マジャのプロフィール

創神ラグデュエルを信奉する創神教団の大司教。そ

してオルダーナ帝国評議会議員⋯通称"十賢臣"の一

員。

マジャは創神教団の大司教という立場であることか

ら、教団の信者たちから絶大な支持を受けている存

在である。

現在、創神教の教えはグランゼリア全域に広まって

おり、その信者の数は計り知れない。それらが、マ

ジャの指示ひとつで動き出すことを考えると、彼の

影響力は単なる宗教団体の指導者を超えるものであ

ることは間違いないであろう。

帝国内では十賢臣という地位を得ているマジャだが

そのような事情もあり、帝国皇帝はもちろん、その

息子である皇太子ローランドも、彼の行動について

はある程度の配慮を行っていると言われている。

ただ一方で、マジャの方でも自分の影響力を自覚し

ており、宗教と政治が対立することがないよう、そ

の言動はわきまえたものだとされている。

創神教団大司教という地位に相応しい人格者だと知

られているマジャだが、彼が信者たちより圧倒的な

支持を受けているのは、そのこと以外にも、超常的

な力⋯"神の奇跡"を度々体現させているためだとも

言われている。

モルダナ大陸西の辺境の村に創神教を信じるある少

女がおり、彼女はある夜に不思議な夢を見る。

夢の中に神々しい光を放つ老人が現れ、彼女にある

お告げをしたのだ。

「数日後、お主たちの村を野盗たちが襲撃する。

今からその備えをしておくのだ」

夢から覚めた少女は、急いでその言葉を村の大人た

ちに伝えた。

彼女の言葉に半信半疑だった大人たちだが、それで

も念の為、村の防備を固めたところ、なんと数日後

その言葉通りに野盗らが村を襲撃してきたのだ。

防備をしていたため、村はなんとか野盗たちの撃退

に成功。

そして村を救った少女の功績は創神教団の知るとこ

ろとなり、彼女は帝都にあるマジャ大神殿に招かれ

ることになった。

大神殿を訪れ、大司教からお褒めの言葉をもらおう

としたその時、少女は目を見開いて驚く。

その大司教こそが、夢の中で彼女に村の危機を伝え

た、あの老人にほかならなかったからであった。

創神教団の大司教であるマジャは、グランゼリア各

地を巡礼で訪れているが、その際に魔獣や野盗の被

害に悩む信者たちのために戦うこともある。

数人の従者を連れてロダール大陸を巡礼していたマ

ジャは、ある男より自分の村を救ってくれと懇願さ

れる。

聞けば、彼が暮らす村の近くに魔獣の群れが居着い

てしまい、住人たちは幾度も襲われているのだとい

う。

マジャの従者たちは、すぐに創神教団本部に連絡し

て帝国騎士を派遣するよう手配しようとするが、マ

ジャ当人はそれを止めさせる。

「この者はワシを頼ってきたのじゃ。

ならば、ワシがなんとかしてやるべきであろう」

その後、魔獣の群れがいる場所へ単独で乗り込んだ

マジャは、襲いくる魔獣たちを次々となぎ倒し、つ

いには魔獣の群れのボスと対峙する。

群れのボスは唸り声をあげてマジャに牙を剥くが、

マジャは微動だにせずに、ただ黙って相手をにらみ

つけた。

すると、群れのボスはまるで射すくめられたかのよ

うに硬直。しばしの沈黙の後、マジャのもとに静か

に頭を垂れて平伏する。

ボスの神妙な様子を眺めていたマジャは、その場で

パンッと一度手を叩く。

すると驚いたことに、彼に倒されていたはずの魔獣

たちがすべて蘇り、ボスに続いてマジャに平伏して

いったのだ。

その光景に、マジャの従者たち、そして彼に助けを

乞うた男は「神の奇跡だ」と感動を禁じ得なかった

という。

その後、マジャに平伏した魔獣たちは男の村に害を

及ぼすことはなくなり、逆にほかの魔獣から村を守

るようになったとされている。

創神教団の歴史の中で、「マジャ」 という名前の偉

人は幾人も存在している。

創神教の規律を定めたマジャ・タトル。

破神圧政時代に教団を支えたマジャ・デムス。

オルダーナ帝国が帝政に移行する際、それに関与し

たマジャ・タウ。

そして現在の教団の大司教であり、十賢臣の一員で

もあるマジャ・シャーン。

同じ名前の偉人が複数いることは、創神教のことを

よく知らぬ者からしたら、不自然に思えるかも知れ

ない。

だがこれは、創神教に古来の偉人の名を自分の子供

に付ける習慣があるためであり、教団内には「マ

ジャ」以外でも同じ名前の者は数多く存在してい

る。

ただ一方で、この「マジャ」の名を持つ人物につい

ては、古くから信じられないような、ある噂が囁か

れている。

それは、歴史上で活躍している「マジャ」たる人物

は、すべて同一の存在ではないか?⋯というもので

ある。

もしその噂が本当だとするならば、現在の大司教マ

ジャ・シャーンが、古来より教団のために活躍して

きたすべての「マジャ」ということになり、彼が人

間の寿命や常識などをはるかに超越した存在だとい

うことにもなる。

ある雑誌記者は取材と称してマジャ・シャーンに接

近し、恐れ多くもそのことを直接聞いたことがあっ

た。

その時、彼は質問に気分を害した様子もなく、次の

ように答えたという。

「ふぉっふぉっふぉっ⋯

お主たちがそう信じるのならば、そう。

そうでないと思うのならば、そうではない。

お主たちがワシをどう理解するかは、ワシの問題で

はない。お主たちの問題じゃ」

大司教であるマジャ・シャーンは、教団内において

創神ラグデュエルを体現したような存在であり、こ

れまで信じられないような"奇跡"を幾度となく起こ

している。

"常人"という範疇に収まるような存在ではないこと

だけは確かではあろう。

果たして、彼の正体は一体⋯?