カイルのプロフィール
剣士カイル | 騎士王カイル Knight Lord 'Kyle' | 白炎の騎士カイル 'Kyle', Knight of Pale Flame |
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プロフィール
性別 | タイプ | 種族 |
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男性 | ソルジャー | 人間 |
英装 | 剣士 |
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職業 | 剣士 |
武器 | 剣 |
出身 | ラドール村 |
誕生日 | 5月18日 | 年齢 | 20歳 |
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身長 | 175cm | 体重 | 68kg |
3サイズ | 91/75/89 |
趣味 | 旅でおいしい食べ物を見つけること |
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特技 | 剣術 |
癖 | 困ってそうな人を見るとすぐに声をかける |
長所 | 正しいと思ったことは貫き通す |
短所 | あまり深く考えず、すぐに動いてしまう |
性別 | タイプ | 種族 |
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男性 | 騎士王カイル | 人間 |
英装 | 騎士王 |
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職業 | 英雄 |
武器 | 剣 |
出身 | ラドール村 |
誕生日 | 5月18日 | 年齢 | 20歳 |
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身長 | 175cm | 体重 | 68kg |
3サイズ | 91/75/89 |
趣味 | 旅先で名物、名料理店などを探す |
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特技 | 困ってそうな人によく出会う |
癖 | 正しいと思ったことは、後先考えずに行う |
長所 | 常に前向きでマイペース |
短所 | たまに根拠のない自信で行動して失敗する |
性別 | タイプ | 種族 |
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男性 | ソルジャー | 人間 |
英装 | 白炎 |
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職業 | 英雄 |
武器 | 剣 |
出身 | ラドール村 |
誕生日 | 5月18日 | 年齢 | 20歳 |
---|---|---|---|
身長 | 175cm | 体重 | 68kg |
3サイズ | 91/75/89 |
趣味 | 鍛錬、旅先での名物料理食べ歩き |
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特技 | 困ってもうな人をよく見つける |
癖 | どんな時でも食事は忘れない |
長所 | 正しいことを見誤らない |
短所 | 騒動に巻き込まれがち |
エピソード
オルダーナ大陸の東に浮かぶ島にあるラドール村出身の新米帝国騎士。魔獣であるレイとは、幼少の頃に傷つき倒れたレイを助けて以来、お互いに悪口を言い合いながらもともに行動している。
物心つく前に父母を失っており、父の友人であったダヴァンに育てられる。当初はダヴァンとともにラドール村で暮らしていたが、ダヴァンが5年前に魔獣騒乱で活躍後、帝都に招集されることとなったので、その際、カイルもレイとともに帝都で暮らすことになった。しかし、オルダーナ帝国の辺境であるラドール村と異なり、帝都では魔獣に対する差別が厳しく、レイとともに行動していたカイルも周囲から嫌がらせを受けることとなる。カイルは自分に対する罵詈雑言には耐えていたが、レイのことを言われると相手を叩きのめしてしまうほど暴れたという。カイルの剣技は幼少期よりダヴァンに鍛えられていたこともあり、 当時からすでに通常の騎士以上だったが、ある日、帝国内でも有数の力を持つ騎士の子息にレイのことをバカにされた際、 相手を打ち倒してしまい大きな問題となってしまった。これは、帝国騎士団の中でも発言力のあったダヴァンのおかけで何とか事なきを得る(その時、レイも何か動いたようだが、それも同時に処理されたようだ)。
その後、カイルに対する表立った嫌がらせは減ることになるが、それでも陰でカイルのことを悪く言う者は多かったようだ。
それから月日は流れ、騎士訓練校を卒業して帝国騎士となったカイルだが、今も幼少期の真っ直ぐさを持ち続けており、周囲からすると危うい行動をとることが多い。そんなカイルを見て、ダヴァンは「少しは大人になれ!」と叱り続け、レイは「アイツはいつまでたってもバカのままだ」と笑う。
オルダーナ帝国は、「魔獣は人よりも下等な生物」 とし、様々な面で待遇が異なっている。国政に関わることはもちろん、商売を行うことや住居を持つことも許されていない。帝国において魔獣は、「必ず人の管理下で暮らす必要がある」とされており、自由を制限されているのだ。
それは、オルダーナ帝国の初代皇帝が破神から世界を救った英雄アデルの息子であることが大きい。
英雄アデルは、ともに戦っていた魔獣の裏切りにより命を失ったと伝えられており、魔獣に対して厳しい考えを持っていたとされるからだ。
当然、それは帝国の教育の中でも教えられる内容であり、帝国で生まれ育った人の大半は、少なからず魔獣に対して悪い印象を持っている。
しかし、幼少の頃から魔獣であるレイと過ごしていたカイルは、魔獣に対する偏見はほとんど無いので、レイだけではなく他の魔獣とも普通に接している。とはいえ、帝都の郊外や人里離れた地域でる。とはいえ、帝都の郊外や人里離れた地域で、人々が野良魔獣に襲われているという事実であり、魔獣による被害を受けた人も数多く存在する。また、周囲にも魔獣を憎む者は少なからずおり、魔獣
の悪行を声高に叫んでいた。そのため、幼少期のカイルは一時期、 自分が特殊なのではと悩むこととなる。
レイにも相談するが「知るか」と一蹴され、一人、目を赤く腫らしていた。
それを見かねたダヴァンがカイルに語る。
「人だから『良いヤツ』、魔獣だから『悪いヤツ』なんじゃねー。どっちにも『良いヤツ』と『悪いヤツ』はいる。お前はそれを自分で決めなきゃならねーんだ。 レイを『悪いヤツ』ってお前は思うのか?」
それ以降、カイルは持ち前の前向きさを取り戻し、今のレイとの関係を続けている。
なお、この時期のカイルに対しレイが何かを語ったことはないが、ダヴァンだけは何かを知っているのか時折、レイのことをからかっているようだ。
帝国騎士の訓練生時代、カイルの存在は周囲から浮いていた。将軍でありグラナダ攻防戦の英雄でもあるダヴァンに育てられたということは、騎士を目指す者たちにとってうらやむべき対象である。それにもかかわらず、魔獣という帝国では人に従属させる存在と対等に付き合うカイルを、 周囲の人間は理解できなかったのだろう。
実際、訓練校でも、英雄アデルが命を落とした原因となる"裏切りの魔獣"や、帝国内での魔獣被害について習うこととなる。その授業を聞き、魔獣への敵意を抱く者が大半の中、それをまともに聞かない力イルがなぜ帝国騎士を目指そうとするのか、それは徐々にカイルに対する嫌悪へと変わっていく。
また、騎士訓練校に入る者の多くは、帝国でもそれなりの地位を持つ者の子息であるため、より一層、帝国の思想が染み込んでいたのかもしれない。
入学当初は、ダヴァンの関係者と近付こうとしてすり寄る者もいたが、半年もしない内にカイルの周囲は敵ばかりになっていた。しかし、本人はそんなことを気にしようともせず、日々、 帝国騎士になるための訓練を行い続けたという(座学以外)。
その後、友人となるゼクスによると、当時カイルはカイルなりに悩みはあったようだが、それ以上に自分が情けない姿を見せることで、親代わりであるダヴァンに恥をかかせたくないという想いが強かったようだ。
ダヴァンに会うたびに軽口を叩くカイルだが、それは両親がいないカイルにとって、数少ない甘えられる相手だからこそかもしれない。
同期の騎士から評判の悪いカイルではあるが、その剣の腕を疑う者は少ないだろう。むしろ、それ故により一層妬みを買ったとも言えるのかもしれない。しかし、本人はそんなことをまったく気にする様子はなく、日々訓練を続けている。
カイルはその剣術を育ての親であるダヴァンから教わっている。しかし、ダヴァン自身が剣よりも斧による攻撃を得意としているのは周知の事実であり、それを疑問に思う者も少なくなかった。
ある時、ダヴァンの友人である冒険者ギルドのギルドマスター、ベイランドが、なぜカイルに剣術ではなく斧術を教えなかったのかをたずねたことがある。ダヴァンは苦笑しながら、それがカイルの父親との約束であることを話すが、その約束の内容までは語らなかったようだ。
ただ、それはダヴァン側の理由であり、カイルは同期の騎士に同じことを聞かれた時、「斧より剣の方がカッコイイ」と身もふたもないことを言い切ったという。
ダヴァンとカイルの理由のどちらが正しいかは不明だが、カイルが剣だけでなく斧も使いこなせることから少しは斧術もダヴァンから教わったであろうことは推測できる。
なにはともあれ、ダヴァンは剣術も並の騎士より遥かに高い技術を有しており、その力強い技はカイルへとしっかり伝えられているようだ。
なお、カイルは幼少の頃から強くあることを自分に課しているが、年を追う毎に訓練の激しさは増している。それは、強くなったことで、常に自分の横にいる存在が、自分より遥かに強いことを知っていったからなのかもしれない。
偉大なる英雄の声に応え、カイルが真の力に目覚めた姿。
破神ログシウスとの激戦でカイルたちは傷つき、倒れ、絶体絶命の窮地に陥る。
ただ1人、巫女の力を持つティリアのみが破神に抵抗していたが、劣勢なのは明らかであった。
そんな状況の中、カイルは自身に呼びかける声を聞く。
それは以前にも聞いた、ある偉大な英雄からの声であった。
その声に導かれ、真の力に覚醒する。
そして仲間たちとともに、破神との最後の戦いへと臨むのだった。
覚醒したカイルの力は、まさに神をも倒しうるほど
のもので、今もなおグランゼリアで語り継がれているかの偉大な英雄と同等の強さを備えていると言っても過言ではないであろう。
剣士として突出した力を見せ続けるカイル。それは本人の努力によるところはもちろんだが、幼少の頃よりその才能の片鱗を見せることはあったという。
そして彼がそれを見せるのは、仲間たちのために行動する時、そして力なき人々を守る時だった。
幼少時代、住んでいたラドール村付近の森で遊んでいたカイルは、木にもたれている血まみれの怪我人を発見したことがあった。
「大変だ⋯!こんな時は確か⋯」
驚きながらも、父親の友人より応急手当の方法を教わっていた彼は、急いでそれを実行。
そして助けを呼ぼうと、自分の村へと駆け出そうとする。
だが振り向いた時、彼が目にしたのは自分たちを囲むガウルの群れであった。
「えっ⋯!!もしかしてこの人の怪我って、コイッらが⋯!?」
守らなければ⋯そう思ったカイルは、付近に落ちていた木の棒を持ってガウルたちに対して構える。
しかしまだ子供でしかなく、正式な戦闘の訓練も受けていないカイルが、集団で襲いかかってくるガウルたちにかなうはずもなく、致命傷を負うのを避けながら必死に防戦するのが精一杯であった。
そんな中、1匹のガウルが回り込んで、カイルの背後にいた怪我人に襲いかかろうとする。
それに気づいたカイルは、自身を守るのも忘れて思わず叫んだ。
「やめろっ!!」
その言葉には、これまでにない気迫が込められており、怪我人に襲いかかろうとしていたガウルはもちろん、カイルを囲んでいたガウルたちも一瞬動きを止めた。
その時、草むらが揺れて、大きな存在がその中より現れる。
「なんでぇ、でけえ声出しやがって」
帰りが遅いカイルを探しに来たレイであった。
新たに魔獣が現れたことにより、ガウルたちは標的をカイルから彼に変え、威嚇する。
だがレイは警戒することもなく進み出て、その中の1匹を無造作に殴り飛ばして、群れを睨みつける。
その圧迫感から、かなわない相手だと察知したガウルたちは戦意を喪失。すぐに蜘蛛の子を散らすようにその場から逃げていった。
危険がなくなったことで、緊張の糸が切れたカイルは、脱力してその場にへたり込む。
「ハァ⋯ハァ・ ・助かった⋯」
そしてレイに礼を言う間もなく、そのまま気絶してしまう。
意識を失った彼を見て、レイは呟いた。
「気、失っちまったか。仕方がねーな。
ま、だが上出来だ。
ガキにしちゃあ、なかなかの気迫だったぜ」
その後、レイは意識を失ったカイルと彼が守ろうとした怪我人を抱えながら、ラドール村に帰還。
怪我人はカイルの応急手当がよかったこともあり、一命を取り留めたという。
オルダーナ帝国騎士訓練校で学んでいた頃、カイルは帝国の英雄ダヴァンの部隊に仮所属し、同期の仲間たちとともに魔獣が多くいる山林で行軍訓練を行うことがあった。
カイルたちは最初こそ現役の騎士たちのペースになんとか付いて行けていたが、途中から徐々に遅れ気味になっていき、自分たちがまだ"一人前"ではないことを思い知らされることとなった。
「ハァッ⋯ハアッ⋯最前線で魔獣と戦っている騎士は、やっぱりさすがだな」
ようやく休憩場所にたどり着き、なんとかー息ついたカイル。
同期の仲間たちも遅れて休憩場所にやって来たが、その中の1人より思わぬことを聞く。
彼らの中の数人が完全に行軍から脱落してしまい、今どこにいるのか分からないというのだ。
「ここは野生の魔獣が多い。
今すぐ探しに行かないと⋯危険だ!」
決断した後のカイルの行動は早かった。
このことを部隊の指揮官であるダヴァンへ知らせるよう仲間に頼み、彼自身は行方不明の者たちを探しに向かったのだ。
これまで来た道を引き返し、仲間たちの名前を呼ぶカイル。
すると道から外れた方向より、何かに襲われているような人の悲鳴が耳に飛び込んできた。
駆けつけると、巨大な蜘蛛の魔獣に襲われている同期の仲間2人が、這いずって後ずさりながら必死に剣を振り回して抵抗していた。
「今、助ける⋯!」
そう叫びながら、カイルは蜘蛛の魔獣と彼らの間に割って入った。
蜘蛛の魔獣は獲物を取られたと思ったのか、怒りの咆哮をあげて鋭い爪をカイルに振りかざした。
その一撃をなんとかかわした彼は、反撃しようと剣を抜く。
だが、蜘蛛の魔獣は粘着性の糸を吐き出し、彼の片足を地面に接着してしまう。
「クッ⋯身動きが⋯!!」
とどめの一撃を加えようと、蜘蛛の魔獣はカイルに接近。両前足の鋭い爪で彼を刺し貫こうとする。
だが、動きが封じられているはずのカイルは、大きく跳躍してそれをかわした。
見れば、カイルは地面に接着された方の足の靴を脱ぎ捨てていた。
「くらえっ⋯!!」
カイルは空中からそのまま体ごと魔獣に激突し、剣で腹部を刺し貫く。
致命傷を負わされた蜘蛛の魔獣は、耳障りな悲鳴を上げながら、しばらくは激しく暴れて傷口から体液を撒き散らしていたが、やがて糸が切れたように動かなくなった。
戦いを終え、仲間たちの無事を確認したカイルは、彼らを連れてすぐに部隊に戻ろうとする。
だがその場から立ち去ろうとした時、彼らの前に思わぬ人物が現れる。
部隊の指揮官であるダヴァンであった。
報告を聞いた彼はすぐに行軍を停止させ、自身で行方不明者の捜索に向かっていたのだった。
ダヴァンはその場の魔獣の死骸と戦闘の痕跡、カイルとその仲間たちの様子を黙って眺める。
そしていきなりカイルの頭を、思いっきり殴りつけた。
「こういう時はまず上官に報告し、判断を仰ぐべきだろうが!
今回はたまたま勝てたから良かったものの、お前も魔獣に殺されていたかもしれなかったんだぞ、この馬鹿者が!!」
反論しかけたカイルだったが、ダヴァンの言っていることがもっともなことであることは彼にも分かった。
あらためて部隊に所属することの意味を考え、カイルは顔を伏せる。
だが落ち込みかけた彼に、ダヴァンはこう付け加えた。
「だがまあ⋯今回は確かに助かった。
仲間のことを考え、生命をかけて行動したことは、
騎士として合格だ」
破神を倒すべく、仲間たちとグランゼリアを旅していたカイルは、ロダール大陸にある山間の村を訪れた際に、住人よりある依頼を受けた。
村の子供の1人が昨日から行方不明で、おそらくは近くにある森で迷子になっていると思われるので捜索してほしい、とのことであった。
「森の中に1人で迷子か⋯。魔獣もいるかもしれないし、きっと心細い思いをしているだろうな」
二つ返事で引き受けたカイルたちは、森を探索。
幸いにもすぐに子供を発見できたが、子供はあちこち歩き回っていたようで、体中に擦り傷ができていた。
治癒魔法を使うほどではないにしろ、その痛ましい様子を見かねたティリアは、花の装飾が施された木製の薬入れを取り出し、塗り薬で治療する。
「ちょっとじっとしててね。
薬を塗ってあげるから」
だがその時、近くの草むらが揺れたかと思うと、巨大なネズミ型魔獣が数匹、カイルたちの前に飛び出してきた。
その魔獣は以前にも戦ったことがあり、今のカイルたちの技量ならば、難なく勝てる相手であった。
「めんどくせーな。ぶっ飛ばすか?」
「⋯いや、子供が一緒だ。戦闘になれば万が一ってこともある。今は逃げるぞ」
構えるレイに対して、カイルは逃亡を決断する。
その判断にティリア、リルベット、ゼクスも同意して、レイも渋々ながらそれに従った。
子供を背負いながら、カイルたちは全力で元の村まで逃走。
幸いにも魔獣は途中でカイルたちを諦め、彼らは無事に子供を村の親元に戻すことができた。
その後、一行は村に一晩滞在することにするが、タ食時にみんなが集まった時、ティリアは困惑の表情を浮かべながら、荷物入れを探っていた。
「あれ⋯?薬入れが⋯ない」
子供を治療した時に取り出した薬入れが、なくなっているのだという。
どうやら、 魔獣から逃げている途中で落としたらしい。
リルベットは心配して尋ねた。
「あの薬入れ、大事なものだったの⋯?」
「あ、うん。ずっと昔に⋯お兄ちゃんからもらった誕生日プレゼントだったの」
「それは⋯」と、気の毒そうにティリアを見るリルベット。
その視線に気づいて、ティリアはあえて微笑んで答えた。
「でも古いものだし⋯。それになくなってしまったものは、もう仕方がないから」
気丈に振る舞っているティリアに対して、リルベットはそれ以上は何も言えなかった。
そしてそんな2人のやり取りを、カイルはただ黙って聞いていた。
その翌朝、宿屋の自分の部屋を出ようとしたティリアは、扉の前に何かが落ちていることに気づく。
それは森の中で失くしたはずの、あの薬入れであった。
朝食の場で、リルベットに薬入れが見つかったと嬉しそうに報告するティリア。
そんな中、カイルが遅れて朝食に現れたが、その姿はまるでどこかの森を一晩中這いずり回って何かを探していたかのように、泥や木の葉などで汚れていた。
「カイルさん、その格好は⋯?」
「ん、ああ。ちょっとね」
そう誤魔化しつつも彼は、ティリアが薬入れを持っているのを目にして、それが見つかったことを自分のことのように喜んで、こう言った。
「見つかって、よかったね。
きっとティリアの日頃の行いが良いせいだよ」
カイルがソウルブレイドの力を解放した姿。
グランダールを救うため戦うカイルたちの前に、かつて倒した女神の神徒が再び出現する。
苦戦するカイルは手にしていた剣…ソウルブレイドの声を聞く。
"魂を捧グヨ。
然スレば、力を授けン"
仲間の危機を前に怒りを覚えたカイルは、その言葉に応じてかの剣の力を解放する。
「ソウルブレイド、解放—— ! !」
ソウルブレイドは、使い手の魂を依代にして、大きな力を与える剣とされている。
ただ、その力は剣を手にしたからといって、誰にでも発揮できるようなものではない。
相応の能力、力量が必要とされるのである。
元々彼は英雄アデルの未裔でもあり、その潜在能力は非常に高いと思われる。
さらにオルグーナ帝国騎士時代からの鍛錬、そして旅を始めてからの数々の冒険、そして強敵たちとの激戦…それらが彼の能力を大きく引き上げたのかもしれない。
優れた潜在能力を持っていたとしても、それが磨かれなければ意味がない。
カイルが帝国騎士として活動していた頃、上官であるダヴァンは彼のことを次のように語っていた。
「カイルの剣士としての才能は光るものがある。ただ、アイツの場合はそれだけじゃない。
困ってる者を見捨ててはおけない性格…あの性格はきっと才能を大きく磨くことになるだろう」
帝国騎士として活躍していた頃も、カイルは任務以外で人々のために行動することが多かった。
その際、己の実力も考えずに難敵と戦うこともあったが不思議と善戦したとされる。
向こう見ずで人助けをする行動、そして困難に陥っても切り抜けてしまう力量…それらのことは彼の中に眠る英雄アデルの血統によるところも大きいのかもしれない。