【白猫】ウェルナー(茶熊)・思い出
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2020/01/01
メインストーリー
思い出1
あら、ウェルナーじゃない!
ウェルナーさん、こんにちは。茶熊学園では世話になったな。
それほどお世話してないけど、アンタが学園生活ってのも見てて不思議だったわ。
仕事の一部だ。
今日の服はどうしたんですか?
着ていく服が見当たらなかった。
制服は?
昨日、干したら、昨夜の雨で濡れた。
夜に洗濯物はよくないわよ。夜露で湿ったりするんだし。
らしいな。はじめて知った。
アンタ、そんなんで学校生活、きちんとやれてるの?
…………
これはできてないわね。
職務上、しかたがない部分もある。禁忌と無関係な人間と距離を詰めても、お互い、いい結果にはならない。
それは言い訳ね。
…………
どうせ一人でむすっとしてるんでしょ?そんなんだからセーラに心配されるのよ。
キャトラ、言い過ぎだよ。
いえ、言うわ。言わないとダメなの!セーラにもウェルナーのフォローを頼まれてるんだから!
…………
ルーン目覚まし時計で起きれるようにはなった。
今までどうやって起きてたのよ?
自然と目が覚めるか、セーラに起こされるかのどちらかだ。
どうして今になって目覚まし時計を使う気になったの?前から使ってたらいいのに。
だいたい叩き壊すからな。
アンタ、ぶきっちょだしね……
……今、使ってる時計にもヒビが入っている。もう長くないかもしれない。
思い出2
ウェルナーさん、おはようございます。
ああ、おはよう。
朝からしかめっ面だな。調子でも悪いのか?ああ、おはよう。
いや、普通だ。
あ、そうそう。保健室で先生方が話してるのを聞いたんだけどよ、今日、抜き打ちの持ち物検査があるらしいぞ。
冒険家育成の学校でなにを検査するんだ?多少の武具なら誰でも持ってるだろ。
対外的な意味での綱紀粛正だとか言ってたな。見られちゃまずいもん、今のうちに隠しておかないとな。
レクトさんが人に見られちゃまずいものをお持ちだとか?いったいなにをお持ちなんですかな?
そ、そんなもの持ってないよ!
…………
どうしたウェルナー?
<ウェルナーはカバンの中からいろいろなものを取り出し、机の上に置いた。>
なにやらあやしいものがたくさん出てきましたな。なんですか、この仮面は?
細かいことは言えないが、みつかったらまずい仮面だ。
えっとこの銃は?
細かいことは言えないが、みつかったらまずい銃だ。
この注射器って、おまえ……
細かいことは言えないが、みつかったらまずい薬だ。
…………
おまえ、なんちゅーもん、持ってきてるんだよ!特にこの注射器!
これは魔術行使に必要なものだ。
でも変な誤解受けますよ!隠さないと!!
…………
落ち着きすぎだろ!そろそろソウマ先生来るぞ!
<一同がソウマの気配を感じた瞬間。ウェルナーは注射器を首筋に刺した。>
ほげー!!
第弐術式装填――
我招く玉兎の恩寵よ、火輪を覆え。無垢なる影の腕にて遍く光を繋ぎ止めん。術式展開!
オスクリタ・ストラーノ!
!!
<机の上に影が生じた瞬間、みつかったらまずいものが消えた!>
よし、みんないるみたいだな。今日は抜き打ちの持ち物検査が――
どうした、ウェルナー。顔色、悪いぞ。
大丈夫だ。問題ない。
(問題、おおありだ)
思い出3
(この辺りでいいか……
紋章のメンテナンスをしなければな……)
第壱術式装填――
<普段使うはずの励起薬を使わず、詠唱をそらんじる。>
奈落より嵐震の御子来れり――
<体に刻まれた紋章に意識を傾けた。>
――喝采せよ!狂乱せよ!
<詠唱に合わせて紋章に熱が奔る。>
天地は今、ここに開閥す!術式展開!
イーラ・サンツィ――!
今のは、もしかして魔術の詠唱か?
……ああ。
とうとう来ちまったみたいだな。俺の時代が――
奈落より嵐震の御子来れり。喝采せよ!狂乱せよ!天地は今、ここに開閥す!術式展開!!!
……あれ?なんも起きないぞ?
…………
ちょっ!帰ろうとするなよ、ウェルナー!
どうして俺の名を?
新入生の名前くらい知ってるさ。それに、お前を見た瞬間、うずいちまったのさ。この俺の漆黒の灼腕がな。
俺の名はホーリー・サ・ブラッディナイト。またの名を嵐震の御子セイヤ・タナカ。
…………
この嵐震の御子ってフレーズかっけーから、俺が考えたってことにならないかな?
呪術文明時代の魔術だから無理だ。
呪術文明!?なにそれ超イカす!もっとくれよ、そういうの!!あるんだろ!?
…………
お願いします!師匠!!
お前はなにを言ってるんだ?
見た瞬間から運命感じてたんだよ!アカシャの意思が俺に言うのさ。あんたが俺の師匠だってな。
……帰る。
待ってくれ、師匠!俺にも古代のロストマジックを伝授してくれ!!
詠唱を知ったところで使えはしない。
なんで使えねーんだよ!?
星の位置が今と昔では違う。使いたければ、そのズレを強引に補う必要がある。
具体的にどうすりゃいいんだ?
使う度に激痛が奔る紋章を体に刻み込む。それでも魔術行使用のソウルは不十分だ。
足りない分は己の命で補填する。寿命を削り、体を壊すことでしか失われた力は使えない。長生きしたいなら使わないほうがいい。
なるほど、要するに筋トレしたらいいんだな。
なにを言ってるんだ?
よくわからねえけど、無理したらどうにかなるんだろ?だったら、紋章とかじゃない方法で無理したら使えるってことだよな?
……理論上はな。
よっしゃあああ!燃えてきたぁぁぁっ!ありがとよ、師匠!
筋トレだあああああっ!
…………
なんなんだ、あいつは……
思い出4
今日は校内大掃除の日だ。それぞれ担当の場所でしっかり掃除をしてほしい。
ウェルナー、お前は生徒会室前の廊下だ。
あ、掃除担当の方ですか?
トビコ組のウェルナーだ。
ティナ・トピアです。一緒にお掃除、がんばりましょう!
……ああ。
うぅ汚れが落ちないよ~!
どうしよう!モップが折れちゃった!
俺が拭こう。
どうする?雑巾が破れたぞ。
ほ、他の場所を掃除しましょう。床拭きは後回しです。
了解した。
おい、ハタキが壊れたぞ。
窓ガラスにヒビが……うぅ……どうしてうまくいかないの!
オメーら、なにしてんだ?
レインさん!
掃除だっつってんのに、どうして汚くなってんだよ?
掃除道具がすぐ壊れるからだ.
汚れを落とそうってがんばると力が入っちゃって……
それ、貸せ。
手伝ってくれるんですか?
オメーらが終わらねーと俺も帰れねーだろ。クソめんどくせぇ……
すまない。
いいからさっさと終わらせんぞ。
…………
……
すごい!あっという間に綺麗に……
オメーらの要領がわりーだけだろ。マジで役に立たなかったな。
助かりました♪ありがとうございます!
礼を言う。この借りは返す。
だったら勝負しよーぜ、三色頭。オメーとはヤってみたかったんだよ。
職務外での戦闘は禁止されている。それに、俺はお前が思ってるほど強くはない。
嘘つくなよ、俺にはわかんだ。
…………
わかった。ただし勝負方法は、こちらで決めさせてほしい。
いいぜ。ステゴロか?武器ありか?なんでもやってやるよ。
……私も勝負したほうがいいですか?
…………
いや、オメーはいい。クソ天使やホーリーがうざい時に止めてくれや。
……お前、優しいやつだな。
あ?喧嘩売ってんのか?
いや、素直に評価しているだけた勝負の方法は追って伝える。
おう楽しみにしてるぜ。
思い出5
というわけで!お裁縫部の活動よ!
みなさん、よろしくお願いします。
が、がんばります!!
今日はよろしくお願いしますね。
努力する。
…………
ちょっと、レイン!アンタ、どうして、そんなにしかめっ面なのよ!?
ふっざけんな!俺はな、この三色頭と勝負できるって聞いたから来たんだよ!
それがどうして裁縫で勝負しないといけねーんだ!
お前が勝負方法はなんでもいいと言ったからだ。だから、裁縫にした。
意味わかんねーんだよ!
意味ならわかるわ!だってウェルナーの通り名ってパッチワークマンだもの!
じゃあ、パッチワークがお上手なんですね。
いや、そういうわけじゃない。俺の体には様々な魔術に関する紋章がツギハギのように刻まれている。それがその呼び名の由来だろう。
(唐突に重い話に……)
でも、お裁縫が上手になったら本当の意味でパッチワークマンになれるんじゃないの?
たしかにな。
しれっと乗っかるんじゃねー!おめーのあだ名はそういうことじゃねーだろ!
…………
俺はパッチワークマンという通り名が好きじゃない。無茶をする頭のおかしい奴という侮蔑の意味も込められているからな。
だが、裁縫が上手になれば、俺はこの名を好きになれる気がする。
なに言ってんだ、オメー。
世話になってる奴がいる。だが、あまり世話になりすぎるわけにもいかない。
せめて、ほつれたボタンくらいは、留められるようになるべきだ。力を貸してほしい。
そういうことであれば、今日は指導に専念します。
一緒にがんばりましょう、ウェルナーさん。
わ、私もがんばります!大丈夫ですよ、きっとうまくいくはずです!
すまない、感謝する。
納得いかねー……
…………
……
で、結局……
レインさんが一番お上手でしたね。
納得いかねー!
さすがはみんなのお母さんですね。
誰がお母さんだ!元魔王、テメーとも決着つけねーとならねーみてーだな!
レインさん、どうしてそんなにお上手なんですか?
頭のなかに完成予定のもんがあるだろ?それを目指してやればいいだけじゃねーか。
天才だな。
褒められてもうれしくねぇ!
いや、素直にうらやましい。俺には無理だ……そもそも針がすぐに折れる。
指が怪我だらけですね……
やはり、俺には戦闘以外、取り柄がないのかもな……
思い出6
この光……
落ち込んでんじゃないわよ!あのね、やろうと思って行動したことはすばらしいことだと思うわ!
そうですよ。ウェルナーさんだって、最初より折る針の数も減ったじゃないですか。
…………
できることからやればいいのよ!
だが、俺は料理も掃除も裁縫もダメだ。ほかに家事なんてあるのか?
あるわ!
!
子供の世話よ!!
(それは一番向いてないのでは?)
そもそも、アンタ、セーラのめんどう、しっかり見てるじゃない!
いや、俺はなにもできてない、アイツがしっかりしてるから成り立ってるだけだ。
経済的な意味ではめんどうみてるでしょ!
それくらいはな……
そもそも完璧に家事ができる人ってそんなにいないわ。レインくらいよ。
俺も完璧じゃねーよ。
そんなレインにウェルナーが勝ってるところがあると思うの。
なにひとつ勝ててないと思うが?
家族のことを思って、しっかり努力するって姿勢よ。レインは自分のためにやってるだけだし。
自分のためにやってなにが悪いんだよ?
悪くはないけど、ウェルナーが勝てる部分って言ったら、家族への愛情だけでしょ?
……いや、愛情じゃない。単純な恩義の話だ。セーラには世話になってるから、その分は返す義務がある。
だとしても!家事に一番大切なのは!一緒に暮らす人のことを考えるってことなのよー!!
「ウェルナー、キッチン、どうしちゃったの?大変なことになってるけど……」
「ごめんよ、ファビオラ。今日、君の誕生日だから、サプライズで料理を作ろうと思ったんだ。でも……」
「それで失敗しちゃったのね……」
「本当にごめん!料理どころか片付けまで問に合わなくて……」
「ありがとう、ウェルナー。」
「え?怒らないのかい?」
「怒らないわよ。だってあなたは私のことを想ってがんばってくれたんでしょ?素直にうれしいわ。一緒に片付けてから、一緒に料理作りましょうよ。」
…………
そうか、そうだな……俺は変わらないな……同じことを繰り返してばかりだ、
なんか納得いった感じ?
ああ、昔、同じようなことを言われた。あの頃から俺は家事が苦手だ。
だが、可能な限り努力はする。次に会う時、少しは成長したと思ってほしいからな……
これからも指導を頼む。
なんで俺に言うんだよ!
がんばってくださいね、お母さん!
応援してます!お母さん!
頼りにしてるぞ、お母さん。
お母さんじゃねーーーっ!!
覚醒絵・覚醒画像
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