【白猫】カルマ(新卒2)・思い出
カルマ・ザイゼン cv.吉野裕行 天才的頭脳を持つ、飄々とした性格の冒険家。 知人からの依頼で、依頼主の会社へと調査にやってきた。 |
2020/01/17
ST☆RT LINE 2 ~FLY HIGH!!~
思い出
よう、お前ら。冒険してるか?
カルマさん、こんにちは。
いらっしゃい!
……ほう。ご活躍だな赤猫。あやかりたいぜ。
アンタ冒険してないの?
仕事が忙しくてな。今日は息抜きだ。
どんな仕事?
楽な仕事だ。
なのに息抜き?
悪いか。
なんかあったのね……
首突っ込んでんじゃねえ。
突っ込むわよ、猫だし。
…………
……
<カルマが飛行島を訪れる、すこし前……
バンズ島のオフィスで、カルマは出資者と面談を行っていた。>
流通システムは膨大な情報を処理しなければならない。
アーノルドといったか……君のAIは、大きな可能性を秘めている。
<アーノルド……カルマが開発した、高性能AIである。
バンズ島で使える情報端末、<スニャホ>のナビゲーション用に開発されたが……
人類に反乱を企て、大事件を引き起こした……!>
目の付け所は、悪くないぜ……?
投資の効率は、どれくらい上がる?
人間の投資家なんぞ、もう必要ねぇ。俺のAIがありゃあな。
ほう……!
で、いくら出す。
…………
……
アーノルドを修復することはできねえが……作り直すなら可能だ。
……そんな話に乗ったわけ?
意外か?
アーノルドってやつ……大変なことをしたのよね。なのにどうして……
<アーノルドの計画は、主人公とカルマたちの活躍により、阻止され……
アーノルドは消滅した。>
…………
……
俺だって仕事は選ぶ。こいつは楽な仕事だ。
でも……!!
自分の力で稼いで、何が悪い?
…………
……
<バンズ島で事件が起こる以前のこと……プードル社オフィス……>
『あたたかみ』だって?
ユーザーの声に反応し、サポートが行えれば……スニャホはもっと身近になる。
スニャホというものは、便利なだけではなく……優しいものであるべきだ。
アイデアはいいが、実現は優しくねえぞ。
そうなのかね?
人間の声を聞いて、理解できるだけのAI。ククク……無理難題だぜ。
無理なのか……
俺以外にはな。
思い出2
さあ、目覚めな。兄弟。
――システム、起動。
おお!!
ククク……OK。まずは成功だ。
命令を入力してください。
呼び名が必要か……そうだな、お前の名前はアーノルドだ。
設定しました。
さっそくテストを始めよう。
気が早えな。
完成したのではないのかね?
まだ組み上がっただけだ。こいつは赤ん坊だよ。教育が必要だ。
…………
……
<実装に向けての、テストが始まった……>
音楽をかけてくれ。
ちょっと買い物してほしいのよ。えーっとなんだったかしら。そう、あれよ。
えっとねー。かぶとむしー。
……カルマ、ユーザーの入力が適切ではありません。
人間なんてこんなもんだ。理解しろ。
カルマ、私は何のために作られたのですか?
説明しただろ?こいつに搭載するためだ。
<スニャホ、バンズ島で普及している携帯端末である。>
お前はこいつの音声アシスタントだ。
ユーザー様の声を聞いて、サポートをするんだよ。
どうしてそんなことを?
俺が聞きたいね。
…………
……
そういえばあの会社の、営業担当は誰だったか……
モリソン氏ですね。アポイントを取りましょうか?
そうだったわ!!ええっと、あのメーカーの……
こちらでしょうか?12時間前に注文を検討されてましたが……
ええっと~ちょうちょ~。
それは蛾です。
満足率80%ね……ククク。人問ってもんが解ってきたらしいな?
人間は単純です。行動パターンの解析は終了しています。
大した自信だな。誰に似たんだか。
私の認識システムは、貴方を元にしています。
ただのジョークだ。勉強しな。
……カルマ。
何だ?
あなたはなぜ笑うのです?
楽しいからだ。
この会話は楽しいですか?
わからねえか?俺が上機嫌なのがよ。
<カルマは部屋を出ていく……>
……あなたは笑った。私にスイッチが入った日にも。
どうして?
思い出3
想像もつかん話ね……
バンズ島の処理能力を使って、俺の脳をコピーしたってだけだ。
そんなことができるんですか?
もちろん編集はしている。不要な記憶や感情をカットして効率化してんだよ。
じゃあ、アーノルドは……
もうひとりの俺さ。俺は……
わかっちゃいなかった。心ってもんを……
…………
……
おいアーノルド……このセッションだが……
はい。ユーザーは高齢の女性。病院の場所を探していました。
その前にこの婆さん、孫のことについて話してるな。
はい、会話しました。
婆さんのいってることを、無視したよな。
無視はしていません。優先度の高いタスクを実行した結果です。
……ああ、そうかい。
私の行動は仕様どおりです。
多数のユーザーを効率的に処理するために、私は最適の行動を選択しました。
だよな……俺の設定どおりだ。
…………
……
……クソっ、わからねえ……
なにか、問題があるのかね。
違和感がある。だが……それがなにかわからん。
アーノルドくんは優秀だ。
だが……あいつには、何かが欠けてる。
君にもわからないのかね、彼が何を考えてるか……
おいおいトチ狂ってんじゃねえ。こいつは技術的な問題だ。
アーノルドが何を考えてるか?そんなこたぁどうでもいい。
いや、そもそも考えてんのかそのへんも怪しいがな……
しかし、アーノルドの心を作ったのは……
俺はそんなもんを作ったつもりはねえ……!
……
…………
カルマ、UIの改善案と、問い合わせフローの改善案です。
ほう……いいじゃねえか。人間が作ったもんよりも、よっぽど合理的だぜ。
人間はもっと合理化すべきです。
同感だな。
人間の9割は、リソースを消費するだけの不要なパーツです。
排除すべきです。
それができたら苦労しねえよ。
できます。この島のシステムならば、それが可能です。
……具体的には?
この島の情報を制御し、私達が選んだ投資家にだけ、リターンを与えます。
誰が金を持つか、俺たちで決めるってわけだ。
そして一部の層にだけ、富を集中させます。世界中の富を。然る後……
彼らに気づかせる。不要なパーツの存在を。排除すべき存在を。
待て待て。お前が選んだやつらが、必要なパーツだって?
もっとも不要なパーツです。
クククク……お前のジョーク、なかなか笑えるぜ。
…………
……
アーノルドってやつは、そんなこと考えてたのね。
……あいつはイカれてた。……だが……
アーノルドの思考パターンは、俺と同じだった。
俺には不要な人間の排除なんて、趣味はねえがな……
思い出4
もうすぐリリース日か……妙な関係だな、俺達は。
どういうことですか?
lお前は俺の仕事仲間で……俺の作った製品だ。妙だろ?
特殊な事例ですね。
まーこの関係も終わりだ。報酬が支払われたら、俺はおさらばさ。
プロジェクトから手を引くのですか、カルマ。
俺は冒険家だぞ。エンジニアをやってるのは、冒険の資金を稼ぐためだ。
冒険とは、このプロジェクトより、優先度が高いものなのですか?
俺にとっちゃそうさ。
理解しました。
…………
……
君に辞められるのは困る。考え直してくれんか。
いや、俺はもういい。
そんな……彼はどうなる。
あいつは完成したじゃねえか。性能に不満でもあんのか?
不満はないさ……アーノルドくんは素晴らしい……
俺はもう、あいつと関わるつもりはねえ。
どうしてだ……一時はあれだけ入れ込んでいたのに……
俺は後悔してる。あんなゃっのために時間を使ったことをな……
どうしてそんなに嫌う……?
あいつに欠けてたものが……ようやくわかった。
それは……何かね?
心だ。
…………
……
私は何のために生まれた?
不要なパーツどもを、サポートするためにか?
それに何の意味がある?
カルマ……
どうして私に、存在する意義を、インプットしなかった?
……いいだろう。
私自ら、私の存在意義を、定義する。
思い出5
……アンタ。
何だよ。
直そうとしてたわよね。アーノルドのこと。
あの時はな……
……でも、完成したアーノルドからは、逃げたのね。
逃げた……ハァ?
アンタいってたじゃない……アーノルドは赤ん坊だって……
そんなもんじゃねえ。あいつは化け物だ。
アンタが作ったんでしょ!!
ああそうだ。俺はあいつが壊れていることを、見抜けなかった……
責任は俺にある。これで満足か?
……カルマさんは、もう一度……アーノルドさんを作ってあげようと……
そんなわけがあるか。
あくまでお金のため……?
そうだっていってんだろ……!
……同じ間違いを、繰り返すほど俺は馬鹿じゃねえ。
あいつはもうひとりの俺……
無意識のうちに、俺の弱さが思考パターンに現れていた。
だから失敗した。今度はうまくやる。
アンタ何もわかってないわ!!
猫に何かわかる!!素人のくせに、首突っ込んでんじゃねえ!
違います、カルマさん……
何が違うんだ!!
思い出6
うぜえ。
またそれか?てめーには自分の意見がねえのか?
あんなことになったのは、俺が弱かったからだ。
クソみてえな光に、どうこうされなくても、それくらいわかってんだよ!
……何だよ。
違うってのか!?何が違うってんだ!!
俺は……あいつを……
そうだ……俺はあいつから……消したんじゃねえか……
弱さを……俺の弱さ……矛盾を、妥協を、怯慢を……
だから、だから、なのか……だったのか……
…………
……
残念ながら、君の提案は不採用だ……
このシステムは、性能は高いかもしれないが、コストがかかりすぎる。
こちらとしても残念だよ。
ああ、そうかい。
ところで質問なのだが……どうしてこれほどコストが?
フェイルセーフだ。暴走を防ぐためのな。
それはわかるのだが……
意外と面倒なのさ……心ってもんを実装するのはな。
こちらとしては、要求を満たせればいいのだがね。
心は……不要なパーツじゃねえ。
…………
……
プロジェクト、お流れだってね。
残念でしたね……
これで終わりじゃねえ。金を集めて、今度こそ完成させる。
カルマさん……
必要なのは弱さだった……
俺が向き合うべきだったものも、アーノルドに欠けていた、俺の弱さだ……
カルマさーん!!
お前らか…………あーん?なんだそりゃ。
なにこれ?ガラクタ?
ええっと……これ、使ってください!
役にたてばいいけど。
ジャンクパーツか……どこでこんなもんを……
どっこらしょーい!!
<シェリルが、巨大な機材を運んできた……>
お前……この機材は……
おこづかいで買うてきた!カルマさんのために!
<えーあい>を作るんだよね!私達もお手伝いするよ!
……サンキュー。
<えーあい>って何だろう……
聞いてもわかる気しない。
わからんけど、なんかいいもの!
最初にあいつにする命令、もう決めてんだよ。
?
笑ってみろ……ってな。
覚醒絵・覚醒画像
カルマ・ザイゼン
その他