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【白猫】バトルアイランド Story0

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作成者: にゃん
最終更新者: にゃん


開催日:2018/09/14



目次


Story1 バトルアイランド

Story2 傭兵の少女

Story3 集う参加者





story1 バトルアイランド


めんどくせー!!

びっくりした!急に大きな声ださないでよ!

どうしたんですか、シャルさん?

もうヤダ!絶対に働かない!あたしはリスに養ってもらう!

どうしたのよ。御子としてちょっとは頑張るんでしょ?

あたしだって頑張ってんのよ。御子として!マジで!

じゃあいいじゃない。

よくない!お金がすぐなくなる!ぜんぜん使ってないのに!

魔物討伐してもドラゴン倒しても、人助けしてもだよ?意味わかんなくない?

誰かあたしの金、盗んでんじゃないだろうな……

なによ、ブッソーなこと言って。アンタのことだからどうせ、浪費してるんでしょ。

なわけねーし。

四日にー回働いて。ビーフは一日一回でしょ。デザートも二回に抑えて……

そしたらなくなるのさ、お金が!

十分でしょ。満足しなさい。

そーじゃなくて、いくらゼータクしても、なくなんないくらいお金が欲しいって言ってんだけど。

そんなウマイ話あるわけないでしょ……

はっきし言って報酬が少なすぎる!こっちは命がけだっつーの!全然納得できない!

試しに、冒険家ギルドに掛け合ってみるとか……どうですか?

言った。今返事待ち。

アンタ、受付のおじさんとか脅してないでしょ一ね?

……するわけないじゃん。そこまでしないって。さすがに。

(今の間……大丈夫かな。)

てわけで、あたしは働かない。だって負けじゃん、働くの。だからあたしは搾取されねえ。

わたくし、報酬が五倍になるまで、働きません!

そゆことで、夕飯よろしくー。

よろしくじゃないわよ!ちょっとお待ち!

いーやーだ一!養ってー!働けないんだからー!


……たく、相変わらずはしゃいでるじゃねえか、ミコサマよお。

オウガさん、こんにちは。

おう、元気だったか。

今日はどうされたんですか?

いやよぉ、そいつに用があってな。

なに?今忙しいんだけど。

剣闘の島、コロッセオ。知ってるか?

知らない。それがなに?

同胞がよ、バトルロイヤルつつーのか?そういう興行をやってるみてーなんだわ。

同胞って、あんたが率いてる<荒野の民>?

そうだ。同胞つっても、ずいぶん前に集落を抜けてな。少し前までは、傭兵稼業だったみてーだがー

今は余計な血を流さねーで、戦いたい奴集めて、ドンパチやってるらしくてな……

ふーん、でもそれとあたし、なんの関係があんのさ?

今度一際でかい、大会を開くらしい。

それで強い奴を集めてーそうだ。元同胞のよしみだ。それでオメ――

イヤ。

まだなんも言ってねーだろう。

一緒に出ねえか?ってことでしょ。イヤに決まってんじゃん。

つかさ、あたしが出るとどうして思ったし?出るわけないっしょ。

まあ聞けって。その大会とやらが、結構人気があるらしいんだよ。

<スポンサー>もついてるわ、優勝すりゃ<賞金>も出るわ、大会参加者に<ご馳走>もついてるわでな……

(シャルさんの好きな単語ばかり……!?)

わたくしの準備はいつでもできています。参りましょう。

変わり身早いわね!

スポンサー、ご馳走、賞金って……行くしかないじゃん!

ダメだわ!ダメなやつがぶり返してきてるわ!

じゃあ決まりだな!当然、オメーらも来るだろ?

来てもいいけど、参加しないでよ。ライバル増えたらメンドーだかんね。




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story2 傭兵の少女


wな、なんだよ。聞いてないぞ、こんなの……<氷闇の牙>が、いるなんて――!

???

教えてないから。

wち、ちくしょう。


???

無駄話をするな。逃げられる前に行くぞ。

ん、わかった。

お前は右からだ。俺は左から行く。

……大丈夫。まかせて。

怯えるなヨナ。お前なら大丈夫だ。

兄さん、誰がいつ怯えた?

俺の後を追う必要はないんだぞ、ヨナ。

傭兵なんて、いつやめてもいい。

逃げちゃうんじゃない?無駄話する暇、ないんでしょ。

……ああ、そうだな。

心配しないで。――私は、ひとりでやれるから。


 ***


w我が名は戦斧ガルザス!戦士なら名乗り上げろ!!

……ライネル傭兵団、<黒獅子>のレイガ。

w<黒獅子>!!光栄だ!貴殿が相手とは!

お前の指揮官は賊だ。そこまでの忠義立て、する必要があるか?

w強い者と戦ってこそ、だ。生憎、物事の正否に興味はなくてな。

ならば口出しはしない。ここで、散れ。


 ***


はぁ、私が当たりか。

一応確認するけど……あなたが、切り込み隊長ドミニオ?

w俺以外に、この場にいるか?

あなたが盗んだものを返しなさい。宝水<神泉の雫>。

それを奪われた人は、奥さんを助けようとしているの。

wなら高値で売っておいてやるさ。

はぁ。どうして傭兵にはクズが多いんだろ。

w……なに?

言っておくが、俺はガルサスの五倍は強い。謝るなら、今のうちだぞ。

あ、そう。大したことないじゃん。

wなんだと――

お、お前……!<氷闇の牙>、だったのか……

狂った戦いの民……とっくに滅びたはずじゃ……聞いてねえぞ!

切り込み隊長ドミニオ。凍てつく闇に、散りなさい。


…………

……


よくやったじゃねえか!つまらねえ仕事だったろ!

すべきことを、しただけだから。

へっ、つまんねえ奴だなあ……で、レイガはどこ行った?

依頼主に報告してる。私はあなたに報告。いつも通りでしょ。

ライネル傭兵団も落ちたもんだな。人助けばっかで、傭兵稼業は開店休業だ。

<神泉の雫>だったか? 宝水だがなんだか知らねーが、俺達が奪っちまえばよかったなぁ、おい。

……本気で言ってるの?

なんだ?文句あるのか!?ぁあ!?

……っ!べつに、文句なんて、ない。

チッ!誰がてめえみてーなガキを拾ってやったと思ってんだ?

…………

まあいい。それよりヨナ。しばらくの間、休んでいいぞ。

……どういう風の吹き回し?

なーに、島でやってる興行をよ、ちょいと派手に、やってやろうと思ってな。

コロッセオでやってるゲームのこと?

そうだ。だからよ、お前にかまってやる暇がねえから、しばらく休んどけ。

兄さんがいる。仕事は続けるよ。

レイガか? いや、奴もゲームに参加する。

嘘だ。兄さんがお前のゲームなんかに出るはずない。

ライネル様、だろ?出るさ。あいつは俺の息子なんだぜ。

信じない。そんな……そんなはずない!

なんだあ?お前、俺様に口答えするつもりじゃ、ねえよなあ?

……っ!

がははは!そうだヨナ!お前は俺様の言うこと、聞いてりゃいいんだよ!



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story3



嘘だ!兄さんがあんなゲームに出るはずない!

何かの間違いに、決まってる……!

いた。兄さ――

(誰かと、話してる……?)


にしてもおめえよ、よくやる気になったな。

……やる気になったわけじゃない。

そうかそうか。けどよ、嫌いじゃないぜ。その割り切り。

見た目通り冷徹なんだなあ!!わははははは!!

 (あいつは誰?)

おっと怒るなよ。褒め言葉なんだからよ。

うまくやりゃあ、俺もハッピー。お前もハッピー。

約束は守れ。それだけだ。

いいぜ!おめえが手に入るなら、ライネルなんざ用無しだ。

……じゃあ、やるぜ?後悔するなよ?

いいだろう。――やれ。

……ぐっ!

 (……兄さん!)

わはは!やっぱすげえなおめえ!声も出さねえなんて、普通は狂って死ぬんだぜ?

……だから俺に声をかけたんだろう?

まあな!じゃ俺との約束、ちゃんと果たせよな!

ああ。ライネルは、俺が消す。ああ。ライネルは、俺が消す。

 (……そんな。)

そうこなくっちゃな!つかおめえ、自分のとーちゃんぶっ殺すとか、やベーな!わはははは!!

失せろ。お前をこの場で消してもいいんだぞ?

そりゃおっかねえな!……楽しみにしてっぞ、レイガ。



……ヨナ。いるんだろ、出てこい。

……今の、どういうこと?兄さん、今あいつに何されたの!?なんか揉め事?手伝おうか?

お前には関係ない。

兄さんらしくない。私たち、兄妹でしょ。だからさ――

黙れ。

俺はお前の兄じゃない。お前はライネル傭兵団に拾われた、ただの孤児だ。

聞いていたなら、理解したはずだ。

俺は、ライネルを殺す。

どうして、そんな……ダメだよ、兄さん。そんなの、間違ってる……

ずっと虐げられてきただろう。あいつに殴られ続けて、条件反射のように怯えるお前にとって――

ライネルは消えてほしい存在だろ?

……変だよ、兄さん。いつもの兄さんじゃないよ。

なんでもいい。だがーつだけ言っておく。俺の邪魔をするな。

……っ!

そうだ。息を殺し、じっと黙っていろ。

私は……臆病者じゃ……!

だったら、俺を止めてみろ。お前に、できるならな。


 ***


よう、どうでえ!参加者の入り具合は!

ギーガーさん!今回も出資頂き、ありがとうございます!

おかげ様で今回のゲームも、大盛り上がりですよ!

さきほどもふたり、屈強な冒険家がエントリーに来ましたよ。

へえ、強えのか?ちょっとツラを拝ませろよ。

はい。まずはあそこにいる奴ですが……

アレン・ルロワ。

まだルーキーですけどね、武者修行とか言って、戦場で暴れまわってるんですよ。

こいつは期待できますよ。ってあれ?いなくなっちまった……

後ろだ。

人をジロジロと見るものじゃない。たとえ主催者でもな。

ご覧の通り、こいつの武器はスピードです。

おい、そろそろ剣をしまえや。

――ふん、少しは使えるか。

……ああ、悪くねえじゃんか。

貴様も参加するんだろう。手加減はしない。覚悟しておけ。

――で、あいつは、誰だよ?

あいつは、飛び入りで参加してきた奴です。名前は、たしか……エディ。

オレのほう見てたみたいだけど、なんか用かい?

おめえ、その目……

気づいちまったか……

あんた、ルクサントに伝わる<光焔の御子>の伝承は、知ってるかい?

知ってるぜ。それじゃあおめえは――

じゃあな。楽しみにしてるぜ。


がははは!こりゃ、今回のゲーム、期待できちゃいますね。

……ああ。ワクワクすんなあ!

できる奴はみんな、こっちに堕としてやんねえとな。




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