【ストーリー】EPISODE 5-27 特訓アナザー!

| - 特訓アナザー! 美貌の圧制者 |
登場人物
ヴィル、デュース、エース、エペル、カリム、ジャミル、グリム、ルーク
テキスト全文
── ポムフィオーレ寮‐ボールルーム ──
ヴィル:「ポージングからの、ロック・ザ・ボートダウンをとって、ワン、ツー。」
ヴィル:「ストップ、ストップ!ぜんぜん違う。新ジャガ2号!」
デュース:「えっ。新ジャガ2号って、僕ですか?」
ヴィル:「アンタ以外誰がいるのよ。」
エース:「オレが1号ですもんねー……。」
ヴィル:「手のフリに気をとられすぎて、足元が完全にお留守。」
ヴィル:「なによりも動きが硬すぎ。背中に物干し竿でもくくりつけてるの?」
デュース:「す、すんません……!」
ヴィル:「硬さに関してはエペル、アンタもよ。ジャズヒップホップに必要なのは柔軟さ。」
エペル:「でも、こんなくねくねした女の子みたいな振り付け……。」
エペル:「僕、……やりたく、ない、です。」
ヴィル:「はぁ?『くねくねした女の子みたい』……?」
ヴィル:「ずいぶんはっきりした寝言ね。寝言だとしても聞きずてならないけど。」
ギューッ!
エペル:「い、いだだっ!耳を引っ張らないでくださぃっ!」
ヴィル:「まだ夕方なのに可愛い林檎ちゃんはおネムのようだから、よく聞こえるように手伝ってあげてるだけよ」
ヴィル:「いいこと? 『くねくね』した動きは、インナーマッスルをきちんと鍛えてこそ綺麗に見えるの。」
ヴィル:「服にもダンスにも「男専用」「女専用」なんかない。」
ヴィル:「男だから女性的なフリを踊るのが恥ずかしいなんてマインドが前時代すぎる。」
ヴィル:「アナタ、100年前からタイムマシーンで現代におでましになったの? 違うわよね?」
エペル:「ち、違います……。」
カリム:「まあまあ、ヴィル。そんなに怒らなくてもいいじゃんか。」
カリム:「エペル。最初はちょっと恥ずかしくても、思い切って大きく踊ってみれば楽しくなってくるぜ!」
ヴィル:「カリムの言う通り。モジモジしたへっぴり腰のダンスなんて、全然美しくない。」
カリム:「えぇ? オレ、別にそういうつもりで言ったわけじゃ」
カリム:「……もががっ!」
ジャミル:「カリム。今は黙っておけ。」
ヴィル:「──決めた。明日からエペルはアタシたちとは別メニューにしましょ。」
エペル:「えっ?」
ヴィル:「アタシがいいと言うまで1人でバレエレッスンよ。」
エペル:「え、バレエって、あの6人でやる球技の……?」
ヴィル:「文脈を読みなさい。顔が可愛いからって頭の中まで可愛くする必要はないわよ。」
ヴィル:「バレリーナのバレエに決まってるでしょう。」
エペル:「うぇええええっ!? おっ、僕が、バレリーナ!?」
ヴィル:「足の指だけで立つルルベをしろとは言わないけどターンくらいは綺麗にできるようになってもらうわ。」
ヴィル:「なによりまず「男らしい」とか「女みたい」なんていう、化石マインドを捨ててもらう。」
エペル:「そ、そんなこと……急に言われたって……!!」
デュース:「…………。」
グリム:「ひぇ……飛行術のバルガスより鬼コーチなんだゾ。」
エース:「絶対目ぇつけられたくないタイプ。大人しくしとこ。」
デュース:「あの、シェーンハイト先輩。」
ヴィル:「なに、新ジャガ2号。」
デュース:「バレエレッスン、僕も一緒にやらせてもらえませんか。」
エース・エペル:「えっ!?」
エース:「お前、マジ?なんでわざわざ自分から……。」
ヴィル:「理由は?」
デュース:「僕も「男らしいか」どうかとかよく考えてしまうので。」
デュース:「せっかく受かった選抜メンバー。テッペン狙うなら、マジでやりたいんです。」
エペル:「デュースクン……。」
ヴィル:「いいでしょう。ある程度バーレッスンをこなせばカカシもヒトに近付くかもしれないわね。」
ヴィル:「それじゃ、今日のレッスンはここまで。」
ルーク:「ウィ。さあ、みんなでオンボロ寮に戻って夕食をいただこうじゃないか。」
── メインストリート ──
エース:「だぁ~~っ、もうくたくた~~~。」
エース:「レッスン後に、ボールルームの床を四つん這いで雑巾かけさせるなんて、ヴィル先輩鬼かよ。」
デュース:「僕はワイパーみたいに腕を大きく振りながら窓拭きをさせられた。腕と背中が痛い……。」
カリム:「真剣にやる掃除ってのはこんな大変なもんなんだなぁ。」
エペル:「僕、もうおなかぺこぺこ……。」
グリム:「オレ様もなんだゾ~。」
選択肢:
├ [ みんなおつかれさま ]
└ [ 超スパルタだよね ]
ルーク:「はっはっは! 手間暇かけた掃除にだって意味はあるんだよ。」
ルーク:「雑巾がけや窓拭きは、美しい背筋を育てるトレーニングになる。」
ルーク:「練習の場と、キミたちのボディ、どちらも美しく保つためのヴィルなりのメニューなのさ。」
ジャミル:「ルーク先輩は、本当にヴィル先輩に理解がありますね。」
エース:「理解あるっていうか、全肯定してるだけな気もするけど。」
ルーク:「美しい人やものは、ただ存在しているだけで私を豊かにしてくれる。」
ルーク:「「美しさ」はときに見るものを救いときに狂わせる強いパワーだ。」
ルーク:「だが、同時にとても儚く脆いもの。目を離せばすぐ損なわれてしまう。」
ルーク:「だから私は、力の限り美を守り美を助けたいと思っているだけだよ。」
ジャミル:「ヴィル先輩のこと、まるで花や美術品のように言うんですね。」
ジャミル:「確かに彼は美しい人です。しかし……」
ジャミル:「守らねばならないほど儚く脆い印象かと言われればそうは思えないというか……。」
カリム:「オレも。ヴィルは、ダイヤみたいに硬くて強いって感じがするぜ。」
ルーク:「そうとも。ヴィルは私が守る必要など全くない。」
ルーク:「手を差し伸べようものなら、13センチヒールの華麗なる踵落としを脳天にお見舞いされそうだ。」
ルーク:「私が守りたいのはヴィル自身ではなくヴィルの持つ「美」なのさ。」
エース:「やべ……ますます意味わからねぇ。」
デュース:「やっぱりポムフィオーレ寮生って変わってるな……。」
エペル:「僕もポムフィオーレ寮生だけどちょっとよくわからない……かな?」
グリム:「それじゃあオレ様たちがお手上げでも当然なんだゾ。」
ルーク:「ふふふ。キミたちにもいつかわかる日がくるはずだよ。」
ルーク:「目もくらむほどの美しさで人生を明るく照らしてくれる……」
ルーク:「そんな存在に出会った時にね。」
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