【白猫】ウェルナー(紅蓮3)・思い出
<花園>の追跡者 ウェルナー・バストリーニ CV:日野聡 <花園>の戦闘員。通称パッチワ-クマン。 仇である赤いヴァリアントを追っている。 | ||
2018/09/28 |
オーバードライブ紅蓮3
***注意***
『オーバードライブ紅蓮3』の後日譚
思い出1
ちょっと邪魔するぞ。
あら、ウェルナーじゃない。
こんにちは、ウェルナーさん。
相変わらずの仏頂面ね。何か用かしら?
セーラがこっちに来てないか?
見てないわね~。
セーラちゃんがどうかしたんですか?
……いないならいい。邪魔したな。
ちょっ、待ちなさいよ! 何かワケありと見たわ! キャトラさんに話してごらんなさいな。
最近……セーラの様子がおかしい。
一人でどこかへ出かけている。
そりゃあ、一人で出かけることもあるでしょうよ。
俺が留守の間を狙っている。計画的だ。
セーラちゃんはどこへ……?
それとなく聞いてみたが……
「子分が余計な詮索すんなー!
あたしにだってぷらいばしいはあるんだ!」
――そんな感じだ。
ふむ。これはいわゆるアレね……
思春期よ!
思春期の女の子はとかく父親を煙たがるものたわ!
俺はセーラの父親でもなんでもない。
朝、あいつを起こしたり、洗濯したり、部屋の掃除をしているだけだ。
もがー! 不器用なアンタが掃除をしたら、部屋が壊れちゃうでしょう!
修繕も俺がやる。
二度手間じゃない!
思春期かどうかはともかく、セーラちゃんが心配ですね。
ああ、セーラは定期的にソウル増加薬を投与しなければ生きていけない。そろそろ薬が切れるころだ……
……お前たちに頼みがある。
セーラがどこで何をやっているか調べたい。付き合ってくれ。
アタシたちも?
俺が調べているのを知ったら、セーラは全力で怒る。
だが、お前たちが一緒なら怒りが半減するかもしれない。
結局は怒られるワケね。
まあ、いいわ。アタシたちもセーラが心配だし、ここはつきあってあげましょうよ。
思い出2
<ウェルナーたちが遠巻きに監視する中――>
「んしょ……よいしょっと……くっそ~ 重たいなぁ……」
<大きな風呂敷包みを背負ったセーラが部屋から出てくる。>
来たぞ――!
あんな大荷物もってどこに行くのかしら?
後をつければ分かる。
あの、本当にいいんですか……?
こっそり後をつけるなんて……やっぱりセーラちゃんときちんと話をしたほうが……
それができれば……苦労はしない。
アンタたちは<花園>の戦闘員でしょ。同じ釜の飯を食べたもの同士、なにを遠慮する必要があるのよ?
戦闘員のセーラなら、言いたいことは言える……
だが、そうじゃないときは、正直、何を話していいのか分からない……
確かに、レクトといい、アンタといい、女の子の気持ちをくみとってあげられるタイプじゃないわね。
キャトラったら……ごめんなさい、ウェルナーさん。
構わん。本当のことだ。
(それは、今も昔も変わらない……
そう、あの頃だって……)
***
「わたしはファビオラ・バストリーニになるのね。
なんか、ちょっと照れるし、慣れるまで時間がかかりそう。」
「……君が困るなら、最近は夫婦別姓という選択肢もある。」
「もうこれだからウェルナーは……別に嫌だってわけじゃないんだけど……」
(ファビオラは困ったように笑みを浮かべ……決まって、こう言ったものだ……)
「あなたは本当に女心が分かっていないのね……」
***
…………
ちょっと、ウェルナー!
なに、ぼうっとしてんのよ!
……昔を思い出していた。よくあることだ。
で、どーすんの? セーラが行っちゃうわよ。追うの? 追わないの?
……追うさ。俺はそうするしかないからな。
思い出3
「らっしゃい! らっしゃい! おおっと、そこのおっさん!」
「む、何だ?」
「それから、そっちのお兄さんも!」
「え、僕……?」
「おまえらしょぼくれた顔してんなー。そんなときはコレだ! <元気の出る薬>だぞ!」
「<元気の出る薬>だと?」
「随分とアバウトな薬だなぁ。」
「あたしが薬草を調合して作った薬だ! ほかじゃ手に入んないんだぞ!
それを売ってやろうってんだ! ありがたく買いやがれー!」
(なるほど……あの大荷物は露天商の商品だったのね。
…………
見たところ怪しいそぶりはないわね。額に汗して働く、まじめな勤労少女だわ。
……気に入らんな。
相手がどんな奴かも分からんのに、うかつに声をかけるとは……
って、そこ!? ただの客寄せでしょーが!
あの客が危ない奴だったらどうする?
心配しすぎよ!
アンタね。父親のいらぬお節介は、娘に嫌われる王道パターンよ!
何の話だ? 今は危機管理能力の話をしている。
(本当にそれだけかしら……?)
「よーし、今日は完売御礼だ! またよろしくな!」
あっという間に全部、売っちゃったわ。
強引に売りつけただけだ。
店じまいね。これからどうするのかしら?
家に帰る……わけじゃないみたい。
――あ、走り出したわ!
……尾行に気づいたか。
追うぞ! 見失うな!
あ、ちょっと待ちなさいよ~!
思い出4
待て、セーラ!
わっ、ウェルナーか! 脅かすな!
キャトラたちも! おまえら何やってんだ?
こっちのセリフよ! アンタこそ何やってんの?
あたしは……街をぶらぶらしてるだけだろ!
ウソおっしゃいな! 露天商やってたでしょ? アタシたち見てたんだから!
何の話かわかんねーな。あー、それより腹減った!
ウェルナー。帰って、メシ食おーぜ。何か食べたいものあるか?
お前、二号だな?
ぎくっ!
な、なに言ってんだ、バカヤロー!そ、それが親分に対する態度か、このヤロー!
バレバレだ。諦めろ。
うう……恥を忍んで、マスターの口調を完コピしたのに、やはりウェルナーさんは編せませんでしたか……
大方、時間を稼ぐように命令されたんたろう。セーラは何を企んでいる?
私が口を割るとでも? かりにも誇り高き戦闘用の人工精霊ですよ。マスターを裏切るなどあり得ません。
例えマスターが……人の話を聞かないちびっこでも、勢いだけの雑な性格でも、呪文を覚えない怠け者でも……
喋ります。洗いざらい。
薄っぺらい忠誠心ね!
ここだけの話ですよ。実はマスターはですね……
ん? あれ……?
え、消えちゃったわよ!?
セーラのしわざだ。口封じで消されたんだろう。
まさかセーラの罠に引っかかるとは……
知らぬ間に大きくなっていたんたな……
アンタ、完全に父親の顔になってんじゃないの!
あの……ウェルナーさん。一度、家に戻りませんか?
戻ってどうする?
セーラちゃんの帰りを待つんです。やっぱりきちんと話をするべきです。
…………
思い出5
<ウェルナーたちが帰路につくと――>
「とりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
ん……この声は?
「くらえ、あたしの超古代空手!
とりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!」
大変、魔物に襲われてるわ!
第拾参術式装填――
――術式展開――
――変身――
主人公、私たちも!
***
ふう、あらかた片付いたみたいね。
おい、ウェルナー! また<禁忌>を使ったな! もう使うなって言ってんだろ!
お前を守るためだ。
あの<禁忌>を使われるくらいなら守ってもらわなくてもいい……
…………
聞いてんのか!?
それより……お前は何をしている?
俺に黙って露天商をしているのは何のためだ?
……別に……何だっていいだろ。
俺には……言えないことか?
そんなんじゃない……ただ、買いたいモノがあったんだ。
欲しい物があるなら言え、俺が買いに行く。
おまえに渡すプレゼントを、おまえに買わせられっか! バカヤロー!
……なに?
<セーラは包装されたプレゼントの小箱を差し出す。>
今回、あたしのために、苦労したみたいだからな……嫌な博士の命令きいて……
……知っていたのか。
だから、そのお礼だ。受け取れ。
良かったじゃない、ウェルナー。受け取ってあげなさいな。
……ふざけるな。
そんなくだらないことのために一人で外に出たのか?
ソウル増加薬が切れたらどうする? 街の医者じゃお前は治せないんだぞ!
…………
二度とするな……
ぎにゃー! 何なのアイツ。ほかに言うべきことがあるでしょーが!
気にすんな。ウェルナーはああいうヤツだ。
うんにゃ! それを認めちゃったらダメよ! ヒトとして間違ってるわ!
キャトラ、少し落ち着いて。
落ち着いてらんないわ! キャトラさんはご立腹よ!
思い出6 (友情覚醒)
ファビオラ……
<ウェルナーがファビオラの墓石につぶやく。>
今の俺を見たらどうする? また、困ったように笑うか……?
……笑うだろうな……
――
(これは……?
今や薄れつつあるファビオラとの思い出……)
***
「あなたへの贈り物よ、ウェルナー。」
「……どうして、俺なんかに?」
「あら。好きな人ヘプレゼントを贈るのに理由なんかいるのかしら?」
「でも……俺は、貰っても……何を返したらいいのか……わからない。」
「ふふ。相変わらすね。いいわ、教えてあげる。まず『ありがとう』って言うのよ。そして、それから……
あなたの今の気持ちを聞かせてちょうだい。」
***
…………
おーい、ウェルナー。
やっぱりここにいやがった。
……何しにきた?
そろそろ腹をすかせるころだと思ってさ。あたしも腹減ったし、帰ろーぜ。
主人公、またあの光か。お節介な奴だ。
だが、おかげて忘れていたことを思い出した。
おい、セーラ。
ん~?
さっきは悪かった。そのプレゼントとやら、受け取ってもいいか?
――ったり前だろ。おまえのために買ってやったんだからな。
ありがとう……感謝する。
気にすんなって。
それと、そうだな……今の俺の、気持ちとしてはだな……
素直に……うれしいよ。
ウェルナー、おまえ、今、なんて……?
二度は言わん。
ちょっと待て。なんて言ったんだよ?
帰るぞ。
聞~か~せ~ろ~よ~!
あの二人、なんだかんだで、仲がいいのね。
ふふふ。本当の親子みたい。
<花園>の猟犬 ウェルナー・バストリーニ
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