【ストーリー】EPISODE 7-97 寂寞クライング!

| EPISODE ◆ 7-97 寂寞クライング! 深淵の支配者 |
登場人物
バウル、リリア、マレウス(幼体)
テキスト全文
── 黒鱗城‐揺籃の塔 ──
バウル:「ヴァンルージュ殿、まさか塔を登るおつもりですか!?」
バウル:「いけません! あの雷撃をくらえば、あなたの命が危ない!」
リリア:「馬鹿野郎、目も開いてねぇガキが独りで泣いてんだぞ!」
リリア:「大人が雁首揃えて眺めてるだけでいいわけねぇだろ!」
バウル:「あっ、待ってください!」
バウル:「ヴァンルージュ殿ーーーー!」
リリア:「マレウス!」
リリア:「ぐっ!! なんて威力だ……直撃したら一巻の終わりだな。」
リリア:「だが……」
リリア:「ははっ! お前が俺の呼びかけに返事をしてくれたのは、この200年で初めてじゃないか!」
キィイイーーーーー!!
リリア:「この声……やっぱり間違いない。」
リリア:「泣いてるんだ、あいつは!」
リリア:「ぐああッ!」
リリア:「お、怒ってるのか? わ、悪かったよ。ずっとお前を孵してやることができなくて……」
リリア:「違うのか? わかんねぇよ! 泣いてないで、俺にわかる言葉で喋れ!」
リリア:「ぐはっ!」
リリア:「はぁ、はぁ…… よ、よーし……わかった。」
リリア:「その意気だ! もっと泣け!」
リリア:「赤ん坊ってのは、それでいい! いいぞ! 思いっきりやれ!」
リリア:「うがぁッ!!」
リリア:「はぁっ、クソ、痛え! 身体がバラバラになりそうだ!」
リリア:「マレノア! レヴァーン! てめぇらは空の上から高みの見物か!?」
リリア:「良いご身分だな、オイ!!」
リリア:「ぐっ!! まだお前らのところに、マレウスは行かせねぇぞ!」
リリア:「マレウスは見るんだ、」
リリア:「お前たちが見ることができなかった世界を……!」
キィイイーーーーー!!
リリア:「…………そうか。」
リリア:「マレウス、お前………」
リリア:「寂しくて泣いてんのか?」
リリア:「ぎっ……!」
リリア:「あ、はは。そうか、そうだよな。」
リリア:「200年もひとりでいたら、誰だって寂しいに決まってる。」
リリア:「なんでそんな単純なことが分からなかったんだ、俺たちは。」
リリア:「待ってろ。今、そこまでいくから。」
リリア:「はぁ、はぁ……着いたぞ。もう少しで……」
リリア:「ぐああぁッ!」
リリア:「がはっ……い、今のは効いたぜ……。」
リリア:「でも残念だったなァ……俺は“翠が原の走る城壁”とまで呼ばれた元右大将だぞ……」
リリア:「これくらいでくたばれるほど、ヤワに出来てねぇんだよ……!」
リリア:「はぁ、はぁ……」
リリア:「さあ、マレウス。次はどうしたい?」
リリア:「俺はまだまだやれるぞ。あと100年でも、200年でも……」
リリア:「お前が根負けして卵から出てくるまで……」
リリア:「あやして、あやして、」
リリア:「あやしまくってやるからな……!!」
キィイイーーーーー!!
リリア:「なんだ!? 周囲の魔力が急速に卵に集まって……まさか、卵が欲しがってんのか!?」
リリア:「ははっ! お前、やっぱり腹が減ってたんじゃねぇか。やせ我慢しやがって。」
リリア:「いいぜ、俺のも持っていけ。」
リリア:「魔力でも、寿命でも……欲しいならいくらでもくれてやる!」
リリア:「だから、出てこい……」
リリア:「外の世界に────!!」
???:「ギャァーーーアアアァァ!」
リリア:「この……声は……?」
???:「ギャァアアン!」
リリア:「生まれ、た……? 本当、に?」
マレウス(幼体):「ギャアアァーーーッ!」
リリア:「うわっ……コイツ、生まれたてのくせに一丁前に火を吹きやがる!」
リリア:「はは! 見ろ、マレノアと同じ緑色の炎と目をしてる。って、お前以外に誰もいねぇか。」
リリア:「マレウス……」
リリア:「ああ、やっと会えた。」
マレウス(幼体):「ギャォオウ!」
リリア:「200年もかかっちまった……ふ、あはは……は……っ、」
リリア:「う、うう……」
リリア:「う゛ぅ〜〜〜〜〜ッ……!」
リリア:「うわぁああああああ〜〜〜〜!!」
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