【白猫】南の島の100億$$$ Story2
南の島の100億$$$ Story0
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南の島の100億$$$ Story4
南の島の100億$$$ Story5
目次
登場人物
story 作り話
……なにするのよ、やめなさいよ!
なんだこの猫、どういう仕掛けで喋ってるんだ?
やめてください!
犯罪者が口をきいてんじゃねえ!
ううううう~。
ほれ、鳴いてみろや。にゃーにゃー鳴いてみろや。
誰が鳴くもんですか!
nあー。ちょっといいか?
なんだてめーは。
nケニーだ。その猫をピザにするつもりか?俺なら、しないね。
てめえも遊んでほしいのか?
nどうしてだと思う?例えばだ。道に10ゴールド落ちてたら、あんたどうする?
拾うにきまってるだろ。
nそれと同じだ。最近金持ちの間じゃ金のかかるペットが流行っている。
しゃべる子猫ってのが、いくらすると思う?10億ゴールドは下らないね。
……詳しく聞かせろ。
nいいとも。
…………
……
<男は悠然と、ピースメンたちの拠点にに足を踏み入れる……>
おいチンピラ。ここは通行止めだ。
ぐあーっ!!ああああ~!!あああああ~!
てめえ、どういうつもりだ!
jうるせえよ。
あ、あんた……!!まさか……!!
うおおおおお!!
<殴られた隊員が、銃を向けた!>
<バン――ッ!!>
ヒッ……
<黒服は、男のタトゥーを見た……>
ボス……!
j男前になったろう?
<スコルピオの顔は、以前とは違う……だが、タトゥーは変わらない。>
バッキーを吊るしたって聞きましたが。
j他にいうことがあるだろ。
……例の島を潰したやつについては、何も……
<ジェフリーは無言である。>
島にいた兵隊は全滅です。あいつ、何なんですか。
jプレシャス・チルドレン……
は?
j他の島に行ってる兵隊ども、全員呼び戻せ。
…………
……
いいかおめえら。猫に傷をつけるんじゃねえぞ!
n……分前をくれよ。一割でいい。
てめえは猫の毛でも集めてな!
n……っと、ざっとこんなもんだ。
アンタ……助かったわ。この御礼はするから!
nいいってことよ。
さっきのお話は……
nもちろん、全部作り話だ。面白かっただろ?
ここの連中、ひどいわ!近年稀に見るひどさよ!
n連中は平凡さ。平凡なクズだ。
……ケ二ーさんも、あの人達に?
はめられたのね!
nドジったのさ。俺を牢にぶちこむのに、理由なんか考える必要はねえ。
……これから、どうなるの?
きっと主人公が助けてくれるわ。
kむしゃむしゃむしゃ……
<神主がキャベツを食べてる……>
n主人公ってのは、いいヤツらしいな。
きまってるでしょ!
nそいつがしくじったら?ギャングどもに蜂の巣にされたら?
主人公が……!
そうなる前に助けに……!あっ、アタシら捕まってるんだった……
nあんたらもいいヤツだな。ってことは苦労するぜ。この島じゃな。
story サソリの巣穴
はは、こいつはいいアトラクションだな。リゾートにもってこいだ。
再開発にあわせて整備したってとこか。
この先にサソリの巣が?
表面とりつくろってる奴ほど、裏側には汚れが溜まっているってな……
ラブ&ピース社か。
……このへんか?
<二人はその場に隠れた。>
シッ。
<下水道の壁がスライドし、入り口が開いた……>
ヒュウ。
閉まる前に行くぞ。
なんだここは、やけに厳重だな……
ピースフル剤の製造工場ってぇところか~?
<ブラッドは、生産ラインに目を止めた。>
ニイさん、あれ見てくれ。
あの葉っぱ……ワスカの葉じゃねえか。
ピースフル剤ってあんなモンを使ってたのかよ?
秘密の隠し味が、違法薬物か。こりゃ面白くなってきたな。
話がデカくなってきやがった。落とし前どころじゃねえぜ。
バッキーはこのことを嗅ぎつけやがったのか。だから消されたんだ。
<その男は――何気なく、あまりにも自然に、
その場に現れた。>
!
ニイさん!!
<ブラッドは、サーフボードを盾にしながら、突撃する!>
がっ……!
<ヴィンセントは、床を転がって避ける……>
死にやがれ!ドグサレ!!!
<――男は、ブラッドの首根っこをつかみ、床に叩きつけた!>
ぐあああっ!!
<銃が、ブラッドの頭につきつけられる……>
j二人だけか?
<ブラッドは、男の腕のタトゥーを見た――
――サソリ(ソコルピオ)――>
てめえか……!バッキーの旦那を殺ったのは!
<男は、まったく表情を変えずに、引き金に指をかける――>
クッ……!!
<ブラッドは、サーフボードを構えながら、物陰に隠れる……>
<工場のタンクが、破壊されている……!>
……ぐふっ……時間稼ぎ、させてもらうぜ。
<ヴィンセントは、腹を押さえた。銃創から血が滴る……>
て、てめぇ……
<ヴィンセントは、ピースメンから奪った銃を構え、別のタンクを蜂の巣にした!>
……こんな臭え場所でくたばれってのか?気が乗らねえなぁ。
まあいいさ。オレにしちゃ……悪くねえよな……
クソッ……いちかばちか……
j工場を閉鎖しろ。蒸気がもれたらまずい。
<地面に血痕があった。ヴィンセントのものか――>
待ってろ……!
<ブラッドは血痕を追う!
霧の向こうで――ブラッドは、ヴィンセントの姿を見たような気がした。>
ニイさーん!!
story幸せになりたい
<テニナは、ラブ&ピース社に忍び込んだ……>
……こっそり……
朝のミーティングに間に合わせないと……今、何時だ……
資料まとめないと……
おい、顧客のリスト、パブリック担当から回してもらえ。
服務規程違反じゃ……
いいから、やれ。
……はい!!
会社ってこういう感じなんだ。
やってられないよ……
もうだめ……
この人達、いつ家に帰るんだろう?
あっ……!?
<社内のそこかしこには、ピースフル剤の置かれたスタンドがある……
新人社員は、無言でピースフル剤を飲んだ……>
ふぅうう……幸せだ……
<社員は、何事もなかったように仕事に戻った……!?>
あの薬について、調べないと……!
この人たちは、ここで何をしているんだろう……?
……ううっ。
勝手に休んでんじゃねえ。
もう限界だ……休ませてくれ。
アレが足りないようだな。
アレだけはやめてくれ!!
おい、押さえとけ。
や、やめろーっ!
<ピースメンたちは、男に無理やりピースフル剤を飲ませた!>
気分はどうだ?
……ふう。最高だ……最高に幸せだ……
仕事に戻れ。
どういうことなの……
<老人は作業場に戻り、コンテナを抱え上げたが……
その場で倒れた。>
危ない!
<ティナは、コンテナを片手で支え、老人を助け起こした!>
大丈夫ですか!
ああ……大丈夫だ。何の問題もない。
俺は幸せだ……とても幸せだ……
こんなの、幸せなんかじゃ……
いいや、お嬢さん。俺は幸せだ。俺の生涯で、こんなに幸せを感じたことはない……
でも俺は……こんな風になりたかったのか?
幸せってこんなものなの?……違う!絶対違うよ……!
<ティナは、ふと悪寒を感じた。
この先にはきっと……嫌なものがある。
人間の悪意が……!>
もっと……幸せに……
幸せになりたい……
幸せにーッ!!
また人を連れてこないといけませんねぇ~。
ここは地上の楽園だ。働き手なんざいくらでもいる。
ピースフル剤だけ与えてやれば、人件費もかかりませんしねぇ~。
そういうことだ。
で、こいつらはどうすんです?
もう使えねえし、魔物の餌にする。
こいつは見ものっすねぇ~。
何が最高かってな~。連中、恐怖と幸福感を一緒に感じてるってことだよな。
幸せの絶頂で!こいつらは魔物に食われながら、くたばっちまうのよ!
あんなガキ、いたか?
どうしてあなた達は、こんなことをするの?
こんなことをしてあなた達は幸せなの?幸せになれるの?
なんかいってんなあコイツ。隊長!こいつなんかいってますよ!
こういう壊れ方をするやつも、たまーにいるんだよ。
<魔物たちは、人々に襲いかかった!>
私にはわからない――でも。
<少女は、小さな拳を――振り上げる――>
許さない……!!絶対に……!!
<一見か弱く、ちいさな拳を。>
は?
何だ――
うあああああああぁぁ!!
残りの魔物、全部出せ!!
story限界
ぎゃぼるぶぁあああ!!
応援を!!ボス!!応援をよこしてください!
あ、あが……もう、だ、へ……そうだ、ピースフル剤!
うーん、効くー!!
はーっ!!
しぃあああわぁせえええええ!ギィヤアアアア!!!
よし、来たな!!あの小娘をぶっ殺せ!
吹っ飛べ!!
えっ、一瞬!?
お前らも行け!!
消えろ!!
お前らも!!行け!行けっったら行け!!!
えっ、俺!?俺を誰だと思ってるんだ!?
ゴチャゴチャと!!
ぎゃぶあああああ!
<隊長も星になった!!>
はぁ、はぁ……
おなか……すいた……
あなた達も行きなさい。ボーナスとして、ピースフル剤を提供しますよ?
銃をかして!
幸せになるんだぁ!
アタシが先よぉ!
そんな……どうして……!
彼女の力は強大ですが、無限ではない。消耗を待てば、対処は可能と聞いています。
誰……?
<押し寄せる人々を押しのけながら、ティナは抗い続ける――
だが、限界はすでに来ていた……>
U人は、幸せになるために生きている!
はぁ……はぁ……
<テニナは片膝をついた。>
Uそして私には、すべての人々を幸せにする義務がある!
あんなものが、幸せなんて……!
Uプレシャス・チルドレン……私たちには、あなたの存在が必要なのですよ。
世界規模のビジネス展開をするためには、彼らの後ろ盾がなければなりませんので……
<ティナは、その場に倒れた……>
story黄金蝶と舞う女
<真夜中……ファルファラは孤児院に忍び込んだ……>
あの子達は……ここで寝てるはず……
――変ね。
<寝台には、子どもたちの姿はない……?>
この音……?
おい、早く出せ。
ガキが一匹いない。
……むにゃ。
いたぞ。連れて行け。
こいつら、島の自警団ね……
あの子達に、何をするつもりなの……!
はーい、きみたちは、幸せかな~?
幸せです!
……ふぇ?
君?どうしたのかな?幸せじゃないのかな?
ええっと……
君、おくすりはどうしたのかな?
んー……
飲んでねえのか!このクソガキ!
<研究員は女の子の胸倉をつかんだ……!>
……っ!!
なんで飲まなかった?幸せになりたくないのか!?
おくすりを飲んだら、すごく、幸せになるけど……でも……
忘れちゃうの……ファルファラお姉ちゃんのこと……
あたしは、いやだよ……!
ピースフル剤を飲ませろ。
<物陰で……
ファルファラは、怒りに震えていた……>
幸せでいてくれれば、それでいいと……
そう思っていた……!!
<子どもたちの前を、ピースメンたちが通り過ぎた。>
お前らは幸せか!
幸せであります!
もっと幸せになりたいか!
なりたいであります!
だったら……わかるな?会社に貢献しろ!
おっと、これはこれは……
未来のピースメンたちに敬礼。ってところか?
幼少期からピースフル剤による条件づけを行えば……
従順かつ優秀な兵士になる。ピースメンを増やすだけじゃない。
この研究には、連邦も興味をしめしている。我が社の新事業だ。
迂闊すぎた……あんな奴を信用するなんて……!
なっ!?
はあっ!?
……歌姫だと!?本当にスターが来たのか!?
この子達を元に戻して。
なんでそんな残酷なことができる?
……残酷?
こいつらは、いままでろくな暮らしをしていねえ。
そんなガキどもが、ピースフル剤を飲んだだけで幸せになれるんだ。
その幸せを奪うのか?
質問に答える気はある?
元に戻せるかだって……?そんな研究をしているわけねえだろ!?
クズね……!
チッ……どこの組織だ?
ファルファラになりすまして潜入とか、間抜けだな。
U違いますよ。彼女は間抜けではありません。
ウッドロウ!
<ピースメンたちは、ティナの頭に銃をつきつけた……>
Uおっと、この子の頭が吹き飛びますよ?
これがあなたの本性?
Uビジネスですよ。あなたも同じではないですか。
同じ?
Uボランティアで子供を助けるのは税金対策のためでしょう?
ビジネスマンとの会話って、刺激的ね。
Uあなたのマイク、危険なルーンを仕込んでるようですね。捨てていただけますか?
<ファルファラは、手にしたスタンドマイクを捨てた。>
Uほいっと。
<ウッドロウは、マイクを蹴る。マイクは階下のフロアに落ちた……>
Uスコルピオに連絡しろ。丁重に扱えといっておけ。
(スコルピオ……!?)
story100億$$$の賞金首
おめでとうございます。あなたの働きにはボスも喜んでおりますよ。
約束通りあなたのお友達を解放してあげましょう――
と、いいたいところですが――
何よ!出しなさいよ!バカ!
島の観光協会が、あなた方にクレームをつけておりまして。
どういうこどういうことなんですか?
わかりませんか?平和だったピース島に、ワスカの葉など持ち込んで……
イメージを損ねたんですよ!?
どうしろっていうのよ……!
さらに100億$$$。それだけ積めば、なかったことにしてもよいと……
でも、100億$$$の賞金首なんて……!
――いるんですよ。たった今賞金額が決まった、この男です。
<――この男は!>
えっ!?
ブラット!?
ニイさん……こんな島で、くたばっちまうなんてよ……
ギャングらしいにも……ほどがあるぜ……!
ハァハァ……丸腰じゃなきゃ、てめえらみたいな三下に!
<ブラッドは、サーフボードでギャングをぶんなぐる!>
おっと……賞金稼ぎの登場だ。
主人公!
……どうして、アイリスとキャトラがいねえんだ?
<主人公は、剣を抜いた……>
――そうか。
<ブラッドと主人公は、構えた――!>
<主人公の一撃!ブラッドは片膝をついた!>
がはっ……!
<ブラッドの一撃!主人公は崖際に追い詰められる――!>
ぐあーっ!!
<ブラッドは主人公の一撃を食らって倒れた……!
ブラッドはサーフボードを投げつけた!
主人公は海に突き落とされた!>
甘いぜ……主人公。人のことはいえねえがな……
確保ー!!!
story それのどこがおもしろいんだ?
……あーん、ここは……
お目覚めか?王子様。
キスでもしたのか?してねえよな?
皆様、拍手でお迎えください。ジョカの狂犬、プラットです!
なんだなんだ、どういう流れだ?歌でも歌えってか。それともダンスか?
どっちかっていうと、ダンスだ。
<見ればホテルのラウンジに、巨大な水槽がある……>
へぇ、こいつはすげえな!生贅ってやつか?でっけえ魚がいるぜ。
ちょっくらあそこで泳いでもらう。
へっ!?
こいつは腹を空かしてる。
一週間前にお前みたいな三下を食って以来、何も食べてない。
動物虐待じゃねえか。飼い主だったら責任持てよ。
知ってるぜ?サメって本当はおとなしいんだ。人なんか襲ったりしない。
普通はな。こいつは魔物を食う。生きてる魔王の化石だって食う。
なあ、冗談だよな?俺をサメの餌にする?それのどこが面白いんだ?
ウケてるな。来週もお願いしたいくらいだ。
お前ら週一でこんなことをしてるのかよ。とんだ楽園だな。
そろそろこの世とお別れだ。あと、空気ともお別れだ。名残を惜しんでおけよ。
ゴボゴボゴボゴボ……!!
こういう状況。ヒーローならどうやって切り抜けるもんなんだろうな。
あいにく俺は元ギャングだ。こういう場面で生き残るようにできちゃあいない。
サメに食われるのと、息が止まるのと、どっちか先か。嫌な二択だ。
……俺は死を覚悟した。
…………
……
どうやら、くたばったらしい。ギャングらしく、あっけなく、唐突に。
……はぁ。思えばわびしい人生だったもんだ……
まーあれだ。もうちょっと俺、お姉ちゃんたちにモテても良かったんじゃね?
……おっと、天使様のお迎えだ。やれやれ……ニイさんにあわせる顔がねえな……
私だー!!
誰だよ!
真夏の天使!!サマーソウルだ!!
天使!?ウソだろ!?
夏はウソをつかない!!
どういうことだよ!
このバカヤロー!!
<サマーソウルは思い切りブラッドをどついた!>
何すんだよ!
諦めるな!!
何をだよ!死んだんだぞこの俺は!
お前の夏に聞いてみろ!お前の夏はまだ、終わっちゃいないだろ!
終わったよ!!
諦めたらそこで、夏は終わりだ!
諦めたら、そこで……夏は終わり……!?
そう!今こそ夏れ!!
人の心には夏がある。人はさっと夏に生まれ、夏に生き。そして夏に夏る。
時はまさに夏。さあ人よ、今こそ心の中の夏を解き放て。この熱き夏に。
エンドレス・サマー……
意味がわからねえー!!
<ブラッドは、サメの腭を逃れた!!>
夏がなんだか知らねえが!クソったれ!!俺はまだ生きてる!!
story逆襲の冒険家
…………
<生きている……>
<砂浜に、ブラッドのボードが!
これが浜辺まで運んでくれたらしい……>
<主人公は、サーフボードを拾い上げた……>
<このままでは……すまさない!!>
j島を出なかったのか。
!
jこの島の裏を知ったようだな。
ワスカの葉をつかませるのは、ギャングがよくやる手だと聞いている。
こうやって冒険家を手駒にするのも、奴らにとっては日常茶飯事だ。
j…………仲間が人質に取られてるのか。
俺からできるアドバイスは、一つだけだ。
nウヒャヒャヒャヒャ……!!ああ、幸せだぁ~。幸せだぁ~。
この世はクソだ!お前らもみんなクソだ!みんなくたばっちまえ!!!
ケニー!!
<ピースフル剤の瓶が、床に転がった……!!>
嬢ちゃん、あんたもこれを飲むんだ。
これって……?痛み止めのピースフル剤……?
そうそう。冒険家連中にも、よく知られてるよなぁ~。
うっ……
幸せになれるぜ……市販薬の100倍な。
幸せですって……!?
ほーれ、手伝ってほしいのか?……って、誰だこんなところにゴミ箱を置いた奴は!
<ゴミ箱から、主人公が飛び出した!!>
ぐほっ!?
主人公!!
みんなも出してあげましょ!
k自由よ!
ガショーン!
…………
…………
いくわよみんな!ケ二ーも立って!
nオイオイ、こんなに幸せなのに、他に何をしろってんだ?
幸せだったらそれでいいじゃねえか!お前らは勝手に世界でも救ってたらいい。
俺は、俺が幸せだったらいい。平凡なクズだからな。
シャー!!
nうおー!?何すんだー!!
幸せだったらなんでもいいなんて!!そんなの違うわ!!
nじゃあ惨めに苦しんで死ねっていうのか!
アンタさ……幸せになったからって、後からそれを『よかった』って思えるわけ?
自分で自分のことを、誇りに思えるの?
n……誇りだって……?元から俺には後悔しかねえ。元からな……
いつからだ……?いつから、こうなっちまったんだ……?
アンタはクズじゃないわ。
n…………俺が?
ケ二ーさんは、いい人です。
n……なんでだろうな。そんなことを言われても……ちっとも幸せじゃねえ。
ケニー……
nでも、なんでだろうな……今は幸せなんてクソッタレだ!
story 輝かずにはいられない
なにが夏だぁー!!
<ブラッドは、サメの腹に一撃を食らわせた!
サメの口から、何か光るものが吐き出された!”>
おっと、なんだこりゃ。
<ブラッドはそれを掴み取る!>
こいつはルーン!?そうか、あのサメ、ギャングを食ってたとかいってたな!
ガボガボガボ……!!
<ブラッドはルーンにソウルを込め、水槽の耐圧ガラスに投げる!>
うおおおおおお!!
あの野郎、撃て!!
えっ。
<サメが黒服たちに飛びかかった!!>
ぎぃやああああ!!
ふう……
はぁ……ああクソっ!なんだこの気分は!!!このやり場のない感情は!!
俺はいまキレている!
待ってろよお前ら……今から目に見えるものすべて、ぶっ壊してやっからよ!!
Uどうですか……なかなかのステージでしょう。
……何をさせるつもり?
Uあなたはシンガーですよね?
だったら?
U歌ってください。我が社の従業員と子どもたちの前で。
ほれ、歌姫さん。
<ピースメンの隊員が、ファルファラに楽譜を渡した……>
これは何?
U我が社の社歌ですよ。
人々と社会への奉仕。真に幸福な社会の実現。我が社のイデオロギーがこめられております。
ご立派なことね。私が歌うと思う?
U思っておりますとも。
<ピースメンたちは、ファルファラに銃をつきつけた……!>
U彼らも知るでしょう。100億$$$の歌姫も、我が社のものであると。
あなたは、なんでも自分のものにしないと気がすまないのね?
U子どもたちも喜ぶでしょう。あなたが幸せになれば。
……わかりました。ミスター・ウッドロウ。
<荘厳かつ大仰な伴奏が、ステージ内に響き渡る……
歌姫は静かに、マイクの前に立った……
スタジアムに、歌声が響く……>
U……なんだ、この歌は……!
南の海に古くから伝わる歌。星になった恋人に捧げる、愛の歌。
お気に召したかしら。
Uそれがあなたの答えですか。子どもたちが悲しみますよ?
夜の蝶は、輝かずにはいられないの。
U撃て。
お姉ちゃーん!!
サメ!?
<巨大なサメがピースメンたちに襲い掛かった!?>
なんでだよ!なんでサメがいるんだよ!ここは俺の見せ場だろ!
ド派手に登場して歌姫をかっさらうって奴だ!やべえ、かっけえー!!
ブラット!?何その荷物!?
<ブラッドは、巨大なコンテナを担いでいる!>
逃げるぞファルファラ!
子供たちを置いていけない!
あの子達か、まかせろ!
<ブラッドはコンテナを開けた!中に入っているのは……>
ピースフル剤だわ!
ほーれ、欲しけりや取りにきな!
U貴様ら!!
<大混乱だ!!>
やるわね、ブラッド♪
ファルファラお姉ちゃん!
お姉ちゃん、これ!
これは……!私の……!
みんなで探したんだ!ファルファラのマイク!
ありがとう、みんな……!行きましょう!!