ティリアのプロフィール

ティリアが"巫女"の力に目覚めて覚醒した姿。

彼女は元々暮らしていたサメール村を出て以降、カ

イルたちとグランゼリア中を旅して様々な出来事に

遭遇し、それらを乗り越えてきた。

その経験は彼女に精神的成長を促していくこととな

る。そんな中、彼女が「大切な人を守りたい」と強

く願わねばならない事件が発生した。その願いは旅

の経験による成長と相まって、彼女の中に眠る"巫

女"の力を覚醒させる。

巫女の力に目覚めたティリアは、その身体に宿して

いるエーテル量や魔力などが大きく増加。扱える術

なども強力になり、その力は神々が施した封印を打

ち破ることすらできるほどだという。

だが、どのような成長を遂げてもティリアの根底に

あるものが"誰かを守りたい"という気持ちであるこ

とには変わりはない。

彼女は巫女の力をこれからも誰かのために使い続け

るのだろう。

サメール村には以前より"巫女を支える一族"が隠れ

て暮らしていた。

ティリアも生まれついての巫女という訳ではなく、

この巫女を支える一族の生まれでしかなかった。

それが、成長するうちにその才能が発芽し始め、や

がて一族に巫女として認められ、扱われていくよう

になったのだという。

しかし、その力の片鱗は一族の者たちに認められる

以前の幼少期より見られていたとも言われている。

ティリアが幼い頃、サメール村の近くにポックルた

ちが住み始めたことがあった。

魔獣とはいえ愛嬌のあるポックルたちに興味津々の

ティリア。そんな彼女に対してポックルたちも心を

開き、すぐに仲良くなったという。

だがある日、サメール村に思わぬ知らせが届く。

それは、魔獣ポックルイーターが近くに出没したと

いうものであった。

襲撃を受ける可能性を考え、村の大人たちは建物を

補強するなど防備を固める。

一方、悪い予感がしたティリアは大人たちが制止す

るのも聞かずに、友達となったポックルたちのもと

へと向かった。

そしてポックルの住処へと辿り着いた時、彼女が目

にしたものは、今にもポックルたちに襲いかからん

とするポックルイーターの姿であった。

「だめぇーー!!」

幼いティリアは声の限り叫んでポックルイーターの

前に立ちふさがり、ポックルたちを守ろうとする。

ポックルイーターは構わず彼女ごと襲いかかるが、

その瞬間、ティリアの前には神々しい光の壁のよう

なものが形成され、その攻撃を弾く。

その現象にティリア自身も一瞬だけ驚くが、すぐに

まだこちらへ襲いかかってこようとしているポック

ルイーターを睨む。

「負けないんだからっ!」

そこにはいつものような弱々しい、引っ込み思案な

彼女はいなかった。

ポックルらを、友達を守りたい⋯その思いがティリ

アに普段とは違う、強い意志を持たせていたのだ。

そしてその意志を反映させるかのように彼女の前の

光の壁は大きく輝き、巨大に変化。迫ってくるポッ

クルイーターを長時間に渡って阻み、その巨体を押

しのけ続けた。

しかしその光の壁も、やがて限界を迎える。

長い間、気を張っていたティリアだが、力を使い果

たしたかのようにふっと意識を失いかけ、同時に光

の壁も消えてしまったのだ。

「キシヤァァッーーー!!」

自身を遮るものがなくなったポックルイーターは、

唸り声を上げて再びティリアとポックルたちに襲い

かかろうとする。

だがその時、若い男の声が響く。

「ティリア!!」

声の主は、サメール村でティリアがポックルのもと

へ向かったことを聞き、急いで駆けつけた1人の若

き剣士であった。

その者は疾風の如き速さでポックルイーターの前に

立ちはだかり、剣で瞬時に一刀両断。相手に断末魔

の叫びすらあげさせずに倒してしまう。

圧倒的な強さを見せた剣士の姿に、ティリアは安心

したように一言こう呟いて意識を失った。

「お兄⋯ちゃん⋯」

その後、ポックルたちの安全を確認したその剣士は

ティリアを大事そうに抱きかかえて、サメール村に

戻っていった。

幼いティリアが特異な力を発揮したことについて、

剣士は周囲に一切語らなかった。

そのためサメール村でも、その後しばらくは彼女の

力が知られることもなかったという。

それは、"巫女"の過酷な運命をティリアに背負わせ

たくない、という思いによるものだったのかもしれ

ない。

"巫女"として覚醒を果たしたティリアは、大切な人

を守るため、これまで一緒に旅をしてきたカイルた

ちと一時別れてある禁断の大陸に渡った。

その大陸は、現在は人が立ち入ることが不可能な未

知の区域であり、どのような危険が潜んでいるのか

分からない場所である。

大いなる力に目覚めたとはいえ、戦い向きの性格で

はないティリアにとって、数多くの苦労と困難に見

舞われているであろうことは想像に難くない。

だが、一度取り戻した絆を手放さないようティリア

はもう決してくじけないだろう。

引っ込み思案で、何事に対しても自分に自信を抱け

なかった少女は、もういない。

大切な人を守りながら、共に旅した仲間を信じ、彼

女は戦い続ける。

巫女の力⋯いや、今の彼女の力は暗き闇のなかでも

人々の希望となり、その思いは多くの者たちを動か

していくことであろう。