【白猫】Original Horizon Story3
目次
登場人物
story
……ハァ……ハァ……
……ハァ……ハァ…………くそっ……!
……勝った……俺が……!
…………
……じゃあな、クロカ。あとのことは、頼んだぞ。
…………
……さあ……<鍵>とやらは、どこだ?
正しく創り直してやるよ!こうなったら、俺の命は、もう!
……あれ……?何も……?
…………
……ダメだなお前は。
――えっ?
はぁああああああっ!!!
うおおおおおおおおっ……!!?
クロカ!?なにやってんだよ!?
ソウルがクロカに!?これだと……!!
希望の火種を消す者……!貴様だったとは、クロカ!
シロー!クロカは<鍵>を無理やり奪う気だ!
はあ?俺勝ちましたよ!?
そうだ!だが!<選択の場>は、クロカの方を認めてしまったのだ!
そしてクロカも……!己の意思で、力を!
<鍵>を、もぎ取ろうとしている!
やめろって、クロカ!俺がやっから!
任せておけねえよっ……!
死ぬんだぞ!?
それも……御免だっ……!
おい!?
生っちょろいんだよっ!どいつもこいつも!
自然の掟はシンプルだ!勝者は生き延びる!敗者は――
――喰われちまうんだよぉおっ!!
何言ってんだよお前!?正気に戻れよ!?
……心配すんな……!……ちゃんと創り直してやるよ……
わかりいい世界になぁ!?
クロカあああああああっ!!!?
――<再誕>しろやぁああ!!!
クロカ、クロカぁあっ……!!!
いかん、一旦退くぞ!
アピス、イズネ!私にソウルを!転移する!
おう!
はあっ!
……クロカっ……!……ずりぃよ、お前っ……!
【シロー・メナス】 |
story2 様
…………
こちらにおられたのですね。シロー様。
…………
皆、待っております。
すぐに行く。
は。
…………
<あれから――と言うほど時が流れたわけじゃあない。
俺たちはあの時――
――<再誕>の力に巻き込まれる寸前、ル=グインの術で転移した。
転移先はリシュール島。……ドミティア島の中にいたままだったら、今頃。
俺たちも、創り直されていたのかもしれない。
アテル・ラナは今――クロカただ一人の物になっている。
そこにいた冒険家たちを含めて、誰もが、クロカのことを絶対的トップと崇めているそうだ。
……<再誕>の力と言うわりに、影響範囲は、島の中だけでおさまったし――
創り直した歴史も浅い。ル=グインが言うには、あのときの<再誕>は、不完全に終わったらしい。
クロカの周囲に、<陣営>を整えるだけで、力は収束した。
……それが、世直しの第一段階、ってことみたいだ。
……クロカは、最後の方。明らかに様子がおかしかったと思う。
アテル・ラナの私物化なんて、そんなこと、あいつは本来絶対やらない。
……力に……飲み込まれたのかもしれない。
昔からそういうきらいはあった。クロカは、どっちかっていうと本能寄りの性格だから。
<力>=<正義>、という考えが、どこかにあった気はする。
情報によれば……クロカは、本格的に始めるつもりらしい。
アテル・ラナを率いて、この世界から、不要な部分を取り除いていく作業を。
魔物を討つだけならいい。クロカはそれにとどまらず、社会にもメスを入れる気だという。
人間は、単純じゃない。弱者ゆえに、悪に染まることだってある。
弱者を振り落とすような世界を、俺は、正しいとは思わない。
クロカの暴走を止めなければ。
……その目的のために。
リシュール島はーつの勢力となった。
――この俺をトップとして――>
story3 長として
シロー様。既に準備は整っております。
…………
僕の<種>たちもいまかいまかと出陣を待ってますよ。
ご命令を。シロー様。
サニオ。
認めたわけではない。今後、一兵でも増やせば、即座に処断する。
また、術を解く方法も必ず編み出せ。さもなくば――
わかっておりますとも。でもその前に――
――戦力が必要でしょ?アテル・ラナとやりあうために?
そうだ。
それはい~んですね?
…………
やめろ。その議論を今この場でやる意味があるか?
いえ……失礼いたしました。
不満があるわけではないんです。僕は、誰かの片腕になるのが夢だった。
僕より有能な人物が見当たらなかったから、仕方なく自分を自分の上長に設定していたけれど……
…………
シロー様。あなたのご命令に従います。
戦争後のことも、万事、仰せの通りに。
あれらを解体せよと言うなら勿論。研究も約束しましょう。
…………
<鍵>を手にすれば、完全な<再誕>によりクロカの蛮行も塗り替えられる。
そうだったな?ル=グイン?
は。あの場で発現した<再誕>は半分にも満たなかったかと。
新たな予言ももたらされています。
なんだ?
『予言の子が仲間とともにもうー人の道を正したとき、希望の火は再び灯される』と。
…………
さすがル=グイン様。朗報ですね。
…………
……我らの目的は――
――<再誕>の<鍵>をこちらへ取り戻すこと。そのためには。
アテル・ラナの現統領、クロカ・マニトを――
――討たなければならない。
また、奴の周囲は厚い防備で覆われている。レディ・キラーの連中と――
アテル・ラナの構成員だ。
これらを確実にー枚ずつ剥ぎ取っていき、クロカを狙う。
そのためには……<種>も戦力とする。……歴の長い者から前線へ。
は。
全てを肯定するわけではないが……
……不安を不安と認めること。それも大事なことだ。
不安があることで、人は慎重さと謙虚さを得て、他人を思いやれるのだから……
クロカにもそれがあれば。こうはならなかったかもしれない。
……シロー様。
話が逸れた。先手は我々が打つ。
時をかければかけるほど、相手は援軍を呼ぶだろう。
そうなる前に――ー気に勝負をかける。
陽動は<種>たちでよいとして。玉座を狙う本命は?
……イズネ、アピス、俺の三人だ。
それは甘く見すぎでは?
だからこそ、陽動が重要だ。
クロカはハナが効く。本命を重くすれば、即座に守りを固めるだろう。
まあ、相手のことはシロー様がー番良く知っている、異存はありませんよ。
もうー度言う。先手は我々が打つ。
――進発せよ!
story4 皮肉と釘
<シローが命令した通り、<種>たちは次々と飛行艇でドミティア島ヘ――>
…………
(……クロカは間違っている。
世界を整えるなんて、強者の勝手な理屈だ。
魔物を退治してまわるだけの、善良な自警団ではいられない。
すぐに目にすることになる。それを利用し、私腹を肥やそうとする悪党を。
そして弱い人々が苦しむ。
『攻める』アクションには必ずデメリットがある。
愚直に『守る』べきなんた。弱者のことは。
犠牲を認めるのは簡単だ。その上で積極策を取るなんて馬鹿でもできる。
でも、世界はそんなにシンプルじゃないんだ……)
…………
……そっか…………同じなのかもしれない……
多少の犠牲を、認めちゃってるとこは……
運命は選べません。
犠牲になる者は必ず存在する。なら――
――運ですよ。極論。
…………
……だが、それを増やさないようにはできるはずだ。
それは高慢かもしれませんね。
…………
『知ってあげること』くらいしか、できないのかもしれません。
覚えておいてあげるくらいしか、僕が同じ立場だったなら――
『わかる』とか『可哀そう』とか、同情は別にいらない。どうしてくれとも思わない。
ただ、いたってことを『知ってて』くれるだけでいい。
…………
サニオ。お前のことを、許したわけではない。
……あのアンドロイドのことはすまなかったと思っています。
っ……!
短気はやめてください。シロー様には<再誕>の可能性がある。
それが最善の方法です。
……地下への道は?
全て埋めました。
なぜ?
元々<種>を育てる場所として使っていたんです。
もう増やさないなら、必要はないでしょう?
…………
僕の言葉遣いは、多少、勘弁してください。
強いんです口喧嘩。生まれつき。アンド、経験による錬磨で。
……ふん……
出発前の大将を、独占するわけにはいきませんので。
では。
…………
story5 石を食べてもいいですか
すまんがそこの若いの。足元の石を拾ってくれんか?
……石?ほら。
助かったわい。お礼にその石を持ってってよいぞ。
ならなぜ拾わせた……
ほっほっほっほ……
……<種>ではないな?
なんじゃそれは?
いや、いいんだ。
わしはただの食糧係じゃよ。
ただ食い物を運ぶだけ……それがわしの仕事じゃ。
まあ、そんなこと、どうでもいいことじゃな。
いえ……大切なことです。
そうかのう。
補給が徐絶えれば、すぐに誰も戦えなくなってしまいますから。
そうかのう。
いや、そうでしょう。
じゃが、魔物にはあんまりエサもいらんぞい。
…………
妙な気分じゃよ。敵じゃからな、本来。ペットでもあるまいし。
……動物を戦に使用した例は、太古の昔からありますよ。
そんなこと言われてものう。
ですよね……俺も、なんかおかしいとは思います。
なんかどころじゃないぞい。わしの立場からすると。
常に疑問じゃわい。わしのしとること。
わしの人生。
深いですね……
わしの将来はどうなってしまうのか。
子供だけのモンではないんじゃからのう。未来は。
長い短いで比べられると、不公平じゃなあと思うわい。
たしかに、そうですね。
…………
この石、食べてもいいですか?
は?
食糧係なんですよね?
そうは言うたがな。それは石じゃ。
わしが触れた物は全て食い物になる、とかではないぞい。
少し引くわ。
……達者ですね……
いや、引いたから思わず、多弁になっただけじゃい。
story6 その返しは
……まだ出立していなかったのですね。
早く出ていけ、と言いたそうだな?
滅相もない。
返しが即座すぎる。不審に思われていることに自覚がなければそうはならない。
……はて……?
覚えておけ。作戦が成功した後は、お前だ。
予言とはいったい何なのか……何のためにアテル・ラナにいたのか。
何をどこまで知っているのか。全てを聞かせてもらう。
今度こそ本当に全てだ。
構いませんとも。
返しが即座すぎる。逃げるつもりか。
まさか。
不可能だと言っておこう。俺には追跡する術がある。
戻り次第、お前を拘束する。
…………
……なんなりと。やれやれ、ー度失った信頼は容易には取り戻せませんな。
最初からしていない。
皮肉を言って、どうなると?
気が紛れる。
統領とは、そういうものではいけませんぞ。
己の感情など二の次。相手の気分を良くさせてやり、口を滑らせるのを待つことです。
さすればヒントも増えるでしょう。
…………
……仕方ありませんね。先代として、一つサービスを。
…………
私を疑うことは無意味です。
全てはシロー様の選択次第。目的がー致しているうちは、絶対の忠誠を誓い続けますよ。
お前の目的とはなんだ?
よい国を創る手助けをすることです。
…………
煙に巻くようなことばかり……未来樹といったか、お前の本体は。
未来樹リラピスウルスノです。
闇にでも侵されてるんじゃないか。戻ったら、在処を突き止めてやる。
……
……ご武運を。シロー様……
story7 一寸先は
――ドミティア島。自分が育った島に攻め込む。
気分は悪い。考える時間に余裕があれば、こんな方法決して取らないだろう。
先行して<師>たちは上陸している手筈だ。
既に島のあちこちでは、戦闘が繰り広げられているだろう。
……これで正しかったのか……?
はじまっちゃってるみたいねぇ……
いや~、長らく守護神的なキャラをやってたこの俺が、この島へ攻め込むなんて……
人生何があるか、わっかんないもんだね~……
そういえば師匠はどうして俺についてくれたんですか?
ん?
クロカの方に行くこともできたはずじゃ?
……どうしてだろうねぇ……ぶっちゃけ、こっちにも色々疑問はあるっつーか。
ル=グインにしろサニオにしろ、普通に考えたら怪しさMAXなんだけどさ。
でも、クロカとシローだけで考えたとき……
お前の方が、正しいんじゃないかって思ったし。
……ありがとうございます。
それに、こっちの方が、色んなことを探れるかなって。のちのちの話だけど。
だから、先に止めなきゃいけないのは――クロカだな、って。
…………
もうなあ……後悔すんのもアレだからさぁ……
師匠として……弟子が間違ってたら、バチコーンって目を覚まさせてやんなきゃなぁ、って……思ってさ。
……師匠……
まあでも、ぶっちゃけまだ揺れてっから。俺の気持ちも。
失望させんなよ、シロー?
師匠のためにやるわけじゃないっスけど。
そーゆーとこはそーのママなのなー!
シロー様。陽動は成功です。
私たちは予定通り、戦闘をなるべく回避しながらクロカの本陣を目指しましょう。
そうか。
偵察ご苦労。……イズネ。
……イズネ……さん?
?
イズネ先輩?あ、イズ姉さん?
……は?
いえ……なんか流れで、俺がこちらの総大将になっちゃって……
雰囲気的に、偉そうな口調をしてみたんスけど。
本来は、イズネさんの方が年上だし、兄弟子……姉弟子だし。
……そんなこと気にせず、リーダーらしく話してください。
それはそうなんですけど、本来どうだったのかもー応確詔しておきたく。
……どうして?
……どうして?
むむむむむ……?
おいおい……二人してそんなかんじになっちゃうと……
アレ!?魔物だ!?
なんでなんで?どーしてこの島に!?
誰かが呼び寄せた!?
あるいは、戦闘で生じたソウルによって土着の魔物が活性化した?
どちゃくのまものっスか。
どこからだって発生しますよ、魔物って、本来。
へえ、そうだったんだ……
意外と知らない事実だよね。
そんなことより、我々が迅速に進まなければ陽動が無駄になります!
そうだな。……すぅ~……!
シロー、それは……!
へへ、いいだろ師匠?こんな事態なんだからさ。
でもソレとっておきだよ~?
ちょっとは慣らしておかないと――
本番で困るだろ!
story8 盛りに盛って
……ふぅ~……!
……今のは……?
師匠直伝、<霧霊降ろし・一魂スピリットブレイク>です。
相変わらず盛りに盛ってんね~。
モリ好きですから。
……はあ……
……精霊降ろし?
細部は全然違うけどね。シローなりにアレンジしたオリジナル技ってトコ?
周囲のソウルと、あと……
……センセイのソウルを吸収しませんでした?
イヤーンバレた?
あと、私のソウルも、あわよくば借りようとしませんでしたか?
すまん。ちょっとしてみた。
この技、人間には基本使えなくて。ざっくり言うと、不思議種族なら力を賃してもらえるんだけど。
ほんとにざっくりですね。せめて精霊とか妖精とか……
イズネ先輩にも効きそうかも?なんかちょっと不思議だし?と思って、ちょろっと試してしまいました。すみません。
……まぁ……
私が曖昧な存在であることは、否定しません……
…………
そんな重い話じゃなくてですね。
へ!?
今度は、イズネ先輩の方でも、肯定的に協力してもらえますか?
三人の力を合わせられれば、戦術の幅も広がると思うんで。
…………
……わかりました。
あ、いや、アレですよ。イズネ先輩の境遇は、すごく大変だなって思ってます。本当に。
ただ、今はその話じゃなかっただけなので、気を悪くしないでくださいね。
……悪くなんかしませんよ。
よかったっス。じゃあ、行きましょ――ゴホン!
――任務を再開する。アピス、イズネ、行くぞ!
……
……ずっと真面目な方でいてくれればいいのに。
シローはああいう奴さ……頭が良くて、優しくて……
でもホントはずっとふざけてたい奴なんだ。
こんな状況でも?
そういう常識にもとらわれない奴なんだよなあ。
メリハリが利きすぎてるっつうか、公私がきっぱり分かれてるつうかやること決まったら感情は別の話っつうか。
……今の子って、みんなああなんですか?
それは知らないよ。全てのイマノコと話したことはないもの。
……まあ、いいです。メリットもあるようですし。
メリット?
センセイ、少し、柔らかくなってますよ。
おお。
まあでも、緩みすぎても良くはないので、塩梅ですね。
story9 第一の刺客
……!?この蝶はっ……!
……いや、違う!
一回見たっけ、こんなの。今度は――どんな相手だ!?
っ!?
はぁっ!!!
あんたは、たしかっ……!
ルーグだ。仕留めるつもりだったが。
そう簡単にはいかないか。リンプイ!
燐法!胡蝶乱咲の術!
くうっ!?
くらましっ……!?
だが、これでは……
俺も見えないと?それは甘い。
――はあああああっ!!!
!!
がはっ……!
うくぅっ!
アピス、イズネ!
終わりだ。
< >
ほう……
心の目、的な?いいや――
――ただのカンだよ!
ぐっ……!
やるな。俺も同じだ。心眼など、カンと大差はない。
あんたたちは……
甘~い話に誘われて!昆虫忍者、リンプイ見参!
……甘い話?
気にするな。俺たちはアテル・ラナに賛同している。
俺たちの手で、クロカの理想の世界を実現させる。
っ……!クロカは間違っている!
戦場で語るつもりはない。俺たちは彼女を信じた。
お前は立ちふさがる道を選んだ。ならば衝突する。
――それだけだっ!!
< >
今倒した二人、軽かったろ?
ただ気絶したわけじゃないぜ。寸前に、俺に――
力を賃してくれたっ!
なるほどっ……!いいチームワークだ……!
チームワークなら負けないの!燐法・蝶々結びの術!
――俺の両腕は呪われている――
<禁呪>よ!俺の命を代價に!
力を寄こせっ!
クロカのために、どうしてそこまでっ!?
誰であろうと、力を賃すと誓った以上……――手は抜かん!
ぷんぷん……!容赦はできないの……!
あなたたちは仕方のない犠牲なの!
っ……
やるの!
ウォォォォォォォォォ――!!
story10 犠牲の許容
……負ける。
諦めたか!?なら、手を引け!
諦めたわけではない。俺は事実を言っただけだ。
無駄な抵抗はやめろ!
まだ手はある。リンプイ!!
覚悟はしてるの!
まさか……よせっ!
はなせっ!なぜそこまでして!?
犠牲を恐れていては世界は正しくならない。
それだけだ。リンプイ!
最終燐法……羽浮羅衣重不壊奇扉の術!
…………
……
やっぱ、思った通りじゃんか。
犠牲を許容すれば、そりゃ、大胆な手も取れるって。
だけどそれ……洗脳じゃね?
正義の味方のやることじゃ…………なくね?
……正義の味方……
……まあ、俺は俺で…………そんなカンジじゃないけども……
サニオもル=グインもあやしさMAXだし……
お前らからしたら、俺の方が悪に見えてんだろうなぁ。
……なんか……
割と虚しい。
<――……様!>
よかった、目が覚めて。どこか痛むところはありませんか?
いや……平気っス……
ソウルが自己治癒能力を高めてくれたようだな。
……そうだ、あの二人は?
…………
そうか……俺は寸前で、引きはがして……
手強い相手でした。
……元は、同じ作戦に参加していた冒険家だ。
ああ。レディ・キラーの関係者は他にもたくさんいる。
一人一人が熟練の冒険家だ。時間をかければ続々と戻ってくる。その前に――
……そっスね。なるべく、犠牲は出したくないスから……
クロカじゃあるまいし……
…………
私もこの島が故郷。思うことはあります。
ですが今は、一刻も早く、クロカを討ち取り、シロー様の手に<再誕>の鍵を取り戻さなくてはなりません。
感傷はそのあとに。
……そうだな……
こんなやり方、間違ってる。俺が修正してやらないと。
どんなに道のりが、キツくても……