【ストーリー】EPISODE 5-34 挽回プリンス!

| - 挽回プリンス! 美貌の圧制者 |
登場人物
ルーク、デュース、エース、グリム、エペル、カリム、ジャミル、ヴィル
テキスト全文
── オンボロ寮‐自分の部屋 ──
ルーク:「ボンジュール! ユウくん。すがすがしい朝だね。」
ルーク:「今日から朝練を行うよ。ポムフィオーレのボールルームへおいで。」
── ポムフィオーレ寮‐ボールルーム ──
デュース:「昨晩はひどい目にあったな……。」
エース:「硬い床で寝かされたせいで身体中痛てぇ〜。」
グリム:「うぅ、オレ様は出場選手じゃねぇのになんでなんだゾ……。」
エペル:「みんな、大丈夫?」
カリム:「お、みんな来たな。おはようさん。」
ジャミル:「昨晩の騒ぎ、敵襲かと思って飛び起きてしまったじゃないか。人騒がせな……。」
ジャミル:「様子を見に行ったら全員が床に転がってるし。」
エース:「好きで床で寝てたんじゃねーし!」
エース:「ヴィル先輩のユニーク魔法でやられたんスよ。」
ジャミル:「ヴィル先輩のユニーク魔法、だって?」
グリム:「おう。食い物に“呪い”を仕込めるっていうおっかねえ魔法だったんだゾ!」
カリム:「食べ物に、呪いィ!?」
グリム:「これから『VDC』当日まで、なにか口に入れるたびに呪いがかかってんじゃねーかって」
グリム:「ビクビクしちまいそうだ。」
カリム:「オレ、毒ならだいたい気付けるけど呪いはさすがに気付けないかもなー。」
ジャミル:「魔力を使用すれば多少の痕跡(こんせき)は残るものだが……ふむ。」
カリム:「ふーん。じゃあ魔法の探知能力を磨けばわかるようになるってことか。」
ジャミル:「ま、鈍感なお前に習得は難しいかもしれないな。」
カリム:「えー、なんだよそれ。やってみなきゃわかんねーだろ〜?」
エース:「あのー、カリム先輩。逆になんで毒なんかに気付けるんすか?」
カリム:「ん?ああー、昔、飯に入ってたことがあって。」
えぇっ!?
グリム:「そのせいで、オレ様もホリデーに毒味させられたんだゾ。」
カリム:「何度かひでー目にあってさぁ。」
カリム:「そのうち、飯の度(たんび)「これ、食べて大丈夫か?」とか疑うようになっちまって。」
カリム:「でも料理人や同じテーブルについてる誰かを疑いながら食べるより、」
カリム:「美味しく楽しく食べたいじゃんか。」
デュース:「そ、それはそうですけど。」
カリム:「「これは毒が入ってない」って先にわかってればちゃんと味わって食えるし、」
カリム:「もし口に入れてもすぐヤバいと気付けたら取り返しがつかないことにはならないだろ?」
カリム:「オレも、相手もさ。」
エペル:「相手も……って?」
カリム:「例えば犯人が後から「間違ったことをした」って反省した時、」
カリム:「オレがこの世にいなかったら取り返しがつかない。」
カリム:「過ちに気付けたのに、名誉挽回のチャンスがないなんて……」
カリム:「そんなの、オレはヤだよ。」
ジャミル:「………………。」
カリム:「熱砂の国には、砂漠の魔術師の伝説だけじゃなく王様になったコソドロの言い伝えもあるんだ。」
グリム:「王様になったコソドロぉ?」
選択肢:
├ [ どんなお話なんですか? ]
└ [ (伝説にもいろいろあるんだな……) ]
カリム:「ある日、コソドロは姫さんと出会って恋をした。」
カリム:「それで、過去の盗みや嘘を反省して心を入れ替えたんだ。」
カリム:「その後、国を乗っ取ろうと企んだ悪党から王や姫を救う大活躍!」
カリム:「そんで、コソドロは姫さんと結婚して次の王になった。めでたしめでたし!」
カリム:「オレ、この話がすっげー好きでさ!」
カリム:「だってコソドロが心を入れ替えたことをみんな信じて、挽回のチャンスをくれたってことだろ?」
デュース:「やっちまったものはしょうがない。大事なのはその後……ってことか。」
エース:「現実はおとぎ話と違って「悪者は成敗しておしまい」じゃないもんね。」
カリム:「そういうこと!」
カリム:「だから、そのためにもオレはちゃんと生きてなきゃ。」
カリム:「ま、結局は美味いメシを食うための生活の知恵みたいなもんだけどな。あっはっは!」
エペル:「カリムサン、笑ってるけど、だいぶヘビーな話を聞かされたような……。」
ジャミル:「……さあな。本人が笑ってるなら別にヘビーじゃないんだろ。」
選択肢:
├ [ こんな真っ直ぐな人がなぜ闇の鏡に選ばれたのか…… ]
└ [ 他の寮長たちとはタイプが違いますね ]
グリム:「本当なんだゾ。いいヤツすぎてオレ様耳の後ろがムズムズする。」
カリム:「えぇ?なんか変なこと言ったか? オレ?」
エペル:「変ではないですけど。この学園にいる他の人たちとはちょっと違う感じがする……かな?」
カリム:「あ、そういやオレ、この学園に2ヶ月遅れで途中編入してきたんだ。」
カリム:「それとなんか関係あんのかなぁ?」
えっ!?
エペル:「この学園、編入なんか出来るんだ……。」
カリム:「そんなに驚くことか?監督生だって特別編入だろ?」
選択肢:
├ [ それは、ただの手違いというか…… ]
└ [ 入学式には一応いたんですが…… ]
エース:「ナイトレイブンカレッジって、闇の鏡に魂が選ばれたヤツしか入れないんじゃないの?」
カリム:「うん。でも、ジャミルが地元を離れて1ヶ月くらい経った頃、」
カリム:「ウチに突然学園から入学許可証が届いたんだよ。」
カリム:「選定漏れだか、特別枠だか忘れちまったけど。その後すぐに黒い馬車がオレを迎えに来たぜ。」
デュース:「後から魂の資質が認められたってことか……?」
ジャミル:「フン。そもそも闇の鏡が魂の資質で生徒を選ぶことすら、本当かどうか疑わしい。」
ジャミル:「あの学園長のことだ。どうせアジーム家からの寄付欲しさに裏口入学を決めたんだろうさ。」
ジャミル:「おかげでこっちは自由な学園生活がパァだ。」
カリム:「オレはこの学園に来られて、毎日楽しいぜ。」
カリム:「ジャミルとも改めて友だちになれたしな!」
ジャミル:「だから、俺とお前は友だちじゃないって言ってるだろうが……!」
パンパン!
ヴィル:「揃ってるわね、ジャガイモたち。」
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