODE 7-92 使命アブサード!

| EPISODE ◆ 7-92 使命アブサード! 深淵の支配者 |
登場人物
リリア、バウル
テキスト全文
── 黒鱗城‐揺籃の塔 ──
リリア:「そんな…………!」
バウル:「卵がわずかしか魔力を受け取らないため、」
バウル:「女王陛下は通常必要とされている何倍もの魔力を注いでおられる。」
バウル:「マレフィシア様はすでにご高齢であり、これ以上のご無理はお身体に障ります。」
バウル:「茨の国……いや、茨の谷はいまだ混乱の渦中にある。」
バウル:「周辺諸国との緊張状態も続いています。」
バウル:「女王陛下の肩にはこの国の命運がかかっており、卵に付きっきりになることはできない。」
リリア:「……」
リリア:「それで?」
バウル:「ヴァンルージュ殿、どうか竜の懐刀と呼ばれたあなたのお力を貸していただきたい。」
リリア:「力を貸す? 俺に何が出来るってんだ。」
リリア:「懐刀どころか、お役目も果たせなかった役立たず……ただの“泥付きの蝙蝠”だぜ、俺は。」
バウル:「誰がなんと言おうが、女王陛下と私はあなたを信頼している。」
バウル:「……あなたには、外つ国(とつくに)に渡りドラゴンの卵を孵す方法を探してきていただきたい。」
リリア:「外つ国……って。茨の谷の妖精が人間の国に渡れる手形なんぞねぇだろう?」
バウル:「ええ、ありません。──“表向き”は。」
リリア:「………………は、はは!」
リリア:「あははははははは!」
リリア:「あのお方も無茶を言いやがる。俺になんの得があるってんだ。」
バウル:「ありません。何も。ただ…………」
バウル:「覚えていますか?マレノア様に最後の謁見をした時のことを。」
リリア:「最後の謁見……。」
リリア:「「その時は、お前が孵せ」……。」
リリア:「…………………………。」
リリア:「…………はぁーーー……。」
リリア:「本当に……どいつもこいつも、俺に面倒ばっかりかけやがる。」
バウル:「ヴァンルージュ殿、では……!」
リリア:「ちょうどどこか遠くへ旅に出たいと思ってたところだ。」
リリア:「旅先でついでに話を聞いてくるくらいのことはしてやってもいい。」
リリア:「いいか、“ついで”だぞ。過度な期待はするんじゃねぇ。」
バウル:「もちろんです。ヴァンルージュ殿がご不在のあいだ、我々もお世継ぎ誕生に向け全力を尽くします。」
バウル:「旅のご無事を……夜の祝福あれ。」
リリア:「まずは他の大陸にいる竜の住処を探して、訪ねてみるとするか……。」
リリア:「……………………。」
リリア:「……もしお前が孵化する前に星に還れば、いずれ俺が星に還った時、お前の両親にどやされる。」
リリア:「だから絶対にくたばるんじゃねぇぞ……マレウス。」
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