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【白猫】バトルアイランド Story4

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


目次


Story1

Story2

Story3

Story4

Story5

Story6

Story7

Story8

Story9

Story0



登場人物




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story



ふざけんな!!約束が違うだろうがよお!!レイガアア!!

約束を違えたのはお前だ、ライネル。

ちくしょう!こんなところで俺様は、くたばるわけにはいかねえんだよ!

他人の命は消えてもいいが、自分は死にたくないのか?

あの子の痛みを知るがいい。

ここで散れ、ライネル。

よせ、よせ!やめろ!やめろおおおお!!!

どういうつもりだ、ヨナ?

兄さん、お願い。やめて。

ヨナ!よく来た!流石は俺様の娘だ!やれ!レイガをぶっ殺せ!!

テメエは黙ってろ。

……へ?ぐあ!!

邪魔は入らないようにしといたげる。

ありがとう、シャルロット。

……そこをどけ、ヨナ。

嫌だ。絶対にどかないから。

そいつは始末しなくてはならない。どうしてお前がそいつを庇う。

兄さんこそ、どうしてこんなことするの?

こいつは確かにクズだけど、命を奪っていい理由にはならないよ。

お前は何も知らないからだ。

なら教えてよ!兄さんがそこまでする理由を!

退かないというのなら、無理矢理退かせてやる。

させない。そしたら兄さんは、ライネルを殺すんでしょ!?

……くっ!

お前に俺を止められるか?

俺の背中に隠れていたお前に!?

……止めるよ。

……なに?

止める。私は兄さんに、親殺しなんかさせない。

ライネルの為じゃないよ。兄さんのために、私は兄さんを、止めてみせる。

おー、戦ってるじゃねえか。

シャルちゃん!会えてよかった!あ、おんぶしてくれてありがと!

次はないぞ。まったく……

……お前の仲間か?

さぁ。でも兄さんを止めるためなら、頭でも何でも下げて、この人たちに手伝ってもらおうかな。

ーまとめて相手をするだけだ。

ー気のせいか?この俺を有象無象とー緒くたにしたように聞こえたが。

……速いな。

言葉には気をつけろ。命取りになるぞ。

言葉に気をつけるといい。敗北が惨めになるだけだ。

……居合だと!?

(……なんという圧だ。踏み込めんー!)

おい、いつまでも上からもの言ってんじゃねー!

よせ!!アイツの間合いに踏み込むな!!

あぶねえな……!ったく、気をつけろ。

……ッ!レイガがいない!

上だ!!

ハァッ!!

ぐっ……!

ヨナ。諦めろ。お前に俺は倒せない。

それとも止められると、本気で思っているのか?

思わなかった。ーさっきまではね。

……でも、やってみるって、決めたから。

ー変わったな、ヨナ。

……え?

その意思を忘れるな。お前はもう、大丈夫だ。

<レイガが走り出し、空中へと身を投げる!>

兄さん、待って!兄さん!!

今のは、どういう意味……?



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story



……さて、出てきたらどうだ。

なんだおめえ。オレがいんのわかってたのかー。

くくく。つーか、ダメダメじゃねーか。

おめえの目的は、この大会で優勝することだろ。

いいのかあ?仲間にしてやんねえぞ?

構わない。お前の仲間になるなど、考えるだけで反吐が出る。……ぐっ。

んなこと言っていーのかよ。できなきゃヨナをもらっちまうぞ。

ライネルを使い捨てにしちまったんだ。謝るだけじゃ、すまねえからな!わはははは!!

それにおめえ、オレに<狂化>されちまったんだ。

オレの仲間になんなきゃ、死ぬぞ。

……百も承知だ。それでいい。

そもそも……このゲームにヨナが参加するよう、焚き付けたのは俺だ。

……なに?

俺がいなくなってもいいようにヨナに成長してもらうためだ。

ああん?

待っていたんだ。ヨナに絡みつく首輪が外れ、俺の前に、お前が姿を表す機会を。

お前の術を大人しくくらったのは、油断させるためだ。

ここなら、邪魔は入らない。

なんだよ。まるで俺がいなくなりや、どうにかなるみてーな言い草じゃねえか?

そう言ったつもりだが?

……くく、くくく。

わははははははは!!

かっー!これだから、たまんねえよなあ!!いやあ、わくわくすんぜ……

強え奴を喰っちまうのは、楽しいもんなぁ!!

いいぜ。おめえ、ぶっ殺してやるよ。

嬉しいぜ、やりたかったんだ。おめえは仲間にするよりもよ、遊びたかったからよぉ!

俺はお前の顔など、これで見納めにしたいよ。

ギタギタにしてやるよ、レイガ。

……ここで散れ、ギーガー。


……

…………


なるほどな。どのみちライネルは更生してなかったってことか。

そゆこと。

う、うう……

あとでちゃんと話を聞かねえとな。

どうすんの?

とりあえずオレが担いでくぜ。そいつの兄貴を止める餌になるだろ?

手伝ってくれるの?

ライネルの息子ってんなら、オレの同胞だ。力なら貸すぜ。

……ありがとう。

俺も行く。

へぇ、どういう風の吹き回しだよ。

貴様と決着をつけねばならないというのもあるが、あの男に訊められたままなのは気に食わん。

それだけだ。ゆえに勘違いするな。俺は貴様らを助けない。貴様らも俺に構うな。

オレはもちろん行くぜ!ここにひとりでいるよりマシだからよ!

<ヨナが己が手にする剣を、見つめるー>

ー兄さんがくれた剣なんだ。

へえ、すげー使い込んであんのな。

兄さんはいつも二本の剣を持ち歩いてたよ。

昔は、私が剣の扱い方がヘタクソだったからさ。剣が折れた時にって。

いつも自分でどうにかしろって言ってるくせに、ね。笑っちゃうよ。

……ヨナ、剣にヒビが。

わかってる。オンボロだったから、仕方ない。

ー大丈夫。先に進むよ。

ねぇ、シャルロット。

ん?なに?今更だけど、私に付き合う必要はー

あたし、中途半端とか好きじゃないんだよね。

とりあえず乗りかかった船ってことで、よろしく。

…………

……うん。行こう。



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なんとか抜けたな。つーか、ゴールもだいぶ近いだろ。

参加者、オレたちしか残ってねえんじゃねえのか?

かもね。他の奴らの気配しないし。

ここを進めば、最終地点のコロシアム……

逃げ場のない限られたエリア。ここで仕掛けてこないなら、兄さんは必ずそこにいる。

わりーな。おめえの兄ちゃんなら、殺したぜ。

お前はー

ほらよ。

<ヨナの目の前に、見覚えのある剣が突き刺さった>

……これは。

戦場じゃ、命より大事なんだろ?手放すわけねえよなぁ!そんなもん!

……うそ。ウソだ。ウソだウソだ!!ウソだ!!

ホントだよ。いやぁ、強かったぜ。わははははは!!!

お前……!殺す!!殺してやる!!

……そうだ、来いよ。

落ち着け、ヨナ。あいつの言葉に、飲まれんな。

……シャルロット。

話が見えねえんだけど、誰、あんた。

オレはギーガー、よろしくな!というか、余計なことすんな、おめえ。

テメーが誰かって聞いてんだ。聞こえねえのか?

俺はよぉ、この世界をぶっ潰せる、あの方に仕えてたんだ。

けどなぁ、わかってくれねえのさ。ただ強くなりゃいいってことが。

邪魔なもんは力でねじ伏せんのがー番楽しいのになあ!!おめえらもそう思うだろ?

くだらん。強さを求める者が貴様とー緒にされるのは、虫酸が走る。

おっと。

ぐあっ!!

ちゃんと壊してやるから、ちっとぐらい待てって。

ーこのゲームはオレがライネルにやらせててよー。

金さえ与えとくと、強え獲物を俺に提供してくれる、いいシステムだ

金さえ与えとくと、強え獲物を俺に提供してくれる、いいシステムだったんだよなあ。

兄さんがこのゲームに参加したのは、お前を止めるためか……

ちがうって。おめえだよ、ヨナ。

……え?

レイガはおめえを守ろうとしてたんだよ!わはははは!!!

水闇の牙ぁ?ちげえよ!

おめえは<人造種>。オレと同族だ。混ぜられて創造された、戦う為だけの存在だよ!

戦うための存在?笑わせるな。

修羅を語るなら、貴様も実力で語れ!!

んだよ。邪魔すんのかぁ?

ああ、そうさせてもらうぜ。

先に言っておく。連携などしない。

それでいい。派手に暴れようぜ。

んだよ。盛り上がりやかって、めんどくせーな。

オレの邪魔、すんじゃねーよ!



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わははは!!やるなぁ、おめえら!

なんだよ。口の割に、防戦ー方じゃねえか。

口ほどにもないな。あきらめたら?おっさん。

いや、ちげえよ。おめえらが強えからよ。

ちっとばかし、本気を出してやろーと思ってな!!

はぁあああ!!


なんだ、こいつは?寒い……ってレベルじゃねえな。

体が……動かん!

くっそ、ざけんな……!

寒いんじゃねえ。寒さの先にあんのは、停止だ。

回りにあるソウルのエネルギーをよお、停めちまうのさ!

そしたらほら!雑魚はゴミクズみてーにますます弱くなっちまう!

こんな風になぁ!!

ぐあああ!!

ーくっ!みんな!

ヨナァ!こいつが本来のオレたちの力だ!!

おめえはこっち側の化け物さ。

力の使い方、教えてやるよ!そんでー緒に、全部ぶっ壊そうぜ!

……ざけんな。そんなことさせるかよ。さっきから意味不明なことばっかり言いやがってー!

そんなもん、あたしが許さねえ!!

いやー、そーゆーのいらねーよ。

ぐ、がああああああ!!!

シャルロット!!

ぐ、うう、ああああああ!!

シャルロット!しっかりして!!

こいつはあの方から授かった力だ。闘争本能を暴走させんだよ。

フツーの奴は耐えられねえ!理性がぶっ壊れて、暴れに暴れて、狂って死ぬんだぜ!

おめえ、光焔の御子だろ?<力>を司る焔の瞳が暴走したら、どうなんだろうなあ!!

あ!レイガの野郎は、絶叫して死んだなぁ!そういや!

貴様ァアアアア!!

そうだヨナ!その調子だぞ!

動けるのはおめえだけだ!!はやくしねえと、みんな死んじまうぞ!!

黙れ!!許さない!!お前は、絶対に!!

わははは!!その意気だ!!まぁ、おめえはなんにもできねえんだけどなあ!!

黙れ!!ハアッ!!!

……っ!そんな……私の、剣が……

わはははは!!終わりじゃねえか、ヨナァ!

終わりじゃ、ない!

……あ?

私は、知ってる。終わりかどうか決めるのは、私自身だってー

<折れた剣を構え、ヨナは立ち上がるー>

私は絶対に、あきらめない!


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story



はぁ……ヨナよぉ。そんな中途半端なことしちやダメだろ……

力を引き出したきゃよー、殺意に身をゆだねろって。怒りとか憎しみに、飲まれんのさ。じゃねえとー

う、うう……ああ……

<ヨナの頭をわしづかみにしたギーガーが、満面の笑みを浮かべていたー>

おめえ、なんもできねえぞ?わはははははは!!!

うぐっ……

ま、いいや。

そこで見てろって。で、ぶち切れて、怒りで理性をぶっ壊せ。

や、やめ……ろ……

特別だぞヨナ!おめえを無理に暴走させねえのは、使い捨てじゃねえからだ!

ほら!御子さん見ろよ!もうすぐだぜ!わくわくすんなぁ!!

ぐ、うあああああああ!!

……く、そ……

体が、動かない……

力、が……

わははは!光焔の御子さまがよー、仲間を皆殺しにするとこ、見られっぞ!

そん、な……シャル、ロット――

ぐ、ああああああ!!

おーし!楽しい余興の始まりだな!

ざ、さけ、んなあああ!!!

あん?

力なんかに――!!あたしは――!!

飲まれるかああああ!!

……おいおい、なんだそりゃ?

確かに昔のあたしなら、力に飲まれて、終わりだったろうな。

けどな、あたしは知ってるんだよ。力に溺れた奴の末路をな……

今さら、負けるか。

…………

光だ、焔だ、ごちゃごちゃうるせえ……!

あたしは、<光焔の御子>だ!!


光の瞳と焔の瞳が、均衡を保ってやがるぜ……

おめえよぉ、なんでコントロールしてんだよ……

台無しじゃねえか!仲間をぶっ殺せよ!おめえは!

黙ってろ、ゴミクズ野郎。

あー違うか?こう言われるほうが嫌か、テメエ。

――ザコ野郎。

殺すぞおめえ。

もうー回言ってやるよ、ザコ野郎。

笑えねえ冗談だなぁ!!死ねよおめえ!!

……ぐっ!こいつを殺せ!!

テメエが死ね。





はああああ!!

なんだおめえ!急によお!

ハァハァ――!テメエこそ、口の割に自分で戦わねえのか!?

わははは!ならオレに戦わせてみろよ!

ぶっ潰す!全部潰して、テメエを斬る!

すげえ!押してるぜ!シャルちゃんの勝ちだ!

……いや。わからねえぜ。

魔物の数が多過ぎる。このままじゃジリ貧だ。

ミコサマは使ってる力の消耗も激しいはず――このままじゃ、やばいぜ。

くそっ!俺たちが、せめて動ければ――!

だい、じょう、……あたしが、ぶ……やる。

オマエ、大丈夫か?

ハァハァ……!はああああ!!

……シャルロットが、教えてくれたから。

今度は私が……

ふん、貴様に何ができる。もはや戦う武器もないだろう。

武器なら、ある。

<ヨナは地面に突き刺さる一振りの剣を引き抜いた!>

そいつは、ヨナちゃんの、兄ちゃんの……

だが、どうする気だ?貴様の力では届かないだろう。

……あなたは、動けすらしないでしょ。

……すぅ、ふぅ――

怒り?憎しみ?そんなもので剣を振るなんて、どうかしてた。

兄さんなら、そんなことしない。

……兄さんなら。――ううん、私は……

私が、守らなきゃいけないもののために。――私の意思で、剣を、振る。

――負けない。

――ハァアアア!!!

わはは!!オレの技を、相殺しやがったな!こりゃやべえぞ!!

遅えぞ、ヨナ。あたしひとりで倒しちまうところだっただろ。

無理でしょ、ひとりじゃ。

はあ?ピーピー泣いてるのを助けてやったってのに……生意気だなあ。

はぁ?私、泣いた覚えなんかないけど。

忘れんなよ。オレたちも動けるぜ。

覚悟しろ、貴様は終わりだ。

こんなひどいこと、しやかって……あんたはやっちゃならないことをした……絶対に、許さないぜ!

あんたはコイツらが、ぶっ潰す!

なんだよ、動けるよーになったら、強気かあ……?

ちっくしょー!わくわくすんなあ!!おめえら全員ぶっ殺したら、気持ちいいだろうなあ!!

燃えてきたぜえええ!!!!

オレの力を、舐めるなよぉおおおお!

舐めてるのは――




……へっ。おめえらなんかにヤられちまうとは、オレもしょうもねえなぁ。

オマエ、最後まで自分で手を出そうとしなかったな。

ヘヘ……出そうと思ったんだけどなあ……レイガと戦うのによお……力使い切っちまったんだよ。

余力もなく向かってきたのか?計算もできないとはな……

計算だぁ?何バカなこと言ってんだよ。そのほうが、おもしれえじゃねえか……

絶対勝てる勝負なんか、つまらねえ。そんなもんじや、自分の限界が、わかんねえだろ?

貴様に共感できることなど、何ーつないが――

認めよう。貴様は、強かった。

いいや、オレはもっと強くなるぜ。楽しみだなぁ……そう思わねえか、ヨナ?

馬鹿なことを……思うわけないでしょ。

へっ……いいさ。すぐにわかるぜ。おめえは……オレと同じだ。

戦いの昧を覚えたらもどれねえよ……もう、永遠にな……

…………

ゴホゴホッ――最後にいいこと、教えてやるよ。

レイガは生きてるぜ。

あいつ思ったより強くてよお。ぶっ殺すためには、先におめえを仲間にしようと思ったんだが、へへっ、全部失敗しちまったぜ。

なんで、私に教えるの?

決まってんだろ?レイガは手遅れだ。暴走寸前だぜ。

どんなにタフだろうが、破壊衝動から逃れる術はねえ。もうあいつは、死ぬまで、暴れ続けるだけさ。

楽にしてやるには、殺してやるしかねえよ!!わはははは!!!

……お前ッ!!

その顔だ。そうだ、ヨナ。もっと怒れ!憎め!!そうやって力を使いこなすんだぜ!

わははははは!!!


……えっと、これで倒せた感じなのかい、これで?

わからねえが、気配は完全に消えたな。

まあ、まだやることは残ってるみたいだが……

まだこんなに!?マジで!?

行きな。兄貴を止めてこい。

……オウガ。

なーにかっこつけてんだか……あんたも休んでろし。

あん?オメーはー緒に行ってやれよ。

ムリすんなって言ってんの。ライネルを庇いながら戦ってたじゃん。限界でしょ?見りゃわかるっての。

いや、行け。ここは俺がやる。

ハアッ!

テメー、まだ力を隠してたのか。

貴様と戦うための力を、温存していたまでだ。全力ならばこの程度の群れ、俺ひとりで十分。

この程度の群れって……こりゃ大群だぜ!?

……いいのか、アレン?

ずっと考えていた。なぜ、貴様が強いのか。

この修羅場を生き抜き、力を出し尽くした上で貴様と決着をつける。

その時、俺は自分が強いと、確信できる気がするだけだ。

勘違いするな。貴様たちに手を賃すつもりはない!限界を越えねば果たせない状況、楽しくて仕方がないだけだ!

(こええええ……!全然わからねえ……!)

――ヨナ、と言ったか?

さっさと失せろ。俺の気が変わらんうちにな。

……ありがとう。

行け!



誰もいねえな。

破壊衝動に苦しんでるなら、……兄さんならきっと、余計な被害を出さないようにする。

きっとゲームの最終地点にいる。

コロシアムか。

……ねえ、シャルロット。

うん?なんだよ。

あなたは戦うとき、戦う相手に名を名乗る?

いや、別に。その前に斬るわ。

だと思った。私もだけどね。

……戦いは殺し合いじゃない。絶対に退かない覚悟を持ち、対峙する。

相手への敬意を表すために、名乗り上げる。

兄さんはそう言ってた。だから兄さんは、敬意を持つ相手にいっつも名乗り上げてた。

……覚悟と敬意、ねぇ。

それが兄さんの、自分に定めたルール。

ねぇ、シャルロット。やっぱり私は知りたいんだ。

ここまでする義理なんかない。あなたはどうして、私を助けてくれるの?

そこにはなにか、あなたのルールがあるの?

んー、ホントに理由なんかねーんだけど。強いて言えばなぁ――

光焔の御子つつーのに選ばれて、わけわかんない間にあたしは色々背負わされた。

それが嫌だったから、あたしはあたしのしたいよーに生きるって決めたワケ。そんだけ。

そんだけって……

でも、そんだけの中には自由に生きる責任も、全部自分で背負うって織り込み済みなんだよな。

……御子としての、あたしも含めてな。

たとえばさ、目の前でガキが魔物に襲われてたら、あんたはどうすんのよ。

……そりゃ、助けるでしょ。

でしょ。そういうこと。当たり前のことを当たり前にやる。そんだけ。

あたしはそこで、誰かが助けてくれるだろって見て見ぬふりするやつに、なりたくないわけよ。

だって、ダセーもん。それ。

…………

(人を魔物の群れに突き飛ばしたくせに……でもいいこと言ってる気がするから、黙っておこう。)



ハァハァ……うぐっ――!

ぐああああ!!!

……ぐっ、うううう――!!

うああああ!!

俺が俺であるウチに――!

……誰にも、手は出させない。

あの子は、いい子なんだ……ライネルにも、ギーガーにも、好きには、させん。

ヨナを、脅かす者は、俺が許さない――!

ぐ、うああああああ!!!

たとえそれが、俺自身であったとしても――



ここが、最後まで残った参加者がたどり着く場所。

――コロシアム。

じゃあ、あそこにいるのが――

……兄さん。

…………

気をつけろ、ヨナ。

――わかってる。


来たか、ヨナ。

……ごめんね、兄さん。私が弱かったから、全部兄さんに背負わせたんだね。

背負う?

――くっ!

お前が背負うものはない。甘さは、死を招く。

死なないよ。

兄さんの剣は、こんなものじゃないから。

俺は、長くは保たん……今も、理性を保つのが……俺を、殺せ、ヨナ……!

できなければ――俺が、お前を……ぐ、ううう……

殺せ……!ヨナ!

……殺さない。絶対に――!

兄さん。私、もう大丈夫だから。

ライネルの言うことにもちゃんと逆らえる。

もう兄さんの背中にばかり、隠れたりしない。

本当にできるか!?弱いお前に!

――できないかどうか、決めるのは兄さんじゃない。

私が、自分で決めるよ。

あたしもやらせてもらうぜ。

お前は――わざわざ殺されに来たのか?

ちげえよ。……テメエをぶん殴るのを、手伝ってやろーと思っただけだ。

いくぜ、レイガ――


わたくしは光焔の御子、シャルロット・フェリエ!いざ尋常に、参ります!

――名乗らないんじゃなかったの?

さあな。あんたはどうする、ヨナ?

――言われなくたって。

……兄さん。

……すぅ……ふぅ……

私は――

私は、黒獅子の牙、氷闇のヨナ!

兄さんにまとわりつく狂気よ――

凍てつく闇へ、散りなさい!




はあああああ!!!

ふっ……

…………

……がはっ――

兄さん――!今、わざと――!!

……お前は、優しすぎる。

……なんで、どうしてっ……!

抑えるためには、すべて奪うしか、力をー度、ない……

兄さん、そんな、ごめんなさい。私――

なんで、謝る……?自分の行いを、信じるなら、謝るな。

……っ!

ありがとう。ヨナを、助けてくれて……

べつに。あたしは何もしてないよ。

…………

兄さん、ダメ。しっかりして!

……お前なら、もう、大丈夫だ。

俺がいなくても、ひとりで歩ける。

……兄さん。

許せ、ヨナ。うるさい兄貴から、最後の注文だ。

自由に生きろ。

……お前は、俺の……自慢の妹だ……

……うん。……うん、わかった。わかったから――

それなら……安心……だ……

<レイガが静かに、ゆっくりと、まぶたを閉じた>

兄さん……

…………

うわああああああ!!!



諦めるのはまだ早いぜ!

……え?

エディのおっさん、今はふざけるときじゃねえぞ。

違う違う!これだ!

<エディは杯を掲げてみせた!>

……それは?

聞いて驚け!番人の杯さ!

……なるほど、神泉の雫を飲ませる、ということか。

神泉の雫?あるの!?

同胞を死なせるわけにはいかねえ。急いで駆けつけてよかったぜ。

ふん。俺に急がせたのは、そういうことか。つくづく無茶を言う……

いや待て。杯の中身は空じゃないのか?

安心しなよ。俺は御者だった。ー度通った道は覚えてるぜ。

最短ルートで行って、速攻で取って戻ってくるぜ!

けど、おっさんの足じゃ――

だから、こいつがいるじゃねえか。なぁアレン。

おい聞いてないぞ。

同胞を助けるためだ。頼む。

まさか、貴様ら!また俺に、おぶれと――!

お願い、お願いします!兄さんを助けて!

うわ、これやったらヒーローじゃん。

ああ、まさに最強の男だな。

……最強。

これが、本当の強さってやつだ、アレン。

……くっ、テキトーなことをぬけぬけと――

お願いします――!

いくしかねえだろ最強の男!

よっ!あんたは最強だ!サ・イ・キョウ!はい!

サ・イ・キョウ!サ・イ・キョウ!サ・イ・キョウ!

……やめろ!!クソが!!

――乗れ!!エディッ!

がってん承知だぜ!

ハイヨー!風のように走れアレーンッッ!!!

黙れッ!痴れ者がッ!


戻ってきたぜ!

マジで速いな。

ぜぇぜぇ……二度と、ごめんだ……

ヨナちゃん、これを!

うん!

<ヨナは<>をレイガに飲ませる!>

……う……

兄さん!聞こえる!?兄さん!!

俺は生きている、のか?

当たり前でしょ。兄さんを止めるって、約束したじゃん。

……よかった、兄さん……!

へへっ、オレ、泣いちまいそうだよ!うう……

待て。ここまで俺にさせたんだ。ゲームはまだ終わっていない。決着をつけるぞ!貴様ら!

ハッ!そうだったな、上等だ!オメーと決着つけるって約束、果たさねーとな。

ちょい待ち。優勝賞金はあたしのもん。全員棄権しろ。どう考えても本日のMVPだろ。

ふふ、なにそれ。

……ヨナ、お前もリタイア、していないんじゃないか?

ん、まぁね。

せっかくだから、私も混ぜて。ゲームはゲーム。最後までやらせてよ。

ざっけんな!あんたは譲れヨナ!あたしに借りを返せ!

イ・ヤ。正々堂々、決着つけよ。

いいぜ、上等だ!

望むところだ、来い!

ついに、オレの実力を見せるときが来たぜ!ちょっと見てくれ!オレのカラコン光るんだぜ!

だあああ!!全員うるせえ!!

スローライフを、あたしによこせええ!!


<果たして決勝戦の行方は……>





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